相変わらずはっきりしない空模様、だから外を走る。

　我が家の向かいの奥さんもジョギングを始めた。小学生と幼稚園に通っている子供を送り出すと1時間ほど走りに行く。今日も8時30分過ぎに紫外線完全防備で身をかため出かけた。30分ほどで天気は急変。ずぶ濡れ状態で帰ってきた。昨日の夕方は広場で遊んでいた子供たちがびしょ濡れで帰ってきたそうで「親子で笑うしかないです」とひらきなおっていた。

　午後も同じようにはっきりしない状態が続いたが、私も走ることにした。室内でちまちまやっていると精神衛生に悪い。降ったら降った時と奥さん同様開き直り新10kmコースを走る。1時間04分47秒。ゴールしてからさらに26分走り、90分間走となった。暑さはましだったが、湿度が高いので汗がまとわりつく感じでこれはこれで結構体を消耗させる。

　テレビは参院選公示の日なので選挙一色。早々に消して読書。Amazonで注文していた白洲正子さんの「お能の見方」（新潮社）と「能の物語」（講談社文芸文庫）がちょうど届いたので早速開く。白洲さんの文は平明で、リズム感がありスッと入ってくる。何ごとに対しても知識はあるに越したことはないが、先入観にとらわれ過ぎずに自分の感覚を大切にすれば良いという思いが流れているので肩の力を抜いて読むことができる。

　「お能の見方」のまえがきはこう締めくくられている。

　『・・・既に私は序文のなかでよけいなことを喋り」すぎたようです。が、そんなことにこだわらず、これからもこんな風に、時にはくりかえしたりとどまったりしながら、自由に書いて行くでしょう。ですから読者も、あまり堅苦しく考えずに、そのなかから御自分の興味をひくことだけとりあげて下さればよろしいのです。

　人からぬすんだものは身につくが、教えられたものは忘れてしまう、とはあらゆる道の熟練者がいうことです。』