四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その143)

2024年07月31日 05時55分27秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その143) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 緊急連絡!! 旧盆につきサロンの掲載日を変更させて頂きます。
 ☆☆☆  8月 7日(水)通常通りの掲載と致します。
 ☆☆☆  8月14日(水)は旧盆につきお休みと致します。
 ☆☆☆  8月21日(水)通常通りの掲載と致します。
 ☆☆☆  本件、関係各位と相談させて頂きました。ご協力頂ければ幸いです。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 夾竹桃」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・28夕霧(ゆふぎり)
  歌の背景
   光源氏五十歳。物の怪に悩んだ御息所は娘の女二宮(落葉宮)と
   小野の山荘に移る。夕霧は山荘まで訪れ、陀羅尼を唱えたりする
   女二宮の様子に思いをよせ一夜の宿りを乞う歌を詠む。
〇山里の あはれを添ふる 夕霧に 立ち出でむ空も なき心地して  夕霧
〇山賤(やまがつ)の籬(まがき)をこめて立つ霧も
                    心そらなる人はとどめず 女二宮
(返歌)
☆まめ人の 堅物男 真剣で 抑えられない 恋物語
☆大将は 小野の山里 足しげく 宮さま口説くも 心許さず

紫式部集・28 
〇春なれど白嶺(しらね)のみゆき いやつもり解くべきほどのいつとなきかな
(返歌)
☆越前で過ごした月日時間こそ 暮らしにふれて裏付けされる
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目、夕霧の歌は「山里の風情を一層深める夕霧のために、私は立ち帰る
 気にもなれません」と意訳できます。
 それに対して女二宮(落葉宮)の返歌は「山人の住いを立ちこめている霧も、
 あなたのような浮気な人は留めません(間もなく晴れることでしょう)。どうぞ
 お勝手に」と意訳できます。
 これらを踏まえて作者の返歌は、何れも夕霧、女二宮、それぞれの想いに寄り
 添った歌となっており、読者の共感を誘うものと思います。
 ただ、源氏物語では、その後夕霧は自分の正妻の想いを無視し女二宮(落葉宮)
 を妻に迎える展開となります。
 二首目の女二宮の歌への返歌を夕霧の立場から踏み込んで詠んでみましたが…、
【ご参考】
 ★立ちこめる霧に思いは紛るるも 君に寄りゆく想い一途に
 三首目の紫式部の歌は「春になりましたが、白山の雪はますます積もって解ける
 のはいつのことになるか分かりません」と意訳でき、従来、夫「宣孝」に贈った歌と
 されてきました。しかし、最近の研究で「父の為時」にあてて詠んだものとの
 説が有力になっています。作者の返歌もこの辺の事情を推測して詠われていると
 感じました。源氏物語は未だ解明されていないミステリアスな点が多いと感じます。

【詞書】真夏の到来で詠ませて頂きました。
☆梅雨が明け猛暑酷暑の到来に 網戸で過ごした過去懐かしや
【詞書】兵庫県知事で詠ませて頂きました。
☆兵庫県職員亡くすも知事はなお 辞職はおろか謝罪も皆無
【詞書】祇園祭の後祭を詠ませて頂きます。
☆いつぞやに始まりしかな還幸祭 大船鉾が掉尾(ちょうび)を飾る
                         西BOOさん
【解説】
 「猛暑酷暑」「兵庫県知事」「後祭」と、時事詠も含めて3首詠んで
 頂きました。
 一首目の歌、梅雨明けの酷暑は「命を危険にさらす」と言われていますが、
 世界中で猛暑による健康被害が深刻化しており、日本でも
熱中症で命を
 落とす人が昨今増えています。詠まれていますように
「網戸」越しの
 冷風で凌いだ、かつての夏が懐かしい思い出ですね。

 私達も、温暖化に対する世界的な取り組みを、喫緊の課題として注視して
 いくことが必要と考えます。

 二首目の歌、詠われている通りですね。行政の長が自らの職員の生命と誇りを
 守れないのであれば、その地位に留まるべきではないと考えます。

 三首目の歌、還幸祭とは、祇園祭において神様がお旅所から八坂神社にご帰還
 される神事ですが、この還幸祭で最も注目される山鉾の一つが
大船鉾です。
 詠われているように、後祭の巡行では他の山鉾を従えて、
「掉尾を」飾り、
 その雄大な姿で祭りを締めくくります。

 なお、大船鉾の歴史は古く、応仁の乱以前(1441年)の建立という説もあります。


     「合歓の花」

【詞書】夏の花、合歓(ねむ)の花、花合歓(はなねむ)で三首詠みましたので、
  出詠します。
☆昼下がり とろりと眠き雨音に 色深めゆく花合歓の紅
☆濡れてゐる ややの睫毛よ ゆりかごへ子守り唄めく花合歓の風
☆葉をたたみ今日をたたむる夕暮れに 色をあざやぐ ねむり木の花
                         みっちっちさん
【解説】
 合歓(ねむ)の花に寄せて韻律の整った三首の歌を詠んで頂きました。
 特に、三首目の歌は、夕暮れ時の静寂と美しさを巧みに捉えています。
 合歓の「葉をたたみ」の動きと、一日の終わりの静寂を重ね合わせることで、
 より深い感動を誘う歌になったと考えます。
 なお、夕暮れの中で、合歓の木の花が鮮やかに咲いている様子が描写される
 ことにより、夕暮れの薄あかりの中で、花の色が一層際立って感じられます。
 また、
その対比の表現の巧みさが目をひきます。
 二首目の下の句、「子守り唄めく花合歓の風」の余情と、視点の的確さが
 秀逸で、調べも良いですね。

【詞書】今週も蓮の花3首です。
☆二千年の眠りより醒めし大賀バス 令和の空に歴史を語る
☆泥土(ひじりこ)のなかより咲きし花バスは朝の光に姿やさしも
☆早朝に白蓮そっと開きをり 浄土に咲くとう静けさに立ち
                         夕庵さん
【解説】
 蓮の花に寄せて、静謐な世界に誘う三首の歌を、ゆったりと鑑賞させて
 頂きました。
 特に三首目の歌、静かに開く白蓮の姿が目に浮かび、さらに幻想的で
 視覚的なイメージが鮮やかに表現されています。また、「静けさに立ち」
 という句から、周囲の音が一切聞こえないような、深い静寂が感じられます。
 この静けさの中で、蓮の花が開く微かな音が聞こえてきそうな情景が繊細に
 描写されています。
 なお、蓮の花の清らかさや荘厳さは、作者の心象を反映しているのかも
 知れません。作者の鋭敏な観察力と豊かな表現力によって、この歌を味わう
 私達の心に、静けさと安らぎをもたらしてくれていると感じます。

 一首目の「大賀蓮」の紡ぐ二千年の歴史を、蓮に聞いてみたい想いも致します。


     「咲き競う 宗旦むくげ」

【詞書】形而上絵画 デ・キリコ
☆定規石像手の生えてきたマヌカン
       意味なんて解らなくてよい
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 上野の東京都美術館で、デ・キリコ展を観てきた。
 ジョルジョ・デ・キリコ(ˈdʒordʒo deˈkiːriko 1888年 - 1978年)は、
 ギリシャ生まれのイタリア人の画家、彫刻家。ドイツで、ニーチェ、
 ショーベンハウア、ヴァイニンガーなどの19世紀のドイツ哲学やベックリン、
 キリンジャーといった象徴主義の絵画から影響を受け、形而上絵画派を興し、
 後のシュルレアリスムに大きな影響を与えた。
 形而上絵画とは、『どこか辻褄があわない、納得のゆかない、不思議な、
 くらいの意味』で、一種の幻想絵画といってもいいが、絵で目立つのは、
 誇張された不自然な遠近表現、非日常的な、幻覚的ともいうべき強烈な光と
 影のコントラスト、古代的なモチーフと現代的なモチーフとの共存と言う
 意味らしい。
 背景に有る、塔や煙突、遺跡の石像や、神話や伝説の古代トロイア戦争の
 登場人物、外に出された家具、キリコの有名なマヌカン(マネキン)も、
 手が生えて人の様なポーズをとっている。
 意味を盛んに読み解こうと、説明書ばかり読んでいる方々がいた。
 入場料を払ったのだから、どう観賞しようと勝手なのだが、目の前の本物の
 キリコを観た方が、良いのにとは思う。世界中の研究家にも、意味不明
 なのだから。
 意味不明の絵画を観て、意味不明の短歌を作る、小生らしい。
                         自閑さん
【解説】
 形而上絵画の巨匠と言われるジョルジョ・デ・キリコについて作者独自の
 肯定的な視点から詠って頂きました。
 詠われているように、絵画はそれぞれの感性で味わえば良いと私も思います。
 まさに「意味なんて解らなくてよい」と感じます。
 デ・キリコの絵画は、単なる風景画ではなく、私たちの日常の奥底に潜む、
 謎めいた非日常の世界を描き出している言われています。彼の作品を鑑賞する
 ことで、私たちは普段見過ごしているもの、感じていないものに気づくことが
 できるかもしれません。そんな視点を提示してくれる彼の絵を私達も自分の
 感性を信じ味わうことも大切と思います。時には否定する勇気もあって良いと
 思いますが・・・。作者はそんな想いを込めて詠っているとも感じます。
 なお、私はキリコの絵の空間の歪みに注目しています。それまでの王道であった
 遠近法を歪め、新たな空間の雰囲気を作り出す彼の勇気を讃えたいと思います。
 作者が詠われてるように「意味なんて解らなくてよい」と高らかに宣言する
 姿勢を私達も身につけたいと思いますし、芸術はすべからく、そのように
 味わっていきたいと思っています。

