四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

三度目の「月下美人」

2024年09月23日 10時07分32秒 | 四季の花

 我が家の「月下美人」が、今年三度目昨日、秋分の日の夕刻二つの鉢で、
計五輪開花しました。今年は炎暑が続きベランダの過酷な状況に絶えて蕾を育て
開花した月下美人に拍手を送りたい想いです。

     「三度目に咲いた 月下美人」

 折からの暑さゆえでしょうか、いつもの花に比べると幾分小さめとの印象でした。
20時過ぎに蕾が開きはじめ、21時過ぎに雅な香りを漂わせ7分ほどの開花となり
23時過ぎに満開の状態となりました。

 一鉢は、前にも触れましたが株分けしたもので、ここに二輪咲き、葉は勢いが
あるものの花の大きさは心持小さめでした。古い株の鉢には三輪咲きましたが、
いずれもほぼ同時刻に満開となりました。

 かつて、この月下美人の儚げな、しかし凛とした花のたたずまいを「詞」に
紡いでみました。この詞をもとに一昨年、ブログ友のYokiさんに素敵な
オリジナル曲を作曲して頂き、Yokiさんのユーチューブで公開して頂きました。
このブログでも紹介させて頂きましたが、じいじいさんにギター演奏をして
頂いた新しいバージョンをユーチューブに公開して頂きましたので、前回に
続いて、三度目の月下美人の開花に伴い、ここに掲載させて頂きます。
視聴して頂ければ嬉しいです。

「月下美人の香り」 
     作詞    :ショー・ジロー
     作曲&歌  :yokiさん
     ギター伴奏 :じいじいさん

 画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。

 1.
   宵闇に ひらきはじめた   月下美人  
   甘い香りを漂わせ   一夜限りの命としらず  
   闇にのびゆく花びらは   炎のように揺れている   
   憂いもつ君に君に似て   その刹那に命を燃やす

  2.
   花びらの 白さ際立つ   月下美人  
   雅な香り漂わせ   一夜限りの夢に酔う  
   闇を切り裂く花びらは   炎のように燃えている   
   儚さは君に君に似て   その刹那に命を燃やす

  3.
   花びらが 耀き放つ   月下美人  
   深い香りを漂わせ   一夜限りのものがたり
   闇を照らせる花びらは   炎のように 凛として   
   気高さは君に君に似て   その刹那に命を燃やす

 ***********************************
  月下美人の花言葉は「艶やかな美人」「はかない恋」だそうです。
  なお、拙い詞ですが、著作権は放棄していません。
  無断転載等はご遠慮願います。転載いただけるのであれば、あらかじめ
  当方へ連絡を頂き「ポエット・M」の作者名を明記して頂ければ
  嬉しいです。
 ***********************************

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二度目の「月下美人」

2024年08月04日 12時00分53秒 | 四季の花

 今年二度目の月下美人が、一昨日一輪開花しました。
これは株分けした鉢から咲いたものですが、この鉢も、細君が
大胆に剪定しましたので、今年の開花は無理かと思っていました。
しかし、一輪のみ蕾を付けしっかりと咲いてくれました。

 今回は先月、月下美人の写真を掲載したばかりですので、一昨日咲いた
二枚のみの掲載に留めたいと思います。
ただ、写真は19時頃から24時頃まで100枚以上撮影いたしましたが、
艶やかな中にも寂しさをまとう花の姿には、未だ迫れませんでした。

一輪のみでしたが、月下美人特有の甘やかな香りを感じながら、
雅な花が萎む寸前まで見届けられたことを喜びたいと思います。

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「宗旦むくげ」に寄せて

2024年07月21日 11時27分56秒 | 四季の花

 鎌倉、大倉山の片すみに槿の群生があり、その花がちょうど開花の時期を
迎えています。純白の花びらに底紅をもつ宗旦槿と呼ばれるその花は華やかな
花姿に似ぬ、妙なる寂しさをまとっています。それは「朝開暮落」の花名が
示すとおり、朝に花開き夕べに散る「ひと日花」の宿命を理解する、私ゆえの
哀しみでしょうか。

