四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「死をもって抗議」された方への想い

2024年09月29日 13時04分03秒 | 日々の歩み

 現在、マスコミは自民党総裁選挙の結果についての報道に埋め尽くされています。
この件が、マスコミにとっては喫緊の課題であり、それだけニュースバリューが
高いのは分かりますが・・・、元をただせば自民党の裏金問題が解明しつくされない
事に端を発しています。
この件の追及は、マスコミにおいても残された大きな課題と思っています。


     「未だ咲く 夾竹桃 白色」

 このニュースで陰に追いやられている問題に、兵庫県知事の失職に伴う出直し
選挙があります。
このブログでは、政治問題へのコメントは出来る限り触れないで参りましたが、
今回の前兵庫県知事・斎藤氏の在り方について、政治についての素人であり市井の
民の一人として率直な疑問を申し上げたいと思います。

 先ず、知事を告発し、公益通報した職員を「死をもって抗議」しなければならない
事態に追い込んだ、
前兵庫県知事、並びにその側近らによる「懲戒」に対するあり方への
疑問であります。
この点につき前知事は、私の知る限り何ら明確な説明と反省、当事者
への哀悼の意すら
表明していません。
 さらに、これらについて「知事の職を辞するほどの事か」とさえ述べています。
この点一つをとっても、県のリーダとしてより、人としてその資質すら持ち合わせて
いないと言わざるを得ません。さらに、彼は組織のリーダに成ってはいけないし、
その立場に立たせてはいけない人と考えます。


     「キバナコスモスと 揚羽蝶」

 県知事にとって県の職員は、自ら掲げた政策を実現するためのエンジンであり、
大切なメンバーであり、先ず守らねばならない仲間でもあります。
その仲間が、自らの在り方へ諫言してくれたことに感謝しこそすれ、公益通報者
保護法に違反し、無視し懲戒に、さらに死へ追い込むことは、決してあっては
ならない事と考えます。


     「未だ咲く 酔芙蓉 八重」

 現在、前知事は、失職し新たに県知事選に打って出るとのことですが、自ら違反した
公益通報者保護法への見解、責任と、自ら主導し死に追い込んだ職員への謝罪をまず、
明確にすべきと考えますがいかがでしょうか。
 県政の改革も大切ですが、県のリーダーは人を人と見る基本的な姿勢と、想いこそ
大切と考えます。しかるべき時に、兵庫県民の良識あるご判断を仰ぎたいと思います。

コメント (8)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その150)

2024年09月25日 05時29分40秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その150) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「未だ咲き継ぐ 酔芙蓉 八重」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」を
 中心に返歌を楽しみたいと思っています。 主に光源氏と女性たちの贈答短歌が
 中心です。 今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますのでご指導よろしく
 お願いします。 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は
 新規で作成しています。 私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「5.若紫(わかむらさき)」
 十八歳の春、源氏は瘧病に苦しみ、加持を受けに北山の聖のもとを訪ねる。
 その夕暮れ由緒ありげな某僧都の家で可憐な少女(紫の上)を垣間見る。
 その少女は源氏が恋い焦がれる藤壺の宮に生き写しだった。母を失い、
 祖母の尼君に育てられるこの少女は兵部卿宮の姫君で藤壺の宮の姪だった。
 源氏はこの少女を自らの手で育てたい旨を、僧都や尼君に願い出るが、
 少女の幼い年齢もあって、まったく相手にされない。それにも拘らず源氏は、
 病から癒え下山した後も少女に執心する。その頃、藤壺の宮が宮中から里に
 下がった。源氏は藤壺の宮に仕える王命婦を頼りに、藤壺と夢のような
 逢瀬を持つ。そして、この一回の密会で藤壺は懐妊する。ふたりは罪の意識に
 苛まれるが、源氏は藤壺への思いをますます強めた。しばし後、紫の上の祖母、
 尼君が亡くなった。源氏は紫の上を半ば盗み取るようにして、二条院に
 連れ去った。少女は二条院の暮らしにすぐになじみ、源氏になついていった。
〇はつ草の 若葉のうへを見つるより 旅寝の袖も つゆぞかわかぬ  光源氏
註)初草の若葉のようなかわいらしい女の子を見てからは、旅の衣の袖の乾く
  まもなく、恋しさの涙の露にぬれています。
〇枕ゆう 今宵ばかりの 露けきを 深山の苔に くらべざらなむ   尼君
註)旅寝の枕の今夜だけの露で濡れた袖を深山で苔むすほど濡れている枕と
  お比べにならないでください。
(返歌)
☆藤壺に愛の執着裏返し 想えば想う燃える恋情が
☆尼君は驚くほどの衝撃も 垣間見る姫に異常な想い
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 作者の短歌説明にも記されていますが、光源氏が恋い焦がれる藤壺の宮に
 生き写しだった若紫(紫の上)の出現は、源氏物語の最初の謎であり、
 異常さを秘めた展開になっていると考えます。
 後に光源氏の正妻になる紫の上は、この時10才と文字通り乙女で、
 「恋しさの涙の露にぬれて」と詠うには、いささか異常さを感じます。
 その異常さをいち早く感じた、祖母でもある尼君は光源氏の申し出を
 はぐらかして「深山の苔に くらべざらなむ」と返しています。
 その辺の事情を踏まえた作者の返歌ですが、二首何れも、それぞれの
 詠み手の方に寄り添った内容になっています。
 これらの返歌について、少し踏み込み、視点を変えて詠んでみましたが
 いかがでしょうか。
【ご参考】
★かの君の面影やどす はつ草の 乙女をみそめ心みだるる
★尼君の はぐらかしにも めげずして 姫に寄せたる想いつらぬく

【詞書】秋の空を三首詠みましたので出詠いたします。
☆窓拭きのゴンドラ高く まつさらの秋青空を磨くごとくに
☆秋天を今 高跳びの人とバー スローモーションのごとく降り来る
☆秋空をゆるゆる回る観覧車 いくつの恋の想ひを乗せて
                         みっちっちさん
【解説】
 「秋の空」を主題に三首詠んで頂きましたが、いずれも作者の発見と
 感動が詠みこまれ、清澄な秋景色が表現されています。
 特に、三首目の歌は、秋の穏やかな空の下でゆっくりと回る観覧車が、
 いくつもの恋の思い出を乗せて回る象徴として描かれています。
 「いくつの恋の想ひを乗せて」というフレーズは、観覧車に乗る人々、
 とりわけ作者も含めて様々な方の恋の思い出を想起させ、観覧車が回る
 たびに、過去の恋の記憶がそれぞれの方の胸に蘇る情景が浮かびます。
 この歌は視覚的な美しさと、想いの深さを兼ね備えており、秋の風景と
 恋の思い出を巧みに結びつけ、作者の感性の豊かさがよく表れている
 作品だと感じます。
 なお、栗木京子氏の「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生」
 (「水惑星」)の歌を思い出させ、心地よい歌の世界に誘ってくれます。


     「咲き残る 芙蓉の花」

【詞書】まだ、シオカラトンボが飛んでいたことを詠ませて頂きました。
☆赤とんぼに交じりてシオカラトンボ見る まだ夏だと思ひているかも
【詞書】月見で詠ませて頂きました。
☆中秋の名月の中 餅つきをする兎さん確かに見たり
【詞書】大谷選手で詠ませて頂きました。
☆BSで 大谷選手の50号 歴史の瞬間 目撃をする
                         西BOOさん
【解説】
 「シオカラトンボ」「中秋の名月」「大谷選手の50号ホームラン」
 とをテーマに、追加分も含めて三首詠んで頂きました。
 三首目の歌、詠まれているように、まさに世界の人々が「歴史の瞬間」を
 目撃することになりましたね。
 9月23日の時点で既に「53-55」が達成されたとのことで、「51-51」の
 達成時には各地で号外も配布されたとの報道に接しました。
 肘の手術後の、リハビリの最中にある選手としての記録としてみると、
 まさに「前人未踏」「歴史的」「人間業ではない」等々の形容詞でも
 足りない偉業ですね。私たちも、歌で表現しつつ偉業を讃えたいと思います。
 二首目の歌は、澄んだ空気の中で眺める「中秋の名月」故に「兎さん」が
 想像力をかき立て、ロマンに満ちた物語も生まれますね。このような
 ほのぼのとした歌もいいものですね。

