月刊「食べもの文化」(芽ばえ社)という雑誌がある。そこが母体となっている『食べもの文化研究会』が主催して『食と健康を考えるシンポジウム』を始めた。今年で28回となる。最初の3回ほどは東京で開催されていた。夏休みの自己研修の1つとして妻が参加していた。
軌道にのったのと出席者の要望から関西でも開催することになった。大阪でのシンポジウムの時に現地スタッフとして妻が手伝うようになった。そして参加者の中から主体的に実行委員会がつくられ、妻が実行委員長として大阪でのシンポジウムに関わってきた。
個々の「よしやってやろう」というボランティア精神のみがたよりなので、毎年20名弱必要なスタッフを確保するのは容易ではなかった。25年間途切れることなく続いてきたのは奇跡と言っても良い。
今年はスタッフに予定していた人たちに自身の病気やけが、家族の介護、勤務先での都合などで6月に入った時にバタバタと辞退者が数名出てしまい。深刻な人数不足となった。他のスタッフの方の伝手を頼りにピンチヒッターを探したがあと1名がどうしても見つからなかった。日程的にリミットが近づいていたので私がスタッフになるしかないということになった。
シンポジウムは今日、明日の2日間びっしりとある。参加者は320名。私は受付の仕事を担当。12,000円という参加費を払っているだけのことはあって私がよく経験した御仕着せの研修とは違うものを参加者一人ひとりから感じた。
10時から12時までは、モンゴル健康科学大学客員教授・前岡山大学病院小児歯科講師の岡崎好秀さんの全体講演。タイトルは「歯科医師からみた‟食”」
岡崎さんは小児歯科専門で障害を持つ子供を中心に歯科治療に従事されてきた。治療終了時には、子どもを笑顔で帰すことをモットーにして来た。そのことを岡崎さんは「心に貯金をして帰す」という表現をされていた。このことは人間を相手にする仕事全般に通じることであるように思えた。
岡崎さんは「楽しい」ことが創造性の原点だと思い、いかにして楽しく仕事をし、自分の仕事と趣味を一致させることができるかを追究されている。その精力的な活動はweb(口の中探検)博物館で垣間見ることができる。 【←クリック】
一見すると豊かに見える食環境にある今、一方で「食欲が乏しい子」「切れやすい子」「生活習慣病予備軍」が増加している。小児歯科医師の岡崎さんに見えてくるのが、子どもの口腔の変化である。 子どもの口腔の変化は、社会や環境の変化を鋭敏に写し出す「リトマス試験紙(歯)」であると、毎年訪問されている少年院での重い罪を犯した少年や虐待や受けた子どもたちの口の写真を示されての話には説得力があった。
食べる意欲は生きる意欲であるということを旭山動物園の動物を例に挙げながらの話も面白かった。食欲を満たすことは人間にとって最も基本的な欲求であり、人間は腹を満たすために、色々な道具を発明し使用し進化して来た。空腹感との戦い、空腹感に耐えることが生きるための活力になってきたともいえる。なのに多くの幼稚園をまわると空腹感を経験したことがないのでは?と思える食べる意欲の乏しい子どもが増加しているという現実がある。このことを危惧され「子どもに空腹感を!」と強調されていた。
岡崎さんは動物にとって大切なのは採食行動なのだ。それを奪うような食事の与え方は「植物的な生き方」を動物に強いることになりストレスをためることになると繰り返し話されていた。私の朝の日課の1つである植物への水やりに動物である亀蔵へのエサやりが加わった。そのことを通じて感じていたこととピタッと一致した。
最後に「食育基本法」が制定され、全国各地で展開されている現在の食育推進の催しに欠けている視点を指摘された。今の食育は、何を食べるか?という《口に入る前の食育》に偏っているという。いくら健康に良いものを食べても流し込むような食べ方では健康なウンチは出てこないということを見落としている。すなわち《口に入った後の食育》=《よく噛む》という食育も必要であるということを強調された。
『いくら健康に良いとされる食物を食べても、噛まなければ消化不良を起こすだけである。食育には二つの視点が必要であることをわかってほしい。そもそも歯は噛むために生えてきたのである。むし歯や歯周病になるために生えてきたものでなければ、磨くために生えてきたものでもない。そのことを忘れないでほしい。』という言葉は胸にストンと落ちた。
午後は4つの分科会。私は第3分科会の担当である。文教大学教育学部教授・小児科医の成田奈緒子さんが講師で「早起きリズムで脳を育てる~脳・こころ・からだの正三角形」というタイトルの分科会である。分科会は今日の13:30~16:00と明日9:30~12:00との計5時間の長丁場なので明日まとめたい。今日だけでもとてもエネルギッシュで刺激になった。明日も楽しみ。