     「咲き初める 宗旦むくげ」

 夏の夕べ、ひと日という短い生涯を全うし散っていく花の風姿。
「槿花一朝の夢」を語るにふさわしい、儚さと気品に満ちています。
短く儚いゆえに、生の限りを懸命に燃やした若者達の真摯な思い。
その思いは争乱に明け暮れた源平の昔より、どんな時代の闇の中でも、
それぞれに光彩を放ちながら時代の青春を貫いてきました。それは、
祖国に留まり理不尽なロシアの侵略に対して、闘いを挑むウクライナの
青年たちの想いに重なります。

 大倉山から眺める鎌倉の街並みは、炎暑の余韻を留めながら、夏の
夕映えの中で淡いセピア色に染まっています。
七里ガ浜からの潮騒も聞こえてきそうな静寂の中で、むくげの花は今、
まさにその花弁を閉じようとしています。
 一日と言う短くも、かくも典雅さに溢れた花の一世。夏の夕映えの
中で静かにその花弁を閉じるむくげの花は、風雅さを押し包むように
萎んでいきます。

     「宗旦むくげ」

 朝に開き、夕べに散る槿花の紡いだ夢は、儚さそのものかもしれません。
しかし、それは遠い戦乱の世も含めて、今、ウクライナで、そしてガザで死と
隣り合わせの生を懸命に、健気に生きる人々の燃焼の証でもあり、一瞬を
永遠に重ねることを悟った、凛とした気品と志の証でもあると思っています。

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紫陽花の詩

2024年06月02日 12時37分43秒 | 四季の花

   ゆるぎなく未来をみつめ
  しゃんと笑顔さえみせる
  しんの強い乙女のようで
  その花が好きだ
  小さな小さな花が
  たくさん肩をよせあい
  一生懸命咲くから・・・
     比留川美津子詩集「紫陽花」より

 遠い青春の日、紫陽花に寄せた友の詩を東京九段会館の
朗読会で聴いた記憶が蘇ります。
自らの誕生のドラマを、その父の戦死の報の中で演じなければ
ならなかった友。
私達の上の世代の、少なからぬ人々を襲ったであろう悲惨な
ドラマの一つでもありましたが・・・。「戦争さえなかったら」の
母の言葉を子守唄のように聞きながら育った友の、紫陽花に
寄せた思いを改めて思い返しています。

ガザで、さらにウクライナで依然として続く戦闘と惨状の中で、
死と隣り合わせの日々を強いられる人々。その存在を私たちは
決して忘れてはならないと思っています。そして、一日も早い
戦禍の終決に向けて「小さな声」でも上げ続けること。この
大切さを心に刻んでいきたいと思います。

 雨に打たれて萎れていく春の花々の中で、その雨をまとい
冴え冴えと咲く紫陽花。それは梅雨に閉ざされた人々の心に射す
一筋の光明にも似た輝きを放っています。

この「紫陽花の詩」は、かつて、このブログでも少し触れさせて
頂きましたが、この季節になると必ず思い出されます。
その紫陽花が、そこかしこに咲き初めていますが、そなん花の
幾つかをデジイチ・スケッチさせて頂きましたので掲載致します。

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大雪にもめげずに

2014年02月18日 20時13分34秒 | 四季の花
半世紀ぶりとも言われる関東の大雪。
ここ横須賀でも久しぶりに10cmを越える積雪となりました。

いまだなお、雪に閉じ込められている多くの方がおりますが
雪溶けを待ち周辺の公園等にデジイチスケッチに行って参りました。

二度の大雪にもめげずに咲く「熱海寒桜」には感動を越えて
植物の持つ摂理の偉大さを感じた次第です。

また、この桜の蜜を求めてメジロが集い、競うように
花の芯をついばんでいました。

メジロの素早い動きについていけずに焦点の甘い写真になって
しまいましたが「春を呼ぶメジロ」として掲載させていただきます。
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ヴェルニー公園・秋のローズフェスタ

