Sunday Song Book #1455

2020年08月30日 | Sunday Song Book

2020年08月30日プレイリスト「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
1. サマー・バケーション / 村田和人&竹内まりや "マイ・クルー" '84
2. 潮騒 / 山下達郎 "ゴー・アヘッド" "オーパス" '78
3. DRIVE MY CAR / 竹内まりや "ターンテーブル" '19
4. 象牙海岸 / 竹内まりや "ラヴ・ソングス" '80
5. プラスティック・ラブ / 山下達郎 "86/07/31 中野サンプラザ"
6. さよなら夏の日 / 山下達郎 "アルチザン" "オーパス" '91
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■内容の一部を抜粋
・近況
暑い日が続いている。世情が騒然としていて、たくさんのことが起こっているが、取り上げるには時間が足らず、今週はコメントを全部なしにしたそうだ。
自粛期間中に増えた体重も、一所懸命減らすようにしていて、ようやく減りはじめたという。空腹がちになると逆に頭が明晰になり、重い腰を上げてレコーディングの準備をはじめたとか。あとは人に曲を書く仕事があって、夜中までがんばってやっていて、声を出してるので、オンエア上、少しいがらっぽいところがあるかもしれないとのこと。

・納涼夫婦放談
先週に引き続いて竹内まりやさんをゲストに迎えて「納涼夫婦放談」パート2。まりやさんも他の人から曲の依頼があって、久しぶりに日夜、スタジオでデモを作っているという。

・サマー・バケーション
1984年の村田和人さんのアルバム『MY CREW』からまりやさんとのデュエットで「サマー・バケーション」。

・潮騒
まりやさんからのリクエストで「潮騒」。

まりや : 久しぶりに「潮騒」をじっくり聴いて、いい演奏とねぇ、いい歌と、本当にいい曲だなとしみじみと聴きました。自分のギター・ソロじゃない?
達郎 : そうです。
まりや : あれ好きなんだよね。
達郎 : シンベも自分です。
まりや : あははは(笑)。なんかこうね...
達郎 : 低予算レコーディングなので
まりや : と思えない音がしてるんで、すごい...
達郎 : スタジオ・ミュージシャンが嫌いだったとかいろいろあるんです。
まりや : うん。『GO AHEAD!』だもんね、これね。
達郎 : そうです。難波くんと初めてレコーディングしたんです。
まりや : あぁ。懐かしい曲。

・釣り
夜中の2時に起きて釣りに行くというリスナーのお便りを読んで。「うちの親父みたいだな」と達郎さん。達郎さんのお父さんも2時起きで釣りに行ってたそうだ。
まりやさんは結婚した間もない頃、達郎さんのお父さんに「私、釣りにでたことがないので連れて行ってください」と言って、朝早く起き、葉山マリーナの隣の船宿まで行き、イサキを釣りに行ったが、その日はイサキは釣れなかったけれど、イワシとかアジとか釣れて、本当に楽しかったという。達郎さんのお父さんは大きい魚が釣れると魚拓にしていたそうだ。

・DRIVE MY CAR
都城市のリスナーからまりやさんが歌うビートルズのカヴァーにリクエスト。1965年のアルバム『REVOLVER』の1曲めをカヴァー。まりやさんがBOXと一緒に歌っている。まりやさんのヴァージョンは昨年のアルバム『TURNTABLE』に収録されている。しばらくスタジオに入れず課外活動は休止中だが、ビートルズの曲でやりたい曲はまだ山ほどあるとまりやさん。

・志村けん
福島市のリスナーから「まりやさんは40年くらい前に、不思議なピーチパイで、ザ・ベストテンのスポットライトのコーナーに出演したとき、志村けんさんが大好きと仰ってましたが、志村さんと面識はあったのでしょうか? あればどんなお話をされたのですか?」という質問。
まりやさんはデビュー前後にフジテレビの「アップルハウス」という番組の司会をしていて、ADさんに「ドリフの大爆笑」のコントの収録に行けたらと頼んでいたそうだ。その収録を見に行って、まりやさんは志村さんと知り合いになったという。ビデオ・レコーダーを購入したきっかけも「ドリフの大爆笑」を録画するためだった。しばらくして達郎さんがその録画ビデオにハマって、雑誌のプレイボーイで志村さんと対談。「寝台車のネタ、3回やったね」と達郎さんが言ったら、「なんでそんなにネタをよく知ってるんだ」と言われて、達郎さんも知り合うことになった。あるとき高樹町のバーで志村さんと遭遇したことがあり、志村さんからお勘定とドンペリの差し入れをしてもらったことがある。もう志村さんは先に帰っていて、何度かそういうことがあったとか。ときどき志村さんと飲んでコントのネタの話を聞いたこともあるそうだ。「そういうこと聞かれるの好きな方だったからね」と達郎さん。プライヴェートは静かに飲む人だった。達郎さんが中野サンプラザでの公演に招待して、帰りに一緒に「アイ〜ン」のポーズをして写真を撮ったこともあるという。「今でも生きてるような感じがしてしょうがないです」とまりやさん。
最近、急逝したチャドウィック・ボーズマンにも触れて、「あの人のジェームズ・ブラウンはすごかった(笑)。この間のブラックパンサーも素晴らしかったし。身体には気を付けましょう」と達郎さん。

・象牙海岸
まりやさんの1980年のアルバム『LOVE SONGS』から「象牙海岸」。2014年にライヴをしたとき、札幌で、衣装替えしての一曲目で「象牙海岸」を歌おうとしたら、歌詞が出てこずに一旦演奏を止めたことがあるそうだ。大好きな曲なので油断してしまったとか。「でもプロンプターは使わないぞ」とまりやさん。達郎さんも長いライヴ人生で一度だけ「LET'S DANCE BABY」の頭の部分が出てこなかったことがあるとか。やっぱり演奏を止めてメンバーに歌詞を聞いたが誰も知らなかったという。

・souvenir the movie 〜MARIYA TAKEUCHI Theater Live〜 Special Edition
2018年11月に劇場公開されたライヴ・ドキュメンタリー映画『souvenir the movie 〜MARIYA TAKEUCHI Theater Live〜』が、Blu-ray及びDVDとして発売されることになった。Special Editionとしてシアター・ライヴとミュージック・ビデオ版『EXPRESSIONS』を収録したボーナス・ディスクの二枚組。今回は映画には使用されなかった未公開のライヴ映像を数曲追加収録、そしてこれまで制作されたミュージック・ビデオを完全収録している。あとはブックレットも充実していて山下達郎と竹内まりやの最新スペシャル対談を掲載。初回盤にはさらにスペシャル特典のマジックカードが付いてるという。11月4日(水)発売。詳しくは竹内まりやオフィシャルサイトにて。
https://www.mariyat.co.jp

まりや : あの、やっぱりコロナでね、あんまり、もちろん私はもともとライヴをね、なかなかやれない(笑)、ミュージシャンなので、シアターライヴをどうしてもDVD化してほしいという御葉書がサンソンにもたくさんね、届いていて。これからのことを考えて、まぁ達郎としては、スタンスとしてはDVDとかライヴを出さないというねぇ、ことを...
達郎 : 人は人。
まりや : そう。ですけども
達郎 : 自分は自分。
まりや : 私のライヴ開催はほとんど本当に少ないので、こういうかたちでですけれども、生まれて初めてそういう映像のソフト化ということに踏み切りましたのでね...
達郎 : どうぞ。
まりや : ぜひ、チェックしてみてください。
達郎 : ふるって。

・TATSURO YAMASHITA SPECIAL ACOUSTIC LIVE展
「山下達郎 SPECIAL ACOUSTIC LIVE展」が9月5日(土)から仙台のPARCOを皮切りに、福岡、札幌、東京と巡回する。現在、名古屋、大阪会場も調整中。詳細が決定次第改めてお知らせするとのこと。ここ数年間、アコースティック・ライヴという名前で、山下達郎、難波弘之、伊藤広規の3人で続けている3人ライヴ。ここ数年間の過去の映像の上映、そこでしか観られない映像の上映とか、ライヴのいろいろな機材、衣装の展示を予定している。詳しくは山下達郎オフィシャルサイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp

・プレゼント
山下達郎、竹内まりやのサイン色紙をそれぞれ30名ずつ。当選者には直筆で名前を入れる。応募の締め切りは9月20日頃まで。

・プラスティック・ラヴ
先日のTATSURO YAMASHITA SUPER STREAMINGを観て、達郎さんの歌う曲が好きになったという10歳のリスナーから「プラスティック・ラヴでコーラスに入る前には何と言ってるのですか?」という質問。
"Let the voices come in!" と叫んでるそうだ。
「あぁ、じゃあコーラス隊どうぞみたいなことね。かっこいいじゃん、自分(笑)。キャハハ。そんなこと言ってたんだ。それを聴かせてほしいなと思いますけれども」とまりやさん。この間の配信ライヴの「プラスティック・ラヴ」は1986年7月31日に中野サンプラザでライヴ・レコーディングしていて、1989年のライヴ・アルバム『JOY』に収録している。
曲をかけ終えて。
まりや : 迫力ありますね、このプラスティック・ラヴは。
達郎 : 粗いっす。
まりや : 粗い?
達郎 :力任せですね。33ですからね、まだ。
まりや : でも、やっぱりすごいと思いながら聴いてました。はは。
達郎 : えーっと。そろそろ、ふふ、薄っ(笑)。
まりや : 薄い内容でごめん(笑)。ふふふ。

東京練馬のとしまえんが2020年8月31日で閉園する。達郎さんは城北地区の池袋出身なのでとしまえん、後楽園は二大遊園地だったとか。
豊島区のリスナーからのお便りに「としまえんの代名詞といえるカルーセルエルドラド、回転木馬はアール・デコ調の作りが美しく魅入ってしまいました。達郎さんのメリー・ゴー・ラウンドはひょっとしてとしまえんにインスパイアしてできたのではないかと思っていたのですが、真相はどうなのですか?」という質問。
「違います。はい。ふふふ(笑)。でもね、ひとこと言っていい? あの、としまえんにメリーゴーラウンドが入ってきたときには、あれは本当に素晴らしいものなんだけど。木馬の上下とか、そういうものが全部、あの当時の役人の、危険だっていうアレで、あれ上下しないんですよ。だからそういうところがね、あの、官僚的っていうか、そういう事故が起こったら責任を取りたくないっていうね、あれは本当にもったいないです。あれがちゃんと上下してたら本当に素晴らしいね、アレだったんだけど。そういうような思い出とともにね、ありますが」と達郎さん。

まりやさんは初めてのフリー・コンサートをセンチメンタル・シティ・ロマンスをバックにしてとしまえんでやったという。ボーイスカウトの格好をして歌ったのを覚えているとか。

達郎 : この季節になると死ぬほどリクエストをいただきます、さよなら夏の日という、私の歌がありますが。
まりや : 出た!
達郎 :あれは正にとしまえんの流れるプールが舞台なんです。
まりや : 高校時代だっけ? えへへ。
達郎 : 高校時代です! ガールフレンドとデートしたときに、流れるプールに行ったんです。
まりや : 流れるプールだったんだ。へー
達郎 :それで雨が降ってきたんですよ。それを、ちょっと粉飾して...
まりや : で、時が止まればいいと呟いたのかな?
達郎 : そのへんは若干の粉飾がありますけれど(笑)。ははは。
まりや : あははは。エモいなぁ!