【詞書】7月21日の夕刻の話なんですが、台所の足元マットを干していたのを
  忘れてて、夕方の6時を過ぎたぐらいに思い出し、「いかんいかん」と
  取り込みに行くと、二枚干したうちの一枚に殻の背中から三分の一くらい
  出ている蝉がくっついてたんですね。すぐスマホで撮って、
  「どないしよーか」と迷いましたが、移すにしても上手くいかなかったら
  かわいそうなので、マットはそのままにしました。少し暗くなってから
  半分くらい出ていたので、ちょっと動画でも撮ってみましたが、キリが
  ないので6分ぐらいで切り上げ、もっと遅くなってから見に行くと薄緑
  がかった全身が殻の外に出ていました。(勿論撮りました)翌朝には
  当然いませんで空蝉が残るばかりでした。周りで鳴いている蝉の
  どれかがこの殻の主やろうなあ…なんて思いつつ殻を捨てました。
  (マットは夜じゅう掛けていたのでもう少し干しました)
☆脱皮する真っ最中の蝉が居た
     取り込み忘れたキッチンマットに
【詞書】パリ五輪7月29日、総合馬術団体。ベルサイユ宮殿にて行われ、決勝で
  3位になり銅メダル🥉を獲得しました。すでに報道でも言われていますが、
  馬術でのメダルは1932年のロスアンゼルス五輪での“バロン西”
  (映画「硫黄島からの手紙」で伊原剛志さんが好演されました)西 竹一
  (当時は中尉)による個人障害飛越の金メダルからじつに92年!!快挙です!
  私の姉や甥が一時乗馬をしていた関係で、半数以上は知った名前の
  方々なので(姉は面識のある人も)、私も嬉しい…。海外に拠点を移して
  馬術の本場ヨーロッパで頑張っておられた面々の努力が報われた!と
  思います。心から「おめでとうございます!!」。ただ、自分たちで言った
  とはいえ、平均年齢41歳かで「“初老”ジャパン」は何だかなあ…。
  せめて“ライダーズジャパン”とか……。(話題になってるからええん
  かなあ😅)お馬さんたちもお疲れ様!人馬が表彰される風景もまた
  良しです。(ダイジェストでいいから地上波でやってくれー!!)
☆ベルサイユに光り輝く宝石は
        人馬一体 努力の結晶
【詞書】7月23日の夕方のニュースでした。声優の小原乃梨子さんが12日に
  亡くなられたと…。子供の頃から聞いていました。大人の女性を演じられる
  事もありましたが、私はやはり少年の声のイメージが強いですね。強い、
  元気なキャラクターも少し気弱なキャラクターも根底に“優しさ”を
  感じられる温かみのあるお声でした。(ドロンジョ様でも部下に対して
  何となく優しい言葉を掛けることも…?!)「ドラえもん」を2005年に
  交代されて時々、ふと「お元気やろうか」と思うこともありました。
  病気療養中だったとの事、ご冥福をお祈り致します…。
  (「サザエさん」の花沢さん役などの山本圭子さんの訃報も今日ありました。
  ベテラン声優さんの訃報はやはり寂しいです。合掌)
☆「ラナーッ!」「ハイジー!」「やーっておしまい!!」
     「ドラえも~ん!💦」 耳残る声 さまざまなキャラ
                         ちがやねこさん
【解説】
 「セミの羽化」「総合馬術の団体」「小原乃梨子さん」について、それぞれ、
 深い想いを込めて詠んで頂きました。
 一首目の歌、蝉の短い一生の中でも劇的な変化を遂げる脱皮「羽化」は、
 生命の神秘を感じさせてくれますね。そのドラマチックな瞬間に立ち会い
 優しく見守った作者の人柄が滲む良い歌と思います。蝉は天敵がいなくなる
 夜に羽化するとの事ですが、その繊細な命の営みを見守り、動画におさめた
 作者の感動が歌からも伝わって来ます。それにしても、キッチンマットで
 羽化したとは驚きですね。蝉にとって居心地が良かったのだと思います。
 二首目の歌、詞書にもありますように「個人障害飛越の金メダルから
 じつに92年!!快挙です!」ね。「バロン西」氏とは細君の母親が昔から交流が
 有り戦後、細君と共に、その奥様をお訪ねしたことがあったと聞き及び、
 歴史の偶然に驚いています。
 下の句で、詠われているようにメダルは、まさに「人馬一体 努力の結晶」ですね。
 三首目、声優の小原乃梨子さんを「根底に“優しさ”を感じられる温かみのある
 お声」と詞書に記されていますが、演じられたどのキャラクターにも親しみを
 感じられた所以と思います。正に声優の魂を言葉で表現しきったレジェンドとの
 想いが致します。改めてご冥福をお祈り致します。

☆黒揚羽 木下に闇を残しつつ 舞い立つ先にカンナは燃えて
                         ポエット・M
【解説】
 連日炎暑が続きますが、ギラギラと照り付ける太陽の下、緑の木々による
 木下闇が作られています。そんな闇から生まれたように黒揚羽蝶が飛び立ち
 ました。その蝶の飛び立つ先に真紅のカンナが日の光に負けない輝きを
 放っていました。
 夏の夕暮れ時、木陰から舞い上がった黒い揚羽蝶が、燃えるように赤い
 カンナの花へと向かう幻想的な光景を詠ってみましたが、平凡な歌に
 なってしまいました。
 ただ、黒と赤、闇と光、静と動など、さらに揚羽蝶の舞い立つ動きと、
 木下の静けさ等の対比を少し意識して表現してみました。
 
      「木下闇の黒揚羽蝶」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(50)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
31.「短歌の章」 偶感(1)

   つぶらかに黒き瞳のインドの子ら
           生享くることの幸あれよ
           
   マザーテレサ 極貧は自らの選択と
           孤児養ひてすずしきひとみ

   高麗青磁謎を秘めたる翡のはだえ
             春やはらかき陽のもとに置く

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 「ちがやねこさん」からの祇園祭の前祭(さきまつり)の紹介です。

 7月17日、8時半から放送されている祇園祭の前祭(さきまつり)の
 山鉾巡行の生中継試聴なう、です。
 先ほど、9番目を行く鶏鉾の車輪にアクシデントがありました。車輪の
 一部が外れたようで、どうするかの協議もあったようですが、後ろで
 待っていた山や鉾を先に通そうとなったかで、すぐ後ろとその次は、
 人が担ぐ“山”なのでまあすんなりと鶏鉾の横を通り過ぎて行け
 ました。が、その次が鉾全体で最重量の月鉾(高さも最高の27メートル!)
 だもんだから、どうなることかと思いましたが曳き手の人達、屋根の
 上の屋根方、車輪に付いて動きを助ける車方(くるまかた)…全ての
 方々の努力の結果、10センチかそれ以内かぐらいのすき間を空けて
 二基の鉾がすれ違いました。(心なしか囃子方のお囃子の音も
 「頑張れ!」って言ってるみたいに力強く聞こえました)普通なら
 斜めに動かない四条通で、皆が手で押して車輪(前後にしか動かない)を
 動かし、屋根方の方達はお互いの屋根を足で押し合い(一瞬だけ月鉾の
 人が他所の鉾、鶏鉾に乗った!これも珍しいことかと)、曳き手の人達も
 息を合わせてゆっくり動かし、音頭取りの方々も力強く掛け声を
 掛けて…互いの屋根がぎりぎりで通り過ぎる時は見物の人達から
 声援や拍手が起こったり…。何より、四条通で鉾が(鉾と山も)2基
 並ぶと言うのが珍しい光景でした。

 後に通り過ぎた放下鉾は月鉾より多少小ぶりなのかすき間にちょっと
 余裕があったような…。放下鉾が通り過ぎた時、屋根方の人達同士で
 「お先に失礼します」「がんばれよ!」みたいに手を振り合っているのが
 素敵でした。(菊水鉾も、だと思うんですが見逃した…)山鉾巡行は、
 必ずその順番で往く“くじ取らず(先頭の長刀鉾など数基)”以外の
 山や鉾は毎年事前に“くじ”を引いて(市議会の会議場で!皆さん
 紋付き袴姿で!)順番を決めて巡行します。その理由は昔は山や鉾が
 追い越したり越されたりで争いが起きたりしたから“くじ”で順番を
 決め、それを守るようになった…なんだそうです。

 が、今回は後ろの鉾や山に「どうぞお先に」と先を譲ったとは言え、
 山や鉾が鉾を(粛々と)追い越していく…という、なかなか見られない
 光景が!結果的に鶏鉾は車輪に応急処置を施して四条通をバックし
 (囃子方の皆さんは鉾を降りていました)、室町通の鶏鉾町へ帰るとの
 ことでした。毎年放送席で解説してはる佛教大の八木先生(綾傘鉾町の
 方らしく毎年綾傘鉾町の浴衣を着られてます)も「見たことない」と
 仰ってました。天気は持ったけどえらいアクシデントも起きた今回の
 前(さき)祭。後から放送席に来られた、今年初めて「くじ改め」の
 奉行役を務められた京都市長の松井さんは「怪我人が出なくて
 良かった」と言ってはりました。確かに、屋根方の方達とか見ていて
 ハラハラしました。アクシデントか有り、中継の放送予定も少し変更が
 あったみたいだけど、取りあえず大変な事故も雨もなくて良かったです。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (15)
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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その143)ネット歌会

2024年07月31日 05時22分09秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その143)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 緊急連絡!! 旧盆につきサロンの掲載日を変更させて頂きます。
 ☆☆☆  8月  7日(水)通常通りの掲載と致します。
 ☆☆☆  8月14日(水)は旧盆につきお休みと致します。
 ☆☆☆  8月21日(水)通常通りの掲載と致します。
 ☆☆☆  本件関係各位と相談させて頂きました。ご協力頂ければ幸いです。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き初める 白い夾竹桃」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆梅雨が明け猛暑酷暑の到来に 網戸で過ごした過去懐かしや
                         西BOOさん
★過ぎ去りし日々の記憶のなつかしさ 団扇にゆらぐ渦巻き線香
                         夕庵さん
★懐かしや クワガタとりに朝、山へ クヌギを蹴るとポトリポトリと
                         西BOOさん

☆兵庫県職員亡くすも知事はなお 辞職はおろか謝罪も皆無
                         西BOOさん
【詞書】阪神オリックスの優勝パレードに絡んだ資金の流れを告発
  された現場の県職員が、4月に亡くなっていたとの事。その死は
  上により隠蔽されていたようです。県民としても知事の蛮行は、
  ますます許せません。
★なほひとり県職員の亡くなりし 疑惑の知事を県民許さじ
                         みっちっちさん
【詞書】私も過去に、維新の会に票を投じてしまった事があり
  心から恥じております。
★仮にもし返してもらえるとすれば 返して欲しい維新への票
                         西BOOさん

     「八重咲の白いむくげ」

☆昼下がり とろりと眠き雨音に 色深めゆく花合歓の紅
                         みっちっちさん
★日の暮れて千の花びら合歓の花 葉はしなやかな褥となりぬ
                         夕庵さん
★葉を閉じて褥のごとく眠らせる 花の不思議に心安らぐ
                         みっちっちさん
★植物もそれぞれ生きる特性を 雑多な世相にまして人なら
                         夕庵さん
★生き難き人の世の常 植物もけものもおのれ守りて眠る
                         みっちっちさん
★護られることの幸せ今日の日を 老いては子らに従う知恵を
                         夕庵さん
★やれコロナ やれ骨折と 友受難 ゆるり治してまた頑張ろふ
                         みっちっちさん