【詞書】スイカにせよ大根にせよ、植物達はただそこで芽吹き、芽吹いた
  からには成長し、生きて実を付ける…。それだけなんでしょうけど、
  条件の悪いところに根付いた野菜や果物が生る植物には人は
  「頑張ってる!」とかいう思いを馳せてその成長を愉しむんですよね。
  楽しい話題だしいいんですが、なんで道路端…何で中央分離帯…。😅
☆植物は己の営み果たすだけ
    思い乗せるは人の愉楽よ
【詞書】あまりに突然の事でした。
  18日の晩に、2日ほど「目まいが収まらない」と言っていた父が、晩御飯
  どうするのか聞きに2階へ上がろうとしたら、階段の一番上に座っていて、
  「まだ目が回るんやけど…」みたいに言うもんで、「お粥作って部屋に 
  持ってってあげようか?」と聞くと、「いや、降りる」と言うので「ゆっくり
  降りといでや」と返して私は1階へ・・・。
  前日に姉と「1階で寝かせよう」ということを決め、準備をして義兄が
  おぶって下へ連れて行ってくれることになっていたので来てくれ
  ましたが、「救急車呼ばなあかんわ!」と呼んでくれて、宇治徳洲会病院へ。
  ・・・そこからは、もう怒濤のようでした。
  ER内では医師の呼びかけ「指1本上げて下さい」などや、私が話掛ける
  のにも「うん」などの反応したりしてました。自力でトイレに行こうと
  「トイレ…」と訴えたりもしていました。(「トイレ行かな…」は
  その後もあり)そのうち病室が決まり、様子を見てから病棟を辞し、
  1階のローソンで食べるものを買って食べ、姉に連絡を入れてから
  受付ロビーの近くに居るとERの医師から連絡が入り、「CT画像に気に
  なる箇所がありまして…」とMRIを撮りますの連絡(家族の承認の為?)。
  到着した姉と病室に向かうと脳神経外科の先生のお話が…。
  この3日間ぐらいで「“小脳”梗塞」を起こしている、という話…。
  話を聞いた後に姉と共に父が居る部屋に行ったのち、脳神経外科の病室に
  変わると聞き、その日の晩に移動しました。
  …その後母も連れて行ったりしましたが、やはりあまりに唐突で戸惑い
  ましたし、「容態が…」という電話も少なくとも2回はありました。
  昨日私が1人で行った時も変化はあったりして…。嚥下障害も起きている
  ので(“舌が落ちている”とも)気道確保と栄養や薬剤の投与のために
  鼻からのチューブを入れるということには母、姉と話し合い、同意して
  ますが、そうすることによって、精神的にも物理的にも準備をする時間が
  できた、と思います。看護師さんが仰るには「拒否反応を示すご家族様も
  居られます」とのことでしたが、チューブの挿入を選んだことで色々
  できる時間を得たのは姉も私も同じ思いです。
  まだ今日は病院からの連絡はありませんが、この後行きます。では。
  (事の顛末を長々とすみません。のほほんと能天気な私も何とか
  しゃんとしなければ…と思います)
☆呼吸のみ酸素送られする父の
         過ごした93年思う
☆もう少し…まだもう少し…と願うのみ
         病床の父は反応もせず
                         ちがやねこさん
【解説】
 一首目の歌、詠まれている通りですね。植物は自然の摂理に従って花を咲かせ、
 実りまで、己の生を淡々と全うしているだけですね。人はどんな事象にも
 物語性を感じ、そこに自己投影して小さな感動を味わう特性を持っているものと
 考えます。その延長に「ど根性○○」が生まれるのだと考えます。

 そんなささやかな感動を与えてくれる「ど根性○○」たちに拍手を送りたい
 想いです。また、このような歌が生まれることも楽しみです。

 二首目、三週目の歌は、お父様が重篤な病に襲われ、その対応の中で詠まれた
 歌ですので、切迫感と緊張感が伝わって来ます。心からの
お見舞いを申し上げます。
 いずれの歌も、作者のお父様への偽らざる
想いと、どうか無事に回復してとの
 深い祈りが滲んでいます。

 お父様の病、「小脳梗塞」とは小脳に発生する脳梗塞の一種で、身体の平衡を
 保つ機能を司っている部分の血管が詰まり、血液が十分に行き
届かなくなる
 ことで発症するとのこと。

 この結果、主な症状としては、平衡感覚の障害(まっすぐに歩けない、ふらつき)、
 回転性のめまい、手足の動きがぎこちなくなる等がある
とのことですが、
 お父様の症状はすべて当てはまるようですね。

 発症から3時間以内であれば、血栓を溶かす薬物療法が有効でかなりの回復が
 見込めるようです。ともあれ、高齢等を考慮すると十分な治療と、
リハビリが
 必要と考えます。先ずは、作者とご兄弟で協力しながら、
心を強く持って
 見守って頂ければと思います。
 私達も、お父様のご無事とご回復を祈らせて頂きます。


     「咲き競う コスモス」

【詞書】この歌は兄弟で飛騨を旅したとき、小さな美術館で円空仏が
  展示されていました。最近大阪のアベノハルカスであったのですが
  行きそびれてしまって返す返すも残念でした。
☆飛騨の里 円空仏は微笑みと 祈りと怒りの荒き彫り跡
☆微笑みて囁き交わす道祖神 コスモス揺れる馬籠の里に
☆肩に手をかけて寄り添う安曇野の紅の残れる道祖神立つ
                         夕庵さん
【解説】
 飛騨から信州安曇野をめぐるご兄弟の旅は、秋の風情を味わう素敵な情景に
 彩られていたことと思います。その中で詠まれた三首の歌は、
いずれも旅の
 楽しさを滲ませながらも、抑えた色調で詠い、味わい深い作品となっています。

 特に、二首目の歌は、馬籠の里の道祖神と、コスモスの風景が的確な言葉で
 描かれ、静かで温かい雰囲気を醸し出しています。 
 道祖神は、古くから村の守り神として信仰されてきましたが、この歌では、
 道祖神が単なる石像ではなく、村人を見守る身近な存在と暗示されています。
 道祖神がなぜ微笑んでいるのか、何を囁いているのか等々、私達の想像力を
 かき立ててくれ、ほのぼのとした歌になっています。
 なお、コスモスは、秋を代表する花であり、しばしば人の一生や宇宙を
 象徴するものとして捉えられてきました。ここでのコスモスは、道祖神と
 対比されることで、生命のサイクルや時間の緩やかな流れを暗示している
 のかも知れません。
 また、この歌からは穏やかで、ゆったりとした時の流れを感じますが、
 この穏やかさの中に、どこかもの哀しさも感じます。秋ゆえでしょうか。

【詞書】YouTube短歌:泥の中 冨田勲 展覧会の絵
  ゴールデンベルグとシュミュイレ
☆泥がいつまでも消えない
  あちこち走り回り

  水を飲んで・・・生きよう
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 8月の豪雨で、床上浸水を受けた方々、お見舞い申し上げます。
 9月も能登地方に、線状降水帯が発生して、記録的豪雨の為に、
 多くの被害が又発生してしまいました。
 途中は、猛暑日が続き、復旧作業も、兎に角小まめに水分補給
 していたと思います。
 展覧会の絵のザムエル・ゴルデンベルクとシュムイルは、
 「ふたりのユダヤ人~太った男と痩せた男」という副題が
 ついており、裕福で傲慢な男ゴルデンベルクと、貧しく卑屈な
 男シュムイレの会話を描写した作品との事です。
 冨田勲のシンセサイザー版を聴いていると、まるで泥の中に
 いる様な気がしました。
 以下URLに、展覧会の絵を貼付していますので、お聴き戴ければ
 幸いです。
https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/7296c60398ac17d8211b894a24525d09
                         自閑さん
【解説】
 元日の大地震からの復興途上にあった能登地方に、無情にも記録的な豪雨が
 襲うという哀しい事態となりました。作者と共に私達も、改めて身罷った方に
 哀悼の誠を捧げる
とともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
 「モデスト・ムソルグスキー」の原曲では、サミュエル・ゴールデンベルグが
 威圧的で、シュミュイレが弱々しい人物として描写されていますが、冨田勲の
 アレンジではその立場が逆転して描かれていますね。シュミュイレのような
 立場の弱い人物が集団で主張を行い、それに圧倒されたサミュエル・
 ゴールデンベルグが怯えた声で歌う、といった表現に変えられています。
 この「怯えた声で歌う」状態が、泥沼の中でもがくイメージとなったことと
 思います。詠われているように「あちこち走り回り 水を飲んで…生きよう」と
 もがきながらも、生きようとする前向きな想いを表現した歌と感じます。
 なお、ウイスキーの語源はゲール語の「Uisge-beatha」に由来し、この言葉は
 「命の水」を意味するとのことですが、「水を飲んで・・・生きよう」の
 「水」は、この語源を暗示しているかに感じます。

☆さるすべり未だ咲き継ぐ遊歩道 彼岸いたるも炎暑は止まず
                         ポエット・M
【解説】
 散策で訪れる遊歩道には、未ださるすべりが咲き競っています。秋彼岸に
 なるにも関わらず、その鮮やかな薄紅色の花は夏の盛りを思わせる勢いを
 未だ留めています。9月に入っても猛暑日が続き日本列島は、依然として
 暑いままとなっていますが、そんな気象を楽しむかのように咲き継ぐ
 百日紅(サルスベリ)の花を詠ってみました。
 秋彼岸となっているにもかかわらず炎暑が続くのは、異常気象や気候変動の
 影響と感じますが、そんな事象への戸惑いも表してみました。