2013年10月20日 19時41分16秒 | 四季の花
台風26号は伊豆大島に大きな爪痕を残しましたが、被災され命を落とされた
27名の方のご冥福をお祈り致しますとともに、21人の安否不明者の一日も早い
救出をお祈りしたいと思います。

この台風に襲われ、ヴェルニー公園の130種類2000株が咲き誇った薔薇も、海側のエリアを
中心に多くの花や蕾が飛ばされてしまいました。しかし、けなげにも咲き残ったバラを
愛でる「ヴェルニー公園・秋のローズフェスタ」が、予定通り10月19日(土)に開催され
細君ともども行って参りました。

台風の爪痕は予想以上に深く、大半の薔薇はその花弁と葉に少なからぬ傷を留めていました。
しかし、傷にもめげずに懸命に咲き継ぐ薔薇の耀きに五月の薔薇とは異なる確かな花の矜持を
感じることが出来ました。
特に雨に弱いといわれる白バラの「マダムサチ」、青薔薇系の「ブルーライト」、オレンジ
色の「ローラ」等は傷を越えた耀きを見せていました。

また、野外特設広場で行われた「バラの音楽祭」では横須賀市立総合高校 吹奏楽部は、
折からの強風で楽譜が飛ばされる事態にもめげずに、力強い完成度の高い演奏を披露して
くれました。その演奏にはアンコールの大きな声も出て、サックスや、トランペットの
ソロ演奏は、高校生のレベルを超えた高い演奏技術も見せてくれました。これらの
メンバーの将来を楽しみに期待したと思いました。

掲載したした写真は 青薔薇系の「ブルーライト」です。
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中秋の名月と月下美人

2013年09月24日 19時55分50秒 | 四季の花
 今年(2013年)の中秋の名月は、9月19日(木曜日)でしたが、当分は「少しだけ欠けた名月」の
年が続き、次に中秋と満月と重なるのは、8年後2021年とのことですので、東京オリンピックの
翌年となりそうです。

 ところで中秋の名月の前日と前々日に、拙宅で7月に咲いた同じ鉢植えから二度目となる
月下美人が咲いてくれました。
前回は3輪のみでしたが、今回は二日にわたって計7輪の花が咲きました。

 折からの中秋の月の光を浴び、神々しいばかりの白い大輪の花を開き数時間を咲き継ぎ
朝日の中で萎んでいきました。まさに一夜花の儚い命を力の限り全うしたとの印象が
あります。

 雅で艶やかな花の姿と、甘い優雅な香りを伴い咲く花に、今回も時の経つのも忘れて
見惚れてしまいました。

 花の姿を写真に収めようと、撮り続けましたが月下美人のもつ、神々しいばかりの
深い輝きを写すことはかないませんでした。
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「月下美人」

2013年07月18日 21時27分22秒 | 四季の花
一昨日の夜半、拙宅の「月下美人」は例年よりも二か月近く早く開花しました。
この花によく似た、クジャクサボテンも5月20日頃に咲きましたので、こちらも
二か月近く早く咲いたことになります。
思えば、桜に始まって梅雨までも早めになり、季節の転変の速さに今更ながらに
脅かされます。

「月下美人」は 、夜半から咲き始め、朝方にはしぼむ文字通りの一夜花ですが、
艶やかな純白の花と、黄金めしべのコントラストも見事な花でもあります。
また、甘やかで、雅びな香りを漂わす気品に満ちた花でもあります。

一夜で萎む花ゆえの矜持か、侵しがたい気高さをまとった花。その花に魅せられ、
深夜に200枚近い写真をいつしか撮っていました。いずれも光が足りず焦点の甘い
写真になってしまいましたが、習作としてご容赦頂ければと思います。