☆泥土(ひじりこ)のなかより咲きし花ハスは朝の光に姿やさしも
                         夕庵さん
★酷暑にも天変地異やにおどろなる 雨雷に 街は泥濘(ぬかるみ)
                         みっちっちさん
★雷神よ 風神そろいて破壊とは 流す涙に怒り鎮めよ
                         夕庵さん
★温暖化 自然破壊よ 大地震(おおなゐ)よ あらたまの神怒り鎮めよ
                         みっちっちさん
★スーパーへ走れど我慢の限界で 酷暑の昼に溶けてゆきそう
                         夕庵さん
★この酷暑 オリンピックの中継をエアコンつけて応援せむと
                         みっちっちさん
★敗因もいまやAIを参考に メダルを胸にする日のために
                         夕庵さん
★スポーツも頭脳戦なり 敗因を繰り返す我が惨敗に泣く
                         みっちっちさん
★勝ち負けの世界は予想をはるか越え 泣くも笑うもドラマを生まむ
                         夕庵さん
【詞書】卓球混合ダブルス世界ランク2位の、張本智和、早田ひなの
  「はりひな」は何と初戦で、北朝鮮の異質ラバーに負けて、残念でした。
★はりひなも阿部詩も負け号泣の 魔物が住むといふオリンピック
                         みっちっちさん
★プレッシャーという魔物の壁を乗り越えて メンタル強く君よ 戦え
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「八重咲のむくげ 底紅」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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兄妹食事会へ

2024年07月29日 13時55分39秒 | お出かけ

 このブログではあまり話題にしてきませんでしたが、私には二人の妹がおります。一人は東京郊外に住み、一人はいま郷里の信州に居を構えています。
 信州に居を構える妹は、かつて赤坂界隈で仕事をしていましたが、定年を前に仕事に早々にめどをつけ郷里に家を建て自適な生活を送っています。東京郊外に住む妹は、大学病院での看護師を皮切りに定年を超えても勤務を続けてきました。ご主人を病で亡くした後、仕事柄厳しい時間のやりくりを行い、女手一つで二人の幼子を育ててきましたが、辛く厳しい日々であったことは想像に難くはありません。そんな苦労をあまり語ることなく、淡々と凌ぎ乗り越え、現在は子育ても一段落し自適な生活を送っていますが、密かに誇りたい妹でもあります。

     「咲き競う ハマボウ」

 二人ともボランティアの傍ら、旅行が好きで一緒に海外旅行を楽しんでいるようです。海外の主な観光地は、ほとんど制覇したとのことでフランス、イタリア、スペイン、トルコ、ニューヨーク、ラスベガス、さらにモロッコと、結構マイナーな場所にも足を運んでいるようです。特にトルコのカッパドキアや、スペインのサクラダファミリアはお気に入りで何度か訪ねているようです。

 信州に住む妹は時々東京に出て来て、横浜、舞浜等東京周辺のホテルに宿泊し、その際私にも声がかかり、もう一人の妹と共に一泊したり、食事会をすることがあります。過日、横浜のホテルに二泊するとのことで、ディナーを共にすることになりました。細君もと誘われたのですが、細君の体調が、この暑さもありイマイチで今回は私のみ行くことにしました。

 ホテルは「アパホテル&リゾート横浜ベイタワー」で、夏休み中にも関わらず、比較的リーズナブルで眺望の良い部屋を予約できたとのこと。ホテル内の3階にある「LA Veranda」を予約し、食事会をしました。二人の妹はお酒はほとんど飲まないので、私も今回は軽くビールで乾杯としました。

  「アパホテル&リゾート横浜ベイタワー及びみなとみらい (ネットから借用)」

 ディナーはバイキング形式で神奈川県の地産地消をモットーに和食、中華、イタリアン等々と盛り沢山揃っていてリーズナブルな価格の割には味も、品質もかなり高い水準と感じました。このレストランは、壁のほとんどがガラス張りになっているので、食事をしながら、横浜みなとみらいの夜景をじっくり楽しむことができました。また、天井も高く空間が広々としているので、それほどの圧迫感を感じることなくゆったりと過ごすことができました。また、二十分おきぐらいに新たな料理の紹介があり、エンターティメント性と、食の楽しさをさりげなく演出していました。ここでも、ホテル側の客に対する温かな寄り添いが貫かれていると感じました。

     「アパホテルエントランス (ネットから借用)」

ソフトドリンクやスィーツも充実しており、お酒を飲めない妹たちは色々チョイスし楽しんでいました。窓の外で刻々とイメージを変える横浜みなとみらいの夜景を見ながら、美味しい料理とビール、ソフトドリンク等を味わいながら、時の過ぎるのも忘れ、父、母の思い出話や変わりゆく故郷の話をくつろいで話せたのは、久しぶりの経験であったと思っています。

     「アパホテル レストラン(部分) (ネットから借用)」

 そんな機会を作ってくれた妹たちには改めて感謝したいと思っています。特に今まで聞けなかった父、母への妹たちの想い、また印象深いエピソード等は初めて聞くものもあり、印象深く記憶に残りました。
 それぞれ、今は元気ではあるものの年齢を考えると身体の不調は避けがたく、そんな状況も抱えながら凌ぎつつ、一日一日を大切にし、悔いのない日々を過ごしていければと思っています。

     「咲き盛る ノウゼンカズラ」

 私にとっても二人の妹、そして兄はかけがのない兄弟ですので、残された日々の中で、そんな想いも十分伝え合っていけたらいいなとも思っています。中々面と向かっては言えませんが、そんな想いを伝えあえる機会を意識してつくっていきたいものと改めて思った次第です。

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その142)

2024年07月24日 05時31分35秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その142) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され依然として避難を余儀なくされている皆様に
     お見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「オリエントリリー」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・27鈴虫(すずむし)
  歌の背景
   光源氏五十歳。源氏は女三宮の出家を嘆き、来世での同じ蓮の
   宿りを願うが、女三宮は煩わしく思う。女三宮の住まいの前庭に
   秋の風情を増すために、源氏は鈴虫を放つ。十五夜の夜女三宮は
   歌を詠む。
〇おほかたの秋をば憂しと知りにしを ふり捨てがたき鈴虫の声 女三宮
〇心もて 草の宿りを 厭へども なほ鈴虫の 声ぞふりせぬ  光源氏
(返歌)
☆源氏への 想い断ち切り 未練なく 尼になること 決心貫く
☆しみじみと 因果応報 思い知り 正妻の不義 受け止めてこそ
註)紫式部集・27
〇ふるさとに かへるの山の それならば 心やゆくと ゆきも見てまし
(返歌)
☆越前で 初めて味わう 雪景色 式部の気持ち 重苦しさも」
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目の女三宮の歌は、季節の秋と、それから人に飽く、心飽くという
 掛け詞になっている歌と思います。そして「大方の秋、あなた様の大方の
 お心の飽きを私は
つくづくと憂きものだと思い知りました。しかし、
 その心に振り捨てがたく鳴く
鈴虫の声でございます…」と、意訳できます。
 二首目の光源氏の歌は、「あなたは、ご自分の心から、この世を草の宿り
 というふうにお厭いになります。しかし、その鈴虫の声のように、あなたは
 美しく若々しく決してお年を召したという感じが致しません」
と答えています。
 女三宮は、源氏物語の中でも最も陰影に富んだ人物の一人として描かれています。
 彼女の人生は、喜びと悲しみ、愛と憎しみ、葛藤と苦悩に満ちていたように
 思います。また、紫式部の人間観が最も如実に描かれた女人の一人と感じます。
 作者の返歌で「想い断ち切り未練なく」と詠われていますが、光源氏への
 想いが断ち切れない故に、出家への決意も時にはためらわれたものと感じて
 しまいます。そんな想いを込めて返歌を詠んでみましたが・・・。
【ご参考】
 ★源氏への 断ち切り難き想いゆえ 出家の想い時に揺らぎて
 三首目の紫式部の歌は、「都に帰る途中の『かへる山』の雪ならば、
 心も晴れるだろうかと出ていって見るでしょう」と意訳できます。
 従って、作者の返歌も、紫式部が越前で味わった本格的な雪の重苦しい
 様子をおもんばかった歌となっています。このような返歌もいいですね。

【詞書】夏の季語を使って三首出詠させて頂きたいと思います。
☆朝方に雨の音にて目が覚める 外を見るなり瀑布のごとく
☆夜も更けてゴツンと窓にカナブンが 死んでないかと外覗き込む
☆巡行を待つ宵山の山鉾の コンチキチンの音は涼やか
                         西BOOさん
【解説】
 「瀑布のような雨」「カナブンの飛翔」「宵山の山鉾」と盛夏の様子を
 味わい深く詠んで頂きました。 
 特に、三首目は「巡行を待つ宵山の山鉾の」という上の句で、祇園祭の
 山鉾巡行の前夜である宵山の様子が鮮やかに目に浮かびます。「山鉾」
 という言葉を使うことで、京都の祇園祭であることが明確になり、
 山鉾が立ち並ぶ夜の街並みを趣き深く表現しています。
 この歌は、宵山の活気と静けさを巧みに表現し「コンチキチン」の音や
 視覚的なイメージを喚起する言葉遣いが巧みで、一瞬にして祇園祭の夜
 へと誘ってくれます。
 なお、二首目の「カナブン」を思う優しさに、作者の人柄が偲ばれます。


     「咲き初める 白桔梗」

【詞書】「片陰」(かたかげ)は炎暑にできる日陰の事で、夏の季語です。
  片陰で三首、出詠いたします。
  なお、クルーズ船はビルのように大きく、片陰も大きいです。
☆マラソンの色とりどりのボトル瓶 走者を待ちて並ぶ片陰
☆炎天の工事の漢ら 汗ぬぐひ 昼休憩のビルの片陰
☆大ひなる片陰とテープ引き連れて クルーズ船の出航の銅鑼
                         みっちっちさん
【解説】
 夏の季語「片陰」を用いた三首の歌は、いずれも「片陰」を主役におき
 俳句の技法を駆使し、夏の光景を鮮やかに表現しています。
 特に二首目の歌は、炎天下で働く建設作業員たちの逞しさと、昼食休憩を
 「ビルの方陰」で取る彼らの様子を生き生きと描写し、作者の鋭い
観察眼と
 表現力が光る歌と考えます。

 なお、「工事の漢ら」という表現は、作業員たちの力強く、たくましい
 男性と表現し、「漢」という言葉を使うことで、炎天下での
彼らの
 肉体労働の厳しさがより一層伝わってきます。