閉園後の一部敷地はハリーポッターのテーマパークになる予定。「なんだかねぇ」と達郎さん。
アン・ルイスさんもとしまえんでフリー・コンサートをしたことがあって、ちょうど達郎さんがプロデュースをした後だったので、家から観に行って、それでゲストで出て「BOMBER」を歌ったこともあるそうだ。その日一日、達郎さんはアンさんととしまえんで遊んだという。

・さよなら夏の日

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年09月06日は「残暑・残り物には福のリクエスト大会」
http://www.tatsuro.co.jp
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THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #09

2020年08月28日 | Motoharu Radio Show

第9回 : オルタナティヴ・カントリー
M1. Counting Crows / Daylight Fading
M2. The Wallflowers / 6th Avenue Heartache
M3. Uncle Tupelo / The Long Cut
M4 Wilco / Far, Far Away
M5. Son Volt / Cemetery Savior
M6. Flying Burrito Brothers / Christine's Tune
M7. Ryan Adams / Answering Bell
M8. The Long Ryders / Looking For Lewis And Clark
M9. Steve Earle / Copperhead Road
M10. 佐野元春&THE HOBO KING BAND / 風の手のひらの上
M11. 佐野元春&THE HOBO KING BAND / ロックンロール・ハート
M12. The Jayhawks / I'd Run Away
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは。佐野元春です。今夜の特集「オルタナティヴ・カントリー」のレコードを集めてみます。THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

・Daylight Fading
1曲目はカウンティング・クロウズ、1996年のレコード「Daylight Fading」。

・6th Avenue Heartache
ボブ・ディランの息子ジェイコブ・ディランのバンド、ウォール・フラワーズの1996年のレコード「6th Avenue Heartache」。

佐野元春 : カントリー・ミュージックというと日本ではあまり馴染みがありません。しかし米国ではカントリー・ミュージックというと自分たちの音楽だという、そんな思いがあると思います。日々の生活に根ざした歌ですね。アメリカ人がいちばんよく聴いてる音楽、それがカントリー・ミュージックです。そのカントリー・ミュージックは歴史の中でロック、ポップ、ジャズ、そしてブルースといった他のいろいろなジャンルの音楽と混ざり合って、今でも発展しています。中でもオルタナティヴ・カントリーと呼ばれたジャンル。'70年代のカントリー・ロック、そして'80年代のパンク・ロックを通ってきた新しい世代のカントリー・ミュージックが'90年代に出てきました。今夜のMotoharu Radio Show、そんなオルタナティヴ・カントリーのレコードを聴いています。このジャンルの音楽ということでまず聴いてみたいのはこのバンドですね。アンクル・テュペロ。後にサン・ボルトというバンドを組むジェイ・ファラー、そして後にウィルコを結成するジェフ・トゥイーディ。この二人がいたバンドです。ではそのアンクル・テュペロの曲、さっそく聴いてみたいと思います。1993年のレコードから曲は「The Long Cut」。

・The Long Cut

佐野元春 : 今聴いたアンクル・テュペロ。オルタナティヴ・カントリーというかたちを最初に見せたバンドだと言われています。そしてこのアンクル・テュペロからはふたつのバンドが生まれます。ひとつはジェイ・ファラーが作ったサン・ボルト。そしてもうひとつはジェフ・トゥイーディが作ったウィルコです。どちらも演奏力の高い素晴らしいバンドです。特にウィルコ。個人的にはソングライターのジェフ・トゥイーディの曲、好きですね。実験的なサウンドの中にもポップなひらめきがあって聴いていてとても楽しいです。ではここでバンド、アンクル・テュペロから別れたふたつのバンド、ウィルコ、そしてサン・ボルト。それぞれのレコードを聴いてみます。ウィルコ、「Far, Far Away」。そしてサン・ボルト「Cemetery Savior」。2曲続きます。

・Far, Far Away
・Cemetery Savior

佐野元春 : THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。今夜はオルタナティヴ・カントリーの特集をやってます。もともとロックンロール・ミュージックとカントリー・ミュージック、水と油のような関係でした。それらをかっこよくミックスしたミュージシャンがいます。グラム・パーソンズですね。もともと'60年代のバンド、ザ・バーズにいた二人、グラム・パーソンズ、そしてクリス・ヒルマン。この二人が中心になって結成したのがフライング・ブリトー・ブラザーズというバンドです。今夜特集しているオルタナティヴ・カントリー・ミュージックの言ってみれば土台になったような偉大なバンドですね。残念ながらグラム・パーソンズは26歳のときにオーバードーズで亡くなってしまうんですけれども、彼らが残したアルバム、その後に出てくる、例えばライアン・アダムスといった新世代のオルタナティヴ・カントリーのミュージシャンたちに大きな影響を残しました。では彼らのレコードを聴いてみたいと思います。フライング・ブリトー・ブラザーズ、曲は「Christine's Tune」。そしてライアン・アダムス、「Answering Bell」。2曲続きます。

・Christine's Tune
・Answering Bell

佐野元春 : こうして聴いてみると'80年代以降の新しい世代のオルタナティヴ・カントリーのバンドというと、世代的なものもあってパンクの要素なんかも感じます。そこがおもしろいですね。'80年代中盤、ウィルコをはじめとしたオルタナティヴ・カントリー音楽のブームがやってきます。当時僕もとても興味を持って見ていました。ではそのあたりのバンドのレコードを聴いてみたいと思います。ひとつはザ・ロング・ライダーズ、「Looking For Lewis And Clark」。そしてスティーヴ・アール、「Copperhead Road」。2曲続きます。

・Looking For Lewis And Clark
・Copperhead Road

佐野元春 : さて、ちょうど同じ時代、自分はこのアルバムを作っていました。1997年に出したアルバム『THE BARN』。アメリカ、ウッドストックでジョン・サイモン・プロデュースのもとに作った、言ってみればオルタナティヴ・カントリーのアルバムです。このアルバムでヴァッキングを務めてくれたのはザ・ホーボーキングバンドですね。ギター : 佐橋佳幸、ピアノ : Dr.kyOn、ベース : 井上富雄、ドラムスに小田原豊、そしてオルガンに西本明。当時の僕にとって最強のヴァッキング・バンドでした。その彼らを連れて僕らは米国のウッドストックに行きます。そこで待っていてくれたのはプロデューサー、ジョン・サイモンですね。知ってる方もいると思います。'60年代にザ・バンド、ジャニス・ジョップリン、そうしたアーティストをプロデュースした米国の名プロデューサーですね。彼のプロデュースのもとレコーディングしてみようということで僕らはアメリカに行くんですけれども。場所をいうとニューヨークから北にクルマで約3時間ぐらいのところ、ベアズヴィルという街があります。そこで僕らは約一ヶ月間ぐらい滞在してレコーディングしました。1997年の夏でしたね。そこで作ったこのアルバム『THE BARN』。"BARN"というのは日本語でいうと「納屋」という意味ですね。ちょうどレコーディングしていたスタジオが納屋を改造して作ったという話を聞いて、アルバム・タイトルはそのまんま"BARN"にしました。振り返ってみてこのレコーディングは本当に僕にとっていい経験になりました。レコーディングにはザ・バンドからガース・ハドソンですね、そしてラヴィン・スプーンフルからジョン・セバスチャンが参加してくれて、すごい楽しいセッションになりました。では僕とホーボーキングバンドのレコード、アルバムの代表曲といっていいこの曲を聴いてください。「風の手のひらの上」。

・風の手のひらの上

佐野元春 : ホーボーキングバンド、レコーディングしたこのとき、なんとバンドを結成してまだ一年目でしたけれども、今聴いてみるとすでにバンドの方向性はしっかりと定まっていたんだなという感じですね。当時、自分が思っていたのはとにかくリアルなバンド・サウンドを奏でたいということでした。コンピューターとかサンプリングされた音ではなく、バンドのよい演奏をみんなに楽しんでもらいたい、そんなふうに思っていました。ではアルバム『THE BARN』からもう一曲聴いてください。この曲ではラヴィン・スプーンフルのジョン・セバスチャンがハーモニカと歌で参加してくれました。彼の素晴らしいハーモニカ・ソロに耳を澄ましてみてください。「ロックンロール・ハート」。

・ロックンロール・ハート

佐野元春 : うん。佐野元春 & ザ・ホーボーキングバンド。1997年のレコード「ロックンロール・ハート」聴いていただきました。今、番組でかけたのは最新リマスタリングの音で聴いていただきました。すごくいい音ですね。マスタリング・エンジニアはテッド・ジャンセン。ここ15年くらい一緒にやっている信頼できるマスタリング・エンジニアです。来月発売される僕のベスト盤あるんですけれども。デビューして曲を長くやっているので上巻下巻みたいにふたつのセットにまとめて出します。かなりいい音になってるので、ぜひ手に取って聴いてみてください。さて、残り時間も少なくなってきました。今日特集したオルタナティヴ・カントリーの音楽。日本ではあまり紹介されないジャンルの音楽ですけれども、いろいろと聴いてみると、リリックなんかも、なかなか奥の深い人生の歌などがあったりして楽しいです。今日の特集を聴いてオルタナティヴ・カントリーの音楽、興味を持ってくれたらうれしいです。ラストの曲はザ・ジェイホークス、「I'd Run Away」。

・I'd Run Away

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show。楽しんでもらえましたか? さて来週は「サイケデリック・ポップ」ですね。楽しいレコード集めてみたいと思います。「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。次回の放送は来週9月4日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。
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Sunday Song Book #1454

2020年08月23日 | Sunday Song Book

2020年08月23日プレイリスト「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
1. 夏のモンタージュ / 竹内まりや "トラッド" '14
2. 夏の恋人 / 竹内まりや "ビギニング" '78
3. かっこいいツイスト / 弘田三枝子 "ヒット・キット・パレード Vol.2" '62
4. SWEET LOVE / 弘田三枝子 "MY FUNNY VALENTINE" '76
5. 駅 / 弘田三枝子 "MY TAPESTRY" '06
6. 砂に消えた涙 / 竹内まりや "LONGTIME FAVORITES" '03
7. いそしぎ (THE SHADOW OF YOUR SMILE) / 竹内まりや "LONGTIME FAVORITES" '03
8. SPARKLE (LIVE) / 山下達郎 "14/09/18 名古屋センチュリーホール" '14
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■内容の一部を抜粋
・近況
暑い暑い一週間。それでもスタジオに向かう空を見るとほんのちょっとだけ秋の気配が垣間見れるようになってきた。8月も下旬になり台風が発生する季節になった。
「ウイルスに加えて熱中症でずいぶん大変でございます。みなさま引き続きくれぐれもご自愛ください」と達郎さん。

・納涼夫婦放談
毎年8月下旬の最終二週は竹内まりやさんをゲストに迎えて恒例の「納涼夫婦放談」。

まりや : 約8ヶ月ぶりのラジオなんですけれど。この8ヶ月間休んでる間に、世の中がこんなに変わってしまうとはね。本当に夢にも思わなかったんですけれど。自分が生きてる間に、こういう疫病の?
達郎 : うん。
まりや : 世界的な規模の流行というものに巡り合わすということは本当に予想していなかったので、なかなか大変な時代になりましたけれど、ただ、まぁいろいろ考えあぐねていてもしょうがないので、できるだけのことをやっていこうという感じですかね。
達郎 : 明治時代とか大正時代のスペイン風邪とかコレラとかいろいろありましたけれど、そういうの喉元過ぎれば何とかやらで(笑)、忘れておりましたけれども。
まりや : 私たちができることは何だろうかと。そういうふうに考えている今日この頃です。
達郎 : 長い8ヶ月でございましたね(笑)。今年も変わらず納涼夫婦放談でございます。

・ステイホーム
リスナーからまりやさんにいちばん多かった質問が「ステイホームということで、家ではどのようにして過ごされておられましたか」というもの。
家にいる時間が多い人間なので通常運転というか、特に外出が制約されても変わらなかったという。週に一回、達郎さんに連れられてスーパーまで行って食料品を買い出す生活だったとか。「クルマで待っております」と達郎さん。

・夏のモンタージュ
2014年のアルバム『TRAD』収録曲だが、もともとは高畑充希さんに書いた曲のセルフカヴァー。「高畑充希さんもアレですね、女優業が、どんどんどんどんアレですね、成長しておられますね」と達郎さん。

