Sunday Songbook #1607

2023年07月30日 | Sunday Song Book

2023年07月30日プレイリスト「アイク&ティナ・ターナーで棚からひとつかみ」
1. SYNC OF SUMMER / 山下達郎 7月26日発売ニュー・シングル
2. A FOOL IN LOVE / IKE & TINA TURNER '60
3. IT'S GONNA WORK OUT FINE / IKE & TINA TURNER '61
4. I CAN'T BELIEVE WHAT YOU SAY / IKE & TINA TURNER '64
5. TELL HER I'M NOT HERE / IKE & TINA TURNER '65
6. RIVER DEEP-MOUNTAIN HIGH / IKE & TINA TURNER '66
7. BOLD SOUL SISTER / IKE & TINA TURNER '69
8. PROUD MARY / IKE & TINA TURNER '70
9. NUTBUSH CITY LIMITS / IKE & TINA TURNER '73
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているそうだ。7月28日(金)、29日(土)のNHKホール公演の前に収録。今週は8月3日(木)が仙台サンプラザホール、8月5日(土)は山形のやまぎん県民ホール。

・山下達郎 PERFORMANCE 2023
今年の全国ホール・ツアー「山下達郎 PERFORMANCE 2023」は18都市39公演。6月30日から11月6日まで。
9月分のチケットの一般発売日などの詳細は山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp/live/

・アイク&ティナ・ターナーで棚からひとつかみ
ツアーの真っ最中なので「棚からひとつかみ」で行きたいところなのだけど、ハガキかメチャクチャ多いのでバンザイしている(お手上げ)状態。
今週はかねてから予定していたティナ・ターナーの特集。追悼特集が続くのが嫌なので「ティナ・ターナーで棚からひとつかみ」。カタログ数が多いので今週、来週の二週間。まずは「アイク&ティナ・ターナーで棚からひとつかみ」。曲数が多いので代表作かけて終わりという感じだけれど、日本のラジオではあまりかからない。今日はデビュー作から70年代の中頃まで。ソロになるまでのアイク&ティナ・ターナーの作品を特集する。最近は映画もあるし、ティナ・ターナー自身の自伝も出ている。データはたくさんあるので、今日は純粋に音を聴いていく。

・SYNC OF SUMMER
7月26日に通算53枚目のシングル「SYNC OF SUMMER」が発売。

ティナ・ターナーはテネシー生まれ。テネシー州ナットブッシュ出身。お姉さんが働いていたセントルイスのクラブで歌っていたところ、のちに旦那さんとなるアイク・ターナーにスカウトされる。アイクはギタリストでタレント・スカウトとしても活動していた。目染められて結婚し、アイク&ティナ・ターナーとしてデビューすることになる。

・A FOOL IN LOVE
・IT'S GONNA WORK OUT FINE
1960年のデビュー曲「A FOOL IN LOVE」がいきなりR&Bチャートの2位のミリオンセラーになった。
最初期はアイク・ターナーの作曲、プロデュース。スー・レーベルから出ているがろくなCDがない。1994年にピーター・バラカンさんが編纂した『I Can't Stand It!! the best of Sue records』のおかげでかけられる。
1961年のR&Bチャートの2位、全米チャート14位の「IT'S GONNA WORK OUT FINE」。2曲続けて。
曲をかけ終えて。
「IT'S GONNA WORK OUT FINE」はノベルティ風のかけあいの曲。ニューヨークのスタジオ・ミュージシャンのミッキー・ベイカーとのかけあいで、バック・コーラスもシルヴィア・ロビンソンとミッキー・ベイカーが担当している。達郎さんは「PROUD MARY」のヒットの後で、アイク&ティナ・ターナーのレコードを集めはじめたが、その当時はアイク・ターナーとのかけあいだと思ってたそうだ。

・I CAN'T BELIEVE WHAT YOU SAY
1964年にケント・レーベルに移籍。ケント・レーベルからの最初のシングル「I CAN'T BELIEVE WHAT YOU SAY」はR&Bチャート95位。

初期はブルース色の強いシャウター然としたスタイルだったが、年を経るごとに少しずつ柔らかくなりポップス色がついてきて、60年代の後半はファンク色が出てくる。アイク・ターナーは商売っ気の強い人で、いろいろとレーベルを動いて、それでギャランティーを稼いだ。

・TELL HER I'M NOT HOME
60年代の中期にロマ・レーベルに移籍。1965年、R&Bチャート33位の「TELL HER I'M NOT HOME」。

・RIVER DEEP-MOUNTAIN HIGH
ティナ・ターナーの歌唱力に惹かれる人がたくさん出て、その中の一人にフィル・スペクターがいた。「フィル・スペクターとアイク・ターナー。揃ってDV親父でありますが。えぇ。『TINA』という映画を観ればその凄さがわかりますけれども。フィル・スペクターも負けず劣らず」と達郎さん。二人がくっついて、1966年に制作したシングルが「RIVER DEEP-MOUNTAIN HIGH」。ジェフ・バリー&エリー・グリニッチのコンビの作品。エコーの渦という感じのウォール・オブ・サウンドの中でも一際すごい作品ができた。アメリカでは正直言って転けた。ところがイギリスでは3位のヒット、ヨーロッパで大人気。この辺からヨーロッパでのティナ・ターナーの人気が大きくなっていった。ちなみに日本では出なかった。

アイク&ティナ・ターナーは必ず女性コーラスがバックについていた。女性3人組のアイケッツで、この人たちもひじょうにセクシーなコスチュームであった。この中からJosephine Armsteadがソロ・アーティストになり、その後、作曲家になり、かなりの作品を残している。とりわけアシュフォード&シンプソンとのコンビで、レイ・チャールズの「LET'S GO GET STONED」とか数多くの名曲を残す。