 三首目の歌の上の句、「引き連れて」の表現も見事です。

【詞書】スマホの電源を切ってバッテリーを休ませてみたら少し持ち直し
  ました。で、一首出詠いたします。…修理せんかい!
…と、突っ込まれ
  そうですが…。

☆スマートフォン
    だましだましでもう少し
       正直修理は面倒やしなあ
【詞書】じわじわとまたしてもコロナが蔓延の兆しを見せています。疫神退散!!
  …山や鉾に集められた疫神はそれぞれの
町へ帰って解体される事で
  消えるんだそうです。しかし
祇園祭って厳かなようで賑やかで、煌びやかで
  華やかで
めっちゃゴージャスで大掛かりな、伝統ある“お祓い”なんですね。
  アクシデントは置いといて、びっくりした
ことの一つに、郭巨山(だったかと)
  の“今回最年少”の、
“くじ改め”で奉行役の市長さんに順番を書いた(だったと
  思います)紙を渡す役の子(6歳)の家がその役を代々務めてて今回のその子が
  「5代目」なんだとか。…(他人で回ったり、
兄弟で…とか色々なパターンが…)
  凄い…。これもまた伝統と
言うかこの場合は“伝承”ですね。
☆山鉾は疫神集め町を往く
      神輿が通る道を清めて
【詞書】「円山応挙が下絵を描いた刺繍」とか、加山又造さんの絵とか、ある山の
  左右の胴懸に上村松篁、淳之さんの親子共演と
かがあるかと思えば(他にも
  凄い画家や絵師が関わった物も)、
16~18世紀のベルギーやフランス製の
  織物も有りーの(今は
精巧な複製が懸けられているかと)、彫刻も左甚五郎作
  のが
(鯉山とか他にも)有りーの…。凄い!ご神体(山など上に乗っている
  人形)も、(芦刈山だったかの)装束は天正年間に
寄贈されたもの。今回からは
  新調されたものが使われた
そうです。このように新しくなった物と古くから
  使い続けられ
ている物を入れ替えたりもしつつ、30年以上なかった室町時代
  や最近の、コロナで巡行などが無かったりした事などはあったものの、大昔
  からずっと受け継がれている一ヶ月に渡るこの祭は、
もと大阪者の私でも、
  間違いなく日本の遺産だなあと改めて
思いました。(世界遺産になってたと
  思いますが)もちろん
懸装品(けそうひん)だけでなく、囃子方や山鉾を動かす
  人達、
共に歩く方々、それぞれの鉾町などで“ちまき”や御守りなどを売る
  子供達や女性たち…懸装品などを修復する人、新調する物に
携わる人…etc.。
  山鉾巡行だけでも数え切れない人々が関わって
います。その方々が一年
  息災で過ごせますように…。

☆山鉾はさながら“動く美術館”
         繋ぐ町衆努力が輝く
                         ちがやねこさん
【解説】
 祇園祭の前祭(さきまつり)の山鉾巡行の際の「鶏鉾の車輪のアクシデント」に
 ついての解説を頂きありがとうございました。
 本件の解説は【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】へ作者からの「紹介」
 として掲載させて頂きました。

 前祭の成功に向けて祭りに関わる多くの方たちの協力と、尽力によって大過
 なくアクシデントは乗り越えられたと想っています。

 これこそ、「京町衆」の伝統に裏打ちされた心意気と感じました。
 二首目の歌は、力強く、印象的な一首です。「山鉾は」 という初句で、
 夏の京都の祇園祭の山鉾巡行を鮮やかに描き出しています。
 山鉾は巨大で豪華絢爛であり、まさに疫神を祓い町を清めるのにふさわしい
 存在です。「神輿が通る道を清めて」 という結句で、
山鉾巡行の目的は町の
 人々の安全を守るための大切な儀式である
こと表現しています。なお、
 この歌は夏の京都の活気と、疫病に
対する人々の祈りをも力強く表現した
 一首と考えます。

 三首目の「動く美術館」との表現は、まさに詠われている通りですね。
 1000年以上の歴史を持つ祇園祭ですが、室町時代に町衆たちの寄付によって
 豪華な山鉾が制作されるようになりました。山鉾巡行は、
町衆たちの力を
 誇示する場としても機能し、現在まで継承されてきたと
考えます。
 なお、祇園祭は、作者もおっしゃる様にユネスコ無形文化遺産にも登録
 されて
いますね。

     「咲き初める ノウゼンカズラ」

【詞書】ハスの花の観賞での3首です。
☆煩悩の焔(ほむら)鎮めて咲く蓮の水面に白き雲流れゆく
☆境内にすっくと立ちて花蓮は合掌するよにゆるり開きぬ
☆梅雨の朝けなげにひらく白蓮は雨の重さに花びら伏せて
                         夕庵さん
【解説】
 ブログを拝見させて頂きました。ご友人と共に宇治植物園を訪れた際、
 その苑に咲く蓮の花をテーマに詠われていますね。この宇治植物園には
 小椋蓮や、2000年前の蓮の種から育てられた大賀ハスが咲いている
 とのことですね。
 一首目の歌、「煩悩の焔」という力強い句が印象的です。燃え盛る炎にも
 似た煩悩を克服したかのように、静寂をまとい凛と咲く
蓮の花。
 その花が咲く水面に夏雲が映っている…と、洗練された
言葉遣いで静かで
 美しい空間が描写されています。

 なお、「煩悩の焔」という言葉と、「鎮めて」という言葉の対比によって、
 蓮の花に仮託しながら、煩悩を克服し清らかな心境に到達
した作者の、
 現在の想いが詠われていると拝察いたしました。

 三首目の「雨の重さに花びら伏せて」の表現もいいですね。

☆突然の 電話相談 深夜での 人生相談 寝不足も愉し
                         時の関守さん
【解説】
 作者のブログを拝見し、スピリチュアル等の観点からの御説に多くの事柄を
 学ばせて頂いています。
 今回の歌、深夜「突然の電話相談」は通常であれば「迷惑」との想いに
 なりますが、「寝不足も愉し」と鷹揚に受け入れ、しかも
相談に応じる
 作者の人柄が淡々と表現されています。

 ここで「愉し」の語に少し触れたいと思います。これは「楽し」の語とは、
 若干趣きが異なり、何かを心から喜び、嬉しく感じるという
意味を持ち、
 豊かな心情や精神的な満足感を強調する語と理解して
います。この語を
 使うことによって作者の「人生相談」に真向かう
想いの深さが偲ばれます。

【詞書】YouTube短歌:冨田勲 展覧会の絵 ビドロ
☆苦しい・・・
 でも歩かなくては
 軛の道の遠く
   先の見えない
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 曲を聴いたイメージだけで短歌を作っていますが、後で調べると、
 ビドロは、牛車らしいです。ムソルグスキーの曲の通りそれらしく
 聞こえました。
 小生は、糖尿病歴四半世紀を過ぎました。
 甘い物の摂取を抑え、ひたすら運動して、もう、薬、インシュリン
 注射と続いています。これが死ぬまで続く先の見えない治療。
 牛が見えない鞭に打たれる軛(くびき)にも似ています。現状維持を
 するのがやっとで、改善する希望が一切ありません。全国には、
 同じ病気で、この暑さの中でも、同じ様に頑張っている方が
 数百万人います。
 下記URLに展覧会の絵を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/430a576c976fc8dd251f1715cfc72be4
                         自閑さん
【解説】
 ムソルグスキー作曲「展覧会の絵 ビドロ」の「ビドロ」は、当初
 ポーランド語で「牛の集団」を意味する「ブイドロ」であったと
 言われています。
 終始重々しく、暗い曲調で統一されたこの曲を視聴しますと、これが単なる
 「牛の集団」の描写でないことに気付きます。この言葉には「家畜のように
 虐げられた(ポーランドの)人々」という意味があり、この曲は
 「虐げられた人々」への同情と、人々の暗く激しい感情を表現しているかに
 感じます。当時のロマノフ朝政治に対する作曲者の批判的精神の
表現で
 あったかも知れません。現在もそうであるように、当時のロシア
でも批判は
 タブーであり、題名を書き直し「牛車」とした経緯があるようです。

 これらの事柄を踏まえて、作者の歌を鑑賞しますと・・・、
 「軛の道の遠く先の見えない」、苦しくても「でも歩かなくては」は
 冨田勲の曲も踏まえ、曲のイメージを的確に把握し歌で表現仕切って
 いると感じます。
 原曲、編曲、短歌それぞれの表現を一つの線で結びつける新たな試みを
 続けておられる作者の挑戦に、改めて学ばせて頂きました。
 なお、慢性病との付き合いは「今より悪化させない」ための治療と伺い
 ました。くれぐれもご自愛の程をお祈り申し上げます。

☆咲き初める むくげの花に黒揚羽 短きいのち ともにいだくや
                         ポエット・M
【解説】
 梅雨明けと共に、底紅をまとう宗旦槿の花が咲き初めています。その花に
 黒揚羽蝶が止まり、静かに羽根を休めています。ひと日花でもある槿と、
 成虫になってから僅か1週間から2週間程度と言われる黒揚羽蝶の命を期限を
 考えると、その命の儚さに心が痛みます。
 「神は儚いもののみ美しく創ったと」との言葉がありますが、その儚い命を
 懸命に、健気に燃やす花と蝶に愛おしさが湧きます。そんな想いを込めて

 詠ってみました。

 
      「黒揚羽蝶と むくげの花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(49)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
30.「短歌の章」 済州島日韓会議(2)

   韓国人の対日不信は尚残る
           それを肯ひて我は答へぬ
           
   カムサハムニダ(ありがたう)と言へばホテルの
           ウエートレスにこやかに 我にも笑み返すなり

   会議終へて一杯(ひとつき)の酒に酔はむとす
                円かなる月光に島濡るる時

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 「ちがやねこさん」からの祇園祭の前祭(さきまつり)の紹介です。

 7月17日、8時半から放送されている祇園祭の前祭(さきまつり)の
 山鉾巡行の生中継試聴なう、です。
 先ほど、9番目を行く鶏鉾の車輪にアクシデントがありました。車輪の
 一部が外れたようで、どうするかの協議もあったようですが、後ろで
 待っていた山や鉾を先に通そうとなったかで、すぐ後ろとその次は、
 人が担ぐ“山”なのでまあすんなりと鶏鉾の横を通り過ぎて行け
 ました。が、その次が鉾全体で最重量の月鉾(高さも最高の27メートル!)
 だもんだから、どうなることかと思いましたが曳き手の人達、屋根の
 上の屋根方、車輪に付いて動きを助ける車方(くるまかた)…全ての
 方々の努力の結果、10センチかそれ以内かぐらいのすき間を空けて
 二基の鉾がすれ違いました。(心なしか囃子方のお囃子の音も
 「頑張れ!」って言ってるみたいに力強く聞こえました)普通なら
 斜めに動かない四条通で、皆が手で押して車輪(前後にしか動かない)を
 動かし、屋根方の方達はお互いの屋根を足で押し合い(一瞬だけ月鉾の
 人が他所の鉾、鶏鉾に乗った!これも珍しいことかと)、曳き手の人達も
 息を合わせてゆっくり動かし、音頭取りの方々も力強く掛け声を
 掛けて…互いの屋根がぎりぎりで通り過ぎる時は見物の人達から
 声援や拍手が起こったり…。何より、四条通で鉾が(鉾と山も)2基
 並ぶと言うのが珍しい光景でした。

