Sunday Song Book #1220

2016年02月28日 | Sunday Song Book

2016年02月28日プレイリスト
「棚からひとつかみ」
1. 復活LOVE / 嵐 2月24日発売
2. HERE COMES THE NIGHT(TAKE 2) / THEM "THE COMPLETE THEM 1964-1967" '15('65)
3. ODE TO BILLY JOE / BOBBIE GENTRY '67
4. LADY HONEY / PAN "PAN" '73
5. I NEED YOU / MAURICE WHITE '83
6. SAY YOU WILL / THE ISLEY BROTHERS "WILD IN WOODSTOCK" '15('80)
7. 一本の音楽 / 村田和人 "ひとかけらの夏" '83
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているという。ツアーが続いていて今日は声が低音になってるという。二週間ほど前にくしゃみと鼻水が続いたので、「いよいよ花粉症かな」と思ってアレルギーの血液検査をしたそうだ。33項目調べたら全部ゼロだったとか。鼻炎といってたのは鼻風邪と診断されたという。

中野サンプラザの前に番組は収録をしている。中野サンプラザを入れて49本が終わって残りは15本。「今週は京都にまいります。旧京都会館。京都会館リニューアルしましてロームシアター京都メインホールという名前になりました。水曜日でございます、3月2日。実質的にロック関係のライヴは私が最初だそうです。光栄なことでございます。今までの京都会館はいろいろ設備が古くて、セットが乗らない、照明の機材が積めないとか、そういうものがありましたので、やりたくてもできなかったんです。やりたくなかったわけじゃありません。これで京都でライヴがやれるようになりました。誠にうれしいです。4日は金沢にまいります。金沢歌劇座。これは趣きのある情緒のあるホールでございますが。今週は京都から金沢に渡ってまいります。お出で下さるみなさま、お待ちしております」と達郎さん。

・PERFORMANCE 2015-2016
山下達郎デビュー40周年。「PERFORMANCE 2015-2016」は40th Anniversaryのツアー。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・棚からひとつかみ
先週は久しぶりの「珍盤奇盤」で轟々たる反響があったとか。冒頭に嵐の話題があったためアクセスがすごかったという。「すごいですね、嵐のパワーというのはすごいと思いました」と達郎さん。今週はツアーがいちばん集中力が必要なラスト・スパートのところなのでレギュラー・プログラムの「棚からひとつかみ」。ここのところかけたくてもかけられなかった曲を中心に。

・復活LOVE
竹内まりや作詞、山下達郎作・編曲。演奏のメンバーは基本的にほとんど達郎さんで、マシンの打ち込み、ギター、コーラス。ストリングスは牧戸太郎さんという若いミュージシャンにお願いしたとか。まりやさんの「アロハ式恋愛指南」も牧戸太郎さんのストリングス・アレンジだったという。それと間奏後のガット・ギターは佐橋佳幸さんにお願いしたほかは、イントロや途中のエレキは達郎さん。発売したので今週からフル・ヴァージョン。

・HERE COMES THE NIGHT
昨年出たゼムのコンプリート・セレクション『THE COMPLETE THEM 1964 - 1967』はレコーディングされた曲すべてとボーナス・トラックとして未発表デモやオルタネート・テイクなどいろいろなものが入ってる。「ヴァン・モリソンの歌がですね、50年経っても全くブレてないという素晴らしいアレですが」と達郎さん。その中から1965年の「HERE COMES THE NIGHT」。全英2位、全米24位のテイク2。オリジナルのOKテイクはモノラルしかないけれど、こちらはリアル・ステレオなので、当時の3トラックから起こしたリミックスと思われる。バート・バーンズの名作。ライヴが一段落したらバート・バーンズの特集をしてみたいそうだ。この時代のゼムはメンバーが誰なのか判然としないが、ジミー・ペイジ、アンディ・ホワイト、ほかのセッション・マンがやってるという話。

・ODE TO BILLY JOE
ジミー・ハスケルの訃報が入ってきた。ジミー・ハスケルはビッグ・ジム・ハスケルという'60年代から'70年代に幾多の名作を残したアレンジャー。ストリングスの技がすごい人で、いちばん有名なのはサイモン&ガーファンクルの「BRIDGE OVER TROBLED WATER」のストリングス。達郎さんがいちばん最初にジミー・ハスケルを意識したのは1967年のボビィ・ジェントリーというカントリー・シンガーのミリオンセラー「ODE TO BILLY JOE」。全米NO.1を4週間続けた大ヒット・ソング。歌詞が重要で日本では歌詞がわからないのでヒットしなかったがアメリカではこの曲のタイトルのテレビ・ドラマが作られたくらい。ボビィ・ジェントリーがラスベガスのショウで歌っていたときにスカウトされてキャピトルからこの曲を出した。デビュー・ヒットが最大のヒットになったいわゆるワンヒットワンダーといわれる人。この曲のストリングスはボビィ・ジェントリーのギター弾き語りの上に後からダビングしたといわれ、ひじょうに変なストリングス。この時代ではホセ・フェリシアーノのデビュー・ヒットの「LIGHT MY FIRE」とこの「ODE TO BILLY JOE」のストリングス・アレンジが達郎さんにとって驚きだったとか。「LIGHT MY FIRE」のストリングス・アレンジはニルソンとの仕事が有名なジョージ・ティプトン。

・LADY HONEY
ジミー・ハスケルのストリングス・アレンジで達郎さんの好きな曲は1973年にCBSから出た「PAN」。パンはボー・ブラメスというサンフランシスコのグループのリーダーだったロン・エリオットが中心になって結成されたバンド。スタジオで仲間内で作った一種の企画盤『PAN』はロン・エリオットの曲が全面的にフィーチャーされた内容の濃いアルバムだったがヒットせずに終わった。日本でCD化されたきりで今はそれがひじょうに高い値段で売られている。この中に入ってる「LADY HONEY」。

・I NEED YOU
達郎さんの仲間内ではモーリス・ホワイトの訃報で持ちきりになってるとか。長い間、パーキンソン病を患わっていた。モーリス・ホワイトはメンフィス生まれだが、17歳のときにシカゴに移ってきてアカデミックなドラムの教育を受けた。チェスのスタジオ・ミュージシャンからスタートしてラムゼイ・ルイスのバンドに加入する。ヤング = フォルトのリズム・セクションから引き継いでラムゼイ・ルイスと活動していた。その後にソルティ・ペッパーズという自分のバンドを作った。そこからアース、ウインド&ファイアで一世を風靡する。'80年代にエレクトロ・ポップ路線に転向して、そこから?(クエスチョンマーク)になるが... モーリス・ホワイトはいわゆるクロスオーバー・ミュージックのカテゴリーでは計り知れない実績を残した。1983年のソロ・アルバムからはシングル・カットされた「STAND BY ME」がヒットしたが、達郎さんは「I NEED YOU」のほうが全然好きだそうだ。全米ソウル・チャート30位。アメリカより日本のほうが評価が高い曲。リタ・クーリッジの妹のプリシラ・クーリッジが作曲に参加している。

・『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』ハイレゾ配信
昨年再発売されたシュガー・ベイブ『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』がハイレゾ音源で2月24日(水)より配信をスタート。今回ハイレゾ配信されるのは、『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』のDisc2 [2015 REMIX]収録のM1からM11までの全11曲。内容は2015年のCD発売の際にリミックスした音源(オリジナル・マルチテープよリ48kHz / 24bitのスペックで取り込み、新たにミックスしたもの)を、ハイレゾ特性を活かし新たにリマスタリングしたものとなるそうだ。詳しくは山下達郎スペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/artist/tatsuro/news_68599.html

・SAY YOU WILL
昨年の夏にアイズレー・ブラザーズの音源が纏めてBOX化。23枚組のボリュウムだが各カタログにボーナス・トラックが入ってるそうだ。達郎さんはツアー中にずっと聴いてるそうだ。この中でいちばんの目玉は『WILD IN WOODSTOCK』と題された1980年にベアズヴィル・スタジオで録音された偽ライヴ。評判がよくこの度このアルバムだけ単独で発売されることになったとか。アナログでも発売されて、そちらは段取りが違うことになってるという。アルバム『HERE WE GO AGAIN』の直後でいちばん油がのりきった頃のアイズレー・ブラザーズの演奏。この中から「SAY YOU WILL」のスタジオ・ライヴ・ヴァージョン。達郎さんは1980年頃にロサンジェルスのFMステーションで、この曲が1時間に一回位の割合でかかっていたことを懐かしく思い出すのだとか。

・中野サンプラザ
番組は中野サンプラザ公演の前に収録しているそうだ。来年のツアーのときに中野サンプラザがどうなってるかわからないので、毎回これで最後だと思ってツアーしているとか。今回の東京公演は3月にNHKホールを残すだけ。中野サンプラザは先週の金・土で今回のツアーは最後。

・一本の音楽
番組収録前に村田和人さんの訃報が飛び込んできた。大腸がんから肝臓に転移したとか。昨年の12月24日、ツアーで東北に前のりするために東北新幹線に乗っていたら村田さんからメールが来たそうだ。「ちょっと身体の具合が悪くって、しばらく休養してましたが完全回復しました。来年はライヴ200本やるつもりです」と元気いっぱいの内容だったという。それが最後のメールになり、達郎さんも驚いてるとか。

山下達郎 : 村田くんは最初の2枚3枚、私プロデュースした作品もありますし、アレンジもたくさんやっておりますので、一緒にライヴをやったこともありますし、改めて追悼の特集をしてみたいと思います。取り急ぎ、私がプロデュースいたしました83年の彼のセカンド・アルバム『ひとかけらの夏』からシングル・カットされましたこの曲で、とりあえずのご冥福を。村田和人、「一本の音楽」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2016年03月06日は、「ひな祭り・GIRL SINGER・GIRL GROUP特集 (予定)」
http://www.tatsuro.co.jp
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SOUND AVENUE 905 Motoharu Radio Show #21

2016年02月24日 | Motoharu Radio Show

2016/02/23 OnAir - 4th. Week - 「ザ・サークル」特集
01.Aztec Camera:Somewhere In My Heart
02.Ryan Adams:All You Had To Do Was Stay
03.Taylor Swift:All You Had To Do Was Stay
04.Lenny Kravitz:Are You Gonna Go My Way
05.New Order:Regret
06.UB40:(I Can't Help) Falling in Love With You
07.佐野元春 with The Heartland:欲望
08.佐野元春 with The Heartland:レインガール
09.佐野元春 with The Heartland:彼女の隣人
10.佐野元春 with The Heartland:エンジェル
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。今週もやってきましたMotoharu Radio Show。待っていてくれたみなさん、どうもありがとう。今夜は僕が1993年に出したアルバム『THE CIRCLE』からの曲を特集します。ちょうど最新リマスタリングの音が上がってきました。ごきげんな音に仕上がってるので是非みなさんにも聴いていただきたいと思います。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

