素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

久々の寸暇を惜しんでの一気読み・堂場瞬一『チーム』

2011年02月02日 | 日記
 スポーツをあつかった小説で夢中になって読んだのがあさのあつこの「バッテリー」。単行本で4冊と長編ではあったが一気に読んでいった。その続編というか完結編である「ラスト・イニング」も同様である。スポーツものは競技の様子のみならずそれにからめての心理描写などがうまくマッチしないとりん臨場感が伝わってこない。

 久しぶりに堂場瞬一の『チーム』でスポーツ小説の醍醐味を味わうことができた。箱根駅伝出場を逃した大学の中から、予選で好タイムを出した選手が選ばれる混成チーム“学連選抜”が主役。敗者の寄せ集めの選抜チームの中での監督、コーチ、選手たちの葛藤と当日の激走が描かれている。

 個人とチームの関係はなかなかむずかしい。優秀な個人を集めただけでは最強のチームとはならないのである。各競技の日本代表チームのことを考えるとよくわかる。単独チームより選抜チームが強いとは単純には言えないのである。これはスポーツだけではなく、あらゆる分野でチームを組む場合にあてはまる。

 先日放映された“ギフトE名言”では武田信玄が取り上げられていた。最強の軍団を作り上げた武田信玄の言葉が紹介されていた。 《人を使うにあたっては、一種類の性格を好み、似たような態度や行動の者ばかりを起用することを私は望まない》 他にも企業経営者とかの言葉も紹介されていたが古今東西、表現の違いはあれ、自分にとって心地良くない言動をする者の中にある能力を見抜き、認めて活かしていく度量がリーダーにとって大切である。という点では一致している。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする