ジムで富士山登山ツアーの企画がある。希望者を募ったら即定員に達した。そのポスターを見ながら富士山談義に花開くことが時々ある。今日は6月30日に放映されたNHKスペシャル『世界遺産 富士山~水めぐる神秘』が話題になった。富士山の水が創りだした絶景や暮らしを紹介したものだった。初めて参加する人は映像の美しさに期待を膨らませている。一方経験者はそんなに甘いものではないと冗談を交えて脅す。水の持っている力の話から昨今の雨の降り方に話題が移った。
自家農園をしている人にとっては梅雨らしい雨の降り方をしないことが負の影響大だと嘆いていた。今日も天気予報ではもっと雨が降ると思ったのにと薄日のさす空を見ながらブツブツ。一方、七夕祭に関わっている人は準備の大詰めで天気の崩れないことを願っている。
各自の思いが届いたかどうかはいざ知らず天はいたずら好き。蒸し暑さも飽和状態となり、あたりも暗くなってきたかと思う間も無く土砂降りとなった。その急変ぶりに全員がため息。
水談義に耳を傾けながら1か月ほど前に読んだ井上ひさしさんの『水の手紙』という群読のために書かれた本のことに思いを馳せていた。
この本は2003年10月4日に開催された「第十八回国民文化祭やまがた2003」の総合フェスティバルのプロデューサーをつとめた井上ひさしさんが基調講演の代わりにといって上演された群読劇の台本に萩尾望都さんのイラストを加えて出版されたものである。
そのフェスティバルの閉会式(2003年10月⒔日)で群読された「やまがた水宣言」も《あとがき》に代えて掲載されている。劇の構想の骨子がわかると思うしNHKスペシャルの富士山の水を巡る話ともリンクするので引用する。
「蔵王、鳥海、飯豊(いいで)、朝日の山山に降り注ぐ雨は、そしてまた山山に降り積もる雪は、森や林を潜り抜けると清らかな水となって、やがて最上川に集まって行く。これが山形の水の流れです。
最上川の水は日本海へ注ぎ込み、ゆっくりと七つの海へ拡がって、小さいけれども美しい、この水惑星、地球を作りあげています。そしてそのうちに、海海は雲に姿をかえて、またもや蔵王、鳥海、飯豊、朝日の山山に雨や雪となって降り注ぎ、降り積もる。これが地球の水のめぐりです。
こうして水は地球をめぐりながら、ヒトや草や木や生きものたちに生命をめぐんでくれている。これがたったひとつの地球の決まりごとです。
わたしたち山形県人は、この水の想いを、いま目の前にある一滴の水に封じ込めて、最上川へ流します。わたしたちのこの想いは、きっと地球のありとあらゆるところへひろがって行くでしょう。
世界のみなさん、これから水を飲み、水を使うとき、どうかお願いです、わたしたちの、この水への想いを、水がこの世のすべての母であり、父であるというこの想いを、汲み取ってください。
これがこの秋の、わたしたち山形県人のたった一つの願いです。」
「世界はひとつ、水でつながっている」という同じ主題で、ウズベキスタン・コロラド川・黄河・メキシコシティ・モルジブ・ベネチア・チャド・フランス(パリ)・チグリス川、ユーフラテス川・アフガニスタン・宇宙飛行士とスケールを地球規模にひろげて書かれているが、内容はシンプルで解りやすい。もし現役の時に知っていたなら機会を見つけて群読にチャレンジしただろうという作品である。
自家農園をしている人にとっては梅雨らしい雨の降り方をしないことが負の影響大だと嘆いていた。今日も天気予報ではもっと雨が降ると思ったのにと薄日のさす空を見ながらブツブツ。一方、七夕祭に関わっている人は準備の大詰めで天気の崩れないことを願っている。
各自の思いが届いたかどうかはいざ知らず天はいたずら好き。蒸し暑さも飽和状態となり、あたりも暗くなってきたかと思う間も無く土砂降りとなった。その急変ぶりに全員がため息。
水談義に耳を傾けながら1か月ほど前に読んだ井上ひさしさんの『水の手紙』という群読のために書かれた本のことに思いを馳せていた。

そのフェスティバルの閉会式(2003年10月⒔日)で群読された「やまがた水宣言」も《あとがき》に代えて掲載されている。劇の構想の骨子がわかると思うしNHKスペシャルの富士山の水を巡る話ともリンクするので引用する。
「蔵王、鳥海、飯豊(いいで)、朝日の山山に降り注ぐ雨は、そしてまた山山に降り積もる雪は、森や林を潜り抜けると清らかな水となって、やがて最上川に集まって行く。これが山形の水の流れです。
最上川の水は日本海へ注ぎ込み、ゆっくりと七つの海へ拡がって、小さいけれども美しい、この水惑星、地球を作りあげています。そしてそのうちに、海海は雲に姿をかえて、またもや蔵王、鳥海、飯豊、朝日の山山に雨や雪となって降り注ぎ、降り積もる。これが地球の水のめぐりです。
こうして水は地球をめぐりながら、ヒトや草や木や生きものたちに生命をめぐんでくれている。これがたったひとつの地球の決まりごとです。
わたしたち山形県人は、この水の想いを、いま目の前にある一滴の水に封じ込めて、最上川へ流します。わたしたちのこの想いは、きっと地球のありとあらゆるところへひろがって行くでしょう。
世界のみなさん、これから水を飲み、水を使うとき、どうかお願いです、わたしたちの、この水への想いを、水がこの世のすべての母であり、父であるというこの想いを、汲み取ってください。
これがこの秋の、わたしたち山形県人のたった一つの願いです。」
「世界はひとつ、水でつながっている」という同じ主題で、ウズベキスタン・コロラド川・黄河・メキシコシティ・モルジブ・ベネチア・チャド・フランス(パリ)・チグリス川、ユーフラテス川・アフガニスタン・宇宙飛行士とスケールを地球規模にひろげて書かれているが、内容はシンプルで解りやすい。もし現役の時に知っていたなら機会を見つけて群読にチャレンジしただろうという作品である。