・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection
今週8月2日に記念すべきファースト・ソロ・アルバム『CIRCUS TOWN』とセカンド・アルバム『SPACY』のアナログとカセットが発売。
この後は9月6日にライヴ・アルバム『IT'S A POPPIN' TIME』と『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』。
詳しくは山下達郎RCA/AIRイヤーズ・ヴァイナル・コレクションの特設サイトにて。
https://www.tatsurorcaairyears.com

・BOLD SOUL SISTER
1969年にブルーサム・レーベルに移籍。ここのブルーサム時代のアルバムは素晴らしい出来のものが多い。スライ&ファミリー・ストーンに影響を受けてファンク色が強くなる。1969年、R&Bチャート22位、全米チャート59位の「BOLD SOUL SISTER」。

・PROUD MARY
この後、リバティ・レーベルに移籍。ここで「PROUD MARY」の大ヒットが生まれる。クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのカヴァー。1970年、全米R&Bチャート5位、全米チャート4位。日本でもラジオでヒットして、アイク&ティナ・ターナーの知名度が上がった。
曲をかけ終えて。
「ティナ・ターナーの声の持つ哀しみ、切迫感がひしひしと伝わってきます」と達郎さん。

・NUTBUSH CITY LIMITS
ユナイテッド・アーティスツ・レーベルに移籍。1973年のシングルで、イギリスでは全英4位になった「NUTBUSH CITY LIMITS」。アメリカでもソウル・チャート11位、全米チャート21位。不思議なことにイギリスでは「PROUD MARY」はヒットしなかった。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年08月06日は、「ティナ・ターナーで棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Songbook #1606

2023年07月23日 | Sunday Song Book

2023年07月23日プレイリスト「極私的・坂本龍一追悼特集 PART 2」
1. SYNC OF SUMMER / 山下達郎 7月26日発売ニュー・シングル
2. ものおぼえのいい郵便屋さん / 少年少女合唱団みずうみ "海や山の神様たち" '75
3. ドリーミング・ラブ / 中原理恵 "キリング・ミー" '78
4. 個室 / 中原理恵 "キリング・ミー" '78
5. 本気でオンリー・ユー (LET'S GET MARRIED) / 竹内まりや "ヴァラエティー" '84
6. あしたこそ、あなた / 矢野顕子 '81
7. TIBETAN DANCE (VERSION) / 坂本龍一 "音楽図鑑" '84
8. GREENFIELDS / 矢野顕子 "オーエス オーエス" '84
9. ON A CLEAR DAY (YOU CAN SEE FOREVER) (LIVE) / 坂本龍一、矢野顕子、山下達郎 "85/09/17 渋谷ジァン・ジァン"
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているそうだ。現段階ではロームシアター京都が終わってるが、大阪と京都はうまくいってるはずとのこと。本日はフェニーチェ堺、今週は東京に戻って7月28日(金)、29日(土)がNHKホール。

・山下達郎 PERFORMANCE 2023
今年の全国ホール・ツアー「山下達郎 PERFORMANCE 2023」は18都市39公演。6月30日から11月6日まで。
チケットの一般発売日などの詳細は山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp/live/

・極私的・坂本龍一追悼特集 PART 2
先週に引き続いて坂本龍一さんの追悼特集「極私的・坂本龍一追悼特集」。そのパート2。先週は達郎さんの作品の中から坂本龍一さんに手伝ってもらったものを中心に。今週は達郎さんが人に書いた曲で坂本龍一さんに手伝ってもらったもの、坂本龍一さんの作品から達郎さんが手伝ったものを、いろいろ取り混ぜて特集する。

・SYNC OF SUMMER
今週、7月26日に通算53枚目のシングル「SYNC OF SUMMER」が発売。キリンの「午後の紅茶」のCMソング。

坂本龍一さんと最初に知り合ったのはシュガーベイブ時代の1975年。その当時、坂本龍一さんは藝大を出て、放送局の劇判の仕事とか、そういうようなものをしている中で、フォーク、ロック関係のミュージシャンのバックを務めるようになり、だんだんだんだん、そっちの世界に来ているという、そういう時代だった。

・ものおぼえのいい郵便屋さん
1975年にビクターの文芸と呼ばれる童謡とか児童向けの音楽、そういうようなものを作るセクションで、六文銭のメンバーの及川恒平さんが作詞して、坂本龍一さんが作曲、及川恒平さんは北海道の方なので、アイヌのエピソードをテーマにしたアルバムが制作された。『海や山の神様たち』というタイトルで、歌っているのは少年少女合唱団みずうみ。この作品で坂本龍一さんから達郎さんにコーラスのアレンジをしてくれという依頼があった。演奏しているのは当時のりりィさんのバンド、バイバイ・セッション・バンド。当時、ユーミンのダディ・オーのメンバーだった平野兄弟、平野融(とおる)さんのベース、平野肇さんのドラム、パーカッションの斎藤ノブさん、ギターが伊藤銀次さん、坂本龍一さんがキーボードのセッション・メンバーでレコーディング。コーラスの依頼は譜面も何もなく、テープだけしか来なかったという。それも子どもが歌ってるテープで、「自分でコードを取らなきゃなんないんですけど、これが坂本龍一さんは現代音楽の人なので、めっちゃくちゃ難しい(笑)。そればっかり頭に今でも残ってます」と達郎さん。必死に譜面を取ってコーラス・アレンジをしたという。ものによっては大貫妙子さんと達郎さんがコーラスをしているのでシュガーベイブとクレジットされている。この中から「ものおぼえのいい郵便屋さん」。

いろんな仕事をして、終わったらゴールデン街で酒飲んで管を巻くという青春だったそうだ。

・ドリーミング・ラブ
1978年の中原理恵さんのアルバム『KILLING ME』に達郎さんは2曲提供している。村上"PONTA"秀一さんのドラム、岡沢章さんのベース、松木恒秀さんのギター、そして坂本龍一さんのキーボード。当時の達郎さんのライヴを手伝ったもらった面々。バラードの「ドリーミング・ラブ」。