・Somewhere In My Heart
アズテック・カメラの1987年のレコードで「Somewhere In My Heart」。スコットランドのバンドでソングライターのロディ・フレームはバンド解散後ソロで活躍している。「ロディ・フレーム、個人的に好きなソングライターのひとりですね」と元春。

・All You Had To Do Was Stay
米国のソングライター、ライアン・アダムスの「All You Had To Do Was Stay」。女性シンガー、テイラー・スウィフトのカヴァー。テイラー・スウィフトは現在26歳。作詞作曲だけではなく女優としてもよく知られている。もともとカントリー・ミュージックのシンガーだけれどもそうしたジャンルに関係なくアメリカの本物のアイドルとして多くの人たちに愛されてる。今回のグラミー賞でアルバム『1989』が最優秀アルバム賞を受賞した。このアルバムを全曲カヴァーしたのがライアン・アダムス。ニール・ヤングの再来と言われる実力あるソングライター。ときどき天邪鬼の態度でファンを困らせてしまうタイプのシンガー。テイラー・スウィフトのアルバムを丸ごとカヴァーしたことについて「もともと彼女の音楽に興味があってよく聴いていました。個人的にちょっと心が痛むことがあって彼女の曲をギターで歌ってみた。それがとてもいい感じだったんでプロジェクトを立ち上げたんだ」とインタビューで語っている。テイラー・スウィフトもライアン・アダムスのファンということで、カヴァー・アルバムの知らせを聞いてとても感激したそうだ。「ちなみにテイラー・スウィフトのアルバムのフロント・カバーにはかもめの写真がデザインされてるんですけれども、ライアン・アダムスのアルバムでもそのかもめが登場しています。意外と凝ってるなという感じです」と元春。

・All You Had To Do Was Stay
テイラー・スウィフトのグラミー賞を獲ったアルバム『1989』から「All You Had To Do Was Stay」。

・Are You Gonna Go My Way
レニー・クラヴィッツの1993年のレコード「Are You Gonna Go My Way」。

佐野元春 : この曲当時ラジオでよくかかってました。1993年のレコード、今から23年前。みなさんはどう過ごしてましたか? 1993年の頃といえば国内では当時バブル景気なんていって日本は相当景気はよかったんですけれども、終わってみたら焼け野原といった感度で、お金を損した人たちが路頭に迷うという何ともいえない厳しい景色があちこちにありました。しかしどんな時代にもポップ・ソングは鳴り響きます。ここで1993年のレコードから僕が選んだのはこの2曲聴いてみたいと思います。ニューオーダー、曲は「Regret」。そしてUB40「(I Can't Help) Falling in Love With You」。2曲続きます。

・Regret
・(I Can't Help) Falling in Love With You

佐野元春 : さて聴いていただいてるこのMotoharu Radio Show。期間限定の放送ということで、残すところあと5回になりました。そこで番組の内容なんですが、ちょっと僕から希望もありまして残る週何回かに分けて僕のアルバムを特集させてもらってます。題して「佐野元春'90年代レコード特集」。振り返って僕が'90年代に出したスタジオ・アルバムは全部で6枚。『TIME OUT!』、『sweet16』、『THE CIRCLE』、『FRUITS』、『THE BARN』、そして『Stones and Eggs』。毎週、それぞれ一枚のアルバムを取り上げて、当時のことを振り返りながら、アルバムの曲を聴いていただいています。この機会なので是非、若いリスナーの方たちにも僕の音楽を楽しんでいただけたらいいなと思っています。佐野元春'90年代レコード特集。番組では先ほど1993年のヒット・レコードを聴いていただきました。今夜はその同じ年ですね、僕が1993年に出したアルバム『THE CIRCLE』。このアルバムからの曲を特集します。ちょうど最新リマスタリングの音が上がってきました。ごきげんな音に仕上がってるので、是非みなさんにも聴いていただきたいと思います。ではこの後は僕のアルバム『THE CIRCLE』から「欲望」、聴いてください。

・欲望

佐野元春 : 当時のバンドはザ・ハートランド。ドラムス、ベース、ギターにキーボード2人の6人、そこにブラス・セクションが入ってました。バンドは一緒に活動してそれまで13年続きましたけれども、残念なことにこのアルバム『THE CIRCLE』が僕らにとって最後のスタジオ・アルバムになりました。'80年代からずっとスタジオにライヴに一緒にやってきて、それまでに何度かクリエイティヴなピークが来ました。しかし、もうこれ以上新しい何かを生み出すのは難しいかなという思いがあって僕らはバンドを解散することを決めました。ただアルバムをレコーディングしてるときはまだ解散なんて話はなかったので、いつも通りベストなアルバムを作ろうということでみんながんばりました。アルバム『THE CIRCLE』。今振り返って聴いてみてはっきり言えるのは、このアルバムは佐野元春 with The Heartland、僕らにとって最高のアルバムだということです。この後みなさんにもレコードを聴いていただきますけれども、当時の僕のソングライティング、そしてミュージシャンたちのバンド演奏ですね。ギミックのない真正面からのサウンド、日本のとか、海外のというような枠を超えた僕らの音楽を是非じっくり聴いてみてください。13年間というバンドの経験、それがとてもいいかたちでこのアルバムまとまったなとそう思います。改めて本当に辛抱強く僕の音楽的な理想について来てくれた当時のバンドのメンバーのみんなに感謝したいと思います。ではそのアルバム『THE CIRCLE』から曲は「レインガール」聴いてください。

・レインガール
・彼女の隣人

佐野元春 : 僕のレコードで「レインガール」、そして今聴いていただいたのは「彼女の隣人」。聴いていただきました。どうでしたか? 佐野元春'90年代レコード特集。その第三回目、今夜は1993年に出したアルバム『THE CIRCLE』を特集しました。気に入っていただけるとうれしいです。今夜番組でかけたのは最新リマスタリングの音で聴いていただきました。マスタリング・エンジニアはテッド・ジャンセン。信頼できる一流のマスタリング・エンジニアです。今、ソニー・レコーズで僕の'90年代レコードを纏めてリマスタリングしようという話になっていて、僕のほうからテッド・ジャンセンを推薦しました。この佐野元春'90年代リマスタリング・シリーズ、3月にソニーから販売されるということ。本当にいい音になってるので僕もとてもうれしいです。みなさんも僕の'90年代レコードのリマスタリング・アルバム、是非、気にかけてみてください。今夜は僕が1993年に出したアルバム『THE CIRCLE』を特集しました。みなさんはジョージィ・フェイムというミュージシャンを知ってるでしょうか? '60年代から活動している英国のオルガン・プレーヤーであり、素晴らしいシンガーですね。英国では何曲かNO.1ヒットを持っています。今夜特集している『THE CIRCLE』。このアルバムのレコーディングで、是非何曲かでジョージィ・フェイム氏にオルガンを弾いてもらいたいと思って、相談したところ快く引き受けてくれました。とてもうれしかったです。今夜最後に聴いていただきたいのはこの曲。ジョージィ・フェイム氏のオルガン演奏、そしてなんと歌も歌ってくれてます。ちょうど間奏のところで僕がジョージィ・フェイム氏に声をかける場面があるので、よかったら耳を澄まして聴いてみてください。アルバム『THE CIRCLE』の特集。最後の曲は「エンジェル」。今夜はこの曲を聴いてお別れです。

・エンジェル

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? 番組では専用のアプリケーションを用意しています。本日のオンエア曲、番組で紹介したプレイリストがチェックできるので是非、活用してください。アプリケーション名はアルファベット大文字で「MRS」になります。番組からのインフォメーションでした。
佐野元春'90年代レコード特集。来週は1996年、アルバム『FRUITS』を特集します。お楽しみに。DJ、佐野元春、ではまた来週。
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Sunday Song Book #1219

2016年02月21日 | Sunday Song Book

2016年02月21日プレイリスト
「珍盤奇盤特集」
1. 復活LOVE(RADIO EDIT) / 嵐 2月24日発売
2. MEDAKA NO GAKKOH (めだかの学校) / SNUFF "SCMINKIE MINKIE PINKIE" '96
3. SHE LOVES YOU (INSPIRED BY DR.STRANGELOVE) / PETER SELLERS '65
4. ゴジラのテーマ (アルバム・ヴァージョン) / THE EDGE "WELCOME TO GODZILLA ISLAND" '97
5. ゴジラのテーマ (シングル・ヴァージョン) / THE EDGE '97
6. BLACK DOG / KEVIN KMETZ "GOD OF SHAMISEN" '08
7. 迷い道 / 少年探偵団 "恐怖の人間カラオケ" '79
8. 与作 / 少年探偵団 "恐怖の人間カラオケ" '79
9. 涙のラーメン / こまどり姉妹 '61
10. LET'S ONDO AGAIN / アミーゴ布谷 "レッツ・オンド・アゲイン" '78
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■内容の一部を抜粋
・近況
ツアーは45本が終わったそうだ。先週は火・水と名古屋のセンチュリーホール。「名古屋のお客さん、とってもいいお客さんでですね、なかなかいい演奏ができたと思っております」と達郎さん。今日21日は静岡市民文化会館。「古いホールですけれども、なかなかいい音のするホールでございます。明日は浜松にまいりましてアクトシティ浜松。おなじみでございます。本日、明日と静岡、浜松と周ってまいりまして、今週の金・土は中野のサンプラザ。三度目でございます。これが終わりますと3月で、あっという間ですね、後は。引き続きがんばってやりたいと思っております」と達郎さん。

・珍盤奇盤特集
また二月に一度の恐怖の聴取率週間がやってきた。ツアーの間であまりまとまったことが出来ないので久しぶりに「珍盤奇盤特集」。本人は大真面目にやってるのだけど脱力してしまう脱力系とかいろいろ。2年ぶりになるのでネタが揃ってきたのだとか。前回は2014年4月27日放送。
http://blog.goo.ne.jp/sitedoi/e/c056cc7572d909c8f66a004431499658

