2017年11月12日プレイリスト
「ジェリー・ロス 追悼 Part 1」
1. 恋の嵐 / 竹内まりや "リクエスト 30th Anniversary Edition" 11月22日発売
2. IF I SHOULD LOSE YOU / THE DREAMLOVERS '62
3. THE 81 / CANDY & THE KISSES '64
4. WHO DO YOU LOVE / THE SAPPHIRES '64
5. YOU GAVE ME SOMEBODY TO LOVE / THE DREAMLOVERS '65
6. I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME / DEE DEE WARWICK '66
7. MR.DREAM MERCHANT / JERRY BUTLER '67
8. WHEN LOVE SLIPS AWAY / JAY & THE TECHNIQUES "LOVE, LOST & FOUND" '67
9. ARE YOU READY FOR THIS / BILL DEAL & THE RHONDELS '69
10. テコのテーマ / 竹内まりや "リクエスト 30th Anniversary Edition" 11月22日発売
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■内容の一部を抜粋
・近況
レコーディングをしていてスタジオ暮らし。曲書きや打ち込みで、アレンジをして夜更かしをして風邪を引いてしまったという。「まっ、一所懸命治したいと思っております。締め切り、少し伸ばしてもらいました。ええ」と達郎さん。寒くなってきて達郎さんの周りはみんな風邪を引いてるそうだ。パターンは似ていて、熱はあまり出ないが鼻がグズグズいったり、咳が出たり喉がイガイガしたりするとか。達郎さんは一所懸命養生したせいか熱は出なかったものの、鼻がグズグズしたりするのがくどくて取れないという。
・ジェリー・ロス 追悼 Part 1
ジェリー・ロスは'50年代の終わりからフィラデルフィアで活動してニューヨークに移り、またフィラデルフィアに戻ってきた。いわゆる今日言われるフィラデルフィア・サウンドの立役者の一人。特にポップ・フィールドに関してたいへん大きな功績を残した。達郎さんが中学・高校で聴いていた「いいな」と思うものは片っ端からジェリー・ロスの作品で、シュガー・ベイブからソロになるまでジェリー・ロスの作品に影響を受けて育ったそうだ。先日、10月に亡くなった。今週、来週二週間に渡り「ジェリー・ロス 追悼」。今週のPart 1ではジェリー・ロスが作曲家としてクレジットされた作品を中心に。
・恋の嵐
竹内まりやさんの1987年のアルバム『REQUEST』が30周年になるので『REQUEST 30th Anniversary Edition』を11月22日に発売する。最新デジタル・リマスタリングによる再発盤となる。『REQUEST』は1987年8月12日にリリースされて彼女にとってはじめてのミリオンセラーになった作品。全曲本人の詩曲でオリジナル半分、セルフカバー半分。ボーナス・トラックとしてシングル・ヴァージョン、未発表曲、カラオケなど6曲。値段は2,200円。今日はその1曲目でシングル・カットされた「恋の嵐」。
・IF I SHOULD LOSE YOU
ジェリー・ロスはアメリカ、'60年代、'70年代に活躍した大プロデューサー、ソングライター、レコード・レーベル・オーナー。2017年10月に亡くなった。享年84歳。1936年生まれ、昭和で言うと11年生まれなので服部克久さんと同じ年齢。1956年にディック・クラークのテレビ番組「アメリカン・バンドスタンド」のアナウンサーに就職してキャリアをスタートさせた。その後、レコードのA&R、プロデュース業をはじめる。ソングライターの仕事もはじめた。当時のフィラデルフィアはドゥーワップのメッカなのでドゥーワップ・ソングがたくさんある。そんな中から生まれたヒット・ソングでドリームラヴァーズの「IF I SHOULD LOSE YOU」。ドリームラヴァーズは5人組のドゥーワップ・グループで1962年、全米62位。
・THE 81
ジェリー・ロスは'60年代のビートルズ前夜、ガール・グループを手がけている。キャンディ&ザ・キッシーズの1964年、全米51位の「THE 81」。ジェリー・ロスが見つけてきたひとりの青年、ケニー・ギャンブルとコンビを組んでヒット曲が生まれる。キャンディ&ザ・キッシーズは黒人3人組のガール・グループ。ケニー・ギャンブルは後にフィラデルフィア・サウンドを牽引する大プロデューサー、ソングライターになっていく。そのきっかけを作ったのがジェリー・ロスという人だった。アレンジはジミー・ワイズナー。
達郎さんは自分の音楽的なルーツはビーチボーイズとニューヨークのヤング・ラスカルズというグループだとずっと思っていたが、実はジェリー・ロスの作った音にいかに影響を受けていたかということが年を取れば取るほど知るようになったとか。アレンジャーのジミー・ワイズナーとジョー・レンゼッティーがジェリー・ロスの'60年代のアレンジを担っていたが、その二人の影響を受けまくっているそうだ。