・夏の恋人
1978年のデビュー・アルバム『BEGINING』から。ロサンゼルスのララビー・サウンドでレコーディングしたことを思い出した、とまりやさん。

・自分を楽しませる方法
「夏のモンタージュ」をリクエストした札幌市のリスナーから「まりやさんは自分の機嫌を取るのが上手な人というイメージがあり、とても憧れます。自分を楽しませる方法、ご機嫌をとる方法、何かあれば是非教えてください」というお便り。

まりや : 単純におめでたい性格なだけなんじゃないかと思うんですけどね、どうですか? たっつあん。
達郎 : そうですね。
まりや : ねぇ。
達郎 : その通りですね。
まりや : はい。すいません。
達郎 : 寝れば治るという...
まりや : あはは(笑)。

・麺料理
「夏の恋人」をリクエストした仙台市のリスナーから「今の時期、多く食卓に登るメニューは何ですか? またお二人が好きな麺料理はありますか?」という質問。
ゴーヤとか夏野菜を使ったものが多いそうだ。
達郎さんの好きな麺料理は盛り蕎麦。
まりやさんは「私、パスタが好きかも。でも、いろいろね、そのときの気分によって」という答え。

・暑さ対策
リスナーから暑さ対策についての質問。しかし話は脱線して、女の子が持ってる携帯用の扇風機の効果から、達郎さんはひと歩きすると汗だくになる話になり、自粛期間中に太った話題になった。まりやさんは3キロ太ってダイエット中。達郎さんは番組の収録スタジオにあるポテトチップスに手を出さないようにしてるそうだ。「柿ピーとかすぐ手出すから」とまりやさん。「いけませんね」と達郎さん。

・弘田三枝子
まりやさんのアイドルだった弘田三枝子さんがお亡くなりになった。この自粛期間中に志村けんさん、服部克久さん、弘田三枝子さんと、大切な方を亡くして、今でも喪失感を引っ張ってるとまりやさん。今週はまりやさんの原点と言うべきレコード『ヒット・キット・パレード Vol.2』を持ってきたそうだ。

・かっこいいツイスト
パンチのミコちゃんと言われた弘田三枝子さんの「かっこいいツイスト」。オリジナルはフレンチ・ポップスだが達郎さんは知らないそうだ。リチャード・アンソニーの「TWIST AND TWIST」に漣健児さんが訳詞を書いてる。1962年、15歳のリズミカルな歌唱。

・SWEET LOVE
1970年代の初頭にコルゲンさん(鈴木宏昌)のところで、松木恒秀さんや岡沢章さんと組んだジャズ・アルバムを何枚か残しているが、それもまりやさんのお気に入り。1976年のアルバム『MY FUNNY VALENTINE』の中から弘田三枝子さんの作詞作曲による「SWEET LOVE」。抑制されたソウル・シンガーっぽい片鱗を見せてくれた歌も素敵とまりやさん。

その後、達郎さんとまりやさんは弘田三枝子さんと知己を得て、達郎さんのNHKホール公演を見にきてくれたこともあったという。2003年にまりやさんが『LONGTIME FAVORITES』を出したときに「悲しき片想い」と「砂に消えた涙」を収録したのでCDを送ったことがあるそうだ。弘田三枝子さんから「まりやちゃんの歌聴かせていただいて本当によかったの」と自宅に電話がかかってきて、まりやさんは弘田三枝子さんからそう言われて、歌手として免状をいただいたような光栄な気持ちになったのを覚えてるとか。人柄が素晴らしいとまりやさん。

・駅
2006年に「クリスマス・イブ」と「駅」をカヴァーした邦楽のカヴァーアルバム『MY TAPESTRY』から。

弘田三枝子さんは「お」を「ほ」と歌う。それ僕と同じアプローチだと達郎さん。弘田三枝子さんについて達郎さんは「一言で言えば早過ぎたんですよ」と話している。ジャズやロックンロールが日本で受け入れられた、もう10年か15年後に生まれていたら、洋楽アプローチで貫き通せたのに早すぎたと達郎さん。

・砂に消えた涙
「砂に消えた涙」のオリジナルはミーナだが、弘田三枝子さんも歌っていたので、どうしても『LONGTIME FAVORITES』に入れたかったとまりやさん。ストリングスのアレンジは服部克久さんでアヴィー・ロード・スタジオで収録。

弘田三枝子さんの「駅」をリククエストした福岡県の超常連のリスナーから「弘田三枝子さんの曲でいちばんのお気に入りの曲は何ですか?」という質問。
まりや : いちばんのお気に入りと言ったらやっぱ「悲しきハート」かもしれない。「想い出の冬休み」ていうのも好きです。

・山下達郎 SPECIAL ACOUSTIC LIVE 2020
9月5日(土)、6日(日)の仙台公演、10月の福岡 DRUM LOGOS、そして11月の東京・目黒 BLUES ALLEY JAPANは、東京からかなりの人数の移動を伴う公演開催に関してのいろいろな問題点、東京公演については地方から参加されるお客さんの安全性など、感染拡大予防対策のガイドラインに沿って実施することが困難なため、今年の開催はできないという結論に達したそうだ。
「ウイルス騒ぎがこんなに長引くとは全然予想できませんでしたので。楽しみにしてくださっていたみなさま、本当に申し訳なく思っとります。深くお詫び申し上げます。何らかのかたちで代わりの何かをしたいと思っていますので、しばらくお待ちください」と達郎さん。

・LIVE TURNTABLE
まりやさんのデビュー40周年のイベント LIVE TURNTABLE も中止。
「スタッフと一緒にここんところ慎重に協議を重ねてきましたけれど、感染拡大予防対策のガイドラインに沿って、実施することがとても難しいという結論に至りました。本当に申し訳ない限りなんですけれども、一回は回数を増やしてやることが可能かどうか、いろんなかたちでのシミュレーションをしたんですけれど、やっぱり全てを完全に整えることができなかったんですね。ですが、せっかく当選された二千名の方々に対しては、これを穴埋めすべく、ちょっと代案を検討中なんですね。で、ちょっといいかたちでみなさんに楽しんでもらえる何かを見つけ次第、ご連絡をするというかたちを取らせていただきたいと思います。まだ可能性というかどういうかたちでそれを楽しんでいただけるか、それは今の段階で言えないんですけれども、ご理解のほど、楽しみに待ってください。よろしくお願いします」とまりやさん。

・プレゼント
こういう事情なのでプレゼントも既成に出てるものしかなく、それではおもしろくないので、今回はサイン色紙に宛名を書いて、達郎さん、まりやさん、それぞれ30名ずつ計60名にプレゼント。

・いそしぎ (THE SHADOW OF YOUR SMILE)
後半は服部克久さん。まりやさんとは1981年にアルバム『VIVA MARIYA!!』に入ってる「戻っておいで・私の時間」のジャズ・ヴァージョンのアレンジから。いちばん色濃く残ってるのは『LONGTIME FAVORITES』のレコーディングで渡英して10日間ほど過ごしたとき。テムズ川上流のフレンチ・レストランで、服部先生がフランス語でワインを注文したら、ソムリエの態度が変わって下へも置かぬ扱いになったことだとか。そういうカッコよさを思い出すという。服部克久さんの結婚式の仲人が白洲次郎夫妻で、服部良一さんが白洲次郎さんと親しかったそうだ。今週はリクエストの多かった「THE SHADOW OF YOUR SMILE」。余談だがこの曲を作ったジョニー・マンデルも6月に亡くなった。

・SPARKLE
名古屋市のリスナーからのリクエストで、2014年9月18日に名古屋国際会議場センチュリーホールで行われた公演から、「来年の予告編です」というMC入りの「SPARKLE」。珍しくアンコールのいちばん最後に歌ったという。



■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年08月30日は引き続き「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
http://www.tatsuro.co.jp
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THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #08

2020年08月21日 | Motoharu Radio Show

第8回:チルアウトミュージック
Etro Anime - Summer Rain
Astrud Gilberto - Here's That Rainy Day(Koop Remix)
Gipsy Kings - Un Amor
The Beach Boys - Keep An Eyes On Summer
Jack Johnson - Sitting, Waiting, Wishing
佐野元春 & The Hobo King Band- 遠い声
Norah Jones - I'm Alive
Norah Jones - Hurts To Be Alone
Sting - Bring On The Night ~ When The World Is Running Out(LIVE)
Diana Krall - Walk On By
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは。佐野元春です。さて今夜のテーマ、「CHILL OUT MUSIC」。落ち着いた夏の夜の音楽を特集します。THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

・Summer Rain

佐野元春 : ニューヨークのエレクトロニック・バンド、エトロ・アニメ。曲は「Summer Rain」。2020年、今年の夏はちょっと奇妙な夏。バカンスという言葉が遠い昔のようです。今夜のMotoharu Radio Show、特集「CHILL OUT MUSIC」。落ち着いた夏の夜の音楽を集めています。

・Here's That Rainy Day(Koop Remix)
アストラッド・ジルベルトの「Here's That Rainy Day」。スゥエーデンのDJユニット、KoopによるRemix Version。

・Un Amor
・Keep An Eyes On Summer

佐野元春 : Motoharu Radio Show、特集「CHILL OUT MUSIC」。ジプシー・キングス「Un Amor」。そしてビーチボーイズ、今聴いたのは夏の夜のひとときにこの曲いいかなと思って選んでみました。「Keep An Eyes On Summer 」。

佐野元春 : Motoharu Radio Show、今夜のテーマはチルアウト。日本語だと落ち着くという意味でしょうか。ゆっくりリラックスするという感じだと思います。90年代にはクラブ・カルチャーの中でこのチルアウトという言葉はポピュラー音楽のジャンルのひとつとして使われました。テンポはゆるめで、聴いてきてリラックスする音楽ですね。似たようなジャンルでいうとアンビエントというのがあります。そして少し時代を遡るとクロスオーバーというのもありました。チルアウト、アンビエント、クロスオーバー。言い方はいろいろありますけれども、なにかクールダウンしたいときに聴きたい音楽。その点で共通していると思います。 Motoharu Radio Show、今夜の特集は「CHILL OUT MUSIC」。夏の夜の音楽を集めています。

・Sitting, Waiting, Wishing
・遠い声

佐野元春 : ジャック・ジョンソン「Sitting, Waiting, Wishing 」。そして今聴いていただいたのは僕のレコード、佐野元春 & The Hobo King Band、曲は「遠い声」。これは2004年に出した『The Sun』というアルバムに入ってる曲です。当時一緒にやっていたバンド、ザ・ホーボーキングバンドとのセッションですよね。久しぶりに聴きましたけれども、バンドのみんな、すごくいい演奏してくれていました。 THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。夏の夜の「CHILL OUT MUSIC」。続きます。
ノラ・ジョーンズが新譜を出しています。1979年生まれ、現在41歳。ニューヨークに住んでいるということです。お父さんはインド人のシタール奏者、ラビイ・シャンカールですね。ビートルズと親交があったことでもよく知られています。そのノラ・ジョーンズ、新しいアルバムが届いています。アルバム・タイトルはPick Me Up Off The Floor。いろいろな人とコラボレーションして作ったアルバムのようです。意外だったのはジェフ・トゥイーディと共作している曲があります。バンド、Wilcoのリーダーですね。もともとノラ・ジョーンズがジェフ・トゥイーディのファンだったということ。「一緒にコラボレーションしようよ」ということで、今回何曲か作ってみたということです。その曲後で聴いてみたいと思います。ノラ・ジョーンズの新作、僕も聴きましたけれども、とてもいいですね。ソングライティングも素晴らしいです。興味のある方は是非、アルバムも聴いてみてください。では先ほど話に出たジェフ・トゥイーディとの共作、曲は「 I'm Alive」。そしてアルバムからもう一曲「Hurts To Be Alone」。2曲続きます。