山下達郎 : さて、私のこの「サンデー・ソングブック」の前の番組はですね、小山薫堂さんの「ジャパモン」でございますが。嵐の松本潤さんがゲストでございまして。今週の水曜日、2月24日に発売になります「復活LOVE」のプロモでございまして。私のお話をいろいろとしていただきましてですね。「復活LOVE」の初回盤を見ましたらビデオの後に5人で対談をしております。それでだいぶイジられておりますのでですね、発売になりましたらそれをご覧いただきたいと思います。2月の24日発売、嵐の「復活LOVE」。竹内まりや作詞、山下達郎作・編曲の嵐の48枚目のシングルでございます。嵐みたいなスーパースターの場合はですね、いわゆる制作側からの話題といいますか、裏方からの話題っていうのはあんまり出てこないと思いますのでですね、松潤がさっきやってくれたので、今日は裏方の立場からですね、冒頭にいくつかお話しましょう(笑)。こういう機会なかなかありませんので。私は嵐のメンバーがまだジュニアだった十代の頃に何度かステージを見ることができております。個人的にも特に松潤は中学生のときからよく知っておりましてですね。過去、私のライヴにも何度も来てくれております。そんな縁で今回の楽曲の提供となりました。前の番組でも松潤が喋っておりますけれどもいろいろとやり取りがありましてですね、具体的な要望なんかも受けて作りました。若い頃から知ってるということはですね、例えば曲を作るときに嵐らしさとかですね、昔でしたらkinkiらしさとか、そういう各々の個性を楽曲に反映する上でとても助けになります。特に最近のジャニーズはグループがとっても数が多いので、グループごとの音楽の個性化とか差別化とかひじょうに計りにくいという難しい時代でありまして。どこの音楽制作陣も悩んでる(笑)ところでありますがですね。そういった意味ではひじょうに幸運でありました。嵐も結成15年超えまして少年が大人に成長する、立派な大人に成長し、ちょうどよいタイミングで仕事ができたと思います。人に曲を提供する場合は、私の場合はですね、歌入れに可能なかぎり立会います。今回は全員の歌入れにフルタイムで付き合うことができました。いっちばんその現場で感じたのがですね、5人みんなそれぞれとっても特徴的な声を持ってるんですよね。嵐のシングルの場合は、ヴォーカルに関しては大野くんが中心になって、歌が進行するというのがだいたい定番なんですが、相葉くんとか二宮くんの声に独特の哀愁がありましてですね、それに櫻井くんのフラットなトーン、それから松潤はハモり好きなので全部ハモってるんですが、この松潤のハモリを絡めていくとですね、こう得も言われぬ(笑)ムードが出てきます。そういう各人の歌の特徴といったものをなるべく対比できるように声に加工しないというですね、ダブル・ヴォーカルとかそういうのしないという、そういうような方針で制作しました。それが今回のいちばんの狙いでしょうか。忙しい人たちですので、歌入れは全員別々に行っております。全員にフルコーラス歌ってもらって、それをもとに吟味して歌の分担を決定しますが、したがって後から言葉尻とか譜割り、そういうようなものがズレないように注意しなければなりません。歌の切り替えとか順番の段取りは長年嵐の制作に携わってるスタッフに決めてもらいました。その部分では私は一切関与しておりません。まぁ、相葉くんが「僕のエンジェルが使ってくれなかった」とかそういうようなことを(笑)、インタビューで言っておりますが、それは僕は、あの、関与しない問題であります。あの、濡れ衣です。ちなみにですね、嵐の音楽制作スタッフはひじょうに優秀な人たちで、私の制作意図をよく理解してくれて楽しく仕事ができました。意思決定に一切浮ついたところがありませんで、みんな誠実で実に的確な仕事ぶりでありました。嵐の作品がヒットをずっと続けてる理由というのがそこでよくわかった気がします。そういう目に見えない裏方たちの努力も是非思いを馳せてほしいと思います。ちなみにですね、スタジオの歌入れの際はですね、大野くんと櫻井くんは普通に立って歌っております。相葉くんは椅子に座って歌っております。二宮くんは椅子の上にあぐらかいて歌っております。松潤は何故かバランス・ボールに座って歌います。みなさん、いろいろです。へへ。蛇足ですけれども、途中出てくる"I miss you"、ここは松潤がやっております。最後の「おかえり」というのは相葉くんがやっております。このセリフを入れようと提案したのは私ですが、選考したのは(笑)、私ではなく(笑)、スタッフでございますので、使われなかったと僕に文句言われても困りますが。でもファンのみなさまにはきっと喜んでいただけると思います。

・復活LOVE(RADIO EDIT)
今日も発売日前なのでラジオ・エディット。

・MEDAKA NO GAKKOH(めだかの学校)
'80年代にイギリスはロンドンで結成されたバンド、スナッフ。パンク、メタル、そういうジャンルの音楽で日本語のカヴァーが大好きな人たち。歌謡曲、童謡などありとあらゆるものをカヴァーしている。1996年の「めだかの学校」のメタル版。この曲はシングル・オンリーで、最近、日本語のカヴァーを全部集めたCDが出たけれどこの曲だけ入ってなかったそうだ。

・SHE LOVES YOU(INSPIRED BY DR. STRANGELOVE)
ピーター・セラーズは今は亡き偉大な俳優。コメディのレコードをEMIからたくさん出している。プロデューサーがジョージ・マーティンだったため、ビートルズを題材にした作品を何枚か出している。ほとんどが朗読もので「HELP!」、「A HARD DAY'S NIGHT」、「CAN'T BUY ME LOVE」などいろいろある。その中の一枚で「SHE LOVES YOU」を朗読した作品が3ヴァージョンあり、その中の一曲が1965年の録音で、1963年のスタンリー・キューブリック監督作品、ピーター・セラーズが一人三役やってる『博士の異常な愛情(DR. STRANGELOVE)』に出てくるマッド・サイエンティストのドクター・ストレンジラヴの芸風で「SHE LOVES YOU」を朗読している。かなりブラックな内容でやばいので当時出なかったという。1990年のCDで初めて世に出たといういわくつきのやつ。「僕、そのときかけたことありますけれど(笑)」と達郎さん。

・ゴジラのテーマ
リスナーからのリクエストで歌詞のついたゴジラ。1997年にテレビ東京系で放送された「ゴジラアイランド」の劇中に登場する主題歌。伊福部昭さんのメロディに歌詞をつけてTHE EDGEという女の子のグループが歌っている。二種類あってオリジナル・サウンドトラックのほうはゴジラの鳴き声が入ってるもののハーフ・サイズ。シングルはフルサイズだがゴジラの鳴き声が入ってない。今回はオリジナル・サウンドトラックとシングルを両方かける。
曲をかけ終えて。
「こんなもんまで持ってる自分が怖いですよね。だから6万枚にもなっちゃうんですねぇ... あの反核の象徴だったゴジラが正義の味方になりましてですね。"ゴジラ ゴジラ ゴジラと遊ぼうよ ゴジラ ゴジラ ゴジラと歌おうよ 銀の背びれ 大空光らせて ゴジラ ダンス 虹の彼方まで一緒に踊ろうよ" すごいですねぇ。何も言えませんね、ホントにね」と達郎さん。

・BLACK DOG
ケヴィン・メッツさんは日本人とアメリカ人のハーフ。小さい時にお父さんの仕事で青森県の三沢市に行ってから、ヴァン・ヘイレンやイングヴェイ・マルムスティーンなどヘヴィメタに凝り、高橋竹山さんの三味線を聴いて津軽三味線に出会ってからは人生が変わって、カリフォルニアに行って帰ってきてから本格的に津軽三味線を習い、津軽三味線とメタルの融合というとんでもないプロジェクトができて、2008年に『GOD OF SHAMISEN』というアルバムを出した。アルバムの最後にボーナス・トラックとして三味線だけで演奏されるレッド・ツェッペリンの「BLACK DOG」のカヴァーが収められている。

・『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』ハイレゾ配信
昨年再発売されたシュガー・ベイブ『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』がハイレゾ音源で2月24日(水)より配信をスタート。今回ハイレゾ配信されるのは、『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』のDisc2 [2015 REMIX]収録のM1からM11までの全11曲。内容は2015年のCD発売の際にリミックスした音源(オリジナル・マルチテープよリ48kHz / 24bitのスペックで取り込み、新たにミックスしたもの)を、ハイレゾ特性を活かし新たにリマスタリングしたものとなるそうだ。詳しくは山下達郎スペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/artist/tatsuro/news_68599.html

・4月分のチケット一般発売
4月公演分のチケットの一般発売が今週末2月27日からはじまる。

・PERFORMANCE 2015-2016
山下達郎デビュー40周年。「PERFORMANCE 2015-2016」は40th Anniversaryのツアー。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・FM群馬
FM群馬では来週2月28日にJリーグのザスパクサツ群馬の開幕戦中継が行われるため、「サンデー・ソングブック」はゆうがた6時からの放送に変更。

・迷い道
・与作
一昨年の珍盤奇盤でかけた少年探偵団の『恐怖の人間カラオケ』(1979年)はシングルなのに6曲収録している。前回は「サウスポー」をオンエアしたが他もすごいので渡辺真知子さんの「迷い道」と北島三郎さんの「与作」2曲続けて。歌と編曲と演奏は少年探偵団。

・涙のラーメン
珍盤奇盤の超常連は遠藤実大先生で超絶な作品がいくらでもある。2010年にもかけたことのある、こまどり姉妹の1963年の「涙のラーメン」。最近出た『遠藤実作品集』からで、やたらマスタリングがいいそうだ。「作詞作曲、遠藤実。矢野顕子さんのラーメンたべたいの原点のような歌でございます。すごい変拍子」と達郎さん。こまどり姉妹はザ・ピーナッツと並ぶ兄弟デュオで声の質が同じなので今のダブル・ヴォーカルを生で再現しているようなもの。

・LET'S ONDO AGAIN
1978年のNIAGARA FALLIN' STARSのアルバム『LET'S ONDO AGAIN』はコロムビアのナイアガラ最後のカタログで珍盤奇盤の極めつけ。チャビー・チェッカーの1961年のミリオンセラー「LET'S TWIST AGAIN」の音頭版で「LET'S ONDO AGAIN」。「今更そういうこと語ったってしょうがないくらいに究極でございます」と達郎さん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2016年02月28日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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SOUND AVENUE 905 Motoharu Radio Show #20

2016年02月19日 | Motoharu Radio Show

2016/02/16 OnAir - 3rd. Week - 爆笑問題をゲストに迎えて
01.サザンオールスターズ:思い過ごしも恋のうち
02.佐野元春:シュガータイム
03.サザンオールスターズ:Ya Ya(あの時代を忘れない)
04.佐野元春:彼女はデリケート
05.サザンオールスターズ:ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。今週もやってきましたMotoharu Radio Show。待っていてくれたみなさん、どうもありがとう。さて今夜の放送、スタジオには素晴らしいゲストを迎えています。爆笑問題のお二人。Motoharu Radio Show、長くやってますけれども音楽とは違う分野の方をゲストにお迎えするというのははじめてのことです。今夜は僕もとっても楽しみにしています。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

