2015/12/29 OnAir - 5th. Week - ノーザンソウルの魅力
01.Chuck Wood:Seven Days Too Long
02.Darrell Banks:Angel Baby
03.The Blossoms:That's When the Tears Start
04.Jackie Moore:Both Ends Against the Middle
05.Lainie Hill:Time Marches On
06.Bobby Sheen:Something New To Do
07.The Tempos:Countdown (Here I Come)
08.The Dynells:Call On Me
09.David & Ruben:I Love Her So Much It Hurts Me
10.佐野元春 with The Heartland:ヤングブラッズ
11.佐野元春 & ザ・コヨーテバンド:世界は慈悲を待っている
12.佐野元春 & ザ・コヨーテバンド:君が気高い孤独なら
13.Kenny Wells:Isn't It Just a Shame
14.Barbara McNair:You're Gonna Love My Baby
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。今週もやってきましたMotoharu Radio Show。待っていてくれたみなさん、どうもありがとう。冬の夜を暖かく過ごすための熱いソウル・ミュージック。今夜はノーザン・ソウルの魅力に触れてみたいと思います。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。
佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show。ノーザン・ソウルの特集。番組では以前、米国南部の偉大なミュージシャン、アラン・トゥーサンの追悼特集をしました。そのときスタジオには僕の友人でニューオリンズ音楽に詳しいDr.kyOnが来てくれてサザン・ソウルの魅力について語ってくれました。今夜のMotoharu Radio Showはそのサザン・ソウルと並んで人気のある米国北部のソウル・ミュージック、ノーザン・ソウルの魅力に触れてみたいと思います。
・Seven Days Too Long
のちにデキシー・ミッドナイト・ランナーズがカヴァーして注目されたチャック・ウッドの「Seven Days Too Long」。
佐野元春 : チャック・ウッド「Seven Days Too Long」。君と会うのに一週間は長すぎる。そんなふうに歌っています。ちなみに僕の曲のレパートリーに「7日じゃたりない」という曲があるんですが、この曲がヒントになりました。
・Angel Baby
ダレル・バンクスの「Angel Baby」。
佐野元春 : ダレル・バンクス「Angel Baby」。ソウル・ミュージックは頭で聴くんじゃなくてボディとソウルで楽しむ音楽。Motoharu Radio Show、今夜はノーザン・ソウルの特集。数あるヒット・レコードの中でも特に僕が気に入ってる曲をお届けしたいと思います。この後は続けて2曲、ブロッサムズ、そしてジャッキー・ムーアのレコードに続きます。
・That's When the Tears Start
・Both Ends Against the Middle
佐野元春 : ブロッサムズ「That's When the Tears Start」。そして今聴いたのはジャッキー・ムーア「Both Ends Against the Middle」。2曲聴いてみました。
ジャッキー・ムーアはアトランティック・レーベルからのシンガーですね。そしてブロッサムズ。このグループはフィル・スペクターのプロデュースで名前が知られた女性シンガー、ダーレン・ラヴのガール・グループです。このダーレン・ラヴというシンガー、ちょっと複雑な事情を抱えていました。1961年、クリスタルズのヒット曲「He's A Rebel」。全米No.1のヒットの曲ですけれども、実はこの曲はダーレン・ラヴが影武者としてレコーディングしています。要は歌唱力がちょっと弱かったクリスタルズに代わって強力な歌声がほしかったということだろうと思います。ちなみにこのアイディアを実行したプロデューサーは悪名高きフィル・スペクターですね。ダーレン・ラヴはのちに『バックコーラスの歌姫たち』というドキュメンタリー映画で、このときのエピソードを語っています。僕も観ましたがとても面白い映画でした。興味のある方は是非、ご覧になってみてください。Motoharu Radio Show、ノーザン・ソウルの特集。このあとは数あるヒット・レコードの中でも特に僕が好きな曲を紹介します。レニー・ヒル、そしてボビー・シーンのレコードを2曲続きます。
・Time Marches On
・Something New To Do
佐野元春 : うん、いいですね。「Time Marches On」レニー・ヒル。そして今聴いたのはボビー・シーン「Something New To Do」2曲聴いてみました。レニー・ヒルの曲、メロディもいいんですが、リリックが素敵です。"一緒にいる私たち、もう若いとはいえないんだから時間を大切にしましょう"そんなふうに歌っています。曲は「Time Marches On」。そしてボビー・シーン。'60年代、フィル・スペクターのプロデュースでヒットしたボビー・ソックス&ザ・ブルージーンズのヴォーカリストですね。聴いていただいた「Something New To Do」。1972年のヒット・レコードです。今夜のMotoharu Radio Show、ノーザン・ソウルを特集しています。