     「未だ咲く さるすべりの花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(56)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

37.「 短歌の章」 中国大陸抄(2)

   長安の古き歴史は幻なし 
         崩れし城壁に 春は深まりぬ

   楊貴妃の湯あみをなせし華清の池 
       白楽天は長恨歌に あてに歌ひし

   匈奴迫り 人馬競ひてひしめきし
          長城茫々碧空にあり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】

 今回は割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                             了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その150 ネット歌会)

2024年09月25日 04時57分11秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その150 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「未だ咲く 宗旦むくげ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆中秋の名月の中 餅つきをする兎さん確かに見たり
                         西BOOさん
★遙けくは 物干し台に 仰ぎ見た 月の兎の夢物語
                         夕庵さん
★猛暑日の続く9月に 月の中 兎も汗をかいてる様な
                         西BOOさん
★月の夜は兎が餅をつくという 思い遙々 ひ孫と見あぐ
                         夕庵さん

☆BSで 大谷選手の50号 歴史の瞬間 目撃をする
                         西BOOさん
★野球道 爆進中の翔平よ 君は神の子 日本の男(お)の子
                         夕庵さん
★50号驚くも早52号 何処まで歴史を塗替えるのか
                         西BOOさん
★大谷の歴史を作る秘訣とは 10時間余の睡眠という
                         夕庵さん

☆秋天を今 高飛びの人とバー スローモーションのごとく降り来る
                         みっちっちさん
★裏庭を腰低くして横切りぬ 猫も老いたり スローモーション
                         夕庵さん
★哲学者めくまなざしでハシビロコウ ただ瞬きのスローモーション
                         みっちっちさん
★これからはスローに生きむと思う朝 見過ごすことも許してよしと
                         夕庵さん
★あれこれとせはしく生きる我なれど たまにスローの朝もよきかな
                         みっちっちさん
★穏やかにシンプルに生く心がけ 「無念無想」の境地を学ぶ
                         夕庵さん

     「未だ咲く ブーゲンビリア」

☆秋空をゆるゆる回る観覧車 いくつの恋の想ひを乗せて
                         みっちっちさん
★二人して夜の観覧車エンドレス 月に託してシナリオを書く
                         夕庵さん
★高原の夜空に君のプロポーズ ふたりのシナリオ星に託して
                         みっちっちさん
★期は満ちて大きな決意のプロポーズ ゆるがぬ君の愛に懸けむと
                         夕庵さん
★君を待つ出町柳の駅前に 駆け来る君に決意せしこと
                         みっちっちさん
★人生の決意の山を登りきて 後悔残さず今日を生ききる
                         夕庵さん
★六甲山登りきたれば有馬の湯 金銀尽くしに疲れ癒さむ
                         みっちっちさん
★有馬での記念に求めし人形筆 鮮やか色糸褪せてしまえど
                         夕庵さん
★ひよつこりと豆人形が顔を出す 有馬筆なる可愛さに笑む
                         みっちっちさん
★この筆でどれほど便り書いたやら 豆人形も眠りこけたり 
                         夕庵さん

☆心字池 さざ波起こる そのもとに 鷺は静かに空を見つめる
                         ポエット・M
★鷺一羽 仙洞御所の松の上(へ)に賢者のごとく姿勢崩さず
                         夕庵さん
★水澄める仙洞御所の南池 鷺は静かに みなも見つめる
                         ポエット・M
★鷺森神社(さぎもり)の八重垣の石は縁結び しめ縄より垂るま白き紙垂は
                         夕庵さん
★「さんよれ」の掛け声ひびく鷺森の 「八重垣」石の えにしに触れる
                         ポエット・M
★古代より 巖信仰の鷺の森 数多の男女の願い叶えし
                         夕庵さん
★「八重垣」の石にさわりて祈りいる 乙女のうなじ木漏れ日も揺れ
                         ポエット・M
★たそがれに祈る姿も動かずに 胸裡に肩に風そよと過ぐ 
                         夕庵さん
【詞書】ミレー「晩鐘」に寄せて
★晩鐘に祈り捧げる農夫にも 天地の恵み 命のもとと
                         ポエット・M
★つつましき農夫の祈りは収穫の 感謝の姿夕映えに立つ
                         夕庵さん
★天と地と 格闘重ね実り得る つましき農夫の深き祈りよ
                         ポエット・M
★丹精の新米やっと出回りて おろそかならず米一粒も
                         夕庵さん
★作られたコメの品薄その闇の 奥に潜みし 哀しやからよ
                         ポエット・M
★明治の世 母の実家はコメ問屋 かの暴動の恐怖語りし
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き継ぐ 芙蓉」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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三度目の「月下美人」

2024年09月23日 10時07分32秒 | 四季の花

 我が家の「月下美人」が、今年三度目昨日、秋分の日の夕刻二つの鉢で、
計五輪開花しました。今年は炎暑が続きベランダの過酷な状況に絶えて蕾を育て
開花した月下美人に拍手を送りたい想いです。

     「三度目に咲いた 月下美人」

 折からの暑さゆえでしょうか、いつもの花に比べると幾分小さめとの印象でした。
20時過ぎに蕾が開きはじめ、21時過ぎに雅な香りを漂わせ7分ほどの開花となり
23時過ぎに満開の状態となりました。

 一鉢は、前にも触れましたが株分けしたもので、ここに二輪咲き、葉は勢いが
あるものの花の大きさは心持小さめでした。古い株の鉢には三輪咲きましたが、
いずれもほぼ同時刻に満開となりました。

 かつて、この月下美人の儚げな、しかし凛とした花のたたずまいを「詞」に
紡いでみました。この詞をもとに一昨年、ブログ友のYokiさんに素敵な
オリジナル曲を作曲して頂き、Yokiさんのユーチューブで公開して頂きました。
このブログでも紹介させて頂きましたが、じいじいさんにギター演奏をして
頂いた新しいバージョンをユーチューブに公開して頂きましたので、前回に
続いて、三度目の月下美人の開花に伴い、ここに掲載させて頂きます。
視聴して頂ければ嬉しいです。

「月下美人の香り」 
     作詞    :ショー・ジロー
     作曲&歌  :yokiさん
     ギター伴奏 :じいじいさん

 画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。

 1.
   宵闇に ひらきはじめた   月下美人  
   甘い香りを漂わせ   一夜限りの命としらず  
   闇にのびゆく花びらは   炎のように揺れている   
   憂いもつ君に君に似て   その刹那に命を燃やす

  2.
   花びらの 白さ際立つ   月下美人  
   雅な香り漂わせ   一夜限りの夢に酔う  
   闇を切り裂く花びらは   炎のように燃えている   
   儚さは君に君に似て   その刹那に命を燃やす

  3.
   花びらが 耀き放つ   月下美人  
   深い香りを漂わせ   一夜限りのものがたり
   闇を照らせる花びらは   炎のように 凛として   
   気高さは君に君に似て   その刹那に命を燃やす

 ***********************************
  月下美人の花言葉は「艶やかな美人」「はかない恋」だそうです。
  なお、拙い詞ですが、著作権は放棄していません。
  無断転載等はご遠慮願います。転載いただけるのであれば、あらかじめ
  当方へ連絡を頂き「ポエット・M」の作者名を明記して頂ければ
  嬉しいです。
 ***********************************

コメント (5)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149)

