2016年02月28日プレイリスト
「棚からひとつかみ」
1. 復活LOVE / 嵐 2月24日発売
2. HERE COMES THE NIGHT(TAKE 2) / THEM "THE COMPLETE THEM 1964-1967" '15('65)
3. ODE TO BILLY JOE / BOBBIE GENTRY '67
4. LADY HONEY / PAN "PAN" '73
5. I NEED YOU / MAURICE WHITE '83
6. SAY YOU WILL / THE ISLEY BROTHERS "WILD IN WOODSTOCK" '15('80)
7. 一本の音楽 / 村田和人 "ひとかけらの夏" '83
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているという。ツアーが続いていて今日は声が低音になってるという。二週間ほど前にくしゃみと鼻水が続いたので、「いよいよ花粉症かな」と思ってアレルギーの血液検査をしたそうだ。33項目調べたら全部ゼロだったとか。鼻炎といってたのは鼻風邪と診断されたという。
中野サンプラザの前に番組は収録をしている。中野サンプラザを入れて49本が終わって残りは15本。「今週は京都にまいります。旧京都会館。京都会館リニューアルしましてロームシアター京都メインホールという名前になりました。水曜日でございます、3月2日。実質的にロック関係のライヴは私が最初だそうです。光栄なことでございます。今までの京都会館はいろいろ設備が古くて、セットが乗らない、照明の機材が積めないとか、そういうものがありましたので、やりたくてもできなかったんです。やりたくなかったわけじゃありません。これで京都でライヴがやれるようになりました。誠にうれしいです。4日は金沢にまいります。金沢歌劇座。これは趣きのある情緒のあるホールでございますが。今週は京都から金沢に渡ってまいります。お出で下さるみなさま、お待ちしております」と達郎さん。
・PERFORMANCE 2015-2016
山下達郎デビュー40周年。「PERFORMANCE 2015-2016」は40th Anniversaryのツアー。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/
・棚からひとつかみ
先週は久しぶりの「珍盤奇盤」で轟々たる反響があったとか。冒頭に嵐の話題があったためアクセスがすごかったという。「すごいですね、嵐のパワーというのはすごいと思いました」と達郎さん。今週はツアーがいちばん集中力が必要なラスト・スパートのところなのでレギュラー・プログラムの「棚からひとつかみ」。ここのところかけたくてもかけられなかった曲を中心に。
・復活LOVE
竹内まりや作詞、山下達郎作・編曲。演奏のメンバーは基本的にほとんど達郎さんで、マシンの打ち込み、ギター、コーラス。ストリングスは牧戸太郎さんという若いミュージシャンにお願いしたとか。まりやさんの「アロハ式恋愛指南」も牧戸太郎さんのストリングス・アレンジだったという。それと間奏後のガット・ギターは佐橋佳幸さんにお願いしたほかは、イントロや途中のエレキは達郎さん。発売したので今週からフル・ヴァージョン。
・HERE COMES THE NIGHT
昨年出たゼムのコンプリート・セレクション『THE COMPLETE THEM 1964 - 1967』はレコーディングされた曲すべてとボーナス・トラックとして未発表デモやオルタネート・テイクなどいろいろなものが入ってる。「ヴァン・モリソンの歌がですね、50年経っても全くブレてないという素晴らしいアレですが」と達郎さん。その中から1965年の「HERE COMES THE NIGHT」。全英2位、全米24位のテイク2。オリジナルのOKテイクはモノラルしかないけれど、こちらはリアル・ステレオなので、当時の3トラックから起こしたリミックスと思われる。バート・バーンズの名作。ライヴが一段落したらバート・バーンズの特集をしてみたいそうだ。この時代のゼムはメンバーが誰なのか判然としないが、ジミー・ペイジ、アンディ・ホワイト、ほかのセッション・マンがやってるという話。
・ODE TO BILLY JOE
ジミー・ハスケルの訃報が入ってきた。ジミー・ハスケルはビッグ・ジム・ハスケルという'60年代から'70年代に幾多の名作を残したアレンジャー。ストリングスの技がすごい人で、いちばん有名なのはサイモン&ガーファンクルの「BRIDGE OVER TROBLED WATER」のストリングス。達郎さんがいちばん最初にジミー・ハスケルを意識したのは1967年のボビィ・ジェントリーというカントリー・シンガーのミリオンセラー「ODE TO BILLY JOE」。全米NO.1を4週間続けた大ヒット・ソング。歌詞が重要で日本では歌詞がわからないのでヒットしなかったがアメリカではこの曲のタイトルのテレビ・ドラマが作られたくらい。ボビィ・ジェントリーがラスベガスのショウで歌っていたときにスカウトされてキャピトルからこの曲を出した。デビュー・ヒットが最大のヒットになったいわゆるワンヒットワンダーといわれる人。この曲のストリングスはボビィ・ジェントリーのギター弾き語りの上に後からダビングしたといわれ、ひじょうに変なストリングス。この時代ではホセ・フェリシアーノのデビュー・ヒットの「LIGHT MY FIRE」とこの「ODE TO BILLY JOE」のストリングス・アレンジが達郎さんにとって驚きだったとか。「LIGHT MY FIRE」のストリングス・アレンジはニルソンとの仕事が有名なジョージ・ティプトン。