・ I'm Alive
・Hurts To Be Alone

佐野元春 : 今こうしたパンデミックの中、僕らミュージシャンはなかなかコンサートが開催できないという状況が続いています。番組最初のほうでかけたジプシー・キングス。彼らも今年のツアーは諦めて、ツアーの再開は来年の春ぐらいを考えているということ。そうですね、それまでは配信なども含めて、いろんなところで実験的にライヴが行われるだろうと思います。夏といえばサマー・フェスですよね。残念ながら今年の夏のフェスはすべて延期、または中止ということになっています。正直に言って早くライヴに行きたい、そう思っている方も多いと思います。ということで今夜はライヴのレコードを聴いてみたいと思います。これは1985年のライヴ。スティングですね。彼がポリスを解散してソロとしてキャリアをはじめたときのライヴですね。アルバムのタイトルはBring On The Night。ヴァッキング・ミュージシャンが素晴らしいです。ベース:ダリル・ジョーンズ、ドラムス:オマー・ハキム、キーボード:ケニー・カークランド、そしてサキソフォンにブランフォード・マルサリス。ジャズ系のトップ・ミュージシャンたちですね。これだけのメンツを集められたということはすごいことだと思います。ではスティング、1986年にリリースされたライヴ・アルバムから、これちょっと長いんですけれども聴き応えのある演奏、ライヴ会場にいるような感じで聴いてみたいと思います。「Bring On The Night」そして「When The World Is Running Out」のメドレー、スティング。

・Bring On The Night ~ When The World Is Running Out

佐野元春 : さて、残り時間も少なくなってきました。THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。今夜は夏の夜の「CHILL OUT MUSIC」。特集してみました。楽しんでいただけましたか? ここでちょっと僕からのお知らせです。今、僕の40周年記念のフィルムフェスティバルというのをインターネットでやっています。毎月いろいろな映像を流しているんですけれども、次回は8月26日ですね。8月26日のよる9時からやります。そのときの映像なんですけれども、自分が三十代だった頃、イギリスに行ってレコーディングをしました。『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』というレコードを作ったときのことです。そのときのレコーディング・ドキュメンタリーを公開したいと思います。これ自分で言うのも何なんですけれども、ピート・トーマスやブリンズリ―・シュワルツといったイギリスのパブロック・ミュージシャンたちとのセッションのドキュメンタリーですね。かなり貴重ではないかと思います。時間がある方は是非、今チケット売ってるので観に来てください。佐野元春40周年記念フィルムフェスティバルのお知らせでした。
CHILL OUT MUSIC、特集最後はダイアナ・クラールのレコード。スタイルはジャズ・ヴォーカルですね。バート・バカラック作曲、ディオンヌ・ワーウィックが歌ってヒットした曲をカヴァーしています。ダイアナ・クラール、「Walk On By」。今夜はこの曲を聴きながらお別れです。

・Walk On By

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show。楽しんでいただけましたか? 来週はオルタナティヴ・カントリーのレコードを特集したいと思います。THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。次回の放送は来週8月28日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。
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Sunday Song Book #1453

2020年08月16日 | Sunday Song Book

2020年08月16日プレイリスト「納涼リクエスト大会」
1. THE WAR SONG / 山下達郎 "ポケット・ミュージック" '86
2. KEEP A KNOCKIN' / LITTLE RICHARD '57
3. TEN PERCENT / DOUBLE EXPOSURE '76
4. ZABADAK / DAVE DEE, DOZY, BEAKY, MICK AND TICH '68
5. DREAM BOY, DREAM / THE FOUR PREPS '61
6. STING RAY'S BACK IN TOWN / TOMORROW'S PEOPLES '66
7. THE THEME FROM BIG WAVE(LIVE) / 山下達郎 "14/09/03 岩手県民会館" '14
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■内容の一部を抜粋
・近況
お盆も終わりで今日は送り火。東京は昔から7月にお盆をやるのだが、この数年は、まりやさんが島根ということもあって、旧暦のお盆で迎え火、送り火をするようになったとか。変なお盆の一週間でしたと達郎さん。この数週間、達郎さんは自分の思うところを番組で話すために、家で原稿にまとめてスタジオに勇んでやって来ていたが、きちんと伝えるには時間が足りなくて延々と続けなければならず、そうなるとオンエアする曲の数を削らなければならないということになる。それは本来の番組の意思とは反するので結局何も話さずに、それが何週間も続いているそうだ。「たくさんものごとを考えることがありすぎるので、それを一つや二つピックアップしたところで仕方ありませんので、私のこの番組音楽番組ですので、いつもの通りの流れでですね、いろんなことがありますけれども、音楽で少しでも、私のこの番組のリスナーのみなさまがリラックスしていただければ」と達郎さん。

・納涼リクエスト大会
今年の「納涼リクエスト大会」は今週一週間だけ。

・THE WAR SONG
もうすぐリマスター再発される1986年のアルバム『POCKET MUSIC』に収録されている「THE WAR SONG」。「たくさん申し上げたいことはあるんですけれども、ミュージシャンなので音楽で。何週間か前に一度おかけしましたけれど。今日もお聴きをいただきます。またこういう曲を一曲二曲書いてみようかなと思ってる今日この頃であります」と達郎さん。

・KEEP A KNOCKIN'
5月9日にリトル・リチャードが亡くなった。本当は例年だったら「ノンストップ・リトル・リチャード」をやるところだったが、こういうご時世なので、遅ればせながら、と達郎さん。リクエストは「達郎さんのいちばん好きなリトル・リチャードの曲を」というもの。達郎さんがいちばん好きなのは「KEEP A KNOCKIN'」。1957年、全米R&Bチャート2位、全米チャート8位。「ドアを叩き続けてんだけどあんたは入れてくんない。また明日の晩来てやるから。今だったらストーカーと言われます。そういう歌でございます。ツーコード・ミュージックでございます。素晴らしいグルーヴ。リトル・リチャード、ご冥福をお祈りします」と達郎さん。

・TEN PERCENT
ダブル・エクスポージャーはフィリー・サウンドの旗手。「TEN PERCENT」は1976年のデビュー・ヒットで、全米54位。アルバム・ヴァージョンは6分いくつ。サンソン用に3分台のシングル・ヴァージョン。

・ZABADAK
デイヴ・ディー・グループ。正式にはデイヴ・ディー、ドジー、ビーキー、ミック&ティッチという長い名前の5人組。いろんなカラフルなサウンドでヒットを飛ばした。日本で有名なのは「OKAY!」とか「キサナドゥーの伝説」で知られている。リクエストの「ZABADAK」は日本でかなりヒットした曲。1968年、全英3位、アメリカではこれが唯一のヒットで全米52位。アフリカン・ドラムを使ったアフリカンな曲。ちょうどこの頃に来日して達郎さんも観に行ったとか。「器用なグループでありました(笑)」と達郎さん。

・DREAM BOY, DREAM
フォア・プレップスはウエスト・コーストの白人4人組。いわゆるミドル・オブ・ザ・ロードの、大学のグリー・クラブから出たヴォーカル・グループ。メンバーのエド・コブが後に作曲家、プロデューサーとして大きく出世する。1961年の「DREAM BOY, DREAM」は日本でちょっとだけヒットしたが、アメリカでは擦りもしなかった。でも日本では大変人気のある曲で邦題は「夢みる少年」。

・今後の予定
来週23日と再来週30日は竹内まりやさんをゲストに迎えて「納涼夫婦放談」。

・TATSURO YAMASHITA SPECIAL ACOUSTIC LIVE展
「山下達郎 SPECIAL ACOUSTIC LIVE展」が9月5日(土)から仙台のPARCOを皮切りに、福岡、札幌、東京と巡回する。現在、名古屋、大阪会場も調整中。詳細が決定次第改めてお知らせするとのこと。ここ数年間、アコースティック・ライヴという名前で、山下達郎、難波弘之、伊藤広規の3人で続けている3人ライヴ。ここ数年間の過去の映像の上映、そこでしか観られない映像の上映とか、ライヴのいろいろな機材、衣装の展示を予定している。詳しくは山下達郎オフィシャルサイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp

・山下達郎 SPECIAL ACOUSTIC LIVE 2020 仙台公演
9月5日(土)、6日(日)に開催を予定していた仙台公演。本来だったら来週8月23日(日)、番組終了後の15時からチケットの応募抽選受付を開始する予定だったが、新型コロナウイルスの感染が再び拡大している現在の状況で、東京から仙台に移動を伴う公演の開催について、その是非を判断するのがひじょうに難しいことから、慎重に議論を重ねているという。次回の放送で改めて結論を発表できればとのこと。「東京から人間が移動することに関して抵抗感というものが、今すごくありましてですね、そういうものに鑑みまして。少なからぬ人数が移動しますので大変でございます。よろしくすいません」と達郎さん。

・高円寺 LIVE MUSIC JIROKICHI公演
2月29日(土)と3月1日(日)に開催を予定していた高円寺 LIVE MUSIC JIROKICHIでの「山下達郎 SPECIAL ACOUSTIC LIVE 2020」公演は延期となり、振替公演が9月12日(土)と9月13日(日)に決まっていたが、現状ではウイルス感染拡大予防対策のためのガイドラインに沿って実施するのが不可能と判断したため、やむなく中止に。本日の番組終了後からチケットの払い戻しについてイープラスから連絡があるので、確認のうえ払い戻しをお願いしますとのこと。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp

「大変ですね、しかしね。本当に。いろいろシミュレーションしたんですがなかなかうまくいきません。早くワクチンできてほしいというのが本音でございます」と達郎さん。

・TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING
「こうした状況なので先日7月30日にですね、私、自分自身の配信ライヴというのを行いまして、大変ご好評いただきました。いろいろなお便りをいただく中で、多かったご質問がいくつかありまして、それについて今日はちょっと長くなりますけれど、ご説明したいと思いますが。あの、先日の配信ライヴはですね、基本的にあくまで私自身のですね、この数十年間の私のライヴにいらしてくださる、自分のお客さんに向けた企画でありまして。あの、不特定多数を想定したものでなかったんです。なんですがまだご覧になっておられない方とか、たくさんいらっしゃいましたので、にもかかわらずたくさんの方々が参加賜りましてですね、本当にありがたいことであります。またあくまで最初の試みでしたので、事故のない確実な作業を目指していたという結果、音の素材でありますとかそういうものも、ああいう構成になったんですけど。今回最も多かった質問がですね、なぜリアル・ライヴをやらなかったのかというですね、まぁ3年前のライヴハウス、それから氣志團万博の音源、なぜ今リアル・ライヴをやらなかったというのが、いちばん多いアレなんですけれども。いわゆるネットにおけるライヴというものがですね、イコール、リアル・ライヴという、なんかそういう傾向にあるみたいなんですけれども。リアル・ライヴというのはですね、はっきり申し上げて、ネットにおけるリアル・ライヴというのは幻想です。あの、そこに行って、さぁやろうかというライヴというものが基本的にありません。じゃあテレビの生はどうなんだという仰るかもしれませんが、テレビはですね、例えばミュージックステーションにしろ、ああいうものはですね、生番組ですけれど全て、あの、何時間にもわたるリハーサルがあります。カメラ・リハーサルによってカメラとのカット割りとか、そういうもの緻密に決めて生演奏に臨みます。もっと大きいのは紅白歌合戦でありまして、紅白歌合戦も生ですけれど、何日も前からですね、緻密にカット割りをしまして、タイミングも厳密に計ってやっとります。ですけども本番は生と言うですね。なんでネットだけはその場でパッと行って、じゃあやろうかと言ってできるのかというですね(笑)。それでテレビ以上にインフラとしては不安定なネットは事故が多いですので、ひじょうに危険不安伴います。より緻密な計画のもとにライヴをやるべきでありまして、そういう思想で今回の私の配信ライヴも行っております。但しライヴ自体は一音足りとも手つけておりません。完全な、リアルな音源です。発売されている、例えばDVDとかですね、ああいうものは修正だらけのものがたくさん見受けられますけれど、そういう意味では一音足りとも修正しておりません。この番組でかけるPA OUTとおんなじであります。ですので今後ともリアル・ライヴというものでやるつもりありません。やはりある程度準備といいましょうか、数日前に収録したものをキチッとミックスダウンしてマスタリングして配信するという、そういう思想です。あとはあの、もう一つたくさんいただいたのはですね、なぜソフトを出さないのかという、DVD、Blu-rayをどうして出さないのかという。結論から申しあげますとBlu-rayとかテレビとかYouTubeではですね、今回の私のライヴ配信のあの音質クオリティは出せません。映像もそうなんですけれど、特に音質が出せません。同等の質で聴けるのは私のシアターライヴのような、ああいう映画館での送出だけです。DVDとかBlu-ray等にパッケージ化しますとですね、容量が足りないんです。今回の90分のライヴ・パフォーマンスでもBlu-rayの倍以上のデータ容量になりますので、それをBlu-ray等にパッケージ化しますと、データ圧縮しますので音質画質の低下を招きます。それがいちばん嫌なので(笑)、僕はソフトにしません。そういうところが全くフリーでやれるので配信ライヴというものにひじょうに興味を持ったので。故にソフト化はしません。今後ともその方針であります。今後はさらにハイスペックな音質の向上でですね、私がスタジオでやってるモニター・スピーカーから発せられるのと同質のデータをご家庭でお聴きいただける、そういうところまで持っていきたいと思っております。普通の配信と違いましてあくまで音優先でございます。MUSIC/SLASHというプロジェクトがそういうことをやっておりますので、それを目指したいなと思います。でも中にはCDみたいに音が良すぎてライヴ感がないみたいな、そういうお便りすらありますけれども(笑)。よっぽど下手なライヴしか観てないのでという、そういうアレでございます。逆にいうと高音質になる程ごまかしが効かなくなるという、そういうものなので、演奏のシビアさというものがすごく問われますので、そういうところの、まぁ逆にいうとおもしろさと言いましょうかですね、じゃあ、やってやろうじゃねぇかという、そういうものでございます。最初に申し上げたみたいに、基本的に、あくまで自分のお客向けにはじめたことですので、そういう他の配信のポリシーとは違うのでですね、そこんところだけご理解いただければと思っとります。こういうこと本当は最初にお伝えしたかったんですけれど、珍盤・奇盤の間でこれを申しあげると一曲カットしなければなんないので(笑)。先週なんかはそうするとオマリーで終わらなきゃなんないので、そういうのあまりちょっとアレなので、西郷輝彦さんのやつかけたかったので、こういう説明ができませんでしたが、ちょうど今日は納涼リクエスト大会ですので時間に余裕があるので申し上げました。またご質問等あれば(笑)、お答えしたいと思っとります。長くなってすいません」と達郎さん。