 後に通り過ぎた放下鉾は月鉾より多少小ぶりなのかすき間にちょっと
 余裕があったような…。放下鉾が通り過ぎた時、屋根方の人達同士で
 「お先に失礼します」「がんばれよ!」みたいに手を振り合っているのが
 素敵でした。(菊水鉾も、だと思うんですが見逃した…)山鉾巡行は、
 必ずその順番で往く“くじ取らず(先頭の長刀鉾など数基)”以外の
 山や鉾は毎年事前に“くじ”を引いて(市議会の会議場で!皆さん
 紋付き袴姿で!)順番を決めて巡行します。その理由は昔は山や鉾が
 追い越したり越されたりで争いが起きたりしたから“くじ”で順番を
 決め、それを守るようになった…なんだそうです。

 が、今回は後ろの鉾や山に「どうぞお先に」と先を譲ったとは言え、
 山や鉾が鉾を(粛々と)追い越していく…という、なかなか見られない
 光景が!結果的に鶏鉾は車輪に応急処置を施して四条通をバックし
 (囃子方の皆さんは鉾を降りていました)、室町通の鶏鉾町へ帰るとの
 ことでした。毎年放送席で解説してはる佛教大の八木先生(綾傘鉾町の
 方らしく毎年綾傘鉾町の浴衣を着られてます)も「見たことない」と
 仰ってました。天気は持ったけどえらいアクシデントも起きた今回の
 前(さき)祭。後から放送席に来られた、今年初めて「くじ改め」の
 奉行役を務められた京都市長の松井さんは「怪我人が出なくて
 良かった」と言ってはりました。確かに、屋根方の方達とか見ていて
 ハラハラしました。アクシデントか有り、中継の放送予定も少し変更が
 あったみたいだけど、取りあえず大変な事故も雨もなくて良かったです。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その142)ネット歌会

2024年07月24日 05時00分29秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その142)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き初める 高砂百合」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆朝方に雨の音にて目が覚める 外を見るなり瀑布のごとく
                         西BOOさん
★蝉の声目覚まし時計のごとく聞き 今日一日を共に過ごさむ
                         夕庵さん
★この夏は蚊を見ず蝉の声聞かず 異常気象か不可思議極む
                         西BOOさん
★十一波のコロナ患者も増えてきて 地球生態 危機感迫る
                         夕庵さん

☆夜も更けてゴツンと窓にカナブンが 死んでないかと外覗き込む
                         西BOOさん
★カナブンも家の灯りが恋しいか 家族の語らう声に誘われ
                         夕庵さん
★網戸にてとまる大きなカブトムシ 小学生の頃の思い出
                         西BOOさん

☆巡行を待つ宵山の山鉾の コンチキチンの音は涼やか
                         西BOOさん
★コンチキチン祇園祭も華やぎて 世界の祭りと外貨を稼ぐ
                         夕庵さん
★遊園地 外国語だけ聞こえゆる 日本人は何処にも見えぬ
                         西BOOさん
★夏休み 隣の子らは声上げて ビニールプールで大はしゃぎする
                         夕庵さん

☆マラソンの色とりどりのボトル瓶 走者を待ちて並ぶ片陰
                         みっちっちさん
★酷暑には水分補給が大切と 冷蔵庫にはボトルの整列
                         夕庵さん
★ミネラルも必須なるやと塩飴を 配ってくれし仲間の協力
                         みっちっちさん
★薄味がよいと解るもこの暑さ パンチの効いたカレーが食べたし
                         夕庵さん

     「咲き初める ノウゼンカズラ」

☆炎天の工事の漢ら 汗ぬぐひ 昼休憩のビルの片陰
                         みっちっちさん
★黙々とし仕事の汗のしたたるを酷暑に見るは逞しきかな
                         夕庵さん
★炎天の労働者らの逞しさ 一致団結の仕事をこなす
                         みっちっちさん
★真夏日の勤務も休みが必要と 声上ぐ人の少ない日本
                         夕庵さん
★勤勉は美徳なりとふ日本人 子供の休みは長くあるのに
                         みっちっちさん
★転職はありと納得する事も 趣味と実益一致となれば
                         夕庵さん
★実益と趣味が一致の仕事とは なんと幸せな職場であろふ
                         みっちっちさん
★大谷翔平(しょうへい)は幼き夢の野球道 極め巨大な富を築きし
                         夕庵さん
★大ひなる二刀流への夢極め 日本の宝なる若者よ
                         みっちっちさん
★左手で大豆を運ぶ競争に 二刀流なる人の手さばき
                         夕庵さん

☆大ひなる片陰とテープ引き連れて クルーズ船の出航の銅鑼
                         みっちっちさん
★船便の世界一周は諦めて その豪華さをテレビに見入る
                         夕庵さん
★クルーズの世界一周諦めてせめて日本を回ろうかとも
                         みっちっちさん

☆かんかんと遮断機降りて 佇めば 空に一閃夏のつばめよ
                         みっちっちさん
★スーパーの軒に巣を成す夏燕 商店街の空を一閃
                         ちがやねこさん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める 百日紅」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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「宗旦むくげ」に寄せて

2024年07月21日 11時27分56秒 | 四季の花

 鎌倉、大倉山の片すみに槿の群生があり、その花がちょうど開花の時期を
迎えています。純白の花びらに底紅をもつ宗旦槿と呼ばれるその花は華やかな
花姿に似ぬ、妙なる寂しさをまとっています。それは「朝開暮落」の花名が
示すとおり、朝に花開き夕べに散る「ひと日花」の宿命を理解する、私ゆえの
哀しみでしょうか。

     「咲き初める 宗旦むくげ」

 夏の夕べ、ひと日という短い生涯を全うし散っていく花の風姿。
「槿花一朝の夢」を語るにふさわしい、儚さと気品に満ちています。
短く儚いゆえに、生の限りを懸命に燃やした若者達の真摯な思い。
その思いは争乱に明け暮れた源平の昔より、どんな時代の闇の中でも、
それぞれに光彩を放ちながら時代の青春を貫いてきました。それは、
祖国に留まり理不尽なロシアの侵略に対して、闘いを挑むウクライナの
青年たちの想いに重なります。

 大倉山から眺める鎌倉の街並みは、炎暑の余韻を留めながら、夏の
夕映えの中で淡いセピア色に染まっています。
七里ガ浜からの潮騒も聞こえてきそうな静寂の中で、むくげの花は今、
まさにその花弁を閉じようとしています。
 一日と言う短くも、かくも典雅さに溢れた花の一世。夏の夕映えの
中で静かにその花弁を閉じるむくげの花は、風雅さを押し包むように
萎んでいきます。

     「宗旦むくげ」

 朝に開き、夕べに散る槿花の紡いだ夢は、儚さそのものかもしれません。
しかし、それは遠い戦乱の世も含めて、今、ウクライナで、そしてガザで死と
隣り合わせの生を懸命に、健気に生きる人々の燃焼の証でもあり、一瞬を
永遠に重ねることを悟った、凛とした気品と志の証でもあると思っています。

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その141)

2024年07月17日 05時57分51秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その141) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され依然として避難を余儀なくされている皆様に
     お見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「今年初めて咲いた 月下美人」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・26横笛(よこぶえ)
  歌の背景
   光源氏四十九歳。夕霧の一周忌の供養も終わり、御息所(落葉宮の母)
   は、柏木の遺愛の笛を夕霧に贈る。
〇露しげき むぐらの宿に いにしへの 秋に変はらぬ 虫の声かな
 と、聞こえ出だしたまへり 一条後息所
〇横笛の 調べはことに変はらぬを むなしくなりし音こそ尽きせね  夕霧
(返歌)
☆荒れた家 秋と変わらぬ 虫の音は 持ち主しのぶ 悲しみの声
☆柏木を しのぶものの 泣き声は 尽きせぬものか 横笛の調べ
註)紫式部集・26
〇小塩山 松の上葉(うわば)に 今日やさは 峯のうす雪 花と見ゆらむ
(返歌)
☆暦には 初雪降ると あるのなら 雪が積もって 峰にうっすらと
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目、落葉宮の母の歌は「涙にくれて暮らすこの荒れた家で、昔に
 変わらぬ笛の音を聞かせていただきました」と意訳できますし、それに
 答えた二首目、夕霧の歌は「横笛の調べは昔と変わっていませんが、
 亡くなった人を偲んで泣く声は尽きません」と詠っています。
 この二首の歌への作者の返歌は、何れもそれぞれの方の哀しみに寄り添い
 それを肯定する返歌となっています。二首目の「横笛の調べ」と泣き声の
 関連性をすこし強めて詠ってみましたが、いかがでしょうか。
 【ご参考】
 ★亡き人を偲ぶ笛の音変わらねど いまだ尽きせぬ泣き声のある
 三首目の歌は、紫式部の身近に仕えていた侍女の詠んだ歌と推察できますが、
 「小塩山の松の上葉に今日はおっしゃるように初雪が降って峯の薄雪は
  花が咲いたようでしょう」と意訳できますね。作者の返歌も、初雪の
 降った様を元歌に沿って、花のように「峰にうっすらと」積もる様子を
 詠っていますが、もう一歩進めて詠んでみました。
 【ご参考】
 ★小塩山 松の上葉の初雪は 峯を包みて花のごと見ゆ 

【詞書】夏燕、夏のつばめで三首詠みました。爽やかな気持ちいい夏の
  季語です。
☆万緑に埋もるる小歩危 大歩危の天と地かすめ夏燕すい
☆かんかんと遮断機降りて 佇めば 空に一閃夏のつばめよ
☆清水の舞台をかすめ 青空を斬り閃光のごと夏燕
                         みっちっちさん
【解説】
 季語「夏燕」を用いて、夏らしさが感じられる歌三首を爽やかに詠んで
 頂きました。

 特に一首目の歌は、力強く雄大な自然の風景と、そこに飛び交う燕の
 軽快な動きが鮮やかに描かれた一首です。また、「万緑」と
いう言葉に
 よって、緑の質量が強調され、「小歩危」「大歩危」
という地名を
 並べることで、吉野川の渓谷の険しさと壮大さが
表現されています。
 さらに、結句の「すい」という擬音語によって、燕の軽快な動きが
 生き生きと描写されて、作者の感性と表現力が見事に光る歌になって
 いると感じます。
 二首目の「空に一閃」の表現も見事です。