シンポジウム終了後は18時からある町内のソーメン流し大会の写真を広報用に撮る仕事もあったので急いで帰宅。岡崎さんの話を聞いた後なのでソーメン流しの様子が風流な夏の催しというより動物の採食本能を刺激するものに他ならない。という風に思えた。
軌道にのったのと出席者の要望から関西でも開催することになった。大阪でのシンポジウムの時に現地スタッフとして妻が手伝うようになった。そして参加者の中から主体的に実行委員会がつくられ、妻が実行委員長として大阪でのシンポジウムに関わってきた。
個々の「よしやってやろう」というボランティア精神のみがたよりなので、毎年20名弱必要なスタッフを確保するのは容易ではなかった。25年間途切れることなく続いてきたのは奇跡と言っても良い。
今年はスタッフに予定していた人たちに自身の病気やけが、家族の介護、勤務先での都合などで6月に入った時にバタバタと辞退者が数名出てしまい。深刻な人数不足となった。他のスタッフの方の伝手を頼りにピンチヒッターを探したがあと1名がどうしても見つからなかった。日程的にリミットが近づいていたので私がスタッフになるしかないということになった。
シンポジウムは今日、明日の2日間びっしりとある。参加者は320名。私は受付の仕事を担当。12,000円という参加費を払っているだけのことはあって私がよく経験した御仕着せの研修とは違うものを参加者一人ひとりから感じた。
10時から12時までは、モンゴル健康科学大学客員教授・前岡山大学病院小児歯科講師の岡崎好秀さんの全体講演。タイトルは「歯科医師からみた‟食”」
岡崎さんは小児歯科専門で障害を持つ子供を中心に歯科治療に従事されてきた。治療終了時には、子どもを笑顔で帰すことをモットーにして来た。そのことを岡崎さんは「心に貯金をして帰す」という表現をされていた。このことは人間を相手にする仕事全般に通じることであるように思えた。
岡崎さんは「楽しい」ことが創造性の原点だと思い、いかにして楽しく仕事をし、自分の仕事と趣味を一致させることができるかを追究されている。その精力的な活動はweb(口の中探検)博物館で垣間見ることができる。 【←クリック】
一見すると豊かに見える食環境にある今、一方で「食欲が乏しい子」「切れやすい子」「生活習慣病予備軍」が増加している。小児歯科医師の岡崎さんに見えてくるのが、子どもの口腔の変化である。 子どもの口腔の変化は、社会や環境の変化を鋭敏に写し出す「リトマス試験紙(歯)」であると、毎年訪問されている少年院での重い罪を犯した少年や虐待や受けた子どもたちの口の写真を示されての話には説得力があった。
食べる意欲は生きる意欲であるということを旭山動物園の動物を例に挙げながらの話も面白かった。食欲を満たすことは人間にとって最も基本的な欲求であり、人間は腹を満たすために、色々な道具を発明し使用し進化して来た。空腹感との戦い、空腹感に耐えることが生きるための活力になってきたともいえる。なのに多くの幼稚園をまわると空腹感を経験したことがないのでは?と思える食べる意欲の乏しい子どもが増加しているという現実がある。このことを危惧され「子どもに空腹感を!」と強調されていた。
岡崎さんは動物にとって大切なのは採食行動なのだ。それを奪うような食事の与え方は「植物的な生き方」を動物に強いることになりストレスをためることになると繰り返し話されていた。私の朝の日課の1つである植物への水やりに動物である亀蔵へのエサやりが加わった。そのことを通じて感じていたこととピタッと一致した。
最後に「食育基本法」が制定され、全国各地で展開されている現在の食育推進の催しに欠けている視点を指摘された。今の食育は、何を食べるか?という《口に入る前の食育》に偏っているという。いくら健康に良いものを食べても流し込むような食べ方では健康なウンチは出てこないということを見落としている。すなわち《口に入った後の食育》=《よく噛む》という食育も必要であるということを強調された。
『いくら健康に良いとされる食物を食べても、噛まなければ消化不良を起こすだけである。食育には二つの視点が必要であることをわかってほしい。そもそも歯は噛むために生えてきたのである。むし歯や歯周病になるために生えてきたものでなければ、磨くために生えてきたものでもない。そのことを忘れないでほしい。』という言葉は胸にストンと落ちた。
午後は4つの分科会。私は第3分科会の担当である。文教大学教育学部教授・小児科医の成田奈緒子さんが講師で「早起きリズムで脳を育てる~脳・こころ・からだの正三角形」というタイトルの分科会である。分科会は今日の13:30~16:00と明日9:30~12:00との計5時間の長丁場なので明日まとめたい。今日だけでもとてもエネルギッシュで刺激になった。明日も楽しみ。
シンポジウム終了後は18時からある町内のソーメン流し大会の写真を広報用に撮る仕事もあったので急いで帰宅。岡崎さんの話を聞いた後なのでソーメン流しの様子が風流な夏の催しというより動物の採食本能を刺激するものに他ならない。という風に思えた。