第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その138) 短歌の投稿を歓迎します!!
☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
また、被災され依然として避難を余儀なくされている皆様に
お見舞い申し上げます。
☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
第二部 「ネット短歌」 :返歌専用です。
「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。
「紫陽花 白色」
「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」
【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・23藤裏葉(ふじのうらば)
歌の背景
光源氏三十九歳。藤の花の宴に内大臣が夕霧を招き、内大臣は夕霧と、
またうちとけたいのだと、 心のうらを「藤の裏(うら)葉」に掛けて
歌を詠む。
〇春日さす 藤の裏葉の うらとけて 君し思はば 我も頼まむ 内大臣
(返歌)
☆朧月 気持ちが分かる 藤の花 心がとけて 愛のあらわれ
註)紫式部集・23
〇知りぬらむ ゆききにならす塩津山 よにふる道は からきものぞと
(返歌)
☆塩津山 お輿を担ぐ 男たち 一言ぼやく 難儀な道に
浅間山明鏡止水さん
【解説】
今回は、内大臣(頭中将)と紫式部の歌への返歌を詠んで頂きました。
一首目、内大臣の歌は「春のうららかな日がさす藤の葉末のように、
もし、あなたがすっかり心を許してうちとけてくれるならば、私も
あなたを信じて当てにしよう」と、夕霧に自らの想いを伝え、ようやく
夕霧と雲居雁の結婚を認めました。
内大臣の歌は、夕霧への深い愛情と和解の願いを、美しい言葉と繊細な
表現で巧みに詠み、新たな関係を築き上げようとの想いが吐露されています。
これに対して、作者の返歌は「心がとけて愛のあらわれ」と詠み、二人の
わだかまりが解けたことを肯定し詠っています。さらに一歩進めて夕霧の
想いを込めた返歌としてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★奥深く秘めた想いを解きほぐす 篤き言の葉こころ満たして
二首目の紫式部の歌は「塩津山を行く人足よ、あなた達も人生の道は
この峠のように険しいと知っているだろうに」と意訳できますが、
作者の返歌は「難儀な道に一言ぼやく」と、人足の人たちに寄り添う歌に
なっていて共感を呼びます。
【詞書】卯の花は夏の季語です。「夏は来ぬ」に「卯の花の匂う垣根に
ほととぎす早も来鳴きて」と歌われますね。「卯の花」で二首、
又先週の「虹」で一首出詠します。
☆卯の花の白咲き誇る ふるさとの 古寺の本堂 開け放たるる
☆奥山の秘湯へ通ふ 一葉舟(ひとはぶね) 岸辺に匂ふ 卯の花の白
☆むら雲は東へ移り 夕虹の その真ん中を君は帰り来(く)
みっちっちさん
【解説】
三首それぞれに、物語性を秘めた完成度の高い短歌になっており改めて
学ばせて頂きました。
特に、二首目の歌の「一葉舟」と「卯の花」の対比は鮮やかで印象的です。
一葉舟は小さく簡素な舟、卯の花は清楚でありながら華やかな花で、
この対比によって、秘湯の静けさや神聖さがより強調されています。
また、「匂ふ」という表現によって、卯の花の香りが想像の中に広がり、
より一層臨場感のある歌になっていると考えます。
三首目の歌から、映画のラストシーンとしたいような雄大な映像が明確に
浮かんで来ます。むら雲は東へ移り、虹の輪の中に現れる君は、まさに
幸せの使者のようです。そんな幸福感が歌に溢れています。
「咲き初める 立ち葵」
【詞書】朝、庭に出てみるとカタツムリが紫陽花の葉の上に見つけました。
陽の昇らぬうちにと移動しています。
ゆっくりでも一生懸命に進んだ道を残しながら・・・
☆でで虫よ背中の荷物が重たかろう朝日にひかる銀のひとすじ
【詞書】タチアオイが咲く頃 梅雨に入りますが、今年の関西は宣言が
遅いようです。上へ上へと上り詰める花の一途さに見とれて
☆旱天に上り詰め咲く立葵 梅雨入(ついり)知らせて垂直に立つ
【詞書】決意するのは男性に限ったものではありませんが、
あまりの逞しさに惹かれました。
☆アマリリスは男の花よ たくましく赤は決意のごとく揺るがず
夕庵さん
【解説】
「カタツムリと紫陽花」「タチアオイ」「アマリリス」と今の季節を
彩る花をテーマに、それぞれ梅雨の憂さを晴らす爽やかな歌を詩情を
込めて詠んで頂きました。
一首目の歌、カタツムリの動いた跡が朝日に照らされて輝き、それを
「銀のひとすじ」と詠まれています。さらに、背負う貝殻の重さを
ユーモラスに表現し、センスと感性が光る印象的な歌となっています。