2024年09月18日 05時47分08秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「未だ咲き継ぐ 酔芙蓉 八重」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」を
 中心に返歌を楽しみたいと思っています。 主に光源氏と女性たちの贈答短歌が
 中心です。 今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますのでご指導よろしく
 お願いします。 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は
 新規で作成しています。 私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「4.夕顔(ゆうがお)」
 空蝉にうつつを抜かしていたころ、源氏は六条に住む高貴な女の所に忍んで
 通っていた。宮中から六条に向かう途中、源氏は夕顔の咲く家に
住む女(夕顔)
 と知り合う。折しも六条の高貴な女との関係に気詰まりを
感じていた源氏は、
 この女に耽溺していく。近所の声が聞こえるような
家での逢瀬に嫌気が差した
 源氏は、女を廃院に連れ出す。その夜、源氏は
物の怪に襲われるような夢を見て、
 目を覚ます。源氏は魔除けをさせたが、
正気を失った夕顔はそのまま息を
 引き取った。悲しみにくれる源氏は瘧病を
患う。秋、病から癒えた源氏は、
 夕顔の侍女であった右近から、実は夕顔は
頭中将との間に子まで成した女で
 あったことを聞かされる。空蝉と夕顔との
はかない縁に、源氏は物思いにふける。
〇心あてに それかとぞ見る 白露の 光りそえたる 夕顔の花    夕顔
註)ふと目に留まった輝く君は、光源氏様でしょうか…。白露の光に映える
  夕顔が、美しく花開いています
〇寄りてこそ それかとも見めたそかれに ほのぼの見つる花の夕顔  光源氏
註)もしやなどと仰しゃらないで、もっと近く、なつかしく傍に寄り合い、
  その人かどうかたしかめてはいかがです
(返歌)
☆涼しげな 女主人の 心づかい 扇の上に 白い花のせて
☆推量の 二人の恋は 深まるも はかない運命 夕顔のように
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 垣根に美しく咲いていた夕顔の花。その花とともに香を焚きしめた扇に和歌が
 したためられ光源氏へ届けられました。一首目が、その「夕顔」の歌ですね。
 自ら積極的に光源氏へ歌を贈るという、当時の女性としては珍しい行動力と、
 香る扇に歌をしたためると言う、情趣豊かで雅な感性を身に着けた女性。その
 「夕顔」に光源氏が惹かれたことは想像に難くはありません。
 この二人の歌に対する作者の返歌は何れも二人の想いに寄り添い、その後の
 展開を暗示する意味深い歌になっています。
 作者の二首目の返歌「推量の・・・」の内容を、少し踏み込んで詠って
 みましたが、いかがでしょうか。
【参考詠】
★甘き香を まとい夜(よ)に咲く夕顔は 見守りいるや恋の滅びを

【詞書】「小鳥来る」は秋の季語です。渡ってきた色鳥、小鳥が庭先等に来ると、
  ああ、秋だなあと感じます。三首目は切手ですから厳密に言うと「小鳥」は
  季語として成り立たないかもしれませんね。でも短歌なので構いませんね。
☆鳥の名を教へてくれし亡き父の褪せし庭下駄 小鳥来る朝
☆朝なさな 色鳥戯(ざ)れる山門の 仁王の貌(かを)のゆるびゆくかな
☆愛らしき小鳥の切手 久々に故郷の友へ手紙を書かむ
                         みっちっちさん 
【解説】
 作者も言われる通り、小鳥は、その種類、行動、季節との関連性によって、
 様々な季語として俳句の中で表現されますね。短歌は季語の詠みこみを必須と
 していませんので、自由に発想し詠んで頂ければと思います。「小鳥」に
 まつわる
秋の情景を、味わい深く三首詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌には、朝の静かな時間に色鳥たちが山門で戯れていて、その
 光景を見ている仁王像の表情が和らいでいるかに感じる様子が詠まれています。
 この歌の魅力は、色鳥と人間の作り出した仁王像が調和している点にあります。
 鳥たちの自由な動きと、仁王像の厳かな存在感が対比されており、その対比が
 美しい情景を生み出しています。また「ゆるびゆく」という表現が、作者の
 優しい眼差しと共に、時間の流れや心の変化を感じさせ、私達を穏やかな
 気持ちにしてくれます。
 ちなみに、「色鳥」は秋渡って来る、美しい羽色の鳥のことで秋の季語となって
 います。ちなみに「朝なさな」は「朝な朝な」の音変化で「朝毎に」の意味です。

【詞書】毎日が、猛暑日ですが、その中でも小さな秋を詠ませて頂きました。
☆日々猛暑止まずもだえ苦しむも ふと空見ると秋の雲かな
☆夜冷房つけることは絶えねども 虫の音の中眠り誘われ
                         西BOOさん
【解説】
 今年の夏の異常気象は、何れも「観測史上初」との形容詞がつきますが、
 「命の危険をともなう暑さ」とは初めて聞いた思いがします。CO2削減等の
 課題に、為政者は真剣に取り組んで欲しいとの想いにさせられます。
 そんな日々に、詠われているように「小さな秋」も見られホッとしますね。
 二首とも炎暑の中で「秋の雲」「虫の音」を見出し、季節の移ろいを
 鮮やかに詠って、好感のもてる歌になっていると感じます。
 それぞれ調べも含めて、少し手を入れさせて頂きましたがいかがでしょうか。
【参考詠】
☆日々猛暑 止まずもだえて苦しむも ふと見る空に秋の彩雲
☆夜(よる)もなお 冷房つける日々なれど 虫の音の中眠り誘われ

【詞書】庭でバーベキューをしたときのことです。
☆若きらのジュージュー肉の焼く傍で われは一匹の秋刀魚を焼きぬ
☆身を沈む午後の書店の籐椅子に 眠りを誘うインクの匂い
☆跨線橋のぼれば夕焼け広がりて 思わずたじろぐ天体ショーに
                         夕庵さん
【解説】
 「バーベキュー」「書店の籐椅子」「夕焼け」と、それぞれのテーマで
 三首を味わい深く、詠んで頂きました。
 特に、三首目に触れたいと思います。この歌は、日常的に利用する跨線橋と
 いう場所から、広大な夕焼けが広がる非日常的な光景へと視線が移り変わり、
 作者の感動と、一種の驚きとが表現されています。
 上の句の「のぼれば」という語が、作者の躍動感とともに、私達ももその場に
 立っているような臨場感を与えてくれます。
 下の句の「思わずたじろぐ」という言葉は、夕焼けの美しさに圧倒された作者の
 心の動きが率直に表現されており、共感を誘われます。
 また、「天体ショー」という句が、夕焼けを宇宙の壮大なショーに見立てており、
 比喩表現の美しさを感じます。
 この歌には、日常の中に隠された美しさを見出だす視点と、それを的確に表現する
 描写力があり、何れも秀逸と感じました。


     「未だ咲き継ぐ 芙蓉 薄紅」

【詞書】YouTube短歌:ワレ生きているか? ゴンドラの唄
☆ワレ生きているか?
 季節外れの熱秋風が通り過ぎていくだけ

【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 ゴンドラの唄は、大正4年に、作詞は吉井勇、作曲は中山晋平で
 発表された歌である。
 これを黒澤明が、1952年映画「生きる」で、主人公の志村喬に、
 ブランコに乗りながら歌わせている。大ヒットはしなかったが、
 徐々に、幾年にも渡ってヒットし、名曲となっている。
 命短し、恋せよ乙女。
 乙女と呼ばれる世代の年齢の数倍生きている小生は、今生きて
 いるのか?とふと思った。今日も猛暑日となって、自身の
 行動範囲は狭くなってしまった。
 作詞者は、吉井 勇(明治19年- 昭和35年)で、北原白秋らと
 「パンの会」を結成し、石川啄木らとは雑誌「スバル」を
 発行した耽美派の大正期・昭和期の歌人、劇作家、小説家である。
 あと何年?と思っていても、老人(少年)老い易く学成り難し
 だな~と思う。
 以下URLに、生きるを貼付しておりますので、お聴き下さい。        https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/7cfbe31100259bd8de5521b3f4b6d473
                         自閑さん
【解説】
 作者の短歌説明にもありますように、映画「生きる」は黒澤明監督の作品です。
 彼の巧みな演出と美しい映像が、物語の深みをさらに引き立て
ています。
 余命宣告を受けた市役所職員の渡辺勘治が、自分の人生を
見つめ直し、最後に
 何か意味のあることを成し遂げようと奮闘する姿を
余情豊かに描かれています。
 「ゴンドラの唄」はこの作品でも志村喬が
唄い、重要なパートとなっていますが、
 かつて「その前夜」の劇中歌
として松井須磨子によって歌われた歴史もあります。
 余命を宣告されて、改めて「生きる」意味を自らに問い、自分の人生を見つめ
 直した物語の主人公・渡辺勘治の問いを「ワレ生きているか?」と
引継ぎ
 詠った作者。下の句で「季節外れの熱秋風が通り過ぎていくだけ」
と突き放して
 詠っていますが、「意味のあることを成し遂げよう」との
志を秘めている故の
 詠いぶりと考えます。

 映画「生きる」で、主人公・渡辺勘治は、市民のために公園を作ることを
 決意し、余命をかけて役所の官僚主義と戦いながら、最後の力を振り絞って
 公園作りのプロジェクトを成功させます。

 作者は謙遜していますが、「新古今和歌集」の資料発掘と、研究は民間の
 研究者の域を越えて、学術的にも貴重な意義を持ち、存在感を放っていると
 考えます。
映画「生きる」の主人公の熱意に通じるものも感じます。