・個室
こういうときでなきゃかけられないのでもう一曲。1978年の中原理恵さんのアルバム『KILLING ME』から「個室」。このメンバーのタイム感の良さが十二分に発揮されているラテン風味の曲。
曲をかけ終えて。
間奏のギターは松木恒秀さんではないと達郎さん。渡辺香津美さんのような感じだけれど、この当時の歌謡曲のアルバムはクレジットがない。「すいません。さすがに覚えておりません。ふふふ」と達郎さん。

1978年から坂本龍一さんはYMOの活動がはじまる。それでだんだん距離が出てきて、同時期に達郎さん自身も「RIDE ON TIME」でブレイク。ライヴのメンバーが変わって少し疎遠になった。1980年代に入って矢野顕子さんの仕事から、また関係が緊密になる。

・本気でオンリー・ユー (LET'S GET MARRIED)
1984年、竹内まりやさんのアルバム『VARIETY』をレコーディングしていたら、スタジオの8階で達郎さん、まりやさんがレコーディングしていると、坂本龍一さんが7階でアルバム『音楽図鑑』のレコーディングをしていた。7階のスタジオと8階のスタジオは互いに入れ替わることもあったが、ずっと続いていたときに、「本気でオンリー・ユー (LET'S GET MARRIED)」のイントロのウェディング・マーチの演奏を坂本龍一さんにお願いに行ったという。当時出たばかりのサンプリング・マシーンの音源でパイプ・オルガンを再現してイントロを弾いてもらったとか。

話はちょっと戻るが、1978年、達郎さんのライヴに坂本龍一さんが参加していたとき、ライヴで仙台に行って、帰りの電車は当時まだ4人掛けのボックスの座席。新幹線は開通しておらず電車で帰ることになり、坂本龍一さんと対面で乗ると、坂本龍一さんはずっと誰かのライヴの譜面を書いていた。達郎さんが本を読みながらそれを眺めていると、突然「一曲書かない?」って、それで書かされたことがあるそうだ。坂本龍一さんは楽屋や電車でしょっちゅう譜面を書いていたという。それがすごく記憶に残っていて、そのことを思い出したと達郎さん。

・あしたこそ、あなた
矢野顕子さんの仕事を坂本龍一さんがやっていた時代にコーラスを一曲頼まれた。達郎さん自身がすごく気に入ってる曲で1981年のシングル「あしたこそ、あなた」。アソシエーションのようにやってくれと言われたそうだ。達郎さんはギターとコーラスで参加している。

・シングル「SYNC OF SUMMER」予約会
本日7月23日のフェニーチェ堺まで、ニュー・シングル予約会を行っているという。ライヴ会場限定の予約特典はジャケットのB3のアート・ポスターで、達郎さんのプリント・サインが入っている。発売日以降でも会場でニュー・シングルを購入するとプレゼントする予定。詳しくはワーナーミュージックの山下達郎サイトにて。
詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

・TIBETAN DANCE (VERSION)
1984年の坂本龍一さんのアルバム『音楽図鑑』に達郎さんはギターとコーラスで参加している。コーラスはフェアライトにサンプリングして使ってるとか。ファースト・プレスのボーナス・12インチ・シングルに収録された「TIBETAN DANCE (VERSION)」に達郎さんのギターがフィーチャーされている。

・GREENFIELDS
この時代、達郎さんが印象に残っているのは矢野顕子さんのアルバム『オーエス オーエス』。最後の曲「GREENFIELDS」は達郎さんがコーラスを担当している。エンディングのコーラスを伸ばすところ。フォー・ヴォイスのコーラスなのでダビングして8回歌う。クリックが入ってないので「仮カマ」と呼ばれる、仮にクリックを入れることを提案したら、矢野顕子さんから「クリックないとできないの?」と言われたそうだ。それでクリックなしでコーラスをレコーディング。ドヤ顔してたら矢野顕子さんが「やればできるじゃない」って。その思い出が強烈に残っているとか。

「坂本くんは本っ当に仲よかった時代もありますので、本当に惜しい才能が、まだまだ長生きしてほしかったですけど。彼の名前をずっと継いで、語って、居続けていきたいと思います。政治的な心情とかは少し違ったことはありましたけれど、彼が友人であることは何の変わりもありません。ご冥福を心よりお祈り申し上げております」と達郎さん。

・ON A CLEAR DAY (YOU CAN SEE FOREVER) (LIVE)
1985年9月17日に矢野顕子さんのソロ・ライヴが渋谷ジァン・ジァンであったとき、達郎さんがゲストに呼ばれた。そのとき坂本龍一さんがシンセで加わって、3人で演奏した曲が何曲かある。その中からミュージカル『晴れた日に永遠が見える』のテーマ・ソングで「ON A CLEAR DAY (YOU CAN SEE FOREVER)」。矢野顕子さん、坂本龍一さん、達郎さんのトリオの演奏。
そのときの思い出。春風亭柳昇師匠がまくらでよく言っていた「あなた、この扇風機、首がよく回らないわよ。当たり前だ借金で買ったからだ」という小噺を言ったら、坂本龍一さんにウケて、ひとりでゲラゲラ笑っていた。それが今でも印象に残っているそうだ。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年07月30日は、「アイク&ティナ・ターナーで棚からひとつかみ」
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Sunday Songbook #1605