・STING RAY'S BACK IN TOWN
トゥモローズ・ピープルズは白人の声がしているので白人のグループだと思われるが、でっち上げじゃないかと思われる。たぶんニューヨークのレコーディング。曲を書いているのはトニー・ロメオ。アレンジはヴァン・マッコイ。プロデュースはヴァン・マッコイとデイヴィッド・カプラリック。コロンビアから1966年に出たシングル「STING RAY'S BACK IN TOWN」。

・THE THEME FROM BIG WAVE(LIVE)
リクエストが多かった「THE THEME FROM BIG WAVE」。今日は2014年9月3日、岩手県民会館でのライヴ。最近、ライヴでやってないので、また来年やれたら、と達郎さん。



■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/

2020年08月23日・30日は「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
http://www.tatsuro.co.jp
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THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #07

2020年08月14日 | Motoharu Radio Show

第7回:What is HIP?
01.Stealers Wheel:Stuck In the Middle With You
02.Talking Heads:And She Was
03.R.E.M.:Stand
04.Parliament:Give Up the Funk (Tear the Roof Off the Sucker)
05.Funkadelic:Standing On the Verge of Getting It On
06.Rage Against the Machine:Take the Power Back
07.佐野元春 & The Coyote Band:キャビアとキャピタリズム
08.Sly & The Family Stone:Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)
09.Graham Central Station:It’s Alright
10.The Meters:People Say
11.Dr. John:Right Place Wrong Time
12.James Brown:Get On The Good Foot(Part.1)
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは。佐野元春です。先週の放送、特集「ジャパニーズポップスの夜明け」。大変な反響をいただきました。楽しんでいただけたようでよかったです。どうもありがとう。さて、今夜のテーマは「What is HIP?」。ご機嫌なファンク・ミュージックのレコードを楽しみたいと思います。THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

・Stuck In the Middle With You
イギリス、グラスゴー出身のバンド、スティーラーズ・ホイールの'70年代のヒット・レコード「Stuck In the Middle With You」。
「なんとなくビートルズを思わせるような曲調ですね。作曲したジェリー・ラファティーは当時、グラスゴーのポール・マッカートニーなんて呼ばれてました」と元春。

・And She Was
・Stand
'80年代に元春が気に入っていたオルタナティヴなバンド二組。トーキング・ヘッズの「And She Was」とR.E.M.の「Stand」。

佐野元春 : さて、Motoharu Radio Show。今夜のテーマは「What is HIP?」。この後、ごきげんなファンク・ミュージックのレコードをたっぷり聴いていきたいと思います。そうですね、ファンク・ミュージックということで僕が強烈に印象に残っているのは、1983年、ニューヨーク、マンハッタンのクラブで観たあるライヴでした。ジョージ・クリントン & ザ・Pファンク・オールスターズ。当時、泣く子も黙るファンク・ミュージック界のゴッドといっていいと思います、ジョージ・クリントン。一時、音楽界から離れていたジョージ・クリントンが、久しぶりにシーンに戻ってきたということで、メディアもファンの人たちもみんな大騒ぎしていました。そのジョージ・クリントンが率いていたふたつのバンド、パーラメント、そしてファンカデリックですね。'70年代に結成されて、その後、多くのレコードを残しました。ドラムンベースに16ビートのリズム・カッティング。そこにホーン・セクションが加わったごきげんなダンス音楽ですね。その後、ソウル・ミュージックだけでなく、ロック・ミュージシャンにも大きな影響を与えました。ではここでジョージ・クリントンが率いていたふたつのバンド、パーラメント、そしてファンカデリック。それぞれのレコードを聴いてみたいと思います。パーラメント、曲は「Give Up the Funk」。そしてファンカデリック「Standing On the Verge of Getting It On」。ともに'70年代のレコード。2曲聴いてみます。

・Give Up the Funk (Tear the Roof Off the Sucker)
・Standing On the Verge of Getting It On

佐野元春 :Motoharu Radio Show。今夜のテーマは「What is HIP?」。ご機嫌なファンク・ミュージックのレコードを集めています。'80年代に僕がニューヨークのクラブで観たパーラメント、そしてファンカデリックのライヴ。夜9時ぐらいからはじまって約4時間続きました。驚いたのがほとんど曲がシームレスでつながっていたところですね。4時間ぶっ続けのライヴということで客もミュージシャンも相当タフでないとやってられないという感じでした。観客はほぼ99%黒人たち、そこに僕のような東洋人、そして僅かに白人がいるという、そんな様子でした。しかしこのパーラメント、そしてファンカデリックのサウンド。その後の音楽界に大きな影響を与えました。それはスヌープドッグ、ドクター・ドーレといった黒人ミュージシャンたちだけではなく、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、そしてレージ・アゲンスト・ザ・マシーンといった白人のバンドにも大きなインスピレーションを与えたと思います。ではここでレージ・アゲインスト・ザ・マシーンのレコードを聴いてみたいと思います。米国ロサンジェルスのバンド、1990年に結成しています。レージ・アゲインスト・ザ・マシーンの曲というとよく過激で政治的な歌詞と言われます。でも僕が聴くかぎりそれ以上にとても文学的なリリックですね。一級のビート・ポエトリーだと思います。曲は「Take the Power Back」聴いてみたいと思います。そしてもう1曲。自分のレコードにもファンク・ミュージックと言っていい曲があります。アルバム『Blood Moon』から曲は「キャビアとキャピタリズム」。2曲続きます。

・Take the Power Back
・キャビアとキャピタリズム

佐野元春 : Motoharu Radio Show、特集「What is HIP?」。今夜はごきげんなファンク・ミュージックのレコードを集めています。さて、1970年代。米国サンフランシスコ周辺で流行ったファンキーなサウンドのことをベイエリア・ファンクなんて呼んでました。よく知られているのは例えばタワー・オブ・パワーですね。ブラスセクションを使ったごきげんなファンク・バンドです。このベイエリア・ファンク。遡って行くと'60年代のこのバンドに当たります。スライ & ザ・ファミリー・ストーン。ファンク、ロックというジャンルを超えて'60年代から'70年代、本当に重要なバンドのひとつだったと思います。バンドを率いていたのはスライ・ストーン。このスライ・ストーンが作った音楽はその後、実に多くのミュージシャンたちに影響を与えたと思います。マイルス・デイヴィス、カーティス・メイフィールド、パブリック・エナミー、そしてプリンス。そうしたミュージシャンたちが彼の音楽へのリスペクトを表明しています。音楽に戻ってそのスライ & ザ・ファミリー・ストーン、1969年のレコード、曲は「Thank You」。そしてベイエリア・ファンク、もうひとグループ。スライ&ザ・ファミリー・ストーンでベースを弾いていたラリー・グラハムですね。その後、自分のバンドを作りました。グラハム・セントラル・ステーション。スラップ・ベース、チョッパー・ベースとも言われてますけれども、その名人といっていいと思います。1975年のレコード「It’s Alright」。スライ&ザ・ファミリー・ストーン、そしてグラハム・セントラル・ステーションのレコード、2曲続きます。

・Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)
・It’s Alright

佐野元春 : Motoharu Radio Show、特集「What is HIP?」。今夜はご機嫌なファンク・ミュージックのレコードを集めています。先ほど聴いてみたスライ & ザ・ファミリー・ストーン、米国西海岸サンフランシスコのバンドです。一方、米国南部にもごきげんなファンク・バンドがいました。ザ・ミーターズ。'70年代、アラン・トゥーサンがプロデュースして素晴らしいアルバムを残しています。正にニューオリンズ・ファンク・バンドの代表といっていいと思います。ニューオリンズといえばジャズ発祥の地ですね。スペイン、フランス、カリブ、アフリカなどの文化が交じり合った独特の文化を持った街です。そんなニューオリンズの街で生まれたファンク・ミュージック。ニューオリンズ音楽独特の少しハネたリズムが楽しくて聴いていて飽きません。ミーターズ、'70年代のレコードから1曲。そしてそのミーターズのサポートで録音したDr.ジョンのレコードも一緒に聴いてみたいと思います。ザ・ミーターズ「People Say」。そしてDr.ジョン「Right Place Wrong Time」。ニューオリンズ・ファンク2曲聴いてみます。

・People Say
・Right Place Wrong Time

佐野元春 : 番組ここまで聴いてくれてありがとう。そろそろお別れの時間が来てしまいました。Motoharu Radio Show。今夜のテーマは「What is HIP?」。ご機嫌なファンク・ミュージックのレコードを集めてみましたけれども、楽しんでいただけましたか? HIPという言葉にはかっこいいとかスタイリッシュという意味がありますけれども、何がHIPかというのはたぶん時代と共に変化していくものなんじゃないかなぁと思います。時代の流行廃りに関係なく、自分なりのHIPのセンス、探していきたいと思います。Motoharu Radio Show、ファンクといえばこのシンガーを忘れちゃいけないと思います。ジェームス・ブラウン。正にファンクの神ですね。マイケル・ジャクソン、プリンス他たくさんのミュージシャンが影響されています。もちろんHIP HOPもルーツはファンク。そしてジェームス・ブラウンですね。圧倒的な個性レコードからも感じます。ジェームス・ブラウン、曲は「Get On The Good Foot(Part.1)」。今夜はこの曲でお別れです。

・Get On The Good Foot(Part.1)

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show。特集「What is HIP?」、楽しんでいただけましたか? 来週の放送は「CHILL OUT MUSIC」と題して、落ち着いた夏の夜の音楽を特集します。「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。次回の放送は来週8月21日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。
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Sunday Song Book #1452