ノーザン・ソウル。サザン・ソウルと並んで人気のある米国北部のソウル・ミュージック。デトロイト、シカゴそうした街で生まれたR&Bですね。レーベルでいうと代表的なのはチェス、そしてモータウン・レーベル。'60年代から'70年代にかけてヒット・レコードをたくさん出しました。ただこのノーザン・ソウルという言葉、実をいうと一般的に広がったのはイギリスでのことでした。'60年代後半のことです。拠点となったのは英国の北にある街、マンチェスターでした。よくサザン・ソウルはちょっと泥臭くてアーシーなサウンド、一方ノーザン・ソウルは洗練されたポップなサウンドと言われます。大雑把にいうとノーザン・ソウルは洒落たメロディ、ごきげんなダンス・ビート、そして都会的なリリックということになります。実際、このノーザン・ソウルの流行を支えたのは当時最先端のファッションや音楽に触れていた'60年代のモッズたちでした。このノーザン・ソウルの音楽を聴いて育った世代からのちにジャム、ブロウ・モンキーズ、アズテック・カメラ、そしてデキシー・ミッドナイト・ランナーズ。そうした英国ブルー・アイド・ソウルのバンドが生まれました。ではここでレコードに戻ってザ・テンポス、そしてザ・ディネール、もう1曲デヴィッド&ルーベン、3曲続きます。
・Countdown (Here I Come)
・Call On Me
・I Love Her So Much It Hurts Me
佐野元春 : ザ・テンポス「Countdown (Here I Come)」、ザ・ディネール「Call On Me」、そしてデヴィッド&ルーベン「I Love Her So Much It Hurts Me」3曲聴いてみました。
火曜の夜はMotoharu Radio Show。番組ではみなさんからリクエストをお待ちしています。聴きたい曲があれば是非リクエストをお寄せください。宛先はメール・アドレス mrs@tbs.co.jp 。
佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、ノーザン・ソウルを集めて聴いています。サザン・ソウルとノーザン・ソウル。そうですね、僕はどちらかといえば個人的にはノーザン・ソウルのほうが好みです。これまで出してきた自分のレパートリーの中でもノーザン・ソウルを意識した曲が何曲かあります。「Wild Hearts」、「Young Bloods」、「ヤァ! ソウルボーイ」、最近では「君が気高い孤独なら」、そして「世界は慈悲を待っている」。どの曲も踊りやすくて、特にストリングスでカウンター・メロディを持ってくるアレンジ、その辺が特徴です。ライヴでもこの辺の曲を演奏すると気分がグッと上がってくる。そんな曲ですね。ノーザン・ソウルの特集ということで、ここでリスナーのみなさんに是非、僕のレコードも聴いていただきたいと思います。「Young Bloods」そして「世界は慈悲を待っている」2曲続きます。
・Young Bloods
・世界は慈悲を待っている
・君が気高い孤独なら
佐野元春 : 「Young Bloods」、「世界は慈悲を待っている」そして今聴いていただいたのは「君が気高い孤独なら」。自分のレパートリーの中からノーザン・ソウルを意識して作った曲3曲聴いていただきました。
・Isn't It Just a Shame
佐野元春 : ノーザン・ソウルの特集。ケニー・ウェルズ、曲は「Isn't It Just a Shame」。番組からのお知らせです。
火曜の夜はMotoharu Radio Show。番組ではみなさんからリクエストをお待ちしています。聴きたい曲があれば是非リクエストをお寄せください。宛先はメール・アドレス mrs@tbs.co.jp 。
「佐野さんはツアーなどで移動中どんなことを思ってますか?」というリスナーからのコメントを読んで。
「そうですね、改めて考えてみると、特に何かを思ってるということはないですね。向こうに着いたら何を食べようかなとか、今夜はどんなライヴになるんだろうとか、そういった他愛もないことを思ってます。移動中というのはボーっとするにはとてもいい時間ですね、コメントどうもありがとう。今夜も聴いていただいてますか?」と元春。
佐野元春 : さて残り時間が少なくなってきました。今夜はノーザン・ソウルの特集。番組の中で気に入った曲を見つけていただけたらうれしいです。バーバラ・マックネアルの曲で「You're Gonna Love My Baby」。今夜はこの曲を聴いてお別れです。リスナーのみなさんとはまた次回、お会いできるのを楽しみにしています。
佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、ノーザン・ソウル特集。楽しんでいただけましたか? 番組では専用のアプリケーションを用意しています。本日のオンエア曲、番組で紹介したプレイリストがチェックできるので是非、活用してください。ダウンロードは専用ウェブサイトでご案内しています。http://www.moto.co.jp/MRS/ です。さて、今年9月からはじまったこの番組、聴いていただいてどうもありがとう。期間限定で来年の3月までとなりますが、それまでリスナーのみなさんとよい音楽を分かち合いたいと思ってます。来年は1月5日のオンエアとなります。楽しみに待っていてくださいね。DJ、佐野元春、では、みなさんもよい新年を。