2023年07月16日 | Sunday Song Book

2023年07月16日プレイリスト「極私的・坂本龍一追悼特集 PART 1」
1. SYNC OF SUMMER / 山下達郎 7月26日発売ニュー・シングル
2. ドリーミング・デイ / 山下達郎 "ナイアガラ・トライアングル" '76
3. パレード / 山下達郎 "ナイアガラ・トライアングル" '76
4. SOLID SLIDER / 山下達郎 "スペイシー" '77 アナログ&カセット8月2日発売
5. 2000トンの雨 / 山下達郎 "ゴー・アヘッド" '78 アナログ&カセット7月5日発売
6. 潮騒 / 山下達郎 "ゴー・アヘッド" '78 アナログ&カセット7月5日発売
7. THIS COULD BE THE NIGHT / 山下達郎 "ゴー・アヘッド" '78 アナログ&カセット7月5日発売
8. SPACE CRUSH / 山下達郎 "イッツ・ア・ポッピン・タイム" '78 アナログ& カセット9月6日発売
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■内容の一部を抜粋
・近況
ツアーのため番組は相変わらず前倒しで収録。7月7日の島根県民会館、9日の周南市文化会館はどちらも雨でひやっとしたそうだ。山口は終演のときに雨は弱くなっていて助かったと達郎さん。昨日、一昨日の最初のフェスティバルホールはうまくいってるはずとのこと。今週は20日(木)が京都のロームシアター京都メインホール。ツアーは現時点で6本終わったことになる。

・山下達郎 PERFORMANCE 2023
今年の全国ホール・ツアー「山下達郎 PERFORMANCE 2023」は18都市39公演。6月30日から11月6日まで。
チケットの一般発売日などの詳細は山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp/live/

・極私的・坂本龍一追悼特集 PART 1
ちょっと忙しいのでお便りが全て読みきれておらず、どうしょうかと思っていて、ティナ・ターナーの特集は作品が多すぎて聴ききれてない。だったら自分のできることをやることにして、坂本龍一さんの追悼をやりたかったのが、ずっとできなくて、今週、来週二週間使って、いつもの得意のパターンで「極私的・坂本龍一追悼特集」。今日はそのパート1。坂本龍一さんと一緒にやった仕事は70年代はとっても多いので、二週間でも足りないくらいの量がある。今週は達郎さんの作品の中から坂本龍一さんに手伝ってもらったものを中心に。来週は達郎さんが人に書いた曲で坂本龍一さんに手伝ってもらったもの、坂本龍一さんの作品から達郎さんが手伝ったものと、分けて特集する。

・SYNC OF SUMMER
7月26日に通算53枚目のシングル「SYNC OF SUMMER」が発売される。キリンの「午後の紅茶」のCMソング。

・ドリーミング・デイ
3月28日に亡くなられた坂本龍一さん。享年71歳。達郎さんが直接関わった仕事を中心にしたプログラムなので「極私的・坂本龍一追悼特集」。坂本龍一さんと最初に知り合ったのはシュガーベイブ時代の1975年。大滝詠一さんのライヴで坂本龍一さんがピアノを弾く中で、シュガーベイブの仕事をお願いしたりした。1976年の『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』での達郎さんのパートは全て坂本龍一さんのキーボード。1曲目の「ドリーミング・デイ」はイントロのリフからずっと坂本龍一さんのピアノの音が聴ける。

・パレード
1976年の『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』の2曲目「パレード」。シュガーベイブのレパートリーだったがシュガーベイブでは公式に発表することができなかった。アルバム・ヴァージョンはイントロに坂本龍一さんのピアノが入っている。

坂本龍一さんは東京藝術大学の作曲科を出たひじょうにアカデミックな方。当時の時代の空気としてポピュラー・ミュージックにも興味を持っていた。フランス近代の作曲を勉強されており、当時のクラシックを学んだ方とは違ったテイストを持っていて、達郎さん自身がフランス近代のクラシックがすごく好きだったので、坂本龍一さんからいろいろなことを教えてもらったという。「パレード」の間奏後の代理コードのあたりでも随分アイディアをもらったとか。76年から79年までの3年間くらいは本当に仲のいい友人だったが、イエロー・マジック・オーケストラを結成してテクノ・ミュージックに向かっていくと同時期に、達郎さん自身も「RIDE ON TIME」のブレイクがあって、そこから距離は遠くなったが、坂本龍一さんが達郎さんの友人だったことは終生変わらなかった。

・SOLID SLIDER
1976年に達郎さんはソロになり、ファースト・アルバム『CIRCUS TOWN』はニューヨーク、ロサンゼルスでのレコーディングだったが、1977年のアルバム『SPACY』でも坂本龍一さんには随分いろんなことをやってもらったそうだ。上原”ユカリ”裕さんのドラム、田中章弘さんのベース、坂本龍一さんのキーボード、達郎さんのサイド・ギター、もしくは松木恒秀さんのリード・ギター、もしくは大村憲司さんのリード・ギターの演奏。アルバム最後の曲の「SOLID SLIDER」。後半部分は坂本龍一さんのソロ。せっかくなので坂本龍一さんのソロをフィーチャーして「SOLID SLIDER」坂本龍一ソロ部分。
曲をかけ終えて。
「SOLID SLIDER」は全部で7分あるけれど、当時のアナログ・レコーダーのテープは15分入る。15分の前半は違う曲、「SOLID SLIDER」のテイク1で、テープの残りが7分あったので、サックス・ソロとキーボード・ソロに振り分けて、このキーボード・ソロはレコーディングしたときの一発録り。演奏したときに録って、サックス・ソロは後からダビング。サックスの3分弱を計って、坂本龍一さんに合図を出して、坂本龍一さんがソロを弾きはじめて、そのままテープが終わってしまうまで演奏を続けた。フェイドアウトが終わったところでテープも終わってる。そういうことを考えると素晴らしいソロ。坂本龍一さんはこの当時、こうしたロックンロール系に「あんまり満足しない」と言っていたが、素晴らしいタイム感。坂本龍一さんも佐藤博さんも難波弘之さんもみんなタイム感が抜群で、そんなもんだと思っていたら、他のセッションに行って「あれ?」と感じることがよくあったとか。
1977年のアルバム『SPACY』では「DANDER」の途中のアコースティック・ピアノは坂本龍一さんで、「アンブレラ」ではハモンド・オルガンのソロと細かい仕事をお願いしたそうだ。