2020年08月09日 | Sunday Song Book

2020年08月09日プレイリスト「珍盤・奇盤特集」
1. LOVELAND, ISLAND / 山下達郎 "フォー・ユー" "オーパス" '81
2. DO YA THINK I'M SEXY / THE KGB CHICKEN '83
3. 恋の歓び / 吉永小百合 '67
4. 愛の絶唱 / 太子乱童 '71
5. SISTER MARY ELEPHANT / CHEECH & CHONG '72
6. 愛人マンボ / 夏木マリ "婦人倶楽部" '86
7. オマリーの六甲おろし / トーマス・オマリー '94
8. ローリング・ストーンズは来なかった / 西郷輝彦 '73
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■内容の一部を抜粋
・近況
お盆休みに入り、長い人は9連休。例年だったら帰省の混雑があるけれど今年は全くわからないという。「この夏は特別な夏なんですって。よくわかりませんねぇ、本当に。なんかこうきちんとした説明が何にもない(笑)」と達郎さん。政治家、官僚の誰かひとりでもいいから「みなさん、私と一緒にがんばりましょう。共に戦いましょう。この危機を乗り越えましょう」、そういうアジテーションでもいいから言う人がいない。励ましとか労(いたわ)りとか誰一人言わない。そういう人たちを当てにしないで、身体に気を付けて、なるべく感染しない、させないという努力をして、ワクチンの情報がメディアから少しずつ漏れてきているので、そういうのを期待しつつ行かなければ、と達郎さん。

・珍盤・奇盤特集
先週に引き続いてこういうご時世を笑い飛ばそうと企画して3年ぶりの「珍盤・奇盤特集」。

・LOVELAND, ISLAND
「夏がはじまりましたので、いつもの年と同じように私の夏の歌をお聴きいただければと思います」と達郎さん。

・DO YA THINK I'M SEXY
20年ぶりぐらいに登場したザ・KGBチキン。ザ・KGBチキンはサンディエゴ・チキンと呼ばれる鳥のスポーツ・マスコット。野球やサッカーなどに出てくるスポーツ・マスコットの先駆で、70年代の半ばぐらいに出てきた。サンディエゴのいろいろなスポーツに使われている。ザ・KGBチキンという名前はサンディエゴのFM局のKGBFMから取っている。「DO YA THINK I'M SEXY」はライノのコンピレーションに入ってて1983年に発表された。曲は1978年のロッド・スチュワートの「DA YA THINK I'M SEXY?」のカヴァー。

・恋の歓び
まずはかわいいやつ。吉永小百合さんの1967年のシングル「恋の歓び」。「珍盤奇盤というわけじゃないんです。別に普通にやってらっしゃるんですけれども、今聴くとなんかこう、突破しちゃってるんですよ(笑)。ふふふ。聴いていただければわかりますけれども。こういうの好きなんです、私」と達郎さん。作詞は佐伯孝夫、作編曲は鈴木邦彦。達郎さんは鈴木邦彦さんの隠れファンだとか。このシングルはずっと欲しくて最近手にいれたそうだ。
曲をかけ終えて。
「フェイドアウトがミソなんですね、ええ。この時代だと先週のマーガレットちゃんみたいにジャン(とギターを鳴らす)で終わる。これはフェイドアウトする。この根拠がよくわかりませんけれど。じわじわ来ません? これ。高度成長期の明朗な空気がたっぷり詰まってる。しかもグループ・サウンズ全盛期ですからね。GS仕立ての吉永小百合さん。むかーしから欲しかったんです、これ(笑)。ついに手に入れました。すごい(笑)。次行けるかっていう気がしますね」と達郎さん。
・愛の絶唱
こうした珍盤奇盤ではかなりの頻度でかけられる有名な作品。名前が太子乱童。本名は塩川篤雄さん。カラオケとかそういうものは普通で、加山雄三さんのような曲調のいい曲なんだけれど、途中でキャラが豹変する。1971年の 「愛の絶唱」。

・SISTER MARY ELEPHANT
アメリカのこういう珍盤奇盤で頂点に立つのはチーチ&チョン。1972年の作品で「SISTER MARY ELEPHANT」。学級崩壊のハイスクールに非常勤で来たメアリー・エレファントというシスター。シスター・ロゼッタストーンの代役で教壇に立つが、生徒が大騒ぎするとキレる。シスターが詩を読むと生徒が寝るのでキレる。その繰り返しだが生徒とシスターをチーチとチョンの二人だけでやっているのがミソ。

・今後の予定
来週は「納涼リクエスト大会」。今月は来週のみだがリクエスト・カードが溜まってるので9月にリクエスト大会を予定しているとか。再来週23日と30日は竹内まりやさんをゲストに迎えて「納涼夫婦放談」。

リクエスト、お便りはメールでも受付ている。TFMのウェブサイトに番組のメッセージ・フォームを開設している。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・山下達郎 SPECIAL ACOUSTIC LIVE 2020 仙台公演
9月5日(土)、6日(日)に開催予定していた仙台公演は、会場の仙台darwinが、2021年3月31日(水)まで「集客を伴う公演」に関し休業されることになり、仙台公演について現在、日程や会場の変更を含めて、いろいろな調整をしているとのこと。たぶん来週の番組内で詳細が発表できる予定とのこと。「私はやる気でいるんですけれど、なかなかこういうご時世ですので、よろしくお願いします(笑)。全くもってね、本当に」と達郎さん。

・TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING
「7月30日行いましたスーパー・ストリーミング・ライヴ。私のライヴ配信。生まれて初めてのアレですけれど。本当にご好評いただきました。みなさん、いい音だったと仰ってくださいます。逆にですね、本当にみなさん耳がいいと言うか、耳が良いというか、耳が肥えてらっしゃる。ちゃんとその音色のですね、例えばスマホでお聴きになった方も、テレビでお聴きになった方も、みなさん異口同音にそれまでの配信と違って音色が、それから画質がですね、ハイスペックだという評価をいただきました。ちゃんとみなさん聴き分けられる耳をおありで、音楽をちゃんと、そういう意味ではしっかりと、生きているということを確認しまして、安心をいたしました。本当にたくさんたくさんお便りをいただきまして、全くお答えしきれないので、心苦しいんですけれど。今回はとにかく初めてですので、基本的に私自身のお客さんに向けた、あの、企画でありまして。そんな例えば世界に配信するとか不特定多数想定していませんけれど、今後はいろんなことを考えてですね、ますます高画質、高音質、目指してライヴになるべく肉薄する、そういう音場を再現できるように、スタッフと一緒にまた研究、努力してまいりたいと思いますので、引き続きご期待ください」と達郎さん。

・愛人マンボ
埼玉県のリスナーからのリクエスト。夏木マリさんの1986年のアルバム『婦人倶楽部』に収録されている「愛人マンボ」。このアルバムは名盤だとか。達郎さんは夏木マリさんが好きで、同い年、いつか紹介しようと思っていたという。ねじめ正一さん作詞、服部克久さん作曲、編曲は若草恵さんという錚々たるメンバー。

・オマリーの六甲おろし
音痴レコードの最たるもの。トーマス・オマリー選手が阪神タイガースに在籍していた1994年のCD。3年ほど前に達郎さんと星野源さんが一緒にやった民放連の特別番組で一度オンエアしている。その後、番組にはリクエストが続けてきていたが、どうしても勇気がなくてかけられなかったという。今回は珍盤奇盤ということと、ディレクターの山岸さんが聴きたいというご所望なので採用することにしたとか。
曲をかけ終えて。「しかしこれ。歌をOK出したディレクターの顔が見たいと言いましょうかですね、このオマリー選手は野球選手としては全然一流の人なのに、このレコーディングのこれだけしか聴かないと(笑)、すごいアホタレみたいな印象に(笑)、変わりそうですよね、これね」と達郎さん。達郎さんの知り合いの阪神ファンはカラオケ屋に行って、オマリーの真似をして歌うそうだ。「倒錯してますよね」と達郎さん。

・ローリング・ストーンズは来なかった
西郷輝彦さんの1973年の「ローリング・ストーンズは来なかった」。ローリング・ストーンズがドラッグの関係で来日できなかったときに作られた曲。達郎さんの珍盤奇盤特集では常連の藤本卓也さんの作詞作曲編曲。
■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年08月16日は「納涼リクエスト大会」
http://www.tatsuro.co.jp
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THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #06

2020年08月07日 | Motoharu Radio Show

第6回:ジャパニーズポップスの夜明け
M1. 笠置シヅ子 / ラッパと娘
M2. 笠置シヅ子 / ロスアンゼルスの買物
M3. ティーブ釜萢 / トーキョー・ラグ
M4. 江利チエミ / ロック・アラウンド・ザ・クロック
M5. 小坂一也とワゴンマスターズ / 冷たくしないで
M6. 雪村いづみ / 恋人になって
M7. 佐野元春&雪村いづみ / トーキョー・シック
M8. 弘田三枝子 / 寝不足なの
M9. 弘田三枝子 / 私のベイビー
M10. 弘田三枝子 / 砂に消えた涙
M11. かまやつヒロシとザ・サンダーバード / 恋の片道切符
M12. 藤木孝 / ママのツイスト
M13. 山下敬二郎とザ・コースターズ / ダイアナ
M14. 坂本九 / 花咲く街角
M15. 坂本九 / 上を向いて歩こう
M16. Nat King Cole / L-O-V-E(日本語バージョン)
M17. 佐野元春 / Bye Bye Handy Love(アルバム「トーキョー・シック」より)
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは。佐野元春です。今夜のテーマは「ジャパニーズ・ポップミュージックの夜明け」と題して日本の'50年代、'60年代のポップスを特集します。THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。
さて、今夜のMotoharu Radio Showはいつもとちょっと趣向を変えて日本の古いポピュラー音楽を特集してみたいと思います。日本の古いポピュラー音楽といっても範囲が広いですよね。この特集では'50年代から'60年代にかけてのレコードを取り上げてみたいと思います。これはちょっと自分の話になってしまうんですが、僕は1956年3月に生まれました。そしてこの1956年3月というのはエルヴィス・プレスリーがデビュー・アルバムをリリースした、正にその月に当たるということですね。まぁ僕の母が相当なエルヴィスのファンだったということは聞いていましたが、まさかデビュー・アルバムの発売に合わせて僕を生んだなんてことは多分ないと思いますが、この素敵な偶然? まぁ人が聞いたらそれがどうしたって話になるんでしょうけれども、ロックンロールが大好きな僕としては、ちょっと人に自慢したくなるようなエピソードです。そんなわけでエルヴィス・プレスリー、デビュー・アルバムが発売された年、そして僕が生まれた年、1956年。物の本によるとこの1956年こそロックンロール誕生の年である、そんなことが書いてありました。日本の場合は戦争が終わってほぼ10年目という節目でもありました。Motoharu Radio Show、今夜の特集は「ジャパニーズ・ポップミュージックの夜明け」と題して、戦後、日本のポピュラー音楽が欧米の音楽にどのように影響されてきたか、その辺も探ってみたいと思います。

・ラッパと娘
・ロスアンゼルスの買物
笠置シヅ子の1939年のレコード「ラッパと娘」と1948年の「ロスアンゼルスの買物」はいずれも服部良一のプロデュース。服部良一は洋楽のビートをはじめて歌謡曲に持ち込んだ日本のポップ音楽の先駆者。日本のポップス界の最大の功労者といってもいい。

・トーキョー・ラグ
戦後初期のスター、日系二世のティーヴ釜萢はかまやつひろしさんのお父さん。この方はのちにジャズの学校を作って雪村いづみ、平尾昌晃、ミッキー・カーチスなど多くのシンガーを育てた。

・ロック・アラウンド・ザ・クロック
1955年にアメリカでビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツは世界初のロックンロールのヒットを飛ばした。「Rock Around The Clock」。その曲を日本で真っ先にカヴァーしたのは江利チエミだった。