【詞書】連日猛暑。近頃は「暑いぜ!」の熊谷市など内陸で暑さが厳しい
  ことでよく名前が上がる地名ではなく、やたら聞くのが福岡県の
  太宰府市。35度越えの日数が今日で59日を記録したそうな。
  菅原道真もびっくりだろうと言いたくなりそうなこの暑さ…。
  人の事言えんぞ、な京都市の隣に住んでますが、何しか暑い!!
☆太宰府に東風(こち)・南風(はえ)・西風(にし)・北風(きた)
            吹きまくり フェーン現象 連日酷暑
【詞書】真田広之さんが主演、プロデュース、演出などをして、日本から
  俳優さん達も多数参加し、ほぼ日本語で演じられ、字幕付きで放送、
  配信された(10話)ドラマ、「SHOGUN 将軍」がテレビ放送に与えられる
  「エミー賞」を主演男優賞、作品賞など18部門を受賞という快挙を成し
  遂げました!バンザーイ!🙌徹底して“戦国時代収束期の日本”の
  表現にこだわり、「誤解された日本を描く時代を自分の代で終わらせ
  たい」と真田氏が発しただけに、日本人が見ても違和感を抱かないよう、
  細部までチェックして作り上げた作品だということで、(かかった
  費用はさることながら)素晴らしい作品になったようです。かなり
  昔ですが、「奥様は魔女」の再放送を見ていて、日本人が出て来る話
  (ダーリンの取引先の人か何か)で、当時中学生くらいだったかの
  私が「…それは違うやろ~」とテレビに突っ込まずには居られ
  なかった頃に比べて多少ましになった昨今でしたが、まだ描かれ方に
  「何か…」という感じが拭いきれなかったんですね。しかし、真田氏
  始め日本人の俳優陣、スタッフの方々、真剣に“日本“て向き合った
  ハリウッド側のスタッフさん方の真剣勝負なコラボレーションが、
  かくも素敵な「時代劇」を作り上げました。
  皆さん本当におめでとうございます。
☆海渡る 情熱ハリウッドに咲きて 
       “SAMURAI”は今「侍」と成りぬ
【詞書】大阪の御堂筋の“ど根性スイカ🍉”の話(皆さんで美味しく
  頂かれた…という後日譚も含めて)をご存知な方もいらっしゃるかと
  思いますが、今日のニュースワイドなどで見たのは、京都の烏丸五条の
  交差点を西へ少し行った辺りだと思いますが、国道1号(烏丸通り)の
  中央分離帯でまたしても“ど根性スイカ”が有る!という話です。
  御堂筋のより大きくてきれいにまん丸なスイカが育ってました。
  逞しいなあ~!!母など「誰かが(ひっくり返したり)世話してるん
  やって」なんて言ってますが、さあどうなんだか…。半端なく
  超暑っい!京都市内でこの先無事に育つといいんですが…。
  大阪の方は御堂筋の“ど根性スイカ”から採って育てた“2世”を
  皆さんが味わうという映像を見ました。…なんにせよ、この時期
  スイカは美味しいですよね。
☆“ど根性スイカ”育つや分離帯
        国道1号烏丸(からすま)五条
                         ちがやねこさん
【解説】
 「太宰府猛暑」「SHOGUN 将軍」「ど根性スイカ」と、今回も新鮮な時事に
 ついて、作者の独自の視点から、味わい深く詠んで頂きました。
 一首目の歌、太宰府市での猛暑日の連続記録が観測史上最長という報道が
 ありましたが、いくつかの要因が重なったゆえとのこと。ここは内陸部に
 位置しており、熱風が海風で冷やされることがないため、気温が上がり
 やすいうえ、詠われているように「フェーン現象」もあったようですね。
 異常現象を、このような歌に遺していくことも記録文学としての短歌の
 役割と感じます。またユーモアのセンスも、韻律もあり良い歌と思います。
 二首目の歌、「SHOGUN 将軍」への真田広之さんの、自らの全存在をかけた
 こだわりと
歴史認識に頭が下がります。18部門の受賞もさることながら
 「誤解された
日本を描く時代」を終わらせたいとの決意と、それを
 ハリウッドという特別の場で
やり切った事実に拍手を送りたいと思います。
 彼の「侍」魂と、実行力を讃えたいと
思います。 
 三首目の歌、「五条通」中央分離帯のスイカは、鳥などが運んできた種から
 自生した可能性が高いということで、大阪の御堂筋のスイカと同様に実生で
 結実することは「奇跡に近い」とのことですね。通常スイカは他の作物に
 接ぎ木して育てる
必要があるにも関わらず、「ど根性スイカ」は実生から
 育ち結実したとのこと。
「ど根性」の所以ですね。これらも異常気象ゆえの
 一現象かもしれません。

☆心字池 さざ波起こる そのもとに 鷺は静かに空を見つめる
                         ポエット・M
【解説】
 公園の一隅に造られた比較的大きな心字池。「心字池」との説明は
 歌友の皆さんにはいらないと思いますが…、その形が漢字の「心」の
 草書体に似ていることから名付けられたとのことです。その池に
 さざ波が立っており、その源に青鷺が静かに空を見つめている姿が
 見えました。泰然自若とした姿にも見えますが、その足を微かに
 動いているかに感じました。
 空を見つめる鷺の静かな佇まいと、その足の微かな動きに反応し
 さざなみの起こる情景を何とか記憶に留めたくて歌に詠んでみました。
 なお、心字池には三つの橋が架かっており、それぞれが過去、現在、
 未来を表しており、これらの橋を渡ることで心身を清め、神聖な
 場所へと進む準備が整えられると言われています。かねてからこれらの
 橋を幾たびか渡って来ましたが、未だ、整わない自分を感じています。


     「咲き盛る 昼顔の花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(55)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

36.「 短歌の章」 香港交換教授(1)

   去りにし日の戦の事も想ひ出ず 
           かくも夕陽は静かなりしか

   上弦の大き月出ず 
       たまきはる命を懸けしかの時も見つ

   鳳凰樹ほのかなる花も盛り過ぎて
          陽だまり暖たかく冬に入るなり


【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                             了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149)ネット歌会

2024年09月18日 05時06分58秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「未だ咲く むくげ 八重」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆夜 冷房つけることは絶えねども 虫の音の中眠り誘われ
                         西BOOさん
★鳴き出した虫の音色は子守歌 秋もそぞろに月も出で来ぬ
                         夕庵さん
★中秋の名月を待つ半月は 西の空のみ雲を浮かべる 
                         西BOOさん 
★盃に月を映して名月を 愛でつつ1首 君に贈らむ 
                         夕庵さん

☆跨線橋のぼれば夕焼け広がりて 思わずたじろぐ天体ショーに
                         夕庵さん
★架橋より君乗る列車見つめたり 秋夕焼けに点となるまで
                         みっちっちさん
★帰京する孫を見送る空港に 言葉にならぬ涙の笑顔
                         夕庵さん
★言葉なく涙で笑ふ人のゐて こころ複雑 人間だもの
                         みっちっちさん

☆愛らしき小鳥の切手 久々に故郷の友へ手紙を書かむ
                         みっちっちさん
★膨らんだ想いの手紙海越えて 羽あるように離島への旅 
                         夕庵さん
★海と山超へ困難な旅終へし 小鳥へ託す友への想ひ
                         みっちっちさん
★友よ友 如何に居ますやひとり居の日々思いやる足も萎えしと
                         夕庵さん
★ひとり居の花を愛する友垣へ 花に囲まれ御身(おんみ)豊かに
                         みっちっちさん
★小袋を百個縫うのが目標と友は励みぬミシンにむかい
                         夕庵さん
★妣(はは)作のワンピース着て澄まし顔 我十歳のセピアの写真
                         みっちっちさん
★洋裁を習い始めて縫う服は 母へレースの白いブラウス
                         夕庵さん
★洋裁が好きなりし妣(はは)の作品は あまた箪笥に遺されてゐる
                         みっちっちさん
★リメイクの得意なりしも寄る年に 紙と鉛筆あれば満足
                         夕庵さん

☆朝なさな 色鳥戯(ざ)れる山門の 仁王の貌のゆるびゆくかな 
                         みっちっちさん
★網越しの阿・吽の像に許し乞い 東大寺の門をくぐりぬ   
                         夕庵さん
★朝夕の気に大仏の頬やはに 秋澄みゆける奈良東大寺
                         みっちっちさん
★秋天に奈良東大寺の黄金(きん)の鴟尾 世界遺産を鹿と見上ぐる
                         夕庵さん
★金の鴟尾 緑の海を泳ぎたや 奈良公園を鹿と戯(ざ)れをり
                         みっちっちさん
★鹿とても酷暑を避けて昼寝する 風はやさしく睫毛くすぐり
                         夕庵さん
★昼寝より覚めて遊べる子鹿へと 深きまなざし向ける母鹿
                         みっちっちさん
★お辞儀して餌をおねだりする鹿に かこまれ悲鳴の観光客は 
                         夕庵さん
★バス乗れば異邦の少女にかこまれて 異邦の言葉に浸る楽しさ
                         みっちっちさん
★バスは我が足ともなれば時刻表 頭に入れて待ち時間なし
                         夕庵さん
★好きなのはマイカーなれど バスの旅ぼうと景色を眺めるもよし 
                         みっちっちさん
★車窓より見渡す田んぼにひこばえは 元気に芽吹き風にそよぎぬ
                         夕庵さん
★車窓より風にたなびくうす雲の 刻々変はりゆく空ながむ
                         みっちっちさん
★さらさらと砂の雲かや秋の空 指より落ちて彼岸花さく
                         夕庵さん