・2000トンの雨
1978年に入ってシングルを作ることになり、レコーディングしたのが「PAPER DOLL」。「シングルとしてこんなもの売れない」と言われて、レコード会社からボツられたとか。この曲は先週オンエアしたので、今日はシングルのB面になるはずだった「2000トンの雨」。坂本龍一さんのいいアタックのピアノがこの曲を引き立ててくれている。

千葉県市川市のリスナーから「パレードのイントロのインパクトのあるピアノには達郎さんは龍一さんにどのような熱いリクエストをされたのでしょうか?」という質問。
カジュアルな感じで「なんかイントロ弾いてくんないかな?」
「どんなのがいいの?」
「 ファ〜〜ってやつ」
「じゃあカーメン・キャバレロで行ってみようか」
「そんなふうな感じですかね。それでカーメン・キャバレロ風に弾いている(笑)、そういうアレです」と達郎さん。

・納涼リクエスト大会
ツアーの合間にレコーディングをしていて忙しいので、今後予定している「リクエスト特集」のお便りとリクエストを募集とのこと。

・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection
7月5日に『MOONGLOW』と『GO AHEAD!』のアナログ盤とカセットが発売された。オリコン・アルバム・週間ランキングの7月11日付けで『GO AHEAD!』が3位、『MOONGLOW』が4位。『GO AHEAD!』は45年目にして初のトップテン入り。『MOONGLOW』も44年目にして初のトップテン入り。「でも正直言って狐につままれた、そういう感じの続きであります」と達郎さん。

8月2日に『SPACY』と『CIRCUS TOWN』。
9月6日に『IT'S A POPPIN' TIME』と『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』。
詳しくは山下達郎RCA/AIRイヤーズ・ヴァイナル・コレクションの特設サイトにて。
https://www.tatsurorcaairyears.com

・山下達郎『CITY POP UP STORE FOR YOU @ UMEDA NU CHAYAMACHI』
タワーレコードNU茶屋町店 3階の特設会場で7月12日(水)から8月27日(日)まで『CITY POP UP STORE FOR YOU @ UMEDA NU CHAYAMACHI』が開催される。ここでは東京と同じ今回の TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection が試聴でき、オリジナル・グッズの販売、フォト・スポットなどが催される。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp/news/

坂本龍一さんは東京藝術大学の作曲科の時代にシンセサイザーを勉強していて、それがずっと発展してYMOまで続いていく。シンセのノウハウを熟知していたので、達郎さんはたくさんいろんなことを教えてもらったという。1978年のアルバム『GO AHEAD!』あたりからシンセが多用されてきて、当時はKORG の PS3100 というシンセ使っていて「潮騒」のシンセもそれを使用している。

・潮騒
先週オンエアしたが「すいません。いいんです」と達郎さん。

・THIS COULD BE THE NIGHT
1978年のアルバム『GO AHEAD!』の「THIS COULD BE THE NIGHT」はハリー・ニルソンの曲で、モダン・フォーク・カルテットの出なかったシングル。この時代にフィル・スペクターの作品がアナログ化されて、その中に入っていた「THIS COULD BE THE NIGHT」がよかったので、それをカヴァーした。このレコーディングのときに坂本龍一さんが初めて持ってきたのがポリ・モーグというモーグの新製品。素晴らしい音がするシンセサイザー。1978年の坂本龍一さんのソロ・アルバム『千のナイフ』は松武秀樹さんがシンセサイザーとシーケンサーを一緒に作っていたもので、これがおもしろくて毎日レコーディングに通って見学していたという。そのおかげでアルバムのレコーディングでカスタネットを叩いたりしている。その時代においてシンセサイザーの音色は最先端のものだった。

・SPACE CRUSH
今日の最後はやはりシンセが縦横無尽に行くやつ。「SPACE CRUSH」もKORG の PS3100 が活躍している。1979年の達郎さんのライヴ・アルバム『IT'S A POPPIN' TIME』から。1曲目の「SPACE CRUSH」だけスタジオ・レコーディング。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年07月23日は、「極私的・坂本龍一追悼特集 PART 2」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Songbook #1604

2023年07月09日 | Sunday Song Book

2023年07月09日プレイリスト「『MOONGLOW』『GO AHEAD!』特集」
1. FUNKY FLUSHIN' / JUICE=JUICE 7月12日発売
2. FUNKY FLUSHIN' / 山下達郎 "ムーングロウ" '79 アナログ&カセット7月5日発売
3. RAINY WALK / 山下達郎 "ムーングロウ" '79 アナログ&カセット7月5日発売
4. 愛を描いて -LET'S KISS THE SUN- / 山下達郎 "ムーングロウ" '79 アナログ&カセット7月5日発売
5. TOUCH ME LIGHTLY / 山下達郎 "ムーングロウ" '79 アナログ&カセット7月5日発売
6. 潮騒 / 山下達郎 "ゴー・アヘッド" '78 アナログ&カセット7月5日発売
7. PAPER DOLL / 山下達郎 "ゴー・アヘッド" '78 アナログ&カセット7月5日発売
8. SYNC OF SUMMER / 山下達郎 7月26日発売ニュー・シングル
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているそうだ。6月30日のさいたま市文化センター、7月2日の中野サンプラザの公演を終えた時点での収録。
「なんとか初日が開きまして、新しいギターの鳥山くん、だんだんだんだん馴染んできております。お楽しみに」と達郎さん。

・山下達郎 PERFORMANCE 2023
全国ホール・ツアー「山下達郎 PERFORMANCE 2023」は18都市39公演。6月30日から11月6日まで。
チケットの一般発売日などの詳細は山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp/live/

・『MOONGLOW』『GO AHEAD!』特集
先週、7月5日に『MOONGLOW』と『GO AHEAD!』のアナログ盤とカセットが発売されたので今週は2枚のアルバムから選曲。