【詞書】買い物をしたことで、二首出詠させて頂きたいと思います。
☆節電のためと購入 冷風機 冷房 弱も 製氷MAX
☆病院の帰りに龍田大社寄る 五色の念珠揃いて購入
                         西BOOさん
【解説】
 一首目、詠まれている冷風機は、冷蔵庫の製氷機と同じ原理で動作
 しますが、冷蔵庫内で循環する冷気を利用して水を氷に変え、
冷たい
 空気を送り出しますね。下の句の「弱」と「MAX」の対の表現に
独特の
 ユーモアが感じられます。

 二首目の歌、龍田大社は、奈良県生駒郡三郷町にある神社で、風の神
 (風神)として古くから信仰を集めています。なお、創建は

 約2100年前とのこと。「五色の念珠」は奥様の回復を願ってのものと
 考えますが、この願いと、祈りが「白龍」の神に届きますよう
私達も
 祈念したいと思います。

【詞書】数年前の娘からの贈り物紫陽花は鉢植えから地面に植え
  替えると、毎年枝を広げ美しく咲きます。名前は「コンペイトウ」
  という額紫陽花です。
☆母の日の娘(こ)の贈り物紫陽花は年ごと彩を深めて咲きぬ
☆スーパーに和毛ふるえる白桃の少女のようなはにかみに合う
☆忽然と逝きし人恋う夏盛り白桃すすりぬ雫に濡れて
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌、お嬢さまから母の日に贈られた額紫陽花が庭に移された
 ことによって、年ごとに繁茂し藍色を深め美しく咲き誇っている、
 その様子が趣き深く詠われています。
 「こんぺいとう」と言う名の紫陽花は、白覆輪の八重咲きとなる金平糖の
 ような可愛い花が特徴とのこと。鬱々とした年々の梅雨の季節に
温かな
 お嬢様の心遣いが心に沁みますね。

 二首目の歌、「和毛(にこげ)」という言葉を使うことで、白桃の繊細な
 産毛を表現し、「ふるえる」という動詞を用いることで、
白桃の瑞々しさ
 と生命感を鮮やかに描き出しています。

 日常的な風景の中に、繊細な感性と美しいイメージを織り込んだ、印象的な
 歌と考えます。

 三首目の歌、「雫に濡れて」では、白桃の滴る果汁と、涙とが混ざって
 いるようにも感じら悲しみに暮れる作者の姿が浮かんで
きます。
 また、亡くなった人を偲ぶ気持ちが繊細な言葉で表現
されていて、深い
 共感を呼び起こす歌と感じます。


     「咲き初める オリエンタルリリー」

【詞書】YouTube短歌:富田勲 展覧会の絵 チュイルリーの庭
☆皆で駆け巡れ!あらゆる場所に
     新たな発見が。

  今の道を迷ふな!
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 チュイルリーの庭の前にプロムナードがあるのですが、イメージが
 尽きたのか?出来ず、次のチュイルリーの庭を出詠します。後に
 出来ましたら、前後しますが、出詠したいと思います。
 富田勲のシンセサイザーの展覧会の絵は、1975年2月に発売された。
 前作の月光に次いで、7ヶ月で完成したそうです。1975年8月16日
 付けのビルボード・キャッシュボックスの全米クラシックチャートの
 第1位を獲得し、1975年NARM同部門最優秀レコード2年連続受賞、
 1975年度日本レコード大賞・企画賞を受賞しました。
 チュイルリーの庭は、 遊びの後の子供たちの口げんかと副題が
 付いている。フランスのテュルイリー宮殿の庭で遊んだ後に喧嘩を
 する子供たちの様子が表現されています。
 下記URLに展覧会の絵を貼付しておりますので、御覧戴ければ
 幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/1fc6e5cf5c1017f003f7802b8e7f2bab
                         自閑さん
【解説】
 「短歌説明」にも記されていますが、「チュイルリーの庭」の曲は軽快で
 明るいメロディーが特徴で、子供たちが遊びながら口げんかをしている
 様子が音楽で表現されていますね。チュイルリー公園は、ルーブル美術館
 の隣に位置し、パリ市民の憩いの場として知られています。
 また、富田勲の曲は、ムソルグスキーの原曲に現代的な解釈を加え、
 シンセサイザーの多彩な音色を駆使して新たな魅力を引き出していますね。
 作曲による「本歌取り」とも言えますが、原曲を超える水準故に世界的な
 評価も頷けます。そんな曲のイメージから歌を紡ぐ営みは、やはり
 相当にしんどいものと拝察いたします。しかし「今の道を迷ふな!」の
 下の句は、「チュイルリーの庭」のイメージを表現するのみでなく、
 人生の指針として、自らにも言い聞かせる内容も含まれていると拝察
 させて頂きました。
 YouTube短歌の神髄とも言える、曲のイメージを膨らませ言葉に凝縮
 させる技を、改めて学ばせて頂きました。

【詞書】6月あたまだったか5月の終わりかに、朝日新聞土曜日の
  書評ページに紹介されていたのに興味をもって、書店に注文して
  6/28に買った「呪文よ世界を覆せ」という講談社のコミックの第1巻。
  イマイチ売れない芸人の青年(相方はブレイクして、ピン芸人の賞
  レースで優勝して、主人公にはまだ言っていないが、ピンでやりたい
  と思っている)が、なかなか売れないウケない、同棲していた彼女は
  他の男と居た上に、そいつにボコボコにされた、舞台はボロボロで
  相方に冷たい言葉を投げられ…で、劇場の裏で落ち込んでつぶやいた
  ひと言が、5・7・5・7・7になっていて、たまたま聞いた(劇場の上で歌会
  をやっていて帰るところだった)女性が「今の 短歌でしたね」と
  話しかけ…。という“短歌が繋ぐBoy meets Girl”から始まる物語
  です。作者はニコ・ニコルソン(日本の方やと思います)という女性で、
  この作品以前にも作品はあるんですが、失礼ながら全く初めての方
  でした。(月マガ系はあまり買わんし…)主人公の関西弁(私が長年
  住んでた堺市出身)も割と自然やし…。「世界ぜんぶ歌になるやんけ」
  と“気付いた”シーンは「うん…!」って共感しましたし…。
  (その前のシーンも良いです。…いくらか前のページで一カ所
  「うっ…」と刺さるところも…)ともかく“短歌”を扱うマンガも
  そんなにありませんが、買って良かった。面白いです。河野裕子さん
  (私でもお名前は存じております)の歌など実在の歌も作中で紹介
  されています。
  新聞の歌壇などとはまた違う、短歌へのアプローチとして、純粋に
  「どないなるんやろ?」と楽しみにして次巻を待ちます。
  (とはいえ…これ以上新しい作者の作品は増やさん方がええんです
  よね…。多分マンガの冊数軽く2000は越えてるやろうし…)
☆久々に買った新しいマンガ
        短歌に出逢った青年の話
【詞書】7/14(日)に、京阪宇治駅そばの公園(「茶づな」という施設が
  あります)に、京都アニメーションの放火殺人事件によって亡く
  なった36名を悼み、また遺族の方々、京アニに携わる人々、ファンの
  人達、宇治に訪れる人々の心を繋ぎ、想いを、志(こころざし)を繋ぐ
  為の象徴とし建立された碑、「志を繋ぐ碑」が完成しました。私は
  まだ行ってませんが、京アニの社員の方々がデザインをされたと
  いう、テレビで見たその碑は絵を描く紙のように白く、羽ばたく
  鳥達は天に向かって人々の心を届けてくれるかのように力強く
  羽ばたいている…関係者の気持ちにもファンの気持ちにも寄り
  添うような素敵なデザインでした。
  六地蔵の第一スタジオ跡には非公開の慰霊碑が建つそうです。
  「“慰霊碑”ではない」という「志を繋ぐ碑」はファンが京アニに、
  あの事件で亡くなった方々に心を寄せる新たな場所となることと
  思います。碑の正面に立った真っ直ぐ向こうを辿ると第一スタジオ
  跡なんだそうです。
  (まだ工事中のは見ました。この間「茶づな」でやってる“大河
  ドラマ展”を見に行った時に…。ポケモンのマンホールの蓋も
  すぐそばです…余談まで)
☆失われた命表す白き鳥
      36羽に祈りを託して
【詞書】昨日(7/15)の大阪の朝日放送の夕方のニュースワイド
  「newsおかえり」のお天気のコーナーで祇園祭宵々山の様子を
  やっていましたが、番組後半では気象予報士さんが“菊水鉾”
  に登って中継してました。その際、ずっと演奏している囃子方の
  人達を写したんですがその中に今年初めてお囃子に参加した
  という小学2年生(だった…と)の男の子がいました。後ろから
  お父さんらしき男性が鉦を叩く“ばち”を持った男の子の手を
  包むように手を添えて鉦を叩かせていたんですね。人手に関しては
  他の祭りも大変なところがあるかと思います。伝統ある祭を担う
  人材を育てるのも今携わる人達の大切な事なんでしょうね。手を
  添えられて鉦を叩いていた男の子が本番を無事にこなし、将来
  また後輩達を教え、伝統を伝えていけるといいなあと思います。
  …明日は山鉾巡行。願わくは雨よ降るなあっ!!
☆父が手を添えし子の目は鉦(かね)見据え
            祇園囃子に音は溶け込む
                         ちがやねこさん
【解説】
 「講談社のコミックの第1巻」「志を繋ぐ碑」「祇園囃子」と、今回も最新の
 事象をテーマ毎に作者の視点からじっくり掘り下げて
詠って頂きました。
 一首目のテーマ、「呪文よ世界を覆せ」は、少し目を通しましたが短歌を
 題材にした斬新なギャグ漫画ですね。ここで詠われている短歌はユーモアと
 感動に満ちており、心温まる物語と感じます。
 おっしゃるように「短歌へのアプローチ」の一つとしてもお薦めの書ですね。
 なお、2000冊のコミック誌とは壮観で、凄いですね。

 二首目の歌、京アニメの社員の方々がデザインをされたという「志を繋ぐ碑」
 は、詠われているように、あの事件で亡くなった方々に
心を寄せる新たな
 場所となるとともに、文字通り志を次の世代に
伝える出発を誓う場になって
 いくものと思います。また、上の句の表現がすっきりとしていて秀逸です。
 三首目の歌、伝統を守り次の世代に継承することの難しさが最近とみに
 言われていますが、祇園囃子の継承の様子が温かな眼差しをもって具体的に
 詠われています。このような視点こそ歌の命と思います。
 上の句を詞書を踏まえて少し整理させて頂きましたが、いかがでしょうか。