また、健気に生きる「小さな命」に注がれる眼差し、その優しさが溢れ
歌の深みが増しています。
二首目、立葵は梅雨入りと同時に花が下から咲き上っていき、上まで
咲くと梅雨明けとされています。梅雨入りの遅い今年の気象状況下で
「梅雨入知らせて垂直に立つ」の、下の句の潔い表現がいいですね。
なお、立葵は「気高く威厳に満ちた美」との花言葉を持っていますが、
雨の多い季節に太陽を慕うように咲き続ける姿は、古来から賞美され
紫陽花と共に、希望をつなぐ花でもありましたね。
三首目の「決意のごとく」の比喩が、赤々と燃えるように咲くアマリリス
の花姿を的確に表現していると感じます。
【詞書】canon 90dを購入し、試し撮りをしたことを詠ませて
いただきたいと思います。
☆90d 庭の花にて試し撮り もどりて妻はまだ昼寝中
【詞書】近頃の天候を詠ませて頂きました。「とゆれかくゆれ」は、
昭和百人一首の、006の歌から頂戴しました。
☆梅雨入りと思えば日差し照りつける 雲の間に間にとゆれかくゆれ
西BOOさん
【解説】
一首目は、カメラマンとしても活躍される作者の、機材へのこだわりも
覗く詠歌となっています。Canon EOS90Dは3250万画素のAPS-Cセンサーを
搭載したデジタル一眼レフカメラです。私達初心者には垂涎の機種ですが、
作品を極めていく方には必要な機材でしょうね。「まだ昼寝中」の表現に
奥様への思いやりと優しさが滲む良い歌と思います。
二首目「とゆれかくゆれ」は、石榑千亦氏の詠歌の本歌取りとのことですが、
原歌では「ゆらゆらと揺れながら飛ぶ」鷗の姿を表現する言葉として使われて
います。作者は梅雨入りとは言え、雲の間から太陽が揺れながら照り付ける
様子を詠っていると解釈しました。強烈な太陽光線ですが、このように詠う
ことによってホットするから不思議ですね。言霊ゆえの力でしょうか。
「赤々と燃えるように咲く アマリリス」
【詞書】YouTube短歌:冨田勲 展覧会の絵 グノーム
☆いろいろな物が弾け飛ぶ
空間を飛び回って
厄を振り蒔きつつ
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
展覧会の絵は、ムソルグスキーが、友人であった画家のヴィクトル・
ハルトマンの遺作展を歩きながら、そこで見た10枚の絵の印象をピアノ曲に
仕立てました。ラベルが管弦楽へと編曲し、有名になっています。
グノームは、こびとの精霊の事で鉱山従事していると伝えられております。
ムソルグスキーが、友人の10枚の絵からインスピレーションして作曲した
との事で、私もこの冨田勲版の曲のイメージだけで愚詠を仕立てようと
思っております。
下記URLに展覧会の絵を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/a8a855159f2056e2879c7a5d2988ae8d
自閑さん
【解説】
『展覧会の絵』は、冨田勲のシンセサイザー音楽としての2作目の
アルバムで、1975年に発売されました。作者の説明にもありますように
原曲はムソルグスキー作曲のピアノ組曲『展覧会の絵』です。
冨田勲のこのアルバムは、前作『月の光』の成功を受けてリリースされ、
ムソルグスキーの原曲を冨田勲自身の解釈で再構築したと言われる作品です。
シンセサイザーの魅力を存分に活かし、テクノロジーと音楽の融合を極限
まで追求している作品と感じます。
作者のご案内で、冨田勲「展覧会の絵」のYouTubeを視聴させて頂きました。
「こびと」の姿をユーモラスに描いた曲で、シンセサイザーの音色を
駆使して、軽快でコミカルな曲調でありながら、奥深いメッセージ性を
持つ作品と感じました。
この曲のイメージから紡いだ短歌は、曲の中間部分で少し不気味な
雰囲気も漂いますので、下の句の「厄を振り蒔きつつ」と響き合って
いると感じました。
冨田勲の曲を短歌で表現する。その挑戦に成功した一例と理解しました。
【詞書】6/22(土)は北米で“ストロベリームーン”と呼ばれる満月とか。
ネイティブアメリカンの人々がイチゴの収穫期だからそう呼んだの
だそうな。日本では最大が午前10時8分頃だということで、見るなら
前日21日(夏至の日)の夜中、22日の0時頃がいいとどこかで読んだ
ので、天気のぐずり具合も鑑みて、その辺りに見るのが良かろうと
思い、夜中を待って雨も降ってないな…曇り具合はどうやろか?と
心配でしたが、玄関から外に出て月を探すとだいたい南の空の
あたりに、光ってた!満月や!やった“ストロベリームーン”を
見られた!!と、いうことです。見られたからって何がどう…という
わけではありませんが、何か元気になりそうな感じでした。…すごく
微妙~に、うっすら雲がかかっていたような気がしますが、まあ
ええか!☆(「土スタ」の公開生放送で宇治に柄本佑さんと一緒に
来られてた吉高由里子さん。この日の満月の事をちらっと仰って
たけど見はったかな?)