・FUNKY FLUSHIN'
Juice=Juiceのニュー・シングルは「FUNKY FLUSHIN'」のカヴァー・ヴァージョン。今週、7月12日の発売。

・FUNKY FLUSHIN'
44年ぶりに再発されたアルバム『MOONGLOW』(1979年)から「FUNKY FLUSHIN'」。「いわゆるリズム&ブルースというかディスコというか、ポリリズムです。ポリリズムって若干ちょっと弱いので、なかなかライヴの演奏が難しいんですが。最近あまりやっておりません(笑)。弱点があるのはなるべくやらないという感じ(笑)。年です」と達郎さん。

・RAINY WALK
「RAINY WALK」はアン・ルイスさんのアルバムをプロデュースしたときのアウトテイクを買い取ってアルバム『MOONGLOW』に収録。その当時のアン・ルイスさんのレコーディング・メンバーで、高橋幸宏さんドラム、細野晴臣さんベース、佐藤博さんキーボード、そして松原正樹さんギターというメンバーで演奏されている。

・愛を描いて - LET'S KISS THE SUN -
1976年にソロ・デビューしたが売れないミュージシャンだったのでシングルは一枚も出せなかった。1978年のアルバム『GO AHEAD!』のときに初めてシングルになったのが「LET'S DANCE BABY」。続いて『MOONGLOW』のアルバムから初めてタイアップが付いた。日本航空、JALの沖縄キャンペーンのタイアップだったが、その頃は曲作りのスランプ。詳しくはライナー・ノーツでとのこと。今でもときどきライヴでやるけれど、いわゆるブロック・コードで弾きまくる、ドラムも四つ打ち。これをアンコールのお仕舞いでやると、みんな息が切れて大変。年を取る前からそう言ってるので演奏疲労の高い曲、「愛を描いて - LET'S KISS THE SUN -」。

・TOUCH ME LIGHTLY
『MOONGLOW』のアルバムから村上"PONTA"秀一さんのドラム、岡沢章さんのベース、松木恒秀さんのギター、そして佐藤博さんのキーボードという達郎さんの好きなメンバーでのレコーディング。アルバムにはそのメンバーでレコーディングした曲が、2曲入っていて、そのうちの1曲が「TOUCH ME LIGHTLY」。もともとはキング・トーンズに書いた曲のセルフ・カヴァー。
曲をかけ終えて。
作詞はクリス・モスデルさんで、歌詞が先に来たので作るのに苦労したという。「この頃はまだ耳英語なので結構適当です(笑)。恥ずかしい」と達郎さん。

・スピーチ
さて、この度、私のオフィス、スマイルカンパニーと業務提携をしていた松尾潔氏が契約終了となり、そのことについて私の名を挙げたことで、ネットや週刊誌等でいろいろと書かれております。私はツイッター、フェイスブック、インスタといったものを一切やっておりませんので、ネットで発信することができません。そのため私の唯一の発信基地である、このサンデー・ソングブックにて私のお話をみなさんにお聞きをいただこうと思います。少々長くなりますがお付き合いください。
まずもって、私の事務所と松尾氏とはですね、彼から顧問料をいただくかたちでの業務提携でありましたので、雇用関係にあったわけではない。また彼が所属アーティストだったわけでもなく、したがって解雇には当たりません。弁護士同士の合意文書も存在しております。松尾氏との契約終了についてはですね、事務所の社長の判断に委ねるかたちで行われました。松尾氏と私は直接、何も話をしておりませんし、私が社長に対して契約を終了するよう促したわけでもありません。そもそも彼とは、もう長い間会っておりません。年にメールが数通という関係です。今回、松尾氏が、ジャニー喜多川氏の性加害問題に対して憶測に基づく一方的な批判をしたことが契約終了の一因であった、ということは認めますけれど、理由は決してそれだけではありません。他にもいろいろあるんですけれど。今日この場ではそのことについては、触れることを差し控えたいと思います。ネットや週刊誌の最大の関心事はですね、私がジャニーズ事務所への忖度があって、今回の一件もそれに基づいて関与しているのでは、という根拠のない憶測です。今の世の中は、なまじ黙っていると、言ったもの勝ちで、どんどんどんどん嘘の情報が拡散しますので、こちらからも思うところを正直に率直にお話ししておく必要性を感じた次第であります。
今、話題となっている性加害問題については、今回の一連の報道がはじまるまでは、漠然とした噂でしかなくて、私自身は1999年の裁判のことすら聞かされておりませんでした。当時私のビジネスパートナー、ジャニーズの業務を兼務していましたけれど、マネージャーでもある彼が一タレントである私に、そのような内情を伝えることはありませんでした。性加害が本当にあったとすれば、それはもちろん許しがたいことであり、被害者の方々の苦しみを思えば、第三者委員会等での事実関係の調査というのは必須であると考えます。しかし、私自身がそれについて知っていることが何もない以上、コメントの出しようがありません。自分はあくまで一作曲家、楽曲の提供者であります。ジャニーズ事務所は他にも、ダンス、演劇、映画、テレビなど業務、人材も多岐にわたっておりまして、音楽業界の(笑)、片隅にいる私にジャニーズ事務所の内部事情など、まったく預かり知らぬことですし、まして性加害の事実について、私が知る術は全くありません。
私は中学生だった1960年代に、初代ジャニーズの楽曲と出会って、ジャニー喜多川さんという存在を知りました。何年か後に、初代ジャニーズの海外レコーディング作品を聴いて、私はとても感動して、このサンデー・ソングブックでも特集したことがあります。1970年代の末に、私の音楽を偶然に聴いたジャニーさんに褒めていただいて、そのご縁で数年後に私のビジネス・パートナーが近藤真彦さんのディレクターとなったことから「ハイティーン・ブギ」という作品が生まれました。その後も、ジャニーズに楽曲を提供する中で、多くの優れた才能と出会い、私自身も作品の幅を大きく広げることができ、成長させていただきました。たくさんのジャニーズのライヴに接することができたおかげで、KinKi Kidsとの出会いがあって、そこから「硝子の少年」という作品を書くことができて、昨年の「AMAZING LOVE」まで彼らとの絆はずっと続いております。
芸能というのは人間が作るものである以上、人間同士のコミュニケーションが必須です。いや、まぁ、どんな業界、会社、組織でも、それは変わらないでしょう。人間同士の密な関係が構築できなければ、よい作品など生まれません。そうした数々の才能あるタレントさんを輩出したジャニーさんの功績に対する尊敬の念は今も変わっていません。私の人生にとって一番大切なことはご縁とご恩です。ジャニーさんの育てた、数多くのタレントさんたちが、戦後の日本で、どれだけの人の心を温め、幸せにし、夢を与えてきたか。私にとっては、素晴らしいタレントさんたちや、ミュージシャンたちとのご縁をいただいて、時代を超えて、長く歌い継いでもらえる作品を作れたこと、そのような機会を与えていただいたことに、心から恩義を感じています。
私が、一個人、一ミュージシャンとして、ジャニーさんへのご恩を忘れないことや、ジャニーさんのプロデュサーとしての才能を認めることと、社会的、倫理的な意味での性加害を容認することとは、全くの別問題だと考えております。作品に罪はありませんし、タレントさんたちも同様です。繰り返しますが、私は性加害を擁護しているのではありません。アイドルたちの芸事に対するひたむきな努力を間近で見てきた者として、彼らに敬意を持って接したいというだけなのです。
ですから、正直残念なのは、例えば素晴らしいグループだったSMAPのみなさんが解散することになったり、最近ではキンプリが分裂してしまったり、「あんなに才能を感じるユニットがどうして?」と疑問に思います。私には何もわかりませんけれど、とっても残念です。願わくばみんなが仲よく連帯して、素晴らしい活動を続けて行ってほしいと思うのは私だけではないはずです。KinKi (Kids)、嵐、他のグループもみんな、末永く活動していってほしいと思うばかりです。先日、男闘呼組の再結成といううれしいニュースがありましたが、同じようにいつか近い将来、SMAPや嵐、キンプリの再集合も実現するような日が来ることを竹内まりや共々に願っております。
性加害に対する様々な告発や、報道というのが飛び交う今でも、そうした彼らの音楽活動に対する私のこうした気持ちに変わりはありません。私の48年のミュージシャン生活の中でたくさんの方々からいただいた、ご恩に報いることができるように、私は、あくまでミュージシャンという立場からタレントさんたちを応援していこうと思っております。彼らの才能を引き出し、よい楽曲を共に作ることこそが、私の本分だと思ってやってまいりました。このような私の姿勢をですね、忖度、あるいは長いものに巻かれていると、そのように解釈されるのであれば、それでもかまいません。きっとそういう方々には、私の音楽は不要でしょう。以上が、今回のことに対する、私からのご報告です。長々失礼しました。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