佐野元春 : 今夜はスタジオに素晴らしいゲストを迎えています。爆笑問題。太田光さんと田中裕二さん、お二人によるお笑いコンビです。歴史や時事問題をネタにした漫才で日本ではどちらかといえば珍しいエンタテイナーですね。個人的には'50年代、米国のコメディアン、アボット & コステロ、そしてマルクス・ブラザーズ、そうしたスラップスティックなコメディのセンスと共通するものをお持ちのお二人なのかなと思っています。何よりの自分も東京育ちなので、爆笑問題のお二人は東京のコメディアンということで、とても親近感があります。今夜のMotoharu Radio Show、大変光栄に思います、爆笑問題の二人をゲストにお迎えしています。

●ラジオ
Motoharu Radio ShowはNHK-FMの月金のプログラム「サウンドストリート」として1981年にスタート。元春は月曜日のレギュラーDJを6年間担当していた。爆笑問題の二人は当時16,17歳の多感な頃だったという。ちょうどラジオで「SOMEDAY」を聴いて元春を知ったそうだ。
田中さんは子どもの頃からTBSラジオの熱心なリスナーだったので、大きくなったらアナウンサーになってラジオ番組をやりたいと思っていたとか。高校生の頃は放送部で、その当時の仲間とラジオ番組を真似て「ウーチャカ大放送」というものをカセットに録音して遊んでいたという。

●日本大学
田中さんと太田さんは日大で知り合い元春の話題を通して仲良くなったそうだ。太田さんはアルバム『Back To The Street』の「ビートでジャンプ」がいい曲だと田中さんに教えたという。男子校出身の太田さんはどちらかというと引きこもり気味で、不良が聴いていた横浜銀蝿、放送部など音楽に詳しい同級生が聴いていたナイアガラ、YMO、サザンなどを家でよく聴いていたとか。

●自分たちの世代
山下達郎、吉田拓郎、佐野元春といった世代が未だに音楽の最前線で活躍していることに太田さんは触れて「自分たちの世代ってすげぇなって思います? はっきりいって」と質問。

佐野元春 : あの僕もね、やはり、あの、この前ね、太田さんがたまたまTBS、このMotoharu Radio Showの収録のところ、お二人でいらっしゃって、で、桑田さんが自分の番組(「桑田佳祐のやさしい夜遊び」)でね、僕の曲(「君がいなくちゃ」)を推薦してくれた。これ素晴らしい話だねという話をしてくれた。僕も本当にジンとくることなんだけれども。今日はね、'80年代のサザンオールスターズと僕の曲をね、僕たちの話の合間にかけていこうかなと思ってます。
僕と桑田さんは同世代ですから、ただサザンオールスターズのほうが自分より3年早くデビューをしている。ですので僕は'80年ですけれども、'80年前にサザンオールスターズがもうすでにいい曲たくさん書いていて、その中から一曲僕も聴いてみたい曲があるんです。これ一緒に聴きたいですね。サザンオールスターズ、曲は「思い過ごしも恋のうち」。

・思い過ごしも恋のうち
1979年のアルバム『10ナンバーズ・からっと』の曲。「これを元春さんが選んだのはちょっと意外な感じがするんですけれど」と田中さん。「当時どういうふうに...」と太田さん。

佐野元春 : 当時はね、僕はあまり知らなかったです、サザンオールスターズは。ただ同時代に「いとしのエリー」というバラードがあって。とってもきれいなバラードなんだけれども。あの曲が街中に流れ出して「いい曲だな」と思って、そこから知りましたね。

田中裕二 : これがだから次の、「いとしのエリー」の次のシングルがこの曲だったかな?

佐野元春 : あぁ、そうだったんですね。僕はだからこのアルバムの翌年1980年にデビューするので、まだ仕事していた頃でしたね。

1988年に渋谷のライヴハウス、ラ・ママで開催された渡辺正行さんの主催する新人コント大会が初舞台。「進路指導室」というネタだった。

・シュガータイム
1982年のアルバム『SOMEDAY』から「シュガータイム」。

佐野元春 : 思い出しました。これ「シュガータイム」ね、最初、詩はこんなスィートな感じじゃなかったんですよ。少しね、反抗的な... うーん、ちょっとプロテストな内容の詩を書いて行ったんです。そしたら当時、レコード会社のディレクターが「ちょっとこれ詩書き直したほうがいいよ」って言われちゃったんですよ。それでね、僕は人からそういうふうに言われるのが大っ嫌いなんだけれども、アルバム『SOMEDAY』は、エピック・ソニーというレーベルだったんだけれども、次にアルバム『SOMEDAY』作ったらね、ソニー挙げてプッシュしたいからがんばっていいの作れって、みんなに言われてたんですね。ですので詩を書き直せなんて、ホント、カチンと来て僕はもう大っ嫌いなこと言われちゃったんだけれども、そこは折り合いつけなきゃいけないのかなと思って、ちょっとハードな詩を一度うちに持ち帰って、そして持って行ったのがこの曲なんです(笑)。ダンス ダンス ダンス 素敵さベイビー もうホントにスィートな詩...

太田光 : 途中、何かが間違ってるのさ...

佐野元春 : ええ、少しだけ名残が... あそこだけ譲れなかったんですけれどもね。バースはもうちょっとヘビーな言葉が並んでたんですよ。

●つまらない大人にはなりたくない
そんな具合にまわりにアドバイスをくれる、例えば伊藤銀次さんのようなお兄さんみたいな存在が元春にはいたという。爆笑問題にもそんな相談役やアドバイザーはいたんだけれど太田さんが聞き入れなかったのだとか。「つまらない大人にはなりたくない」という詩で育っちゃったから、と太田さん。「悪いこと言っちゃったかな」と元春。

「映画、小説、演劇などお笑いに囚われることなく、それを乗り越えた表現をしたいというのが最初からあったように思うんだけれども」と元春。太田さんは子どもの頃、チャップリンに憧れたという。

・Ya Ya(あの時代を忘れない)
サザンオールスターズの1982年のレコード。「詩も曲もいい」と元春。「(歌詞は)青学のキャンパスをイメージして」と田中さん。田中さんは立教を受けたけれど落ちたとか。

●森田芳光監督
1989年の映画『バカヤロー! 2 幸せになりたい』に出演した爆笑問題。1991年の『バカヤロー! 4 YOU! お前のことだよ』では太田さんがメガホンを取った。脚本と総指揮が森田芳光さんで森田組で撮られた。当時まだ25,26歳ぐらいで、現場では助監督のサードが年下、あとは全員年上のスタッフ。映画を撮りたくて映画の業界に入ってきた人たちの中で、「何だあいつ」みたいな声が聞こえてきて、針のむしろみたいな状態で撮影したのだそうだ。結局、自分のイメージをスタッフに伝えられず心残りの作品になったとか。森田芳光さんは上の世代のスタッフにも平気で怒鳴っていて、現場では相当嫌われていたというが、そのときに学んだのは映画監督というのは現場で嫌われるくらい独裁者じゃないと撮れないということだったそうだ。
元春がその話を聞いて思い出すのはナイアガラ・トライアングルのことだという。

佐野元春 : まだ無名な頃、大瀧詠一さんが僕ともう一人杉真理くんですよね。ふたりをピックアップしてくれて好きにやってみろと。一枚のアルバムの中でひとり4曲ずつ担当するんだけれども。現場には来ませんし、好きにやれと。だから僕のコーナーは僕のレコーディング・スタッフと僕のバンドでやってました。出来上がったものを大瀧さんに持って行って「これでどうでしょか」という感じだったんですよ。で、4曲出して3曲OKだったんだけれど、1曲どうしても大瀧さんが納得しない曲があった。それが「彼女はデリケート」だったんですよ。僕はね、自分の自己流でしたけれど完璧な仕上げで、大瀧さんは本当にポップスについては詳しい方ですから、彼から一言イエスと言ってもらいたくて、完璧なものを持ってたんです。そしたらマルチテープ流して聴いて、大瀧さんが腕組んで聴いてるわけなんですね。「これ、違うよ」って。何が違うんだろう? 演奏がダメなのか? 詩がダメなのか? 何が? って僕が訊いたらば「歌だよ」って、こう言うんだよね。「これはすごく完璧に出来てるけれども何か感じないよ。佐野くんはバディ・ホリーやエディ・コクランが好きでしょ? あれで行くんだよ。スタジオに入って」と言われてスタジオへ。もうそこにマイクロフォンのセットアップがしてあって、それで「彼女はデリケート」バックトラック鳴って、それでトークバックで「何も気兼ねすることなくエディ・コクランで行きな! バディ・ホリーで行きな!」。もうその一言ですごく自由な気持ちになって。何か完璧を狙うんじゃなくて、ロックンロール音楽が持ってる自由な楽しさですよね。「「彼女はデリケート」という詩はそういう詩なんだから、もっとエディ・コクランで行くんだよ、佐野くん!」って。それで僕はエディ・コクランの真似をして(笑)。そしたらテイクワンで「佐野くん、それだよ!」って。

太田光 : かっこいい! すっげぇよ、大瀧詠一! 見直したな!

田中裕二 : 見直したってやめなさい。我々が知ってる「彼女はデリケート」は...

佐野元春 : 真面目の、ピシっとしたのがあるんです。ですけれども、後で聴いてみると、もう時が経って十年、二十年、三十年経って聴いてみると大瀧さんの言うとおり。

太田光 : すっげぇなぁ!