・WHO DO YOU LOVE
1964年にデビューしたサファイアーズは女性一人、男性二人の黒人グループ。サファイアーズのデビュー・ヒットで1964年の全米25位の「WHO DO YOU LOVE」。この当時はある程度成功を収めたので自分のレーベル、ヘリテイジをはじめる。
・YOU GAVE ME SOMEBODY TO LOVE
1965年にヘリテイジ・レーベルからリリースされたドリームラヴァーズの「YOU GAVE ME SOMEBODY TO LOVE」はアンダース&ポンシアとジェリー・ロスの三者共作というクレジット。明らかにフィル・スペクターを意識した作品。ドリームラヴァーズはヴォーカル・グループとしてひじょうにテクニックがあるグループで、チャビー・チェッカーの「TWIST」ほかカメオ・パークウェイのコーラスをたくさんやっている。
・I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
ジェリー・ロスはヘリテイジ・レーベルからメガ・ヒットが生まれず、1965年にニューヨークに移り住みマーキュリー・レコードのA&Rとして活動することになる。マーキュリー時代に達郎さんは買ったレコードがジェリー・ロスの作品という体験がはじまる。マーキュリーは本社がシカゴなので、てっきりマーキュリーはシカゴ・サウンドだと勘違いしていたという。1966年のディー・ディー・ワーウィックの「I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME」はジェリー・ロスとケニー・ギャンブルの作品。1967年、全米R&Bチャート13位、全米88位。ディー・ディー・ワーウィックはディオンヌ・ワーウィックの妹。「I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME」は翌年1968年にテンプテーションズとシュープリームスによってカヴァーされる。ダイアナ・ロス&シュープリームスwithテンプテーションズというクレジットでヒットして知られるようになる。
・アコースティック・ライブ&トークショー
サンデー・ソングブック25周年の企画で、11月28日(火)に東京半蔵門のTOKYO FM ホールで一夜限りのアコースティック・ライブとトーク・ショーを行う。25周年にちなんで250名のリスナーをご招待。厳正なる抽選の結果は発送を持って発表とのこと。
・MR.DREAM MERCHANT
'60年代のシカゴを代表するシンガー、ジェリー・バトラーはインプレッションズからソロになり、そのプロデュースをジェリー・ロスが引き受けたくさんヒット曲が生まれる。その後、ギャンブル&ハフに受け継がれ、またさらに大きくなっていく。1967年、全米38位の「MR.DREAM MERCHANT」はニューヨークの作家、ラリー・ワイスとジェリー・ロスの作品。
昨年2016年にイギリスのエースから『SOME KINDA MAGIC - THE SONGS OF JERRY ROSS』というコンピが出た。達郎さんのいちばん好きな時代の作品が必ずしもベスト・トラックが入っておらず不満に思ってるそうだ。そんなわけで今週最後の2曲は達郎さんの好きな作品。
・WHEN LOVE SLIPS AWAY
1967年、1968年頃にジェリー・ロスが手がけていたジェイ&ザ・テクニクスというグループはジェイ・プロクターという人がリード・シンガーで白人黒人混成の7人組クラブバンド。1967年のセカンド・アルバム『LOVE, LOST & FOUND』から「WHEN LOVE SLIPS AWAY」。
・ARE YOU READY FOR THIS
ビル・ディール&ザ・ロンデルズはヴァージニア出身のクラブバンド。8人組の大所帯バンド。達郎さんは高校の頃に「WHAT KIND OF FOOL DO YOU THINK I AM」のB面「ARE YOU READY FOR THIS」にノックアウトされたそうだ。ジェリー・ロス作品で一曲挙げるとすれば今でもこの曲だとか。1969年の作品。『SOME KINDA MAGIC - THE SONGS OF JERRY ROSS』ではジェイ&ザ・テクニクスのヴァージョンが収録されてるけれど圧倒的にビル・ディール&ザ・ロンデルズのほうが出来がいいと達郎さん。ニューヨークの作家、マーク・バーカンとリッチー・アダムとジェリー・ロスの三者共作。
・テコのテーマ
11月22日発売される『REQUEST 30th Anniversary Edition』から「テコのテーマ」。映画『時空の旅人』のテーマ・ソング。今日はアルバム・ヴァージョン。
・今後の予定
11月26日は『REQUEST 30th Anniversary Edition』の特集。12月に入ってからドゥーワップ特集。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2017年11月12日・19日は「ジェリー・ロス 追悼」
http://www.tatsuro.co.jp