・潮騒
1978年のアルバム『GO AHEAD!』から「潮騒」。

・PAPER DOLL
1978年のアルバム『GO AHEAD!』から「PAPER DOLL」。アルバム用の曲ではなくて、その前の、春先にレコード会社から「シングルを出せ」と言われて書いた曲だが、レコード会社からボツられたとか。それがアルバムに入ったけれど、今では人気曲になっている。

・SYNC OF SUMMER
7月26日に通算53枚目のシングル「SYNC OF SUMMER」が発売される。キリンの「午後の紅茶」のCMソング。今回はひとりで全部やってるそうだ。フルサイズは本邦初オンエア。

・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection
8月2日に『SPACY』と『CIRCUS TOWN』。
9月6日に『IT'S A POPPIN' TIME』と『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』。
詳しくは山下達郎RCA/AIRイヤーズ・ヴァイナル・コレクションの特設サイトにて。
https://www.tatsurorcaairyears.com

・今後の予定
「来週は『棚つか』のつもりですが、ティナ・ターナーと坂本くんをやりたいんですが(笑)。もうちょっと先。未定。よろしくお願いします」と達郎さん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年07月16日は、「極私的・坂本龍一追悼特集 PART 1」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Songbook #1603

2023年07月02日 | Sunday Song Book

2023年07月02日プレイリスト「さよなら中野サンプラザ」
1. SYNC OF SUMMER (CM SIZE 30sec) / 山下達郎 7月26日発売ニュー・シングル
2. こぬか雨 / 山下達郎 "1994/05/02 中野サンプラザ"
3. DREAMING DAY / 山下達郎 "1994/05/02 中野サンプラザ"
4. 愛を描いて-LET'S KISS THE SUN- / 山下達郎 "2013/12/24 中野サンプラザ"
5. GET BACK IN LOVE / 山下達郎 "2019/08/10 中野サンプラザ"
6. CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU / 山下達郎 "2016/02/26 中野サンプラザ"
7.ミライのテーマ / 山下達郎 "2018/10/26 中野サンプラザ"
8. おやすみ、ロージー / 山下達郎 "1989/03/02 中野サンプラザ"
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
今年のツアーが6月30日よりスタート。今回のツアーが早くはじまった理由のひとつは、中野サンプラザが7月2日(日)に最終日で、達郎さんが「さよなら中野サンプラザ音楽祭」の最終日を受け持つことになったから。今日は仕事が重なっていて番組を前倒し収録しているそうだ。初日の埼玉はうまく行ってるはずとのこと。今週は7日(金)が島根、今年のツアーは39本と昨年より少なめで、「また追加公演とか、そういうのがですね、またいろいろあるのかもしれません。知りません。とりあえずツアーの幕が開いております。今年はメンバーが変わったりしております。ギターが鳥山雄司さん。古い付き合いですけれども。変わったりしましてですね、サウンドが若干変わっていると思います。その辺もお楽しみにお聴きをいただきたいと思います」と達郎さん。

・さよなら中野サンプラザ
中野サンプラザは1973年にオープンして50年。話によると達郎さんが中野サンプラザの最多公演数と言われている。「違うんじゃないかと思うんがですね」と達郎さん。長いという意味ではサンプラザで43年やってるので長い。今日は仕事が重なって「棚からひとつかみ」の予定だったが時間がなくて、「さよなら中野サンプラザ」特集に変更。