     「未だ咲き継ぐ ききょう」

☆空蝉に命もあるや夕映えに つかむ爪さえ放つ輝き
                         ポエット・M
★君はもう長いトンネル抜けたろうか 羽化した蝶はいま飛び立ちぬ
                         夕庵さん
★今まさに朝日を浴びて羽ばたきぬ 羽化する蝶は 煌めきまとい
                         ポエット・M
★蝶の旅 羽をたたみて安寝せよ 愛しきものへ語りかけむと 
                         夕庵さん
★海峡を たえだえ越える蝶の旅 愛しき吾子の食草求め
                         ポエット・M
★親と子の情愛かくも尊きに 人道背くは恥とこそ知れ 
                         夕庵さん
★子に注ぐ親の情愛深きゆえ 親にならねば分からぬものも
                         ポエット・M
★故郷を捨てし男(ひと)ゆくふる里へ 雪に埋もれて老母(はは)ひとり住む
                         夕庵さん
★捨てがたき ふる里今も胸裡に 母につらなる優しき山河 
                         ポエット・M
★あの男(ひと)は母に甘えにふる里へ 山も木立も影絵のなかを
                         夕庵さん
★影絵なす けむる山河に抱かれし 母なる里の緩やかなとき 
                         ポエット・M
★ふる里の入り口すでに無人駅 夢か現のなかをさ迷う
                         夕庵さん
【詞書】かつて通学に使っていたふる里の駅は、今は無人ですが存在しています。
  新幹線の駅がすぐ近くにでき、路線が異なるため二つ並んで使われており、
  近代的な駅舎と、古き時代の趣を残す駅舎の新旧の対比が微笑ましいです。
★ふる里の無人の駅は凛と立つ 新幹線の駅にならんで
                         ポエット・M
【詞書】ふる里への返歌は浅田次郎の小説「母の待つ里」を読んでの発想です。
☆ふる里の沢の流れに蛍とぶ 提灯かざして母の呼ぶ声
                         夕庵さん
【詞書】現代人の「ふるさと喪失」の深さを描き、心の原風景を思い起こさせる
  小説「母の待つ里」の主人公、松永徹ら三人の想いを詠ってみました。
★ふる里をもたぬ人らの胸裡に 静かにしみる「母」の言の葉
                         ポエット・M
★なつかしきお国なまりの囲炉裏端 乾きし心を満たすおふくろ
                         夕庵さん
★おふくろの なまりなつかし囲炉裏端 思えばここで命養う
                         ポエット・M
★偽りの子の名刺胸に旅立ちぬ 母も寂しき一世であったか
                         夕庵さん
★血縁を越える愛情育みて 「母」子の絆 深まりゆくや
                         ポエット・M
★読み終えてふる里恋し我もまた 尋ねてもみむ 兄住む町へ 
                         夕庵さん
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める コスモス」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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ゆく夏の

2024年09月14日 14時02分52秒 | 日々の歩み

 「まだまだ暑いですね!」が、最近のあいさつ代わりになって、久しいですが、
暦の上で「白露」を過ぎても、未だ真夏日が続きます。
皆さんの所はいかがでしょうか。

 福岡県太宰府市では、40日間連続で猛暑日(最高気温35℃以上)が続き、
連続猛暑日日数の国内最長記録を更新しました。
東京では、これまでの真夏日月間最多記録は、2020年などの30日でしたが、
今年は、31日連続で真夏日は、観測史上初めてとのことです。


   ☆ゆく夏の哀しみあるや雲の峰 白露すぎても熱風はこぶ

 白露の「露」は、朝草木についた露が、日の光を受けて白く輝いて見える様子を
表しているようですが、ここ南関東の地では朝の景色として未だ見られません。
白露は本来なら、処暑のあと、秋分の前に位置し、秋の始まりを告げる節気の
一つですが、未だ真夏日の中にあります。

 この原因はエルニーニョ現象等、諸々あげられますが端的に申しますと地球温暖化
対策の遅れがあることは言うまでもありません。
CO2排出制限も含めて喫緊の課題として取り組まなければ、世界的に命の危機の
現出は言うに及ばす、経済活動も含めて重大な危機にさらされることは避けようが
無いと考えます。今回、ミャンマー、ベトナムを襲った大型台風11号もその一つの
現象と考えます。ロシアを始め、侵略戦争にうつつを抜かしている暇は、既にないと
感じます。

コメント (1)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その148)

2024年09月11日 05時12分14秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その148) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「ランタナに憩う 揚羽蝶」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」を
 中心に返歌を楽しみたいと思っています。 主に光源氏と女性たちの贈答短歌が
 中心です。 今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますのでご指導よろしく
 お願いします。 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は
 新規で作成しています。 私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「3.空蝉(うつせみ)」
 再訪しての誘いにもなびかない空蝉に源氏は固執する。 小君の手引きで
 紀伊守の邸宅を三度目に訪れた源氏は開放的な様子の若い女(軒端萩)と
 碁を打つ空蝉を垣間見る。 若い女とくらべ見栄えはよくないが、源氏は
 空蝉に品のある慎みを感じる。 夜、源氏は寝所に忍び込むが、それを
 察した空蝉は小袿を脱ぎ捨て寝所を抜け出した。 行きがかり上、
 源氏は空蝉と同室で眠っていた軒端萩と情を交わす。 翌朝源氏は空蝉が
 脱ぎ捨てた小袿を持ち帰り、歌に思いを託す。 小君から歌を渡された
 空蝉は、源氏の思いに応えられない我が身の情けなさを歌に詠み、
 源氏の歌の端に書きつけた。
〇空蝉の身をかえてける木のもとに なほ人がらのなつかしきかな  光源氏
註)あなたは蝉が殻を脱ぐように衣を脱ぎ捨てて逃げさっていったが、
  その木の下でやはりあなたの人柄が懐かしく思われます。
〇空蝉の羽に置く露の木隠れて 忍び忍びに濡るる袖かな  空蝉
註)羽に置く露が木に隠れて見えないように 私も秘かに涙で袖を
  濡らしております
(返歌)
☆小袿は 貴女への想い せめてもの 初めて味わう 感じる切なさ
☆着古しで 汗ばんだ着物 恥ずかしく 薄衣が気がかり そこはかとなく
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 光源氏の歌は、註)にもありますように、蝉の抜け殻という自然のありさまを、
 人間の心の変化と重ね合わせることで、深い情感を表現しています。
 この歌からは、光源氏の未だ冷めやらぬ恋心が伝わってきますし、空蝉との
 別れをいまだに引きずり、彼女の面影を忘れられずにいる切なさが表現
 されています。
 その歌への作者の返歌は「初めて味わう感じる切なさ」と下の句で詠み
 切なさに寄り添っています。 さらに一歩進めて直截に詠んでみましたが…。
【ご参考】
☆小袿(こうちぎ)の残り香哀し切なさよ 面影さらに涙をさそう
 二首目、空蝉の歌は、内面の葛藤や揺れ動く感情を「空蝉の羽に置く露」との
 自然を媒介にして表現しています。 光源氏への未練や恋心を抱きながら、一方で、
 夫がいる身としての葛藤も繊細に表現されています。
 作者の返歌は「着古しで・・・」と、具体的な事象をあげ、ためらう想いを
 表現して納得感のある歌になっています。
 空蝉のモデルは紫式部自身との説があります。 センスが良く、理知的で
 しかも貞淑という、当時の王朝時代の価値観とは一線を画す女性像は
 紫式部が理想とするものであったと考えています。 その女性像を空蝉を
 通して表現したとも言えます。

【詞書】今、待っていることを詠ませて頂きました。
☆スーパーのお米売り場が空っぽに 台風も逸れ新米を待つ
☆台風で折れる心配したものの 庭の柿の色付きを待つ
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、昨今の「米騒動」は、新米の価格を吊り上げるために計画的に
 仕組まれたものではないかと、疑いたくなるような事態と感じています。
 詠われているように「お米売り場が空っぽ」な状態が、関東圏でも一様に
 見られます。 「新米を待つ」も、価格は二倍近くなっている現状には、怒り
 さえ湧くと主婦の方は口々に言われていました。
 現状を淡々と詠みながら、静かな告発の歌にもなっています。
 二首目の歌、今回の10号台風程、迷走を続けた台風は無かったですね。 でも、
 作者の所はそれほどの被害もなく、木も倒れずに「庭の柿の色付きを待つ」
 状態とのこと。 ホッとして胸をなでおろす想いが、淡々と詠まれ共感を誘う
 歌と思います。

