全句集(箱付き)ということで、
昭和三、四十年年代の句から近作まで
膨大な数の句が収録されている。
この全句集には、
高岡修の論じた
「破水する言葉の世界―松下けん論―」が併録されている。
これによると、
松下けんに影響を与えた俳人は、
藤後左右(「京大俳句」創刊メンバーだが、「京大俳句事件」からは免れている)、前原東作、岩尾美義という鹿児島出身の三人らしい。
この三人の俳句と
それぞれの俳句手法に影響を受けた
松下けんの句を挙げ論じられている。
鹿児島には、昭和30年代から
現代俳句の土壌が在って、羨ましいと思う。
あとがきから、正直で飄々としたお人柄を思った。
1937年鹿児島市生まれ、同市在住。
鹿児島大学文理学部文学科卒業後
(どうも大学の先輩のようです~)、高校教師。
現在、「天街」代表。
余りにも句が多いので、
近作だと思われる「妄老記」より
413 兵という言葉忘れていた師走
407 月蝕の色真似ている紅葉山
405 軍帽の遺影へ無意味な水中花
403 信じることは甦ること春弥生
402 囀りの主は蘇生の眼窩たち
389 かふぇにきて歪みはじめた春愁い
387 有耶無耶に令和始まり冴え返る
381 左右忌の溶岩はいまでも気難しい
377 春浅し濡れ事遠のく有袋類
368 生絹を着て死者はそのまま深眠り
367 傾奇めく溶岩のみごもる夏の詩
361 笑う山を車窓に遊ばせ缶珈琲
囀りの主は蘇生の眼窩たち
「囀り」から「蘇生の眼窩たち」への転じ方は、
まず自分にはできないなと思った。
自分の中の眠っていた何か、
それは器官なのか精神なのか分からないが、
なんとなく呼びかけられ呼び覚まされるような感覚に襲われた。
(敬称略)
御恵贈ありがとうございました。
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(この花の名前は何でしたっけ?)
やっと、本日、来年1月1日より適用の
九州現代俳句連合会規約(従来の規約の改正)を
送付書と10月21日会議の議事録を添付して
各県会長と事務局長に郵送した。
もうこれで勘弁!
(白菜は台所に立てて置く)
この作業の途中で思わぬ事態が生じ
腹も立ち、ほとほと閉口したが、
もう
これで終わりにしますよ。