☆短夜(みじかよ)の南天にストロベリームーン
満月になるちょっと手前の
【詞書】6月23日は1945年に沖縄に於いて、“日本軍の「組織的戦闘」”
が終わった日とされ、この日に沖縄全戦没者追悼式が行われます。
そして今年も…。
原爆が落とされた広島と長崎、東京や大阪を始めとして各地に
もたらされた空襲(私の父も少年時代に大阪で遭っています。手に
火傷の跡があるそうですが、未だにどこにあるのか聞けない…)…
それぞれに悲惨な被害が有り、人々の悲しみがあったのだとは
思うのですが、日本に於いて唯一“地上戦”があった沖縄の歴史と
その地続きである現在の状況には、今を生きる我々は思いを寄せ、
何があったのかを知るべきなんだと、テレビで式典を見るたびに
思わずにいられません。…どうか20万余の魂の安からんことを…と。
(夜中にあったドキュメンタリーで、北海道出身の軍人さんが
かなり沖縄で亡くなった、という事を知りました)
☆人々の慰霊と平和への祈り
戦場となった沖縄の地に
【詞書】…ええ大人のやることか!!「違反ではない」って、今までそんな
しょーもないこと誰もせんかったからいちいち「やっちゃいけません」
ってなことは言ってなかっただけやと思うんです。
何かもう情けないっていうか呆れたっていうか…。あれが“作戦”
とか“戦略”とか言うのなら…あなた方選挙を何やと思ってるん
ですか?!…って感じです。“自由”とか“権利”の意味を履き
違えてるんとちゃうの?!…って。…東京だけで終わるといいん
ですが……。
☆都知事選 傍若無人な掲示板
ポスター貼る場所 売買するとは!
ちがやねこさん
【解説】
今回も「ストロベリームーン」「慰霊の日」「都知事選ポスター」と、
新鮮なテーマを、独自の視点から三首詠んで頂きました。
一首目、作者の説明にもありますように、アメリカの農事暦では、
月ごとの満月にそれぞれ名前がつけられているとのこと。アメリカ
先住民が、満月に独自の名前をつけることで、季節の移り変わりを
捉えていた伝統に由来するもので、6月は野いちごの収穫時期でも
あり「ストロベリームーン」と名付けられたようです。歌と同様に
「野いちごの収穫」とは、ホッとする由来ですね。
二首目、先の大戦で唯一地上戦の地となり、沖縄県民の4人に1人が
命を落とした凄惨な地上戦の戦闘が終わったとされる日。沖縄県内
各地が平和への祈りに包まれたこの日。広島、長崎へと続く歴史を
踏まえ、詠われているように「戦場となった」惨状に目を背ける
ことなく、「再び戦前としない」ことを私たち自身も胸に刻んで
参りたいと思います。
三首目は、詠われている通りですね。まさに「傍若無人な」状態に
なっていますが、選挙の掲示板を「ビジネス」対象にしていいはずは
ないと考えます。選管として「仮執行」も含めて、法改正を待つ
までもなく現行法を駆使して毅然として対応し、このような暴挙を
決して許してはならないと考えます。
☆つがいかも ホタル舞う闇深くして 命をつなぐ営み妖し
ポエット・M
【解説】
ここ三浦半島でも蛍の住める河川の再生が、自治体や地域のボランティアの
手で粛々と進められています。また、森に生息する貴重なゲンジボタルを
観察してもらうため、期間限定で夜間も一般の方に人数制限を行いながら
解放されています。既に、この期間は終了していますが…。
この蛍が闇の中で舞う幻想的な情景。この舞は命を繋ぐの貴重な営みで
あるとのこと。その事実を踏まえ、健気な命に寄り添って詠ってみました。
「咲き競う がく紫陽花 汐音」
「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(45)
「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
26.「短歌の章」 喜寿となる日(1)
枕辺に朝鳴く鳥の声すなり
喜寿となる日を今日は迎えぬ
朴の花今朝白々と空に向かひ
大きな花弁を開きて咲きぬ
春風無辺 かかる境地にいつの日か
成ることもあれ 尚年積まば
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】先週に引き続き掲載致します。
チョウキチさんからのコメントです。
光源氏の歌は、「この篝火とともに立ちのぼる恋の煙こそは、
いくつになっても燃え尽きることのない私の恋の炎だったのです」。
玉鬘の歌は、
「そんな煙のような恋ならば、空にあとかたもなく消し去って
くださいませ」。
幾つになっても成長しない光さんより、玉鬘の方が1枚も2枚も
上手ですね。状況を理解しつつ見事な詠歌に私も感心です。
ポエット・Mの返答
光源氏と玉鬘との歌のやり取りは、二人の人柄と思惑が交錯し、
読み応えのある物語になっていると考えます。
玉鬘はかつて光源氏が思いを寄せた夕顔の娘でしたが、その娘を
光源氏は養女とし、その娘に隙あらばセクハラまがいの行為を
繰り返していました。その背景を踏まえてこれらの歌を味わうと
別の想いも湧きますね。
おっしゃる様に「玉鬘の方が1枚も2枚も上手」と感じますし、
女性は幼くても男心をくすぐる術を身につけていると思わされ
作者・紫式部の遊び心も覗いて見えます。
【運営にあたって】
(1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
(2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
頂きたくご協力願います。
(3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
(4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
(5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
(6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
(7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
了