霜月になってなお、夏日が続く今年の秋。立冬を境にようやく秋らしい
陽気となってきました。
秋と言えば、上田敏の詩集『海潮音』のなかで「落葉」として紹介された
「秋の日の ヴィオロンの ためいきの…」の訳で知られているフランスの
詩人ポール・ヴェルレーヌの詩が思い出されます。
この詞の本来の題は「秋の歌」ですが…、第二次世界大戦時にはノルマンディー
上陸作戦の際、フランスのレジスタンスに送る暗号としてこの詩の冒頭が
使用されたことでも有名です。
「黄昏色の秋・・・」
昨年も、このブログで紹介させて頂きましたが、深まり行く秋にちなんで
かつて、《「黄昏色の秋」によせて》との詞を紡いだことがありました。
それは、コロナ禍により、諸々のイベントが中止となる、かなりの前に
ルシア塩満さんによる「アルパコンサート」が横須賀の、さるカトリック
教会で開催されました。
本場パラグアイで修行された、ルシア塩満さんは多方面から 日本随一の
アルパ奏者として認められている方です。そのたおやかさなの中にある
力強い演奏には常に圧倒されるものがありました。なお、アルパは
インデアンハープともよばれる南米の民族楽器です。
その、ルシア塩満さんご自身が作曲された曲が「黄昏色の秋」でした。
その曲の成り立ちについてルシア塩満さんが心をこめて語ってくれましたが、
その語りと演奏を聴き、とっさに浮かんだイメージをメモしたのが、今回の
「黄昏色の秋によせて」の詩でした。書きなぐりの詩であり、作曲には
適さないものでしたが、Yokiさんのアドバイスを頂きながらなんとか
「歌詞」としてまとめてみました。
今回もYokiさん作曲、じいじさん演奏による曲を紹介させて頂きますので、
ご視聴頂けたら嬉しいです。なお、「ショー・ジロー」は作詞の際に、私の
ペンネームとしています。
「黄昏色の秋」によせて
作詞 *ショー・ジロー
作曲&歌 *yokiさん
ギター伴奏 *じいじさん
1. 茜に染まる秋の黄昏
季節のたそがれに
私はひとり あなたを思う
過ぎ去った日が あまりに眩いから
明日を思い煩うこともなく
今日の日を静かに生きることで
私は幸せ
その想いのみいだき続けて・・・
2. 黄昏色の光の底で
アルパの音(ね)を聴いて
私はひとり 人の秋を思う
老いるには いまだ生々しさも
捨てきれず かかえているわ
あなたが今でも好きだから
私は幸せ
その想いのみいだき続けて・・・
3. 黄昏のわたしの影は
つらい哀しさも
ただ…黙って 見つめてくれた
あなたを愛し それゆえ別れた
あの思い出は今もほろ苦い
そんな別れがないならば
こんなにも深く
あなたへの愛 感じたでしょうか
了