・冷たくしないで
小坂一也とワゴンマスターズがエルヴィス・プレスリーの「Don't Be Cruel」を日本語でカヴァー。1955年のレコード。このあとにやってくるロカビリー・ブームの火付け役になったレコード。

・恋人になって
1953年、一人の天才的歌手がデビューする。雪村いづみ。彼女は当時美空ひばり、江利チエミと共に三人娘と呼ばれて一世を風靡した。三人の中では一番垢抜けていて都会的な印象がある。アメリカをずっと巡業していたこともあってシンガーとしてもパフォーマーとしてもその表現力はずば抜けている。「この曲はまるでラップのように歌ってますね」と元春。

佐野元春 : そうですね、雪村いづみさん。僕のレーベルからレコードを出しました。作詞作曲プロデュースは僕。そして編曲は前田憲男さんが担当してくれました。ビックバンドには戦後の名だたるジャズ・ミュージシャンたちが集結してくれました。これは東京の歌ですね。二人で踊りながら歌ってレコーディングしたのを、とても楽しかったです。聴いてください、雪村いづみ佐野元春、曲は「トーキョー・シック」。

・トーキョー・シック

佐野元春 : 残念なニュースがありました。先日、歌手の弘田三枝子さんがお亡くなりになったということ。ぼくはちびっ子の頃、ちょうど6歳ぐらいでしたか、最初に憧れた女性シンガーが弘田三枝子さんでした。とにかく圧倒的な声とリズム感ですね。テレビの中で歌っている弘田三枝子さんにくぎ付けになりました。今思うと太陽のように明るいイメージ。子ども心に見ているだけで楽しい気持ちになった、そんな思い出があります。その頃学校の音楽の時間というと、なんか童謡のような退屈な音楽ばかり? 「金魚のお昼寝」とかそんな音楽ばかりでしたね。そんな中、弘田三枝子さんの歌は本当に僕のことを楽しい気持ちにさせてくれました。あの頃に戻って「どうもありがとう」そう言いたいですね。深くご冥福をお祈りいたします。弘田三枝子さん追悼。僕が選んだ3曲です。「寝不足なの」、「私のベイビー」そして「砂に消えた涙」。弘田三枝子3曲続きます。

・寝不足なの
・私のベイビー
・砂に消えた涙

佐野元春 : 弘田三枝子さん追悼。僕が選んだ3曲です。1曲目は「寝不足なの」、そしてこれはザ・ロネッツのヒット曲ですね。「Be My Baby」のカヴァー、もうこの時代に遡って僕がプロデュースしたかったですよね、「私のベイビー」。そして「砂に消えた涙」。弘田三枝子3曲聴いてみました。Motoharu Radio Show、 「ジャパニーズ・ポップミュージックの夜明け」続いてます。

佐野元春 : 1958年、東京で第一回目の日劇ウエスタン・カーニバルが開催されます。場所は東京・有楽町にあった元日劇ミュージック・ホールです。年に二回、当時のロカビリーのスターが集まってライヴをやりました。ロカビリー三人男といえば平尾昌晃、山下敬二郎、そしてミッキー・カーチスの三人ですね。それぞれバンドを持っていて熱狂的なライヴをやりました。当時このイベントは大盛況となってメディアは大きくこの様子を伝えました。空前のロカビリー・ブームですね。Motoharu Radio Show、 特集「ジャパニーズ・ポップミュージックの夜明け」。ではそのウエスタン・カーニバルに出演していたシンガー、かまやつ ヒロシ、藤木孝、そして山下敬二郎、3人のレコードを聴いてみます。

・恋の片道切符
・ママのツイスト
・ダイアナ

佐野元春 : さて、日本人アーティストでたった一人、アメリカ、ビルボード・ホット100で1位を獲得した歌手がいます。そう坂本九。1961年に出した「上を向いて歩こう」。この曲が「SUKIYAKI」というタイトルで海外でもヒットしました。ではその坂本九の曲を2曲。「花咲く街角」そして「上を向いて歩こう」。

・花咲く街角
・上を向いて歩こう

佐野元春 : 坂本九。1曲目、オリジナルはデル・シャノン、1961年のレコード「花咲く街角」。今聴いたのが「上を向いて歩こう」。
'60年代に入ると洋楽の日本語カヴァーは益々盛んになってきます。その動きを一気に加速させたのが草野昌一(しょういち)、またの名前を漣健児(さざなみけんじ)という訳詞家でした。'60年代ポップスの日本語カヴァーのオリジネイターといっていいと思います。当時、アメリカン・ポップスを中心に、なんと400曲以上の訳詞を手掛けたということです。特集した中でも弘田三枝子「私のベイビー」、「砂に消えた涙」ですね。そして坂本九、今聴いた「花咲く街角」。これは全部が漣健児さんの訳詞です。ではここで草野昌一、またの名を漣健児、彼が手掛けた曲を聴いてみます。「L-O-V-E」、ナット・キング・コール。

・L-O-V-E

佐野元春 : 「L-O-V-E」、ナット・キング・コール。今夜のMotoharu Radio Show、特集 「ジャパニーズ・ポップミュージックの夜明け」と題して'50年代から'60年代にかけての日本のポップスを特集しました。こうして聴いてみると新しい発見があっておもしろいですね。僕の興味はやはり自分がソングライターということもあって曲の中の言葉ですね。日本語がどんなふうにビートにフックしているのか、それを歌手がどう歌ってるか。そこに興味を持ちました。その点でいうと今日特集した中では二人の女性シンガー、雪村いづみと弘田三枝子、この二人のシンガーの歌は本当に素晴らしいなと思いました。そして訳詞家の漣健児さんですね。日本語を使ったポップソングの表現、日本語をどうビートに乗せていくか。いろいろな試行錯誤が見えてとても興味深かったです。さて特集最後に僕の歌も聴いてみてください。僕は'50年代ロカビリーの世代ではないんですがこんな曲を書きました。時が時ならもしかしたら僕もあの日劇ウエスタン・カーニバルのステージに立っていたのかもしれません。前田憲男さんの編曲でレコーディングしたオーケストラ・ヴァージョン。この曲を聴きながらお別れです。Bye Bye Handy Love。

・Bye Bye Handy Love

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show。楽しんでもらえましたか。特集「ジャパニーズ・ポップミュージックの夜明け」。どうでしょうか。どの曲もエレガント、そしてイノセント。懐かしいけれどモダン、そんな感じでした。素敵ですね。さて来週のテーマは「What is HIP?」、ファンキーでご機嫌な曲を集めてみます。THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。次回の放送は来週8月14日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。
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TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING

2020年08月04日 | 山下達郎

個人サイトにTATSURO YAMASHITA SUPER STREAMINGのレポートをアップしました。
よろしくお願いします。

今回のライヴ映像初配信に関するサンソンでの達郎さんのコメントをまとめました。

●7月12日放送
「この度、私も初めて動画配信サービスを使ってライヴ映像をストリーミング配信することになりました。以前からいろいろと計画はしていたんですけれど、こうした時代になりましたので、ちょっと早く実現することになりました。私、この番組をお聴きのみなさまでしたらよくご存知の通り、自分のライヴ映像をですね、映画館とライヴハウス以外で公開したことありません。テレビにも乗っけたことがありません。ですが、まぁ、今回のウイルス騒ぎでですね、エンターテイメント業界が深刻な危機であります。ライヴどんなにやりたくてもやれない。そしてそれが今のところいつまで続くのかわからないという。ですので再びライヴができるようになるまでの間に、違う可能性模索しなければなりません。ですので、それならばインターネットを介してバーチャル・ライヴ、いわゆる動画配信サービス使って、リアル・ライヴ体験にどういう具合に肉薄できるか、どこまで再現できるかっていうようなことを、やらなければならない。私も挑戦してみようと思い立ちまして、はじめることにいたしました。題して山下達郎 SUPER STREAMING。えへへ。すごいなこれ(笑)。バーチャル・ライヴというのはですね、いろいろなファクターがあるんですけれど、いちばん私が重要視したのは音質のクオリティーです。あとは配信に関してセキュリティーですね。ダビングをされてまたそれをユーチューブに上げられるとか、そういうことがすごく僕は疑問があるので。そういうことがなるべくできないようなシステムはないのかと、そういうようなことを、ずっと模索してまいりまして。ちょうど私のライヴのプロジェクションをやってもらってますミュージックスラッシュというプロジェクトがありまして。この人たちがちょうどそうした音質向上とセキュリティーが強固なシステムというのを構築してくれまして。そこの力を借りてやってみたいと思います」と達郎さん。

●7月19日放送
「こういう時代で配信プラットフォームいろいろとできましたけれども、様々な配信プラットフォームございますけれど、私が今回一緒にやっておりますMUSIC/SLASH。ここではチケットの販売数に合わせて、配信環境を最適に構築準備するために、前売りのみの販売で、受付期間も短く設定されております。当日券の発売等ございませんのでご注意ください。いろいろなお問い合わせはいただいておりますけれども、何しろこちらも初めてのことですので、いろいろと不都合ございますけれども、未来に向けて少しずつ改善していきたいと思っております。視聴方法など詳しくは山下達郎オフィシャルサイト、ここでMUSIC/SLASHのリンク貼ってございますので、そちらでご確認ください。お申し込みお忘れなく、奮ってご参加、何卒よろしくお願い申し上げます」と達郎さん。

●7月26日放送
「さて、いよいよ今週7月30日木曜日ですね、私の初めての映像配信ライヴ、TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING。7月30日の木曜日20時にスタートになります。たくさんのご応募本当にありがとうございます。みなさまのご期待に応えるべくスタッフ一同努力しておりますが。チケットお買い求めいただきましたみなさまに、繰り返し申し上げておりますが、いわゆる普通の配信と違いまして、見逃し配信、それからアーカイヴの設定はございません。本当のリアル・ライヴとおんなじようにですね、一期一会の設定でございます。ですので、お一人お一人開演時間に合わせましてご準備よろしくお願いします。19時からログインできますので、お早めにログインいただきますとうれしいです。私のいつものライヴとおんなじようにですね、開演前のBGMちゃんと流れておりますので、それでもお聴きになりながらお願いします。ただいろいろ従来と違いまして配信ですと権利関係がうるさいんです(笑)、音のね。ですのでそういうものがちゃんとクリアできてる音源があんまりないので(笑)、気持ちですけれども、でも十分にいつものライヴの雰囲気ではありますので。
このMUSIC/SLASHという私のライヴを配信してくれてる会社は最高音質に拘っておりますので、視聴者のみなさまに多くご負担をおかけしているようです。ですが最高音質と、それからセキュリティの確保という、そういうものの趣旨をご理解いただきまして、何卒よろしくお願い申し上げます。視聴環境、視聴方法など詳しくはMUSIC/SLASHのツイッター、オフィシャル・アカウントに細かな情報アップされております。いわゆるFAQですね、がございますので、そこに詳しく具体的に書かれております。私の山下達郎オフィシャルサイト、ここからMUSIC/SLASHのリンク貼ってございますので、もしくはGoogleとかでMUSIC/SLASH入れていただければ一発で入れますので、そちらを何卒併せてご確認ください。
で、今回は初めての試みなので配信用に計画されたライヴではございません。ですがミックスダウン、リマスター、そういうような作業を完璧を期してやっておりますので、満足いただける音質を目指して目下やっておりますのでご期待ください。
これは私の個人的な意見なんですけれど、ネットでのリアル・ライヴというのはあまり意味がないんです。例えばNHKの紅白歌合戦みたいな、膨大なインフラの中で、テレビの歴史に裏打ちされた膨大なインフラの中でしたら、事故がありませんけれど、ネットというのはかなり不安定なメディアなので、やっぱり無修正のそれ用に設定されたライヴを、であればそれをミックスダウンちゃんとしまして、リマスターして、ネットで配信されるクオリティに沿ったですね、音質向上を努めるのが今のネット配信のですね、僕はベストなウェイだと思いますので、修正とかそういうのしなければ(笑)、いいので一発勝負でガチンコですけれども、でもバランスとかミックスのそうしたクオリティは必ず確保しなきゃなんないという、そういうような意図でこれからやっていきますので、この先一発勝負、いつものライヴのセットでやれるように、ここから先計画していきたいと思いますので、まずは取っ掛かりでございますので、全ては初めてなのでよろしくお願いします。というわけで長くなりました。今週木曜日の配信当日楽しんでいただければと思っとります。何卒よろしくお願い申し上げます。お待ち申し上げております」と達郎さん。