【ご参考】
 ★父が子に手を添え叩く鉦(かね)の音よ
            祇園囃子に溶け込みてゆく

☆梅雨晴れの花野行き交う人はみな 会釈かわして笑みも浮かべて
                         ポエット・M
【解説】
 梅雨は未だ開けませんが、梅雨の合間の晴れの日に、観音崎公園の
 「花の広場」に散策に出かけてみました。鬱々の日々の中でひと時、
 爽やかさを求めて花野を訪れる方が少なからずおられ、顔なじみの方も
 結構おられます。会釈し、笑みを交わし合うのみの間柄ですがお互いに
 安らぎも感じられ、このような淡い交流も又良いものと感じます。
 それは、緑に覆われた草原と、季節の花に溢れた花野という環境に
 よるところが大きいと感じます。
 人には色々な側面がありますが、このような穏やかな環境の中で人は心から
 優しくなれ、それを反映するかのように表情も和やかに見えます。

 世知辛い世情の中で、例えひと時でもそんな状況の中に身を置きたいものと
 感じ、詠んでみました。

 
     「咲き初める むくげの花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(48)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
29.「短歌の章」 済州島日韓会議(1)

   夾竹桃の花咲き盛る島にして
           低き家並みの家居貧しき
           
   家毎に石積みて垣を囲らせり
           昨日も今日も風吹く島は

   海女潜く海は緑に耀よひて
           島めぐり行く風亘るなり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その141)ネット歌会

2024年07月17日 05時35分11秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その141)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「今年初めて咲いた 月下美人」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆節電のためと購入 冷風機 冷房弱も 製氷MAX
                         西BOOさん
★夏祭りイチゴミルクのかき氷 浴衣の金魚も跳ねて道連れ
                         夕庵さん
★夏祭り 昔踊った盆踊り 今は打ち上げ花火に変わる
                         西BOOさん
★陸橋より仰いだ空に遠花火 弾ける音を君よ 聞いたか
                         夕庵さん

☆母の日の娘(こ)の贈り物紫陽花は年ごと彩を深めて咲きぬ
                         夕庵さん
★誕生日 娘からのプレゼント Ā5黒毛は喉を通らぬ
                         西BOOさん

☆万緑に埋もるる小歩危大歩危の天と地かずめ夏燕すい
                         みっちっちさん
★流線に飛び交う鳥の素早さに あれがツバメと孫(こ)に教えたり
                         夕庵さん
★原っぱにキャッチボールの少年を かすめ燕の飛び交ふ速さ
                         みっちっちさん

☆スーパーに和毛ふるえる白桃の少女のようなはにかみに合う
                         夕庵さん
★手のひらを桃の形に包めども 痛みし桃よ 少女のやうに
                         みっちっちさん
★傷ついた言葉は今も忘れない 少女の頃の教師の言い草
                         夕庵さん
★傷つきし心はずつと 教師らよ 子らのこころを育むことを
                         みっちっちさん

     「咲き盛る 西洋アサガオ」 

☆かんかんと遮断機降りて 佇めば 空に一閃夏のつばめよ
                         みっちっちさん
★真夏日の線路も揺れる踏切に チガヤは穂綿を白く飛ばしぬ
                         夕庵さん
★踏切の向かうに友の家があり 別れし友の背の揺れし夏
                         みっちっちさん
★二十年ぶり 偶然友との再会に 奇跡の時間は一閃のごと
                         夕庵さん
★同窓会 初恋の人は歳とれど 優しき瞳だけは変はらず
                         みっちっちさん
★肩組みて校歌を歌う同窓会 きみは今でもベストフレンド
                         夕庵さん
★肩組みてキャンプファイアー 頬染めて炎を見つめ歌ひし夜よ
                         みっちっちさん
★ソロキャンプ焚き火の焔を見守りつ 纏うしがらみ解きゆくのか
                         夕庵さん
★じつと見し炎に何を考える 人の深淵 いかに生くるや
                         みっちっちさん
★気炎吐くきみの主張は唐突で 聞き流すこつ いつか身につく
                         夕庵さん
★若き日にただ聞き流す勉強が 大切なると思ふ今なり
                         みっちっちさん
★深夜便 アナウンサーの囁きに心足らいて眠りにつきぬ 
                         夕庵さん
★今日の日も出来うる限り頑張った 自己満足の眠りにつきぬ
                         みっちっちさん
★酷暑なら抵抗せずに身を守り 昼寝が日課となってしまいぬ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き競う ゼフィランサス」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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今年初めての「月下美人」

2024年07月14日 09時50分13秒 | 作詞、ユーチューブ

 2024年、今年初めての我が家の月下美人が一昨日2輪、昨夜3輪が続けて開花しました。
最初の二輪は、開花日を見誤り、朝に萎れた状態で発見し残念な想いがしました。今回も、細君が大胆に剪定しましたので開花はあまり期待していませんでしたが…、ブログ友のfumiel-shimaさんのお宅で6月5日に開花したとの記事に触れ、花芽を観察すると5~6個の花芽がありホッとしました。

 例年通り、つぼみは18時過ぎに綻びはじめ、21時過ぎには7~8割りの開花となりました。
このころには、月下美人特有の甘やかな香りが部屋に漂い始めました。 22時頃にはほぼ満開となり香りも、 花姿も雅な花がオーラを放ち、毎回のことながら見惚れていました。そして、日の変わる24時過ぎには早くも萎み始めました。

 
     「初めて咲いた 月下美人」

 私は眺め、写真に撮るのみですが、日々、丹精に世話をしてくれる細君と、年々歳々健気に咲いてくれる花に感謝の想いが湧きます。また、見るたびに新たな魅力が見出され、惹きつけられる花ですが、それは、わずか数時間にも満たない花の命を、懸命に咲き切る花の潔さ故かもしれません。

 この月下美人の儚げながらも、凛とした花のたたずまいを「詞」に紡いでみました。この詞をもとに一昨年、ブログ友のYokiさんに素敵なオリジナル曲を作曲して頂きました。一昨年Yokiさんのユーチューブで公開して頂き、このブログでも紹介いたしました。
今回、じいじいさんにギター演奏をして頂き、改めて新規にユーチューブに公開して頂きましたので、ここに掲載させて頂きます。

 「月下美人の香り」
     作詞  :ショー・ジロー
     作曲&歌:yokiさん
     伴奏  :じいじいさん

 画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。

  1.
   宵闇に ひらきはじめた   月下美人  
   甘い香りを漂わせ   一夜限りの命としらず  
   闇にのびゆく花びらは   炎のように揺れている   
   憂いもつ君に君に似て   その刹那に命を燃やす

  2.
   花びらの 白さ際立つ   月下美人  
   雅な香り漂わせ   一夜限りの夢に酔う  
   闇を切り裂く花びらは   炎のように燃えている   
   儚さは君に君に似て   その刹那に命を燃やす

  3.
   花びらが 耀き放つ   月下美人  
   深い香りを漂わせ   一夜限りのものがたり
   闇を照らせる花びらは   炎のように 凛として   
   気高さは君に君に似て   その刹那に命を燃やす

 ***********************************
  月下美人の花言葉は「艶やかな美人」「はかない恋」だそうです。
  なお、拙い詩ですが、著作権は放棄していません。
  無断転載等はご遠慮願います。転載いただけるのであれば、あらかじめ
  当方へ連絡を頂き「ポエット・M」の作者名を明記して頂ければ
  嬉しいです。
 ***********************************

コメント (9)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その140)

2024年07月10日 05時55分47秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その140) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され依然として避難を余儀なくされている皆様に
     お見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める ハマボウ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・25柏木(かしはぎ)
  歌の背景
  光源氏四十八歳。亡き柏木への思いにしずむ落葉宮を見舞う夕霧は
  その様に心をうたれ思わず歌を贈る。しかし、夫を偲ぶ落葉宮は
  その気持ちを拒む。
〇ことならば 馴らしの枝に ならさなむ 葉守の神の 許しありきと 夕霧
〇柏木に 葉守の神は まさずとも 人ならすべき 宿の梢か」    落葉宮
(返歌)
☆枝先が 一つになって 宿縁も 葉守の神の お許しこそが
☆突然の お言葉にこそ 驚いて 心の浅い 方のようにと
註)紫式部集・25
〇ここにかく 日野の杉むら 埋(うず)む雪 
             小塩(おしお)の松に 今日やまがへる
(返歌)
☆日野山の 埋む雪見て ふるさとは 都懐かしむ 小塩山の松
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今回は、夕霧、落葉宮、紫式部の歌、それぞれへの返歌を詠んで頂きました。
 一首目、夕霧の歌は、「同じことなら、この連理の枝のように、親しくして
 頂きたい。葉守の神(柏木)の許しがあったと思われて」と意訳できます。
 それに対して二首目、落葉宮の歌は、「柏木に葉守の神はおられなくても、
 他の人を近づけてよい宿の梢でしょうか」と意訳でき、夕霧の想いへ
 「だめですよ」と答えていますね。作者の返歌は、何れもこれらを踏まえ
 優しい想いのこもった歌となっています。
 夕霧の想いを、もう一歩進めて詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★柏木の連理の枝のことわりに 君と吾への神の許しも 
 三首目の紫式部の歌は「暦に、初雪降ると書いてある日、見た目には近い
 日野岳という山の雪が、とても深々と積もっているように見えたので、
 今日は都の小塩山の松に降り積もっているだろう雪と見紛うばかりだ」と
 意訳できます。これを踏まえると作者の返歌は紫式部の想いをなぞる歌と
 考えます。作者の返歌で「ふるさとは」「都」を少し整理してみました。
【ご参考】
 ★日野の杉 うずむ雪見て 都なる小塩の松の雪懐かしむ

【詞書】「七月」の季語で三首詠みました。
☆七月の神戸の空にリニューアル ポートタワーの悠然と赤
☆七月の空にドクターイエローのラスト三年(みとせ)の勇姿疾走
☆七月の湖面を渡る比良の風 さざなみ淡く浮舟ひとつ
                         みっちっちさん
【解説】
 今年の「七月」は例年以上に異常な暑い月になりそうですが、この月を
 題材に爽やかに三首詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌。ドクターイエローの最後の3年を疾走する姿を詠って
 いますが、旅人が草枕を探す楽しささえ感じさせる歌とも言えます。
 ドクターイエローは、老朽化などを理由に、JR東海の車両は2025年1月、
 JR西日本の車両は2027年をめどに運行を終えることが正式に発表されて
 います。この歌は、その終焉を讃えるものとして、感慨深い歌ですが、
 歴史を刻む歌ともなりますね。
 ちなみに、ドクターイエローは、東海道新幹線・山陽新幹線区間に
 おいて使われる点検用新幹線車両の愛称です。車体が黄色いことから、
 こう呼ばれています。
 三首目の歌で「さざなみ淡く」との表現がありますが、違和感を抱く
 方もおられるかと思いますが、「さざなみ淡く」という表現は、
 風によって水面にできる波が小さく、色が薄く見えるさまを的確に
 表現していると考えます。
 ちなみに、「淡く」のほかに、「かすかに」「微かに」「ほのかに」
 などの言葉もありますが、どの言葉を使うかは表現したいイメージに
 よって異なると考えます。この場合、風が弱い日で「さざなみ淡く」
 は適切な表現と考えます。