     「未だ咲く 百日紅 白色」

【詞書】暑くとも少しずつ秋の気配が感じられますね。 「夕焼」は晩夏の季語。
  「朝顔」と「すすき」は秋の季語になります。三首詠みましたので出詠します。
☆夕焼を海に沈めて 高台に 君と見つけし一番星よ
☆色どりの朝顔けさも咲き継ぎて あくびの君と焙煎コーヒー
☆一陣の風に野原は金色にすすきの散らす光きらきら
                         みっちっちさん
【解説】
 今回も、「夕焼」「朝顔」「すすき」の晩夏と、秋の季語を織り込み三首
 詠んで頂きました。 俳句の季語は、その長い伝統の中で磨かれ、しっかりと
 季節を主張し、まさに句の主役としての重みを感じさせてくれます。
 短歌でも、この力を借りて余情の文学と言われる「歌」に磨きをかけたい
 ものです。
 いずれの歌も余情に満ちていますが、特に三首目に触れたいと思います。
 この歌は、秋の野原の情景を鮮やかに描き出した美しい作品で、
 「金色にすすきの散らす」は、視覚的なイメージを鮮やかに描き出して
 います。 また、「光きらきら」という擬声語によって、秋の光がキラキラと
 輝いている、その情景が鮮明に目に浮かびます。 これらの表現に
よって、
 私たちは、まるでその場に立っているかのような臨場感が
味わえます。
 さらに、作者の観察眼が光っていることは言うまでも
ありませんが、
 秋の野原の美しい情景が、私達の心に鮮やかに焼き付き、
心安らぐ
 魅力的な歌になっています。

【詞書】9月に入ればさすがに朝夕は気温も下がり、あたりが静かに
  なったように感じます。
☆酔芙蓉咲けばなつかし風の盆 雨は流れる八尾の坂道
☆涼やかなソロを聴かせて鈴虫よ 秋の百代の話し相手に
☆眠そうな「穂村ほむほむ」深夜便 なるほど、そうか 眠れなくなる
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌、「風の盆」は、高橋治著「風の盆恋歌」と共に、作者も前にも
 触れていましたので、 サロンの歌友の皆さんも既に、ご存知の事と思います。

 酔芙蓉が咲く八尾の坂道に胡弓の音が流れるとき、風の盆の夜がふけていきます。
 「酔芙蓉咲けばなつかし風の盆」の上の句ですが、酔芙蓉は朝に白く咲き、夕べには
 酔ったように赤く染まる花です。 この花の変化が、風の盆という祭りの情景と重なり、

 そこはかとしたもののあわれを感じさせます。 さらに、「雨は流れる八尾の坂道」の
 下の句ですが、八尾の町は坂が多く、雨が降るとその坂道を流れる様子が目に
 浮かびます。 この情景描写は、風の盆のしっとりとした雰囲気をさらに引き立てて
 います。 この歌は懐かしさと共に哀愁を感じさせる歌となっていますが、作者の
 秘められた淡い恋物語も滲んでいるかに感じます。
 なお、「風の盆」は二百十日の前後の台風到来の時節、収穫時の稲穂が風害に
 遭わないよう、風の神様を鎮める豊作祈願として行われたのが起源とのことです。
 二首目の「ソロを聴かせて鈴虫よ」の表現が粋ですね。 静かにソロを聴いてみたく
 なります。

     「未だ咲く 酔芙蓉 八重」

【詞書】YouTube短歌:ホルスト 惑星 木星
☆大いなる河の樣に
    神の王たる歩みで

  人々に安らぎを
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 いつも拝見している埼玉で音楽教室を開いている小松音楽教室の
 さえ先生が、ホルストの惑星を演奏されたので、その曲を
 イメージして短歌を作りました。
 先生から、許可を得たので、短歌より、先生の演奏をお聴き下さい。
 これって、エレクトーンを一人で演奏しています。 私にとっては神業です。
 秋は、コンサートが盛りだくさんで、とても忙しい中、許可頂き、
 感謝申し上げます。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/2c3ca0c0cb94f06b28caa9da52be09e7
                         自閑さん
【解説】
 平原綾香のデビュー曲『Jupiter』(ジュピター)は、作者も説明されて
 いるように、イギリスの作曲家ホルストの管弦楽組曲『惑星』の第4楽章
 「木星」を基にした楽曲です。 この「木星」の中間部の旋律に吉元由美氏が
 歌詞を付けたものです。
 2004年の新潟県中越地震の翌年の2005年から、長岡まつり大花火大会で
 打ち上げられている復興祈願花火『フェニックス』では、この曲がBGMとして
 使われたことで有名です。
 作者は、小松音楽教室のさえ先生の演奏される『Jupiter』を聴き、その曲を
 イメージして「神の王たる歩みで」と詠われています。 木星は、幸運、成功等を
 司る星とされており、この楽章の明るく雄大な雰囲気は、まさにそうした
 イメージを反映しています。 奏者である、さえ先生の理解と演奏技術がその
 雰囲気をさらに増幅させて響いてきます。 それにより詠われているように
 「人々に安らぎを」もたらしていると感じます。
 曲も、それを咀嚼し、自分の想いを込めて演奏することにより、作曲者の想いを
 越えて人々に、その曲の神髄を届けることが出来ることを痛切に感じました。
 その意味ではこの短歌は、演奏者と短歌作者のジャンルを超えた、新たな
 コラボレーションの結実と言えるのではないかと思っています。

【詞書】第17回パラリンピック・パリ大会は、現地時間8日夜(日本時間9日未明)に
  雨の中閉会式が行われて、12日間の日程を終え、賑やかに終了しました。
  雨の中とは言え、障害を持ったパフォーマーさん達がダイナミックに
  踊ったり、光(炎が噴き出す特効や、動いたり色が変化したりする
  ライティングやレーザー)と音(音楽)で華やかに楽しく演出された
  閉会式だったと思います。 雨で大変だったかなとも思いましたが、
  アスリートの皆さんはスマホで撮影したり、隣の人と笑い合ったり
  楽しそうでした。 日本選手は金銀銅計41個のメダルを獲得したそうですね。
  車いすラグビーでの金メダル獲得の瞬間や、小田凱人選手の車いすテニス
  男子シングルス準決勝などは見ていました。 (「真夜中のドア」!!)
  パラリンピアン、オリンピアン問わず、皆さんお疲れさまでした。 目を見張る技、
  新記録、世界への挑戦、努力の成果、悔しい涙も全てが素晴らしいものでした。
  雨で始まり雨で終わったスポーツの祭典の夏を楽しませていただきました。
  … 次はロスかあ~。 「あの」ファンファーレ使うかな? 1回目のロス大会は
  「いだてん」でもやってましたね。 (バロン西に触れてなかったのがなあ…
  それ以前のテニス男子の銀は、ちらっと言ってましたが…)
☆雨の中 オリンピックは開幕し
       パラリンピックは雨中の閉幕
【詞書】小田選手、まずはおめでとうございます。 ローランギャロスの赤い
  クレーコートに寝転んだ感触は格別だったと思われます。 生の中継で
  見たかった…。 テレビの番組予定表を見ても無い事に「何でやねん」と
  突っ込まずにはいられませんでした。 決勝相手のアルフィー(!) ・
  ヒューエット選手は手強く、小田選手も最終セットまで縺れて“敗北が
  脳裏をかすめた”(9/9の朝日新聞夕刊より)そうですが、巻き返して
  勝利を掴んだその強さと、 会場を煽って自分の舞台にした根性とも
  言えるバイタリティには賞賛を惜しみません。 この種目で18歳と123日と
  いう史上最年少の優勝は小田選手の人生のみならず日本の“テニスの”
  歴史に於いてこの先も輝きを放つことと思います。 これからのご活躍も
  お祈りしています。 本当におめでとうございます。 … って、お祝いの
  お手紙でもしたためたくなった小田選手の金メダルでした。 相手も
  ランキング1位の選手だったそうで、見応えあっただろうに~。 準決勝は
  やってたのになあ…。 放送権って決勝はやたら高いんですかね。
  可能性の固まりの18歳。 これからも楽しみです。 まあ4大大会やその他の
  大会もありますから、どうかお疲れが出ませんように…。
☆名の由来「凱旋門」のお膝元
       パリ・パラで金 小田凱人(ときと)選手
【詞書】6月にISS(国際宇宙ステーション)に向かい、 到着した米ボーイング社
  の宇宙船スターライナーは、ヘリウムガスの漏れなど不具合が生じ、
  当初一週間か8日かで地球に帰還予定だった宇宙飛行士2名は、そのまま
  ISSに滞在し、 先日スターライナーが乗員不在のまま地球に帰還しました。
  万全を期すためとは言え、随分長い滞在になってしまった飛行士さん
  お2人は体調も問題なく過ごしているとか。 少々人数が増えてもISSは
  支障はないそうですが、どれだけ万全に準備しても、アクシデントは
  宇宙での計画に付き物なんでしょうね…。 どうか来年お二人が無事に
  地球に帰還されますように!
☆人乗せぬ スターライナー帰還して
         飛行士2人は宇宙に長居す
                         ちがやねこさん
【解説】
 「パラリンピック閉幕」「小田凱人選手」「スターライナー帰還」の
 三首を、作者は新鮮な切り口でレポートも兼ねて詠んで頂きました。
 一首目、雨の中で始まり、雨の中で幕を閉じた「オリ・パラ」。 メダルの
 数のみでは計り知れない内容の濃く、多くの熱いドラマに彩られたパリ大会。
 幾つかの問題点、改善すべき事項も指摘されていましたが、作者も言われる
 ように「悔しい涙も、全てが素晴らしい」スポーツの祭典をやり切った
 アスリートたちに、心からの拍手を送りたいと思います。
 二首目、「凱旋門」由来の名前を持つ小田凱人(ときと)選手の、史上最年少の
 優勝。 これは作者の詞書にもありますように「小田選手の人生のみならず
 日本の“テニスの”歴史に於いてこの先も輝きを放つ」ことと思いますし、
 今後の可能性と活躍に期待したいですね。
 三首目は、作者のライフワークの分野ですが、宇宙船スターライナーの
 不具合により、今回は帰還予定だった二人の宇宙飛行士は、そのままISSに
 滞在することになりましたね。 万全の準備しても、安全率100.000000%の達成は
 神の領域になりますので…、最大限の準備を重ね、無事に地球に帰還されるよう
 祈りたいと思います。