田中裕二 : 今夜はうまくハモれないぜ、とか、もうちょっとちゃんとまじめに歌ってたんですね(笑)

佐野元春 : そうなんです(笑)。

太田光 : 大瀧さんでもそんな... それほど別に年齢変わるわけないじゃないですか? やっぱ天才なんですね。

佐野元春 : やっぱり葉っぱを見るんじゃなくて森を見れる人なんですよね。だからプロデューサーなんです。

太田光 : そうかぁ。すごい話ですね。それはでも。かっこいいねぇ。

・彼女はデリケート
1982年のアルバム『Niagara Triangle Vol.2』から「彼女はデリケート」。田中さんはライヴで胸の高鳴りを覚え、間奏のところではどうにかなっちゃうくらい興奮してたのを思い出したとか。

佐野元春 : 間奏のところでは当時、東京ビーバップというね、ブラス・セクションがリードを取ってましたよね。あそこはやっぱり見せ場で、間奏のところに来たら全員が前に出てきて、オーディエンスたちを楽しい気持ちにさせてね。当時、ホントに僕たちハートランドはパーティ・バンドと言ってましたからね。

太田さんは田中さんとライヴを一緒に観に行ったことがあって、メンバー紹介を横で、元春のMCを全部覚えてる田中さんがやっていたので「なんでオマエに紹介されなきゃいけないんだ」と文句を言ってたそうだ。

●世代
太田さんからの質問で「今の若手で注目してる人はいますか?」

佐野元春 : いっぱいいます。むしろ僕のすぐ下よりも、ずっと下の世代の表現がおもしろくなってきました。だから二十代ですか。しかも女性のソングライターたち、おもしろい人がいっぱい出てきますし、バンドもね、おもしろい人たちたくさん出てきている。ただ寂しいのは同時代に仲間があんまりいないんですよね。桑田くんくらいですか。しかし僕より下はバンドやろうぜの世代ですから、同世代の仲間たちがいっぱいいて楽しそうなんですよ。

太田光 : でも桑田さんと佐野さんの関係ってホントにいい距離っていうか、桑田さんの番組で佐野さんの話、たまーに出ることがあるし、佐野さんが桑田さんの曲をというのも、それだけでジンとくるよねぇ。

太田さんは『VISITORS』が出たときの自身の思い出を語って、サザンオールスターズが当時、『VISITORS』をメンバーで何度も聴いたというエピソードを話した。田中さんはその話が大好きで、当時サザンオールスターズは『KAMAKURA』というアルバムを出す前で、自分たちも何か新しいことをしたいという刺激を受けたと話していたとか。元春はその話を初めて聴いたという。

・ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
1984年のサザンオールスターズの「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」。田中さんは大学に入って太田さんと出会った夏にヒットしていたことを思い出したそうだ。

佐野元春 : 桑田さんというのは本当に優れたソングライターでね。同時代に生きてる僕も同業ですから、彼の詩や曲をよく聴きますけれども、本当に優れたソングライター。で、NHKで僕は以前、「佐野元春のザ・ソングライターズ」という番組をやっていてね、それはソングライターを招いて作詞作曲術を聞き出すという、そんな番組やってたんですね。その番組の企画は僕なんですけれども、企画したときに真っ先にスタジオに呼びたかったのは、実を言うと桑田さん。で僕はね、桑田さんに手紙を書いたんです、実をいうと。初めてです、このことを喋るのは。最終的には出なかったんだけれども、ちょうど彼が病気をしていた頃ですね。で、僕はそれを全然知らない。熱い思いを、桑田さん出てください、手紙を書いた。そしてしばらく経ったら桑田さんから本当に分厚い手紙が返ってきました。こんな分厚かったんですよ。何が書いてあるんだろうな? と思ってみたら、ひとつの便箋に文字がすごく大きかった(笑)。文章量はそんなに多くない。そんな分厚いものだった。まっ、うれしかったんですけれどもね。ちょっと今事情があって出られる状況じゃないというようなことが書いてあった。それからまもなく彼が病気と闘っているといことをニュースで聞いた、そうだったのかと思ったんですよね。そうこうしてるうちに番組は終わったんですけれども、またいつか機会を改めてね...

田中裕二 : この番組にゲストで桑田さん...

佐野元春 : でもいいですし、そうした番組とか、メディアでもなく、プライヴェートでもね、彼とソングライティングについてじっくり話してみたいなという気持ち、今でも僕はありますね。

太田光 : でもいずれ何か...

田中裕二 : 一緒に曲作るとかないんですか?

佐野元春 : あるんじゃないですか? この先一回は。それを発表する、しないというのはまた別として...

田中裕二 : それはしなきゃダメでしょ! そんな奇跡がもしあったら、それはもう日本のために発表しないとダメですね。

太田光 : どっちが詩で、どっちが曲... 両A面で2曲だね。

佐野元春 : ははは。そこまでプランしますか(笑)

太田光 : だってさ、どっちもメロディと詩... どっちもやってほしいですね。

田中裕二 : はい。ホーランド・ローズと、ちゃんとやってほしいですね。

佐野元春 : 同世代ががんばってるというのはすごい刺激になるし、とても励みになる、うれしいことですよね。ですのでいつか共演するんじゃないか、いつか新曲を書くんじゃないかという希望を残しつつ、今こう動いてるのでそれを考えるだけでも楽しい。

田中裕二 : それは我々ももっと楽しいですね。それを想像するだけでね。

太田光 : それができるまで生きていようね。

●立川談志
最後は元春からの質問。上岡龍太郎さんが立川談志さんとの対談で「今のお笑い、バラエティは教養がなくなった。でもひとつ救いなのが爆笑問題が談志師匠に会うと緊張する気持ちを持っていてくれるのが救いだ。その気持を忘れずに爆笑問題頼むよ」という発言を上岡さんは談志師匠にしている。それともうひとつ爆笑問題がデビューして間もない頃、談志師匠が太田さんに「天下取っちゃいなよ」と応援の言葉を送った。また談志師匠は田中さんについて「こんな出来た奴なかなかいないからできるだけコンビ続けていけ」と田中さんの相方としての重要性を力説していた。それから時が経って単行本の「最後の大独演会」で談志師匠とビートたけしさんと太田さんの三人の対談を読んで帰結した印象があったとか。爆笑問題の二人にとって談志師匠とはどういう存在なのかを訊いてみたいということ。下町生まれの元春からみれば談志師匠が亡くなったのは遠い親戚の伯父さんが亡くなったような感じがしたという。あんまり寂しくてバンドのメンバーに一言メールを送ったそうだ。「談志が死んだ」って。

太田さんにとって談志師匠と古今亭志ん朝師匠は元春と桑田さんのような存在。志ん朝師匠はキートンみたいでポップな落語、江戸っ子の立て板に水のような色気のある落語で、談志師匠は古典を解体して分析して今の客に向かって落語を作り直すみたいなことをやっていた。太田さんにとってはチャップリンとキートンという感じ。談志師匠の前で初めてネタをやったときに「天下取っちゃえよ」と言われたことがものすごくうれしかったという。今もこうしてやっていて大きな励みになってるとか。志ん朝師匠とは談志師匠の前でネタをやった数カ月後に舞台で共演した。楽屋で「お先に勉強させていただきました」と言うと、鏡の前で正座しながら、ピシっと背筋を伸ばしたまま、ちょっと振り返って「お疲れ様でした」と一言だけ。「あぁ、やっぱり志ん朝なんだ」と思って「あぁ、かっこいい」と思ったとか。その一度きり。未だに自分は志ん朝になりたいのか談志になりたいのかという存在の二人なんだそうだ。どっちのよさもわかるので、いつもそこでブレてしまうという。

佐野元春 : 僕ら東京人にとってみればね、立川談志師匠、それから志ん朝ですよね。もうふたつの宇宙ですよね。一つ一つが違った宇宙。話芸というもので意識を飛び越えさしてくれる。そのような偉大な芸術家といってもいいと思うんですよね。だから今太田さんが言ってることはよくわかります。

田中さんは談志師匠をあれだけ怖いと思った人はいないし、あれだけやさしいと思った人はいないと。爆笑問題は結構かわいがってもらって一度も怒られたことがないとか。談志師匠の主催するひとり会や一緒に番組もやったけれど、毎回いつ怒られるのかと緊張していたという。でもいつもやさしくて、最後までやさしい人だったとか。

佐野元春 : 尊敬できる先人を見て思うのは、スタイルというものはそれぞれ確立してるものだから、それを超えることはできないけれど、その芸に対する思いとか、音楽に対する愛情とかね、そうしたスピリットみたいなものは受け継ぐことができるんですよね。受け継いで、また時代に合わせて応用することができる。僕にとってみれば大瀧さんは先輩だし、音楽に対する知識や愛情は僕以上に深い方で、学ぶことも多かったんですけれども、彼のスタイルを僕はそのまま受け継ぐことはできないけれど、彼のスピリットは受け継いで、それを自分なりのかたちでファンにまた披露することはできるんじゃないかな、そんなこと思いますね。音楽よりもむしろ芸の場のほうがそうしたことを感じられるんじゃないかなと、今お話伺いながら感じてました。

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? 爆笑問題のお二人をゲストにお迎えしました。爆笑問題といえばこのTBSの看板番組といっていい「JUNK 爆笑問題 カーボーイ」ですね。この後深夜1時からの放送になります。今回はさまぁ~ずの三村さんが登場ということ。爆笑問題にさまぁ~ずといえば東京のお笑いを代表するお二人ですよね。どんな番組になるのか楽しみです。そしてもうひとつ爆笑問題の番組といえば「爆笑問題の日曜サンデー」ですね。2月21日の日曜日、このときの放送はミレニアムからの16年。この16年に起こったことをいろいろな音で振り返ってみようという、そういう企画だそうです。爆笑問題がそこにどう切り込んでいくのか、期待したいですね。是非、放送を楽しみにしていてください。TBSからのインフォメーションでした。DJ、佐野元春、ではまた次回に。
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Sunday Song Book #1218

2016年02月14日 | Sunday Song Book

2016年02月14日プレイリスト
「『ヴァレンタイン』で棚からひとつかみ」
1. 復活LOVE(RADIO EDIT) / 嵐 2月24日発売
2. ST.VALENTINE'S DAY / THE DREAM ACADEMY "DIFFERENT KIND OF WEATHER" '90
3. VALENTINE LOVE / NORMAN CONNORS '75
4. VALENTINE DAY IS OVER / BILLY BRAGG "WORKERS PLAYTIME" '88
5. エンドレス・バレンタイン / EPO '90
6. BLUE VALENTINES / TOM WAITS "BLUE VALENTINE" '78
7. BLUE VALENTINE / THE SOLITAIRES '54
8. BLUE VALENTINE'S DAY / 大瀧詠一 "ナイアガラ・カレンダー '78" '77
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
「2月の14日でございます。本日はヴァレンタインズ・デーでありましてですね。毎年のようにワーナーのレコード会社の女子がですね、大挙して訪れて来てます。一月後が怖いということでありますが」と達郎さん。今まであまりないことだが軽い鼻炎で鼻声なんだとか。「いつものように声枯れてませんから(笑)。どっちがいいか」と達郎さん。ライヴは長野県のキッセイ文化ホール(旧松本文化会館)が終わったところ。今月、音楽のライヴは達郎さんだけだそうで、松本は寒いので楽屋が暖まらないのだとか。「鼻炎気味ですごく寒かったですが」と達郎さん。今週は16日(火)、17日(水)と名古屋の国際会議場センチュリーホール。

・PERFORMANCE 2015-2016
山下達郎デビュー40周年。「PERFORMANCE 2015-2016」は40th Anniversaryのツアー。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・『ヴァレンタイン』で棚からひとつかみ
2月14日はヴァレンタインズ・デーなので「『ヴァレンタイン』で棚からひとつかみ」。