【詞書】先月、孫と生駒山上遊園地に行ったことから二首詠まさせて
  頂きたいと思います。
☆孫二人 アトラクションに乗りに行き 降りて瞬時に「もう一回乗る~」
☆ひきつけが治りし孫も もう三才 絶叫マシンにゲラゲラはしゃぐ
                         西BOOさん
【解説】
 お孫さんと生駒山上遊園地に行かれた際の、お孫さんの様子を愛情を
 込めて詠まれた二首の歌。何れもお孫さんが身体いっぱいに楽しさを
 爆発させる様子を、素直に詠われ微笑ましさが伝わる良い歌と考えます。
 なお、一首目の「もう一回乗る~」、二首に目の「ゲラゲラはしゃぐ」
 との言葉、事象の表現は、歌のリアリティーを増し取り入れたい技でも
 あります。
 なお、二人のお孫さんと遊園地で遊ぶのは楽しい反面、かなりの体力と
 気遣いも必要となり、結構お疲れだったことと思います。孫の為ならばと
 張り切る作者の、少年のような表情が歌から目に浮かび、私達世代の
 共感を呼ぶ歌でもあります。体調はいかがでしょうか。くれぐれも
 ご自愛ください。

【詞書】季節の花 3首です。
☆山法師 頭巾の形に花びらは 荒みし心にやさしさを説く
☆雨の日に化粧(けわい)したのか半夏生 雨滴は涙か零す手の上
☆二つ三つ今年も咲きぬ朝顔は かの絵日記の彩そのままに
                         夕庵さん
【解説】
 今の季節を彩る「山法師」「半夏生」「朝顔」を題材に抒情豊かに
 詠って頂きました。
 一首目の歌は、冒頭の「山法師 頭巾の形に花びらは」という表現が
 印象的です。山法師の花は、白い四片の総苞がまるで頭巾をかぶった
 法師のように見えることから名付けられたと言われています。作者は
 この花の特徴をよく捉え、簡潔な言葉で描写しています。
 なお、「荒みし心にやさしさを説く」という表現によって、山法師の
 花が持つ楚々とした美しさと優しさが伝わってきます。「荒みし心」と
 いう表現は、私達の心に訴えかける力があります。
 全体として、この歌は山法師の花の静寂さ、美しさと優しさを、視覚的、
 感覚的に表現し深い余韻を残す歌だと感じます。
 二首目の「雨滴は涙か零す手の上」の表現が秀逸です。


     「山法師の花」

【詞書】YouTube短歌:冨田勲 展覧会の絵 古城
☆老ひぬるか
   まだ生きるか
  歩けるうちは幸せだ と

   鐘だけ鳴り響く
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 展覧会の絵シリーズの古城です。曲のイメージからのみで作歌しています。
 この短歌は、水曜サロンに、ボケて投稿し損なった時、自分の老いを
 感じていました。ポエット・M様には、ご迷惑をお掛けしました。
 まあ、歩けるうちは歩く、短歌が出来るうちは投稿するとしていきたいです。
 下記URLに展覧会の絵を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/d55ec7a149b2459a52295e3e7256c536
                         自閑さん
【解説】
 ムソルグスキーの原曲「展覧会の絵」には、5つの「プロムナード」が
 ありますが、詞書でのテーマの「古城」は、その2つ目にあたります。
 優しげな「プロムナード」を挟んでから、場面は中世の幻想へと変わり、
 題名の通り「古城」の前で、吟遊詩人がリュートを奏でながら歌っている
 情景が表現されています。
 この曲の哀愁ただようイメージから紡がれた歌は「老い」を意識しながらも
 「まだ生きるか 歩けるうちは幸せだ と」の言葉通り、前向きに歩む
 作者の心意気、さらに決意がうかがわれます。私達世代が直面する老いの
 現実に対して、ひるむことなく前を向く秘められた潔さも歌に滲んでいます。
 「鳴り響く」鐘をエールに変えるエネルギーも感じられる歌と感じます。

【詞書】イギリスの首相が替わりましたね。労働党が保守より議席が上回り、
  労働党が第一党になり、党首のキア・スターマー氏が新しいイギリスの
  首相となりました。イギリスの低迷する経済を立て直し、さまざまな
  社会問題にどう向き合って解決に導くのか、その手腕が問われます。
  …私は、昔見た「モンティ・パイソン」の“スーパーマン達の国の自転車
  修理マン”のネタが頭にこびりついているんですが、近世近代の
イギリスは
  やはり労働者階級の人々が支えてきた、というイメージが
あるんですよね。
  (古いイメージかもですが)現代は、「とにかく一般
庶民の底力が試される」
  感があります。

  さて、ダウニング街10番地の首相官邸を前首相か退去し、新首相がその前で
  会見し、中に入るというのはよく見ますが、そういうニュース
を見ていて
  「…猫、おるやんなあ…」と思ってたら、ちゃんと写して
くれていました。
  「猫 ラリー君」御年17歳!!とてとてとてとドアの前に
来て座り、開けて
  もらうのを待っていました。我関せずみたいな
佇まい!!ちゃんと“ネズミ
  捕り部長”という役職についているとか。
こういうところ好きよ
  イギリスって…。(平安期の宇多天皇だったかも
そんな話があったような…)
☆住人が替われど猫はマイペース
        ダウニング街10番地にて
【詞書】7月8日(月)の朝4時過ぎでした。北北西辺りから見え出す(3時59分)
  ISS(国際宇宙ステーション)を見に行ったんですが、
(つくづく端から見たら
  不審者やわ…)ずーっと目で追って、スマホで
情報も見つつ、明るくなりつつ
  ある東の空を見渡せる所に移動して、
「あー、明け方に火星は初めて見たなあ。
  お、真東に出てるやん。
(ISSは)あれを過ぎたら消えるな」なんて言ってたら、
  火星に
“ぶつかりそう”になって、一瞬重なって(そう見えたんです!)、
  …通り過ぎた…。「え゙~っ!!こういうの星や月の“衝(しょう)”とか“合(ごう)”
  みたいやん!!」と一人で明け方にテンション爆上がりに
なってました。
  (あくまで小声か心の声です。マジの不審者になったら
あきませんので)
  うわあ~、ISSの人達から見えてるんやろか?とか、
画像か映像撮った人は…
  と思いましたが、それは見つかりません
でした。(以前のはありました。
  そのうち出るかもですが)でも、見に
行って良かった!
☆真東に明けの星のごと輝ける
         火星を横切るISSよ
【詞書】今日の「ゴゴスマ」で言ってました。今月に愛知県の東山動物園に来て、
  来月には展示の予定とか。…迫力あるやろなあ…。餌が凄そう
ですが…。
  …日本の動物園はドコモ…いや、どこも飼育してなかったん
ですね。…大変
  そうですがテレビとかで見るのが楽しみです。

☆ドラゴンズのお膝元へとやってくる
         コモドドラゴン迫力凄し!
                         ちがやねこさん
【解説】
 「猫のラリー君」「火星を横切るISS」「コモドドラゴン」と今回も、
 今日的な新鮮なテーマを作者らしい視点で活き活きと詠んで頂きました。
 一首目の歌、イギリスの総選挙で、最大野党・労働党が議会下院の650議席の
 うち400議席を超える大勝を収め、14年ぶりとなる政権
交代が決まりました。
 労働党のスターマー党首が5日、ロンドンの
バッキンガム宮殿でチャールズ
 国王に任命され、首相に就任し、
ロンドンで支持者を前に勝利演説を行い
 ました。その演説で
「変革はいま始まる」と述べ、国のために尽くす政治を
 行うと
強調しましたね。猫のラリー君は老齢ながら詠まれているように
 前職を全うされることと思いますし、皆さんで応援したいですね。
 ちなみに、平安時代前期の天皇である宇多天皇は、日本で最古の猫の飼育
 記録を記したと言われており、彼は飼っていた黒猫を
溺愛して、その猫日記
 「寛平御記」には詳細な記述を残しています。

 二首目の歌、明け方に火星とISSとが交差した瞬間を詠まれた歌は作者の
 感動がそのまま表現され、ワクワク感が歌に溢れています。

 歌は、このような感動を凝縮し記録する媒体として最適なものと改めて
 感じました。朝の眠気に打ち勝った成果でもありますね。

 三首目の歌、コモドドラゴン(正式な和名は「コモドオオトカゲ」)は、
 大型なトカゲの一種とのことで、毒を持っており、噛み
付かれた獲物は
 敗血症を発症して死亡することがある結構怖い
トカゲですね。詠われて
 いるように「ドラゴンズのお膝元」に
来て、守り神になる可能性もあり
 ますね。フアンの方としては期待
したいですね。

☆木漏れ日に はにかみ咲くや山法師 笑みに隠せる哀しみも知る
                         ポエット・M
【解説】
 「山法師」の花は、一見するとそれほど艶やかに咲くわけでもなく、
 楚々とした印象の花でもあります。しかし、木漏れ日に照らされて白く
 浮き立つ様子には清楚な印象が際立ち、息を吞むほどの美しさを感じる
 ことがあります。
 しかし、その清楚さ故でしょうか、花に秘められた哀しみを感じてしまう
 ことがあります。これは宗旦むくげのひと日花にも感じるものですが、
 白く穢れを寄せ付けない花のまとう孤高さ故かも知れません。
 なお、遠い青春の日、山法師の花が好きなその友が、悲しみを笑みに
 隠して凌いでいたことを思い出します。山法師を見ると、そんな想いも
 浮かび詠ってみました。
 また、「笑みに隠せる哀しみも知る」という表現で「擬人法」という
 表現技法にも挑戦してみました。

 
     「百合 カサブランカ」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(47)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
28.「短歌の章」 わが書斎(1)

   《書物は死の花》《思想の墓処》と言える詩人あり
              さはれ われまた《死の花》に埋もれる
           
   二人静庭に手折りて瓶にさし
           書斎に春の光を移す

   しょうまの花白きを活けて雨の夜の
           書斎すがすがと物書き続く
 
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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