なお、「月下美人」に寄せて5首程詠ってみましたが…。

 ☆ 花しべに月のかけらも滲むがに
            夜の名残か月下美人咲く
 ☆ 楚々と咲き香りもゆかし月下美人
            一夜の花の憂い秘めもつ
 ☆ 闇を貫い甘く香るや月下美人
            一夜の花の矜持秘めもつ
 ☆ 星霜の酷薄刻むや月下美人
            月無き闇に光放てり
 ☆ 艶やかな香りも雅び月下美人
            闇を圧する白き大輪
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ハナミズキに寄せて

2013年04月08日 20時34分31秒 | 四季の花
先週末は台風並みの「春の嵐」で、各々の「桜公園」で予定されていた「桜まつり」は
軒並み中止 となったようですね。

開花の早まった桜は、既に花吹雪を過ぎ葉桜になっている公園もありましたが、
半年も前に桜の開花を予測し、祭りの日程を計画し、企画する主催者の苦労も偲ばれる
一日でもありました。

楽しみにしている多くの方の思いを汲みながらも、中止の決断をせざるを得ない苦渋が、
どれほどのものだったかとも・・・。
その思いを幾度か味わつた一人として、心からお疲れ様と 申し上げたいと思っています。

花の世界はすでにポスト桜となりつつありますが、八重桜、チューリップ、花水木等々が
咲き競うまさに春爛漫第二章の感があります。

掲載の写真の先頭は、ひたすら空を向き咲くハナミズキに寄せて一首詠んでみたものです。

  ☆ひたすらに空向き咲くや
        はなみずき
           秘めたる思いの溢るるゆえか
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夜桜・・・一つの命の連鎖

2013年03月29日 20時12分40秒 | 四季の花
今年の桜の開花は例年に比べて10日以上早いと言われていますが、四月を待たず
桜吹雪にも似た落花の舞がそこかしこで見られます。

先週末、近くの桜公園で、ライトアップの明りに満開の花房を浮き立たせ、
妖しいまでの美しさを放つ「染井吉野」の夜桜を、細君と共に久しぶりに眺めて
参りました。
桜と言えば、西行の詠った
 「願わくは 花のもとにて春死なむ
                その如月の 望月のころ」
の歌が思い出されますが、かの西行もこのような情景に、心浮き立つ一時を
もったものと推察されます。
西行の時代から800年を越える歳月を経ても、桜に寄せる人々の心は、そう大きくは
変わっていないのではないでしょうか。

「染井吉野」は、幕末の江戸、染井において、植木職人の手による品種改良の末、
実生から造られたものと聞いています。
この桜にまつわる悲しい物語は、確か「恋紅」と言う題で直木賞作家の皆川博子が
書いていたように記憶しています。

ただ、この「染井吉野」の桜の咲き誇る様には、美しさを認めながらも、なぜか反発を
感じてきました。
咲き満ちて鮮やかに散る桜に、おのれの人生を重ねて潔く散ることを「誇り」とした戦時下の
若者達。その思いの底に咲いていた花が、「染井吉野」の桜以外に考えられなかったからです。

人生のほろ苦さは言うに及ばず、その甘さすら味わうこともなく蕾のままに散っていった
若者達。その無念さを、信濃の山奥に楚々と咲く「深山桜」という、桜に出会ってから
より強く感じてきました。
生きることの切なさと豊かさを、その山桜の咲く様に諭されたからでもあります。

咲くこと、散ること、薫ること、実ること。さらに、冬芽をそだてることが、一つの命の連鎖
であることを、残雪を残す尾根にひっそりと咲く、桜の老木に教えられた思いがしました。
そして、開花を錯覚し蕾のままに散っていった若者達に、戦場に赴く前にこの桜の咲く様に
一目触れて欲しかったとの思いも・・・。

掲載の写真は桜公園の夜桜です。
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