・復活LOVE(RADIO EDIT)
何週間も前から各メディアで報道されているが嵐のニュー・シングルを達郎さんが書き下ろした。2月24日発売のニュー・シングルでタイトルは「復活LOVE」。竹内まりや作詞、山下達郎作編曲。「編曲も込みで人に曲書くの本当に久しぶりでございます。kinki(kids)以来かもしれませんね。数年前からオファー受けてたんですけれど、ようやく実現しました。昨年の夏ぐらいから制作をしておりました。まぁ、嵐の曲ですのでですね、いつも彼らがやっている若いアレンジャーの人がアレンジする予定だったんですけれど、メンバーが僕のデモ・テープを気に入りましてですね、僕にアレンジしてほしいというオーダーが来ましたので引き受けました。まぁ、年なのでですね、若干オールド・タイムでございますけれど、自分じゃ割と気に入ったアレンジができました」と達郎さん。今週はラジオ・エディット・ヴァージョン。

・ST.VALENTINE'S DAY
ドリーム・アカデミーの1990年のアルバム『DIFFERENT KIND OF WEATHER』に入ってる「ST.VALENTINE'S DAY」。ヴァレンタインズ・デーに別れる男女の歌。その割に音が明るいと達郎さん。

今回の「『ヴァレンタイン』で棚からひとつかみ」は全体的に暗い歌が多いようでポジティブな曲がそんなにないのだとか。でもサウンドのクオリティーは高いそうだ。日本では国民的行事化しているヴァレンタインズ・デーだが、西洋ではもともと男女間の愛の誓いの日だとされている。日本ではイベント化されてるので邦楽にあまりいい歌がなくて、今日はほとんど日本の歌はかからないという。

・VALENTINE LOVE
達郎さんの世代でヴァレンタインというとノーマン・コナーズの1975年の「VALENTINE LOVE」。全米ソウル・チャート10位。ノーマン・コナーズはフィラデルフィアのジャズ・ドラマー。ゲスト・ヴォーカルでこの歌の作者のマイケル・ヘンダーソン、そしてフィリーの女性シンガー、ジーン・カーン。

・雪かき
リスナーから「達郎さんも雪かきなさったでしょうか?」という質問。
「小さい頃はよくしました。最近は雪かきしませんです(笑)。田舎行ったとき、雪かきやらされた記憶があります。小学生のときです。今でも写真が残っております」と達郎さん。

・ギター
リスナーから「達郎さんはギター、マーチン派ですか? ギブソン派ですか? 是非教えて下さい」というお便り。
「私はギルド派でございます。ギルドとマーチンでございます。このスタジオでときどき鳴らすギターはギブソンでございます。どちらかというとギルド派でございますね。ライヴはギルドでやってます」と達郎さん。

・VALENTINE DAY IS OVER
イギリスの政治的なシンガーとして有名なビリー・ブラッグの1988年の4枚目アルバム『WORKERS PLAYTIME』から「VALENTINE DAY IS OVER」。女性が受けるDVにインスパイアされたというコメントが載ってるそうだ。詩の世界は暗いがオケが明るいので割りと気に入ってるとビリー・ブラッグがコメントしているとか。達郎さんはビリー・ブラッグの声が好きで、初期のギターの弾き語りで歌ってる曲が好きでよく聴いていたという。

・エンドレス・バレンタイン
EPOの1990年の「エンドレス・バレンタイン」はシングル・オンリーだったのでベストCDから。

・珍盤奇盤特集
来週は聴取率週間で上からなんかやれというお達しが来ているそうだ。ライヴ中なのであまり手の込んだことができないので、久しぶりに「珍盤奇盤特集」。曲の頭数が揃ってきたので聴取率週間にウケのいい「珍盤奇盤特集」をするが、本音でいうと女性客にはあまりウケないとか。

・『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』ハイレゾ配信
昨年再発売されたシュガー・ベイブ『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』がハイレゾ音源で2月24日(水)より配信をスタート。今回ハイレゾ配信されるのは、『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition -』のDisc2 [2015 REMIX]収録のM1からM11までの全11曲。内容は2015年のCD発売の際にリミックスした音源(オリジナル・マルチテープよリ48kHz / 24bitのスペックで取り込み、新たにミックスしたもの)を、ハイレゾ特性を活かし新たにリマスタリングしたものとなるそうだ。詳しくは山下達郎スペシャル・サイトにて。

・誕生日代読メッセージ
今週から3月いっぱいまで番組の終了間際の誕生日代読メッセージを一時的に休むそうだ。「ちょっとライヴのスケジュールがタイトであるときに録りますと、誕生日(代読)メッセージのところがいちばん声に負担がかかるんです。本編は大丈夫なんですけれどね。あそこがいちばん負担がかかるので、しばらく3,4週間お休みをいただいて、少し余裕が出てきましたら、また再開させていただきます。何卒よしなにご了承願います」と達郎さん。

・BLUE VALENTINES
トム・ウェイツの1978年のアルバム『BLUE VALENTINE』からタイトル・トラックの「BLUE VALENTINES」。"あの娘の送ってくるブルー・ヴァレンタインは / オレの犯した罪を思い出させる / オレは罪を洗い流すことも両手に付いた血痕を消すこともできずに / 悪夢を追い払うためにウィスキーを浴びる / 毎日血を流す心を切り刻んで / セント・ヴァレンタインズ・デーが来る度に少しずつ死んでいく / オレが約束したことを覚えてるかい / オマエに送るって言ったっけブルー・ヴァレンタインを"という内容。「これがギター一本で歌われますと、トム・ウェイツ独特の世界が展開されます。ちょっと長いんですけれどこのムードは最高でございます」と達郎さん。

・BLUE VALENTINE
ニューヨーク・ドゥーワップのザ・ソリテアーズは1950年代に活躍した黒人5人組。1954年のデビュー・シングルで「BLUE VALENTINE」。リード・ヴォーカルはエディ・ジョーンズ、カリフォルニア・ジョーンズと呼ばれる人でいい声をしている。

・BLUE VALENTINE'S DAY
大瀧詠一さんの1977年のアルバム『ナイアガラ・カレンダー '78』から「BLUE VALENTINE'S DAY」。2014年に発売された『BEST ALWAYS』から「BLUE VALENTINE'S DAY」をオンエアしようとしたが、『BEST ALWAYS』のヴァージョンはオリジナルと左右が逆になってるという。ナイアガラの関係者に問い合わせると、2008年に 30th Anniversary Edition で『ナイアガラ・カレンダー』をリマスターしたときに、大瀧さん自身が「実は全部(オリジナル・アイテムは)左右が逆だった」と全部ひっくり返したと(レコード・コレクターズのインタビューでそう語っているとか)。「『ナイアガラ・カレンダー』は私がストリングスをやっておりますので、その当時のカセットとかそういうものはですね、オリジナルのアルバムと全くおんなじバランスなんですよ。BLUE VALENTINE'S DAY、私ストリングスやっておりますけれど、その当時のストリングスというのは基本的にヴァイオリンが左でですね、チェロ、ビオラが右なんです。でもこの『BEST ALWAYS』のやつはヴァイオリンが右になってます。これ、僕どうしてそうしたのかなぁ、と思いますのでですね。今日はオリジナルのバランスでお聴きいただきますことを予めお断りしつつ。まぁ、いずれにしてもこのBLUE VALENTINE'S DAY、録音がいいんです。ベースの音といい、なんといっても歌の艶がですね、ひじょうに今聴くといい音をしております。あのときから素晴らしいアルバムと思っておりますがですね。改めて聴くとひとしおでございます」と達郎さん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2016年02月21日は、おなじみ「珍盤奇盤特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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SOUND AVENUE 905 Motoharu Radio Show #19

2016年02月10日 | Motoharu Radio Show

2016/02/09 OnAir - 2nd. Week - 「スウィート16」特集
01.The Black Crowes:Come On
02.The Allman Brothers Band:Wasted Words
03.Tedeschi Trucks Band:Midnight in Harlem
04.U2:Mysterious Ways
05.blur:There's No Other Way
06.佐野元春 with The Heartland:ミスター・アウトサイド
07.佐野元春 with The Heartland:スウィート16
08.佐野元春 with The Heartland:レインボー・イン・マイ・ソウル
09.佐野元春 with The Heartland:エイジアン・フラワーズ
10.佐野元春 with The Heartland:また明日...
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。今週もやってきましたMotoharu Radio Show。待っていてくれたみなさん、どうもありがとう。今夜は僕が1992年に出したアルバム『sweet16』からの曲を特集します。ちょうど最新リマスタリングの音が上がってきました。ごきげんな音に仕上がってるので是非みなさんにも聴いていただきたいと思います。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

・Come On
ブラック・クロウズの2001年のレコード「Come On」。ヴォーカルのクリス・ロビンソンとギターのリッチー・ロビンソンの二人の兄弟を中心としたバンド。現在、バンドは活動休止中で、それぞれのソロで活動してるとのこと。

・Wasted Words
ブラック・クロウズのロビンソン兄弟が尊敬するバンド、オールマン・ブラザーズ・バンドの「Wasted Words」。ツイン・リード・ギター、ツイン・ドラムスというダイナミックなバンド編成で、サザン・ロックの代表的なバンドのひとつ。何度か解散と再結成を繰り返して現在に至っている。

・Midnight in Harlem
オールマン・ブラザーズ・バンドにギタリストとして参加していたデレク・トラックスのレコード。テデスキ・トラックス・バンドの「Midnight in Harlem」。

佐野元春 : テデスキ・トラックス・バンドの音楽、本当に素晴らしいですね。デレク・トラックスとスーザン・テデスキ。この二人を中心にしたバンド。二人ともいいシンガーであり、素晴らしいブルース・ギタリストです。そうですね、この春、来日してコンサートが予定されてるということ。番組からもお勧めのバンドです。興味のある方は是非ご覧になってください。
さて話題は変わって1992年。今から24年前、みなさんはどんなふうに過ごされていましたか? '90年代の前半というと僕が覚えてるのはバブルの崩壊ですね。いわゆるバブル景気というものが終わって何か人々の心に不安が広がった時期でした。金融機関が倒産したり、またそうしたお金をめぐる政財界の汚職事件なんかもよく起こっていて、毎日テレビや新聞が騒がしく報道していました。バブル経済が終わって何かと騒がしい時代。番組この後はちょうどそんな時代1991年、92年ですね。その頃ヒットしたレコードを聴いてみたいと思います。U2「Mysterious Ways」、そしてブラー、曲は「There's No Other Way」。2曲続きます。

