素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

第28回『食と健康を考えるシンポジウム』2日目~成田奈緒子さんの第3分科会~

2013年07月28日 | 日記
 昨日の午後と今日の午前各2時間30分、計5時間の分科会は講師にとっても試練であるとよく言われてきた。さらに13:30~16:00は4人の講師が一堂に介して、各分科会での内容のダイジェストを話し質問を受け付けるというシンポジウムがある。参加できなかった分科会の内容を知るとともに他の講師への質問の機会を得るということで参加者には好評であるが講師にとってはフルマラソンの30km過ぎぐらいの感じでヘトヘトになる。第3分科会の成田さんは1日目終了後、尼崎に行って講演会を1つこなされた。にもかかわらず最後までパワーは衰えなかった。
「先生の元気の源は何ですか?」という質問が出たのは至極当然のことだと思った。「早寝早起き、寝ることです」という明解な答えが返ってきた。

 第3分科会においても、「早寝早起き朝ごはん」寝ることと食べることの生活リズムをきちっと整えることが脳づくりの土台になっているということを脳科学の成果や自身の関わってきた実証例から分かり易く話してくれた。
  成田さんは神戸大学医学部を卒業後米国留学などを経て現在は文教大学教育学部特別支援教育専修教授として教壇にたつかたわら茨城県発達障害者支援センターと茨城県土浦児童相談所の嘱託医として発達障害の教育・医学・福祉を広く包括した支援システムつくりと、子どもの生活習慣を科学的に考える育児、教育への提言を行っている。また、牛久愛和病院小児科での専門外来も開設しており、小児期のさまざまな精神心理疾患の外来診療にも携わっている。

 分科会のスタートは上の写真から、右端は時の人山中教授。そしてその隣が成田さん。医学部の同級生でこの6人がチームを組んで卒業に向けての様々な取り組みをしていたそうである。成田さんの旧姓は山内さんなので出席番号でならんでいたこともありよくペアを組んだそうである。曰く「この時点で山中君が将来ノーベル賞をとるようになるなんて誰も思いもしなかった。20半ばを過ぎた人間ですら将来どうなるかわからないのです。まして、5歳や6歳の子どもの将来なんてわかるはずがない。にもかかわらず最近、早期教育とかにのっかり子どもの将来を早くから決めたがる親が増えてきた。私はこの風潮に違和感を覚えます。脳育ちのキーワードはゆっくり、じっくりです。そして脳の育つ順番は決まっています。そのことをこの2日間で会得してほしいと思います。」抜群のつかみであった。

 その後、・脳のつくり ・脳育てのポイント ・セロトニン神経を育てる大切さ ・子どもの脳のバランスを回復させるコツ ・「発達障害」も脳とこころと身体のバランスで考える などということを自身の経験、豊富な臨床例などを交えながらの話となった。実践に裏打ちされた理論なので現場で悪戦苦闘している参加者にとっては合点のいくものだったと思う。私も自分の受け持った生徒たちのことを思い浮かべて聞いていた。5時間に及ぶ話の内容をまとめ、紹介することは不可能である。 成田さんが主宰する「子育て科学」のホームページ (←クリック)をのぞくと子育てに悩んでいる人、不安な人や教育現場でいわゆる困った児童、生徒に振り回されている方々には解決への糸口を見つけるヒントがあるように思う。ブログを読むと人となりが伝わって来ます。

 退職してから長時間の座学からは縁遠い生活をしていたので集中力が持つかなと心配していたが内容の面白さとパワーとで時間はあっという間に経ってしまった。

 午後からのまとめのシンポジウムでは第4分科会の「子どもの食物アレルギー」の講師の眞鍋さんに質問が集中した。分科会でも40以上の質問があったという。食物アレルギー問題がいかに現場で深刻であるかを実感した。
  ピンチヒッターで参加したシンポジウムであったがとっても濃い2日間を過ごすことができた。

コメント
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