☆空蝉に命もあるや夕映えに つかむ爪さえ放つ耀き
                         ポエット・M
【解説】
 台風10号が熱帯低気圧に変わり、列島から過ぎ去った後、近くの森に
 一斉にせみ時雨が響きはじめました。 その森の木の一本に未だ光沢を残す
 空蝉が着いていました。
 かすかな夕映えに照らされた、空蝉の爪は夕映えの輝きを掴もうとする
 かのように木に食い込んでいました。 その爪は儚いものをなお掴もうと
 する、生きとし生けるものたちの飽くなき欲望を表しているかにも感じ
 ました。 さらに、必死に木を掴むその爪は命の象徴そのものの生気を
 放っていました。 そんな空蝉の様子に触発されて詠んでみました。


     「咲き残る 向日葵」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(54)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

35.「 短歌の章」 宗久尼の得度入山(3)

   国見山 国見しつらむいにしえの  
             大宮人を幻に見む

   あしひきの山なみ越えて
       人麻呂も赤人も行きし宇陀の榛原

   右近の碑 キリスト者の身をいさぎよく
              果てし命は今に残れり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                             了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その148)ネット歌会

2024年09月11日 04時41分10秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その148)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「未だ咲く ノウゼンカズラ 薄紅」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆物音も吸い込まれそうな午後の部屋 バナナは熟れて卓に転がる
                         夕庵さん
【詞書】ちょっとでも長持ちすれば、とバナナをS字フックに引っ掛けて
  いるんですが、ちょっと日が経ってしまうと、柄の下の方(根元?)が黒く
  なって、落っこちてしまうんですよね。で、大概抵抗したかのように細く
  皮が残っている…と。よく、落ちた時の音がテレビ(と、今はエアコン)の
  音ぐらいしか聞こえない部屋で大きく聞こえて、「えっ?!何?何の音?!」とか
  言って台所に来て「あ~これやね」と納得する…ということが多々あります。
  何か知らんけど、びくっとしますよね。😅
★フックから皮の一部と柄を残し バナナ落ちたり「ぼとっ!!」と音たて
                         ちがやねこさん
★台風に窓の簾が音たてて うつつの夢をやぶる夜明けに
                         夕庵さん

☆スーパーのお米売り場が空っぽに 台風も逸れ新米を待つ
                         西BOOさん
★新米もそろそろ入荷というものの 秋の値上げの一番名乗り
                         夕庵さん
★ニュースにて新米出回る報道も 値が2倍とは一体何ぞ
                         西BOOさん

☆台風で折れる心配したものの 庭の柿の色付きを待つ
                         西BOOさん
★橙色(だいだい)の夕陽に負けぬ柿の色 恩師に送ろう絵手紙にして
                         夕庵さん

☆一陣の風に野原は金色に すすきの散らす光きらきら
                         みっちっちさん
★満月にうかれ狸の腹鼓 薄の原は今宵も楽し
                         夕庵さん
★満月に原の動物うかれしも うさぎはひとり餅つき励む
                         みっちっちさん
★瀬戸内の大久野島にはふわふわの 兎が群れる毒ガスの島
                         夕庵さん
★瀬戸内は晴れの国とぞ呼ばれたり フルーツ甘くジューシーなる美味
                         みっちっちさん
★楽しみはそろそろ巨峰の届く頃 スーパーの品買わずに過ぎる
                         夕庵さん

     「未だ咲く 浜木綿の花」

☆夕焼けを海に沈めて 高台に 君と見つけし一番星よ
                         みっちっちさん
★ライン来る 一番星見つけたと 想い違えど何だか愉快
                         夕庵さん
★一番を目指して励む卓球ぞ 負けず嫌ひがめらめら燃ゆる
                         みっちっちさん
★ビル街は無風状態人もなく いつまで続く夏の陽炎 
                         夕庵さん
★ビル街ははるかテトリス 赤々と大夕焼けのなかに揺らめく
                         みっちっちさん
★展望のビルから下を見渡せば 大蛇のごとく幹線道路(道路)はうねる
                         夕庵さん
★松明の火の粉巻き上げ社へと 大蛇のごとく火祭佳境
                         みっちっちさん
★参道にこちらは禁止と結界の 白蛇脱皮の残る暗がり
                         夕庵さん
★白蛇を見れば金運アップとふ 弁財天の使ひなる社
                         みっちっちさん
★白蛇と遭遇した日を吉として 誰にも言わず宝くじ買う
                         夕庵さん
★宝くじ買ひてひとまず仏壇の 供花の横に拝みて置けり
                         みっちっちさん
★宝くじ欲は決して申しませぬ 一夜の夢を見せて下され
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「酔芙蓉の花 八重」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
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                     了

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酔芙蓉に寄せて

2024年09月08日 21時15分51秒 | 日々の歩み

 炎暑、酷暑という言葉で表現された、今年の夏も9月に入り依然として暑さはあるものの朝夕には、少し涼しさも感じる日々になってきました。
この季節になると、酔芙蓉が咲き乱れ色の変化に見とれることがあります。紫陽花のように梅雨をまといながら、淡い緑から濃い藍色へとじっくりと日にちをかけて変化する花に比べ、酔芙蓉は朝の白から、淡紅、さらに濃い紅へとわずか一日で変化し、夕べには散ってしまいます。


     「咲き競う 酔芙蓉 八重」

 数時間という短命の月下美人ほどではないにしても、ひと日花の定めを負う酔芙蓉の花の命も儚いと形容するには、あまりにも多くの物語を秘めているように感じます。
花の名前は、花色が変わる姿からお酒を飲んで酔ったように見えることが由来とのこと。花言葉には「心変わり」「しとやかな恋人」「繊細な美」「幸せの再来」などがあります。

 酔芙蓉の花と言えば、私達の現役時代に話題となった高橋治著「風の盆恋歌」があります。この著作については、かつて「水曜サロン」の歌友、夕庵さんも短歌に詠まれ、詞書で触れられておりました。
そこでは、物語を彩る重要な要素の一つとして、酔芙蓉が描かれています。越中八尾の風景の中に、酔芙蓉が咲き乱れる様子が描写されることで、その儚さ、美しさ、そして恋の情熱を象徴する花として、作品の世界観を深く豊かに表現しているかに感じました。

     「超然と咲く 酔芙蓉 八重」

 「あのね...幸せって、いいことなの?
  人間にとって、生きたって実感と、どっちが大事なの?」
 これは、20余年後の再開の際、主人公の一人えり子が都築に向かって発する言葉ですが…、心からの叫びとして感情移入してしまう、深い想いを秘めた言葉とも感じます。こんな言葉のやり取りも含めて、「死をともにしても良い」ほどの愛を知り確認し合った二人。ぼんぼりに灯がともり、胡弓の音が流れるとき、風の盆の夜がふけていきます。互いに心を通わせながら、離ればなれに20余年の歳月を生きた男と女。その二人が再開後にたどる、あやうい恋の道行きを金沢、パリ、八尾、さらに白峰を舞台に情感豊かに描き出しています。

 そんな物語を知ってか、知らぬか酔芙蓉は朝日を受けながら、超然として白い花を揺らしていました。

コメント (1)
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