宴

かつて、現役の時代から所属を越えて気の合う同僚、後輩たちと年３～４の頻度で
宴を催してきました。
技術や職場状況の情報交換をしながら、美味しいものをいただこうとの趣旨から都内の
レストラン等で持ち回り幹事制で催してきました。その３９回目の宴を先週末の
金曜日、スカイツリー駅前のソラマチ３０Fのレストランで持ちました。

リタイヤ後、勤務地を地元の横須賀に移してからは、なかなか品川、お台場、汐留等
かつての勤務エリアに足を延ばす機会が減っていますので、久しぶりのソラマチは
ちょっぴりワクワクするものがありました。

　スカイツリーを窓外に見、隅田川、本所吾妻橋、浅草等のまばゆく輝く夜景を、
見ながらの宴は、格別なものがありました。また、気の置けないメンバーとの語らいや、
美味しい肴、さらにビールの爽やかなのどごしに久しぶりに至福と感じられるひと時を
過ごすことが出来ました。

　ソラマチのレストランは週末とのこともあり、かなりの賑わいをみせていましたが、
かつての開店間際の凄まじいばかりの喧噪は収まり、成熟した都市の持つ落ち着いた
雰囲気を醸し出していました。

「月下美人」

一昨日の夜半、拙宅の「月下美人」は例年よりも二か月近く早く開花しました。
この花によく似た、クジャクサボテンも5月20日頃に咲きましたので、こちらも
二か月近く早く咲いたことになります。
思えば、桜に始まって梅雨までも早めになり、季節の転変の速さに今更ながらに
脅かされます。

「月下美人」は 、夜半から咲き始め、朝方にはしぼむ文字通りの一夜花ですが、
艶やかな純白の花と、黄金めしべのコントラストも見事な花でもあります。
また、甘やかで、雅びな香りを漂わす気品に満ちた花でもあります。

一夜で萎む花ゆえの矜持か、侵しがたい気高さをまとった花。その花に魅せられ、
深夜に200枚近い写真をいつしか撮っていました。いずれも光が足りず焦点の甘い
写真になってしまいましたが、習作としてご容赦頂ければと思います。

なお、「月下美人」に寄せて5首程詠ってみましたが…。

　☆　花しべに月のかけらも滲むがに
　　　　　　　　　　　　夜の名残か月下美人咲く
　☆　楚々と咲き香りもゆかし月下美人
　　　　　　　　　　　　一夜の花の憂い秘めもつ
　☆　闇を貫い甘く香るや月下美人
　　　　　　　　　　　　一夜の花の矜持秘めもつ
　☆　星霜の酷薄刻むや月下美人
　　　　　　　　　　　　月無き闇に光放てり
　☆　艶やかな香りも雅び月下美人
　　　　　　　　　　　　闇を圧する白き大輪