What I Really Want For Christmas

2005年11月28日 | Brian Wilson

ブライアン・ウィルソンのクリスマス・アルバム『What I Really Want For Christmas』が届けられた。

ビーチボーイズ時代のクリスマス・ソング「The Man With All The Toys」と「Little Saint Nick」の再演、クリスマス・ソングのコンピレーションCDに収録されていた「On Christmas Day」、それに10曲のクリスマス・キャロルと新曲2曲を含む全15曲。

このクリスマス・アルバム、ジェフリー・フォスケットとワンダーミンツが中心のブライアン・ウィルソン・バンドによる演奏とコーラスが素晴らしい。1曲目「The Man With All The Toys」は1964年の『ビーチボーイズ・クリスマス・アルバム』からのリメイクだが、よりロックンロールになり楽しさ全開!

新曲「What I Really Want For Christmas」はエルトン・ジョン(この度男性と結婚することになったそうですね...)とのコンビでヒットを量産したバーニー・トーピンが詞を提供している。コーラスの美しさにうっとりしてしまう。

7曲目のクリスマス・キャロル「天なる神には」のワルツ・アレンジも素晴らしい。このバンドの演奏には驚かされるばかりだ。

もう1曲の新曲は「マッカーサー・パーク」、「恋はフェニックス」、「ビートでジャンプ」で知られるシンガー・ソングライターのジミー・ウェブが詞を提供した「Christmasey」。ストリングスが入ってたり、ハーモニカがフィーチャーされたりして、『SMiLE』以降のブライアンを感じさせる仕上がりとなっている。

ボーナス・トラックとして収録された「On Christmas Day」は2001年にアメリカのスーパー・マーケット・チェーン「ウォルマート」でのみ販売されたクリスマスのコンピレーションCDに収録されていた。イントロのドラムインが「Be My Baby」っぽい。サビのところでは"ディンドン、ディンドン"と歌われるドリーミーなポップ・ソング。

最終曲の「きよしこの夜」のアウトロにはブライアンからのメッセージが挿入されている。

あなたがもし何かクリスマス・ソングを探しているのなら、是非聴いて欲しいクリスマス・アルバムだ。間違いなくよいクリスマスを迎えることができるだろう。

写真はタワーレコードの特典で、ブライアンのメッセージが入ったクリスマス・カード。
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SMilE DVD

2005年07月10日 | Brian Wilson

ブライアン・ウィルソンの『SMilE DVD』を観た。2枚組仕様でDisc1は『Beautiful Dreamer』というドキュメンタリー。Disc2が『SMiLE LIVE』。

『Beautiful Dreamer』はブライアン・ウィルソンの幼少時代から2004年に『SMiLE』を完成させるまでを追っている。『SMiLE』が中心の話題なので細かなビーチボーイズ・ヒストリーとは趣を異にしている。

ブライアン本人の口から「『SMiLE』は製作の途中で未完のままjunkしたんです」とはっきり語られるのは衝撃的だ。「junk」=「捨てた」と翻訳されていたが、印象としては「使いものにならない」という感じでブライアンは吐き捨てるように言っていた。また、ドラッグに対しても率直に語られていた。マリファナ、LSDに肯定的な意見が随所に出てくる。本編はテレビ・ドキュメンタリーなので放送時には編集されたのだろうが、このDVDには特典映像で収録されている。

ロンドンのロイヤル・フェスティバルホールでの初演に向けて自宅スタジオでリハーサルを行うのだが、ブライアンは極端にナーバスとなり身体を横たえたまま心ここにあらずといった状態になる。挙句の果ては病院に一時入院という緊急事態にバンド・メンバーでさえ動揺を隠し切れない。

ほか作詞のヴァン・ダイク・パークスとの対談などを収録した素晴らしい内容のドキュメンタリー。一見の価値あり。一方の『SMiLE LIVE』はこのDVDのために撮られたスペシャルで、かっちりしすぎている。もう少しラフなほうがよかったのじゃないだろうか。
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Pet Sounds Live

2004年08月13日 | Brian Wilson
DVD『Brian Wilson Presents Pet Sounds Live in London』。
2002年1月と6月にロンドンで行われたステージを収録。先に同名のCDが発売されているものの、6月のステージは今回が初公開。

アルバム『ペット・サウンズ』(1966年)を全曲曲順通りに演奏するという信じられない公演。日本公演も開催され僕も聴きに行った。ブライアンをサポートするバンドの演奏が素晴らしかった。

DVDにはボーナス・アイテムとして約40分の「ペット・ストーリー」(メイキング・オブ『ペット・サウンズ』)が収録されている。レコーディングに参加したハル・ブレイン、キャロル・ケイ、トニー・アッシャーがコメントを寄せている。

興味深かったのは作詞家として参加したトニー・アッシャーが「Caroline No」は最初「Carol I Know(僕の知ってるキャロル)」だったと発言しているところ。ブライアンがどうしても「Caroline No」にしたいと言い出したそうだ。トニー・アッシャーは「僕はあのような表現は使わない」と。そういえばポップ・ソングで最初に"GOD"という言葉を使ったのは「God Only Knows」だという話を聞いたことがある。
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