・Mysterious Ways
・There's No Other Way

佐野元春 : さて聴いていただいてるこのMotoharu Radio Show。期間限定の放送ということで、残すところあと6回となりました。番組では残る週何回かに分けて僕が'90年代に出したアルバムの特集を聴いていただいてます。振り返って僕が'90年代に出したスタジオ・アルバムは全部で6枚。『TIME OUT!』、『sweet16』、『THE CIRCLE』、『FRUITS』、『THE BARN』、そして『Stones and Eggs』。毎週、それぞれ一枚のアルバムを取り上げて、当時のことを振り返りながら、アルバムの曲をたっぷり聴いていただけたらいいなと思っています。特に僕の音楽を知らないという若いリスナーのみなさんにこの特集楽しんでいただけたらと思っています。佐野元春'90年代レコード特集。そうですね、番組ではさっきから1992年の音楽を話題にしてきました。1992年、この年は自分にとっては『sweet16』というアルバムを出した年です。ということで今夜はアルバム『sweet16』の特集。ちょうど最新リマスタリングの音が上がってきました。かなりいい音に仕上がってるので、是非みなさんにも聴いていただきたいと思います。さっそく『sweet16』からこの後曲は「ミスター・アウトサイド」、そして「スウィート16」。2曲続きます。

・ミスター・アウトサイド
・スウィート16

佐野元春 : アルバム『sweet16』。自分にとってとても思い出深いアルバムです。というのはひとつ前に出したアルバム『TIME OUT!』ですね。ちょうどこの頃、音楽的な迷いがありました。当時僕は36歳。その頃バンド・ブームというのがあって、下の世代から新しいバンドがどんどん出てきました。もしかしたら自分の音楽は古臭いものになってるんじゃないか? そんな心配もあってどんな曲を書いたらいいのか、ちょっと行く先がわからなくなっていた頃でしたね。それとプライヴェートでも大変な頃で、父親が亡くなって、その父親の会社を整理しなくちゃいけないということで、そうですね、だいたい一年くらい音楽の仕事を休んでそちらの方に専念していました。そんなこともあって音楽からしばらく離れていたので、ちょっと感を取り戻したいということもあって、僕はバンドを連れてロードに出ました。そこで僕がうれしかったのは長いブランクにも関わらず、全国多くのファンの人たちが待っていてくれたことです。どの街でも熱い声援をいただいて、いってみればファンからエネルギーをもらったツアーでした。その後、僕とバンドはツアーが終わってからすぐ新作アルバムのレコーディングに取り掛かります。そしてできたのがこの『sweet16』アルバムです。バブル経済が弾けていろいろな人が何かを失った時期。僕もまた大事な肉親を失くしたということもあって、そんな悲しみを吹き飛ばすような明るいアルバムを作りたい、『sweet16』はそんな気持ちを込めて作ったアルバムです。ではそのアルバム『sweet16』から一曲、曲は「レインボー・イン・マイ・ソウル」。

・レインボー・イン・マイ・ソウル

佐野元春 : この後はオノ・ヨーコさんとジョン・レノンの息子さん、ショーン・レノンくんがヴォーカルに参加してくれたレコード、曲は「エイジアン・フラワーズ」に続きます。

・エイジアン・フラワーズ

佐野元春 : もともとこの曲はオノ・ヨーコさんがGREENING OF THE WORLDという音楽イベントを主催していて、そのイベントのテーマ・ソングとして書いた曲でした。そうですね、先日、天皇皇后両陛下がフィリピンを訪問されて、太平洋戦争で犠牲となった戦没者の慰霊をなさいました。とても素晴らしいことだと僕は思いました。東アジアの連帯なんていうと大げさかもしれませんけれども、どうか戦争が残した傷跡を超えて日本と近隣東アジアの人たちとの新しい関係が築けたらいいな、そんな希望を込めてこの「エイジアン・フラワーズ」、この曲を書いてみました。
さて番組、ここまで聴いていただいてありがとう。佐野元春'90年代レコード特集。その第二回目、今夜は1992年に出したアルバム『sweet16』を特集しています。今夜番組では最新リマスタリングの音でみなさんに聴いていただてます。マスタリング・エンジニアはテッド・ジャンセンですね。信頼できる一流のマスタリング・エンジニアです。今、ソニー・レコーズで僕の'90年代レコードを纏めてリマスタリングして3月に販売するということを聞いています。かなりいい音になってるので、是非、僕の'90年代レコードのリマスタリング・アルバム、みなさんにも楽しんでいただけるとうれしいです。ではここで番組からのインフォメーションです。

火曜の夜はMotoharu Radio Show。番組ではみなさんからリクエストをお待ちしています。聴きたい曲があれば是非リクエストをお寄せください。宛先はメール・アドレス mrs@tbs.co.jp 。

佐野元春 : アルバム『sweet16』。特集最後はこの曲です。矢野顕子さんが一緒に歌ってくれました「また明日...」。今夜はこの曲を聴いてお別れです。

・また明日...

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? 番組では専用のアプリケーションを用意しています。本日のオンエア曲、番組で紹介したプレイリストがチェックできるので是非、活用してください。ダウンロードは専用ウェブサイトでご案内しています。http://www.moto.co.jp/MRS/ 番組からのインフォメーションでした。
来週のこの放送ですけれども、佐野元春'90年代アルバム特集は一旦お休みして、その代わりになんと爆笑問題がゲストに来てくれます。どんな話が飛び出すか今から僕も楽しみにしています。みなさんもお聴き逃しないようにお願いします。DJ、佐野元春、ではまた来週。
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Sunday Song Book #1217

2016年02月07日 | Sunday Song Book

2016年02月07日プレイリスト
「リクエスト特集」
1. HAPPY HAPPY GREETING / 山下達郎 "レアリティーズ" '02
2. THE LITTLE OLD LADY (FROM PASADENA) / JAN & DEAN '64
3. YOU ONLY LIVE TWICE / NANCY SINATRA '67
4. TRYING TO LIVE MY LIFE WITHOUT YOU / OTIS CLAY '72
5. LET THIS MUSIC GET DOWN IN YOUR SOUL / THE RANCE ALLEN GROUP "SMILE" '79
6. WALK AWAY FROM LOVE / DAVID RUFFIN '75
7. TELL ME WHEN / THE APPLEJACKS '64
8. 氷のマニキュア (2015 REMIX) / 山下達郎 "COZY" '98
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
「わたくし、2月の4日が誕生日でございます。当年ついに63歳を迎えました。還暦になったときはあんまり実感がありますけれど、63というのはけっこうズシンと来るものがありますですね(笑)」と達郎さん。
番組は前倒しで収録しているという。ツアーは42本終了して、今週は長野県のキッセイ文化ホール(旧松本文化会館)。「今週はそれだけ。珍しい。ちょっと空いて、その間にちょっと仕事をしようという、そういうアレでございます(笑)。働いております」と達郎さん。

・PERFORMANCE 2015-2016
山下達郎デビュー40周年。「PERFORMANCE 2015-2016」は40th Anniversaryのツアー。35都市64公演で半年に渡るロング・ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」。ツアーに関する詳細は特設サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・リクエスト特集
今週はまたリクエスト特集。

・HAPPY HAPPY GREETING
達郎さんの誕生日なので今日はこの一曲「HAPPY HAPPY GREETING」。

・THE LITTLE OLD LADY (FROM PASADENA)
ジャン&ディーンの1964年、全米3位の「THE LITTLE OLD LADY (FROM PASADENA)」。

・YOU ONLY LIVE TWICE
リクエストは「007の主題歌で達郎さんの好きな曲をお願いします」。「ダブルオーセブン。このあいだ『スペクター』観てきましたがですね、あにはからんや、いい映画でしたね。最初のつかみの長回し。素晴らしかったですね。サム・メンデスという監督、なかなかいいです。才能あります」と達郎さん。『カジノ・ロワイヤル』の「LOOK OF LOVE」がいちばんいいそうだ。でも、それではおもしろくないので、日本を舞台にした『007は二度死ぬ』の主題歌「YOU ONLY LIVE TWICE」。音楽はジョン・バリー。ナンシー・シナトラが歌って、アメリカではシングルのB面で発売されて全米44位。このシングル・ヴァージョンはアメリカ・レコーディングだが、オリジナル・サウンドトラックはロンドン・レコーディングで、ジョン・バリーのオーケストレーションで展開されている。オリジナル・サウンドトラックは全米27位。今日はレアでオケやオーディオ的にいいオリジナル・サウンドトラックからナンシー・シナトラの「YOU ONLY LIVE TWICE」。ナンシー・シナトラはロンドンでジョン・バリーにしごかれたというインタビューを達郎さんは読んだことがあるそうだ。

・TRYING TO LIVE MY LIFE WITHOUT YOU
オーティス・クレイが先日、亡くなった。享年73歳。オーティス・クレイは日本で大変に人気がある人で、ライヴの誠実さというか、来日した時のコンサートがよかったので、アメリカよりもむしろ日本での人気のほうが高い人だった。シカゴのゴスペル・シーンから出てきた人で、彼の最大ヒット曲「TRYING TO LIVE MY LIFE WITHOUT YOU」は1972年、全米ソウル・チャート24位。後に1981年にボブ・シーガーがカヴァーしてベスト10ヒットになった。
「ネットで享年を調べてましたら、クラレンス・リードが亡くなってしまいましたね。ポール・カントナー、グレン・フライ。あぁ、すごいですね。まぁ、こっちが年を取ってゆくということなんでしょうけれど」と達郎さん。

・LET THIS MUSIC GET DOWN IN YOUR SOUL
ゴスペルのザ・ランス・アレン・グループの1979年のアルバム『SMILE』から「LET THIS MUSIC GET DOWN IN YOUR SOUL」。ランス・アレンの超絶ファルセットが聴ける曲。

・『ヴァレンタイン』で棚からひとつかみ
来週は2月14日、聖ヴァレンタインデーなので「『ヴァレンタイン』で棚からひとつかみ」。前に一度やったけれどなかなかいい曲がないそうだ。