●8月2日放送
7月30日(木)に配信したTATSURO YAMASHITA SUPER STREAMINGは達郎さんもリアルタイムで聴いていたとか。
「自分のやつを自分で聴くのはなんかこそばゆい感じがするんですけれども、自分で言うのもおかしいんですけれども、ひじょうに音質的にいい音で送出することができまして、さらにハイスペックを目指して今後ともやっていこうと思います。今回は3年前の音源をお聴きいただきましたけれども、いわゆるリアル・ライヴに近いものを、これから先は目指せればなぁと思っとります。近いうちにまた違う企画でできればなと思っております。とにかく本当の意味でのホールでのライヴとかそういうものができませんので、その分、我々がライヴと呼べるようなものになるべく近づけたものをですね、ことをやっていかなければいけませんので、またさらにいろいろと挑戦をしていきたいと思います。初めての、生まれて初めて配信もやりましたし、生まれて初めての試みでしたけれども、たくさんの方にご覧いただきましてご好評いただきましてありがとうございます。初めてでしたのでいろいろと受信状況が悪いとかそういうような方もいらっしゃいましたけれども、この先どんどん改善してまいりたいと思います。引き続きご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます」と達郎さん。

今後の映像配信のためにもMUSIC/SLASHのツイッター・アカウントをフォローしておくというのはいかがでしょうか。
https://twitter.com/music_slash

そのツイッターのアカウントでエムスラの谷田さんがリンクしていたレポートはこちら。
https://www.lmaga.jp/news/2020/08/143349/
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Sunday Song Book #1451

2020年08月02日 | Sunday Song Book

2020年08月02日プレイリスト「珍盤・奇盤特集」
1. 悲しきハート / 弘田三枝子 '63
2. ウブウブ(リンダ音頭) / 山本リンダ '75
3. ゴジラ音頭 / ビクター少年民謡会 '84
4. 逢えば好き好き / マーガレット with バニーズ '68
5. ミミの甘い生活 / 沢久美 '70
6. ハイティーン・ゴーゴー / 森本和子 '66
7. サウスポー / 少年探偵団 "恐怖の人間カラオケ" '79
8. 呆阿津怒哀声音頭 / 蘭越ジミー "レッツ・オンド・アゲイン" '78
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
冒頭の声が最近いがらっぽいのは、豆腐に石垣ラー油をかけて食べるのがはやりで、辛いの食べると声がいがらっぽくなる。しばらく喋ってるうちに治るそうだ。
7月30日(木)に配信したTATSURO YAMASHITA SUPER STREAMINGは達郎さんもリアルタイムで聴いていたとか。
「自分のやつを自分で聴くのはなんかこそばゆい感じがするんですけれども、自分で言うのもおかしいんですけれども、ひじょうに音質的にいい音で送出することができまして、さらにハイスペックを目指して今後ともやっていこうと思います。今回は3年前の音源をお聴きいただきましたけれども、いわゆるリアル・ライヴに近いものを、これから先は目指せればなぁと思っとります。近いうちにまた違う企画でできればなと思っております。とにかく本当の意味でのホールでのライヴとかそういうものができませんので、その分、我々がライヴと呼べるようなものになるべく近づけたものをですね、ことをやっていかなければいけませんので、またさらにいろいろと挑戦をしていきたいと思います。初めての、生まれて初めて配信もやりましたし、生まれて初めての試みでしたけれども、たくさんの方にご覧いただきましてご好評いただきましてありがとうございます。初めてでしたのでいろいろと受信状況が悪いとかそういうような方もいらっしゃいましたけれども、この先どんどん改善してまいりたいと思います。引き続きご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます」と達郎さん。

・珍盤・奇盤特集
コロナの感染が再び拡大している。こういうご時世なので番組も辛気臭くやっても仕方がないので、こういうご時世を笑い飛ばせるが如く、今週は3年ぶりに「珍盤・奇盤特集」。しかし音をし込んでやっていたらパソコンが飛んでしまったので、それまでリマスターしてたデータで今週は凌ぐことにしたそうだ。昔かけたのと重複するところもあるが何度聴いてもおもしろいので今週は「珍盤・奇盤特集」。

・悲しきハート
「さて、弘田三枝子さんがお亡くなりになりました。戦後最大の力量を持つシンガーのひとりの方であります。こういうご時世のせいもあってでしょうか、ほとんどメディアには上りません。本当に残念なことであります。また日を改めて特集なりなんなりしたいと思いますが、竹内まりやさんが納涼夫婦放談来たときに、もうちょっと掘り下げていってみたいと思います。今日は追悼の意味で一曲だけ」と達郎さん。1963年、弘田三枝子さん16歳の作品。オリジナルはイギリスのスーザン・シンガーが歌った「LOCK YOUR HEART WAY」という曲。このオリジナルより遥かに弘田三枝子さんの方が優れたヴァージョンと達郎さん。いわゆる和製ポップスの範疇の曲で作詞はみナみカズみ(安井かずみ)さん。

・ウブウブ(リンダ音頭)
梅雨明けして夏がはじまったので音頭ものから。まずは「珍盤・奇盤特集」の常連の山本リンダさん、1975年の31枚目のシングル「ウブウブ」。副題は「リンダ音頭」。作曲は加瀬邦彦さん。編曲は萩田光雄さんなので、いつもの山本リンダさんの超絶さが少し弱められている。「でも加瀬さんの方が逆に、その超絶さにちょっと寄ってきている。そういうふうな(笑)、感じもいたしますが」と達郎さん。

・ゴジラ音頭
続いて季節柄なのでこれも音頭もの。1984年にビクターが製作した「ゴジラ音頭」。名義はビクター少年民謡会。作曲しているのは編曲家として大変有名な高田弘さん。編曲家としてちあきなおみさんの「喝采」や麻丘めぐみさんの「芽ばえ」。
曲をかけ終えて。「1984年、ビクター少年民謡会とクレジットになってますけれども(笑)、歌ってるのは大人ですね。でも伊集加代子さんじゃないですね、声がですね。誰でしょうね、これね。ゴジラ音頭。ゴジラ生誕30年で、映画とかゲームとかいろいろ出た年であります。その一環でございます」と達郎さん。

「あまりブラックなものだと世相が暗いのでアレなのて罪のないやつ。でも珍盤・奇盤というものはですね、狙ったやつはおもしろくないんですよね。本気でやってんだけどズレてしまってるとかですね、どっかにボコっと穴が空いてると言いましょうか、そういうものが時の試練に耐えていくと言いましょうか。そういうものなんです。ですからコメディアンのレコードとかほとんどかけたことがありません」と達郎さん。

・逢えば好き好き
歌ってるのはマーガレットというハーフの女の子。彼女の歌に寺内タケシさんの作編曲。演奏は寺内タケシとバニーズなので演奏は超一流。1968年の「逢えば好き好き」。当時、18,19歳のマーガレット。達郎さんより年上の女性。今は生演奏ではなくマシンでやるからイマイチ面白味がない。生演奏のグルーヴに心許ない歌が乗ってるからおもしろい、と達郎さん。

・免許とドラレコ
長野県上田市の超常連のリスナーから「達郎さんは何歳の時に免許を取りましたか。ドラレコは付けてますか?」という質問。
免許は18歳の誕生日の時に申し込みに行ったそうだ。ドライブ・レコーダーはあるという。昔乗ってたクルマはドライブ・レコーダーがなくて、くっつけていたが、今のクルマはドライブ・レコーダーもカーナビもAVも付いてるとか。

・ミミの甘い生活
歌っているのは沢久美さんというポリドールの歌手の人。1970年に発売したセカンド・シングル「ミミの甘い生活」。書いたのは信楽順三さん。アレンジしている早川博二(はやかわひろつぐ)さんとペアで数々の超絶名作を作った。信楽順三さんのいちばん有名なヒット曲は狩人の「アメリカ橋」。それよりも今は超絶歌謡の方で知られている。男の人の吐息が今だったらサンプリングで簡単にできるけれど、それを人力でやってるから笑える。じわじわと染みてくる名作。全くの余談だが沢久美さんは2015年に平浩二さんに書いた作詞の作品が盗作で、それで名前が出てきたとか。

・今後の予定
来週は引き続き「珍盤・奇盤特集」。再来週は「納涼リクエスト大会」。その後の8月23日、30日は竹内まりやさんをゲストに迎えて「納涼夫婦放談」。
リクエスト、お便りはメールでも受付している。TFMのウェブサイトに番組のリクエスト・フォームを開設。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・山下達郎 Special Acoustic Live展
本来なら今年は月に一回アコースティック・ライヴ・ツアーを行っているはずだか、今のところ今後の予定が見通せない。それに伴い「山下達郎 Special Acoustic Live展」を開催することになった。当初の計画ではアコースティック・ライヴに併行して各地を巡回する予定だったが、予定が遅れて9月から札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡、他、各地を巡回して行う。ライヴハウスのライヴを体現できる展示という企画で、ガイドラインに沿って感染症対策を行う。日程や会場、チケット情報などは8月中旬に番組内で改めて発表するとのこと。

・プレゼント
東京のライヴハウス、ロフトのオーナーだった平野悠さんが処女作となる小説『セルロイドの海』を書き、先日発売された。あと以前ライヴハウスロフトについて書いた『定本ライブハウス「ロフト」青春記』が改訂されて再版された。それぞれ各10冊ずつ番組でプレゼント。応募はハガキとメールで受け付けている。

プレゼントの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・AuDee(オーディー)
TOKYO FMと株式会社ジャパンエフエムネットワーク(JFNC)のアブリ、オーディオコンテンツプラットフォーム「AuDee(オーディー)」。JFN PARKからのリニューアルに伴い、TOKYO FMのパーソナリティがラジオについて語る特集が組まれている。達郎さんもTOKYO FM開局50周年、民放FM50周年に寄せて、達郎さん自身のラジオ体験、開局当時のTFMの番組の思い出、サンソンのことなどを話しているそうだ。iOS版、Android版、それぞれのアブリストアからインストールすることで無料で聴くことができる。

・ハイティーン・ゴーゴー
コロムビアの歌手、森本和子さんの作品。1966年の「ハイティーン・ゴーゴー」は作詞吉岡治さん、作曲船村徹さん、編曲森岡賢一郎さんという素晴らしい陣容。その曲に乗っけてなぜか歌だけが妙に突き抜けてる。

・サウスポー
特集の常連で珍盤・奇盤の頂点に立つ作品。少年探偵団の1979年の6曲入りEP『恐怖の人間カラオケ』から「サウスポー」。少年探偵団は劇団の方でステージねたをレコーディングしたものらしい。川戸貴文さんが主宰されてたが2009年に亡くなられている。歌は普通だが後ろがアカペラでボイス・パーカッションのような感じ。ナイロン100℃のケラさんが参加していたという情報だが、このレコーディングには参加してないということが今はわかっている。ピンクレディーの「サウスポー」の超絶カヴァー。

・呆阿津怒哀声音頭
今日の最後は音頭もの。音頭ものと言えば大瀧詠一さんの『LET'S ONDO AGAIN』(ナイアガラ・フォーリン・スターズ、1978年)。その中で最も超絶なのは蘭越ジミーこと布谷文夫さんが歌う「呆阿津怒哀声音頭」 。長い曲で最後に伊集加代子さんが言う「長い曲だねこれ」がいちばん笑える、と達郎さん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年08月09日は引き続き「珍盤・奇盤特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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