・LADY HONEY
ジミー・ハスケルのストリングス・アレンジで達郎さんの好きな曲は1973年にCBSから出た「PAN」。パンはボー・ブラメスというサンフランシスコのグループのリーダーだったロン・エリオットが中心になって結成されたバンド。スタジオで仲間内で作った一種の企画盤『PAN』はロン・エリオットの曲が全面的にフィーチャーされた内容の濃いアルバムだったがヒットせずに終わった。日本でCD化されたきりで今はそれがひじょうに高い値段で売られている。この中に入ってる「LADY HONEY」。
・I NEED YOU
達郎さんの仲間内ではモーリス・ホワイトの訃報で持ちきりになってるとか。長い間、パーキンソン病を患わっていた。モーリス・ホワイトはメンフィス生まれだが、17歳のときにシカゴに移ってきてアカデミックなドラムの教育を受けた。チェスのスタジオ・ミュージシャンからスタートしてラムゼイ・ルイスのバンドに加入する。ヤング = フォルトのリズム・セクションから引き継いでラムゼイ・ルイスと活動していた。その後にソルティ・ペッパーズという自分のバンドを作った。そこからアース、ウインド&ファイアで一世を風靡する。'80年代にエレクトロ・ポップ路線に転向して、そこから?(クエスチョンマーク)になるが... モーリス・ホワイトはいわゆるクロスオーバー・ミュージックのカテゴリーでは計り知れない実績を残した。1983年のソロ・アルバムからはシングル・カットされた「STAND BY ME」がヒットしたが、達郎さんは「I NEED YOU」のほうが全然好きだそうだ。全米ソウル・チャート30位。アメリカより日本のほうが評価が高い曲。リタ・クーリッジの妹のプリシラ・クーリッジが作曲に参加している。
・『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』ハイレゾ配信
昨年再発売されたシュガー・ベイブ『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』がハイレゾ音源で2月24日(水)より配信をスタート。今回ハイレゾ配信されるのは、『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』のDisc2 [2015 REMIX]収録のM1からM11までの全11曲。内容は2015年のCD発売の際にリミックスした音源(オリジナル・マルチテープよリ48kHz / 24bitのスペックで取り込み、新たにミックスしたもの)を、ハイレゾ特性を活かし新たにリマスタリングしたものとなるそうだ。詳しくは山下達郎スペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/artist/tatsuro/news_68599.html
・SAY YOU WILL
昨年の夏にアイズレー・ブラザーズの音源が纏めてBOX化。23枚組のボリュウムだが各カタログにボーナス・トラックが入ってるそうだ。達郎さんはツアー中にずっと聴いてるそうだ。この中でいちばんの目玉は『WILD IN WOODSTOCK』と題された1980年にベアズヴィル・スタジオで録音された偽ライヴ。評判がよくこの度このアルバムだけ単独で発売されることになったとか。アナログでも発売されて、そちらは段取りが違うことになってるという。アルバム『HERE WE GO AGAIN』の直後でいちばん油がのりきった頃のアイズレー・ブラザーズの演奏。この中から「SAY YOU WILL」のスタジオ・ライヴ・ヴァージョン。達郎さんは1980年頃にロサンジェルスのFMステーションで、この曲が1時間に一回位の割合でかかっていたことを懐かしく思い出すのだとか。
・中野サンプラザ
番組は中野サンプラザ公演の前に収録しているそうだ。来年のツアーのときに中野サンプラザがどうなってるかわからないので、毎回これで最後だと思ってツアーしているとか。今回の東京公演は3月にNHKホールを残すだけ。中野サンプラザは先週の金・土で今回のツアーは最後。
・一本の音楽
番組収録前に村田和人さんの訃報が飛び込んできた。大腸がんから肝臓に転移したとか。昨年の12月24日、ツアーで東北に前のりするために東北新幹線に乗っていたら村田さんからメールが来たそうだ。「ちょっと身体の具合が悪くって、しばらく休養してましたが完全回復しました。来年はライヴ200本やるつもりです」と元気いっぱいの内容だったという。それが最後のメールになり、達郎さんも驚いてるとか。
山下達郎 : 村田くんは最初の2枚3枚、私プロデュースした作品もありますし、アレンジもたくさんやっておりますので、一緒にライヴをやったこともありますし、改めて追悼の特集をしてみたいと思います。取り急ぎ、私がプロデュースいたしました83年の彼のセカンド・アルバム『ひとかけらの夏』からシングル・カットされましたこの曲で、とりあえずのご冥福を。村田和人、「一本の音楽」。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2016年03月06日は、「ひな祭り・GIRL SINGER・GIRL GROUP特集 (予定)」
http://www.tatsuro.co.jp