・テレキャスターについて
リスナーから「メインで使ってるブラウンのテレキャスター、ソロ用と思われるサンバーストのテレキャスター、かつてのメインと思われる白のテレキャスター、ビブラートテイルピースをセットしたテレキャスター。今まで何本のテレキャスターを使ってきたのでしょうか? また全てフェンダーUSAのものですか?」という質問。
「テレキャスターはシュガー・ベイブから数えると20本近くになりますが、メインで弾いてるのは本当にブラウンのあれが、最近は一本きりです。今持ってるのは4本しかありません。もう全部処分してしまいました。ソロ用にメイプル・ネックとかも持ってましたが、もういいやというね、ソロ弾かないので(笑)、カッティングしかやりませんので。で、フェンダーのマスター・ビルダーに頼みました私のブラウンのテレキャスのレプリカといいましょうか、音が限りなく近いやつ、これが2本ありますので、もうそれでいいかなという。もちろん全部フェンダーUSAです。最初は伊藤銀次さんから5万円で売ってもらったのがビブラートの付いたやつです。それからニューヨークで買ってきたやつ、それがまぁ、マネージャーがですね、クルマのトランクに入れてたときに雨に濡れて使いものにならなくなっている。そんなこともいろいろありますが。すべてはあのブラウンのテレキャスターに出会ったおかげで、もう34年ですか。使っておりますね。お陰さまで。ギターは一生ものでありますので、そういう一本が得られるかどうかというのが、人生にとってひじょうに重要なものですけれど、私は幸運なことにそういうものが出会えました。相変わらずきれいに鳴ってくれております」と達郎さん。

・WALK AWAY FROM LOVE
デヴィッド・ラフィンがフィラデルフィアに行ってヴァン・マッコイのプロデュースで出した最大のヒット。1975年、全米ソウル・チャートNO.1、全米チャート9位、スタッフのバックアップの素晴らしい名演「WALK AWAY FROM LOVE」。ヴァン・マッコイが「HUSTLE」のヒットでいちばん油がのってたときの作品。「ヴァン・マッコイは享年35なんですね。早死だったんですね、本当に」と達郎さん。

・TELL ME WHEN
ジ・アップルジャックスはイギリスの'60年代の6人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ。同時代のハニカムズはドラムが女性、このアップルジャックスはベースが女性だったので話題になった。「TELL ME WHEN」はジェフ・スティーヴンスとレス・リードのコンビの作品。1964年、全英7位。アップルジャックスはこれ以上のヒット曲が出ず、その後、尻すぼみになった。「TELL ME WHEN」はフレディとドリーマーズのヴァージョンの方がいいと達郎さん。

・氷のマニキュア (2015 REMIX)
佐橋佳幸さんが自分の仕事集で3枚組の『佐橋佳幸の仕事』を昨年の末にリリース。そのために1998年のアルバム『COZY』に収録している「氷のマニキュア」をリミックスして提供した。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2016年02月14日は「『ヴァレンタイン』で棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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SOUND AVENUE 905 Motoharu Radio Show #18

2016年02月03日 | Motoharu Radio Show

2016/02/02 OnAir - 1st. Week - 「Time Out!」特集
01.The Rolling Stones:She's a Rainbow
02.Tame Impala:Desire Be Desire Go
03.The Flaming Lips:Lucy In the Sky With Diamonds (feat. Miley Cyrus & Moby)
04.Jefferson Airplane:Volunteers
05.Paul Kantner:Have You Seen the Stars Tonite
06.佐野元春 with The Heartland:サニーデイ
07.佐野元春 with The Heartland:ビッグタイム
08.佐野元春 with The Heartland:夏の地球
09.佐野元春 with The Heartland:ぼくは大人になった
10.佐野元春 with The Heartland:恋する男
11.Phish:Halfway To The Moon
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。今週もやってきましたMotoharu Radio Show。待っていてくれたみなさん、どうもありがとう。今夜は僕が1990年に出したアルバム『TIME OUT!』からの曲を特集します。ちょうど最新リマスタリングの音が上がってきました。ごきげんな音に仕上がってるのでいち早くみなさんに聴いていただきたいと思います。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

・She's a Rainbow
ローリング・ストーンズの1967年の「She's a Rainbow」。「ストーンズのレパートリーの中ではいちばんかわいくて、いちばんらしくない曲(笑)と言われてます。この曲が出たのは1967年。当時、ビートルズやビーチボーイズをはじめ世界的にサイケデリックな音楽が流行っていた頃。ローリング・ストーンズもちょっとその流行に乗っかってみたという感じの曲ですね」と元春。

・Desire Be Desire Go
・Lucy In the Sky With Diamonds
現代のサイケデリック・ポップの代表的なふたつのバンドのレコード。オーストラリア出身のテン・インパラはこれまでに3枚のスタジオ・アルバムを出して高い評価を受けている。曲は「Desire Be Desire Go」。フレーミング・リップスはビートルズの『SGT. Pepper's Lonely Heart Club Band』をまるごとカヴァーしたアルバムからサイケデリック・ポップのクラシックといってもいい「Lucy In the Sky With Diamonds」。「ビートルズへの愛情が溢れ過ぎちゃって爆発しちゃったというような感じのカヴァーでした」と元春。

佐野元春 : ロックンロールの歴史を振り返ってみると1960年代の半ば頃ですね。ビーチボーイズ、ビートルズをはじめ、いろいろなバンドがこのサイケデリックな表現に夢中になりました。歌詞もそれまでの音楽とは違うどこか現実離れしたシュールレアリスティックな歌詞が多かったようです。この当時、米国ではサンフランシスコ、ヘイト・アシュベリーを中心にヒッピー・ムーブメントが起こっていました。ヴェトナム戦争に対しての反戦運動が激しくなった頃で、「武器を捨てて、もっと平和にいこうよ」というラヴ&ピースの世代ですね、フラワー・ジェネレーションなんて呼ばれてました。そうした彼らが聴いていたのがこのサイケデリックな音楽です。当時のドラッグ・カルチャーとも深く結びついていました。よく知られた話としては、さっき聴いたビートルズの曲「Lucy In the Sky With Diamonds」。頭文字を取るとLSDということで、この曲の幻想的な感じはLSDをキメて書いた曲なんじゃないか、そんな話もありました。では音楽に戻って米国サンフランシスコを代表するサイケデリック・バンド、ジェファーソン・エアプレイン。曲は「Volunteers」。そしてポール・カントナー、曲は「Have You Seen the Stars Tonite」。2曲続きます。

・Volunteers
・Have You Seen the Stars Tonite
「ジェファーソン・エアプレインのギタリスト、ポール・カントナー。残念なことに先日亡くなったというニュースがありました。ご冥福をお祈りします。」と元春。

佐野元春 : さて、聴いてもらってるこのMotoharu Radio Show。期間限定の放送ということで、3月22日が最終回ということなので、残すところあと7回ですね。ぼやぼやしているとあっという間に過ぎてしまいます。そこで番組の内容なんですが、ちょっと僕からの希望もありまして、残る週何回かに分けて僕が'90年代に出したアルバムの特集をやってみたいなと思います。振り返って僕が'90年代に出したスタジオ・アルバムは全部で6枚。『TIME OUT!』、『sweet16』、『THE CIRCLE』、『FRUITS』、『THE BARN』、そして『Stones and Eggs』。毎週、それぞれ一枚のアルバムをピックアップして、当時のことを振り返りながら、アルバムの曲をたっぷり聴いていただければいいなと思っています。この番組は若いリスナーも聴いてくれてるということなので、うれしいですね。是非、そうしたみなさんにも僕の音楽楽しんでいただけたらと思っています。佐野元春'90年代レコード特集。さっそく今夜は僕が1990年に出したアルバム『TIME OUT!』からの曲を特集します。ちょうど最新リマスタリングの音が上がってきました。ごきげんな音に仕上がってるので、是非みなさんに聴いていただきたいと思います。番組この後はアルバム『TIME OUT!』から曲は「サニーデイ」、そして「ビッグタイム」。2曲続きます。

・サニーデイ
・ビッグタイム

佐野元春 : このときのバンドはザ・ハートランドですね。ドラム、ベース、ギターにキーボード2人の6人。そこにブラス・セクションが入っていました。このアルバムを作ったときはバンドを結成して10年くらい経っていました。スタジオ・アルバムでいうと7枚目。とにかくこのアルバムで覚えているのはアーティストとしていろいろと迷っていたときでしたね。デビューして10年経って、その間、レコードにライヴに全力でやってきたんですが、この先、ミュージシャンとして本当にやりたいことはなんだろう? そんな疑問が出てきた頃でした。そんなとき仕事で知り合った舞台美術のアーティスト、彼はアメリカ人なんですけれども、ジェームズ・マジョという男でした。その彼がニール・ヤングの仕事をしていて、「もし興味があるなら君もニール・ヤングに会ってみないか?」という話になりました。もちろんニール・ヤングは僕が十代の頃のアイドルでしたから、「是非、会いたい」ということで二人でサンフランシスコにあるニール・ヤングの農場に行ってきました。ニール・ヤング氏に会えたのは僕はとてもうれしかったですね。ミュージシャンとして迷っていた頃なので彼が話してくれる、彼のいろいろな体験談ですね、それが本当に参考になりました。今でも覚えているのはニール・ヤング氏がいった一言ですね。「ファンやマスコミがそれを受け入れなくても自分は常に新しいことに挑戦していきたい」そんなふうに言ってました。その言葉を聞いて僕はとても勇気が出ました。何か音楽に向かう純粋な気持ちがもう一度自分の中に生まれてきたのを覚えています。その後、僕は日本に戻ってバンドと一緒にレコードを作りました。それがアルバム『TIME OUT!』です。ではそのアルバム『TIME OUT!』から曲は「夏の地球」、「ぼくは大人になった」、そして「恋する男」。3曲聴いてください。

・夏の地球
・ぼくは大人になった
・恋する男

佐野元春 : どうでしたか? 佐野元春'90年代レコード特集。その第一回目。今夜は1990年に出したアルバム『TIME OUT!』を特集しました。気に入っていただけるとうれしいです。今夜番組でかけたのは最新リマスタリングの音で聴いていただきました。マスタリング・エンジニアはテッド・ジャンセン。信頼できる一流のマスタリング・エンジニアです。今、ソニー・レコーズで僕の'90年代レコードを纏めてリマスタリングしようという話になっていて、僕のほうからテッド・ジャンセンを推薦しました。おそらくソニーからは3月ぐらいに販売されると思います。本当にいい音になってるので僕はとてもうれしいです。みなさんも僕の'90年代レコードのリマスタリング・アルバム、是非、一家に一枚手元に置いてください。
さて、ここのところ番組ではサイケデリックなポップ音楽、ずいぶん取り上げてきました。時代とともにこのサイケデリック音楽もいろんな音楽のジャンルと混じり合いながら少しずつ進化してるように思います。今夜最後のレコードはフィッシュ。ある意味'60年代、グレイトフル・デッドの精神を継いでるバンドのひとつだと思います。曲は「Halfway To The Moon」、フイッシュ。今夜はこの曲を聴いてお別れです。

・Halfway To The Moon

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? 佐野元春'90年代レコード特集。来週は1992年、アルバム『sweet16』を特集します。そしてこれは再来週になりますが2月16日の放送には爆笑問題の二人をゲストに迎えます。お楽しみに。DJ、佐野元春、ではまた来週。
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