・SYNC OF SUMMER (CM SIZE 30sec)
7月26日に通算53枚目のシングル「SYNC OF SUMMER」が発売される。キリンの「午後の紅茶」のCMソング。フルサイズのオンエアはまだ解禁前とのことなので「SYNC OF SUMMER」の CM 30秒サイズ。それでも初オンエア。

・こぬか雨
1994年5月2日、アルバム『SONGS』再発記念で行われた「山下達郎 SINGS SUGAR BABE」から「こぬか雨」。1996年の「STAND IN THE LIGHT」のCDシングルのカップリング。その後、2011年のアルバム『RAY OF HOPE』の初回盤ボーナス・ディスク『JOY1.5』に再収録。このときの「山下達郎 SINGS SUGAR BABE」はライヴ・アルバム『JOY 2』のときに1枚ものとして入れることになる予定。



・DREAMING DAY
シュガーベイブ解散後に『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』に入れた「DREAMING DAY」。これも1994年5月2日、アルバム『SONGS』再発記念で行われた「山下達郎 SINGS SUGAR BABE」から。
曲をかけ終えて。
「山下達郎 SINGS SUGAR BABE」から30年。「DREAMING DAY」は1975年。今年はシュガーベイブ結成50周年。あと2年でアルバム『SONGS』50周年。「おそろしい~」と達郎さん。



・愛を描いて-LET'S KISS THE SUN-
シュガーベイブ時代からサンプラザのステージに立ったことがあるけれど、達郎さんがサンプラザをホームグラウンドにしたのは1980年5月1日で、「RIDE ON TIME」の発売日。そこから43年ずっとサンプラザでやっている。今週7月5日に『MOONGLOW』と『GO AHEAD!』のアナログ盤とカセットの発売日なので、その辺から一曲。1980年当時のライヴ・ソースが全部カセットなので、カセットからリマスターしたものがちょっと音質に問題があるので、今日はデジタルの90年代以降の作品からしかかけられない。やり直す時間がないとのこと。2013年12月24日のライヴから「愛を描いて-LET'S KISS THE SUN-」。P.A.OUTなので前の2曲に比べたら音質に差があるとのこと。
曲をかけ終えて。
「これ、ライヴのいちばん最後の曲なのでくたびれております(笑)」と達郎さん。



・GET BACK IN LOVE
中野サンプラザは変な設計のホールで最初全部クラシックなのでやりにくいホールだった。少しずつ改善されて、今は音もよくなってるので、ずっと続けられた。メディアでは達郎さんが「最も愛したホール」と書かれているが、本当のことを言えばもっと音のいいホールはあって、何がよかったのかと言えば時間の優遇が利いたことだった。達郎さんは演奏時間が長いので、終演時間が午後10時過ぎることもあったが、他のホールでは許されなかったけれど、サンプラザだけがそれが好き勝手できたので、80年から43年、長い演奏が実現できた。でもホールとしてはちょっと変わったホールで、今日は時間がないのでちゃんと説明できないが、そのうち時間があれば、と達郎さん。
いろいろなソースがあるけれどシングルから。2019年8月10日の「GET BACK IN LOVE」。P.A.OUT。



・SYNC OF SUMMER
7月26日に4年ぶりのシングル「SYNC OF SUMMER」が発売される。カップリングは今年の春にドラマの主題歌になった「LOVE'S ON FIRE」、菅田将暉さんがミスドのCMで歌っている「DONUT SONG」のオリジナル・ヴァージョンの最新リマスター音源。それぞれのカラオケが付いている。ジャケットはアルバム『SOFTLY』に続き、今回もヤマザキマリさんが手がけている。今年のツアーでは7月23日のフェニーチェ堺までの8公演で、ニュー・シングル予約会を行うという。予約特典はジャケットのB3サイズのアート・ポスターで、達郎さんのサインがプリントされている。発売日以降でも会場でニュー・シングルを購入するとプレゼントする予定。詳しくはワーナーミュージックの山下達郎サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection
RCA時代のカタログ8作品をアナログ盤とカセットで再発することになった。76年から82年までの作品を『FOR YOU』から遡るかたちで順次発売。今月は7月5日に『MOONGLOW』と『GO AHEAD!』。今後は8月2日に『SPACY』と『CIRCUS TOWN』。9月6日に『IT'S A POPPIN' TIME』と『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』。詳しくは山下達郎RCA/Airイヤーズ・ヴァイナル・コレクションの特設サイトにて。
https://www.tatsurorcaairyears.com

・山下達郎 PERFORMANCE 2023 ツアー・グッズ
https://shop.fannect.jp/tatsuro/pc/category.asp?cd=10012

ライヴ・ツアーに楽天カードが今回はサポート。会場でグッズを購入すると楽天カードロゴ入りオリジナル・マグネットをもれなくプレゼント。達郎さんのキャラクターをあしらったかわいいやつ。ヤマザキマリさんが手掛けている。
詳しくはライヴ会場にて。

・CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU
これまで一度もオンエアしたことのない音源から。今までいちばんウケたカヴァー・ソングはフランキー・ヴァリの「CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU」。2015年から2016年にかけてのツアーで披露した。シングル「CHEER UP! THE SUMMER」のカップリングだが、それは大阪フェスティバルホールでのテイク。同じ年のツアーから2016年2月26日のテイクが比較的出来がいい。P.A.OUT。



・ミライのテーマ
シングル「ミライのテーマ」が出たときの2018年のツアーから10月26日のP.A.OUT。



・おやすみ、ロージー
今日の最後はライヴ・アルバム『JOY』の最後を飾った1989年3月2日の「おやすみ、ロージー」。



■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年07月09日は、レギュラー・プログラム「棚からひとつかみ」(予定)
http://www.tatsuro.co.jp
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