<05月11日プレイリスト>
[PETER UDELL=GARY GELD(アデル・ゲルド)特集 Pt. 1]
うれしくてさみしい日(Your Wedding Day)/竹内まりや 5月21日発売ニュー・シングル
YOU ONLY LOVE ME/GLORIA LAMBERT '58
MOTORCYCLE MICHAEL/JOANN CAMPBELL '61
SEALED WITH A KISS/BRIAN HYLAND '62
THE NIGHT I CRIED/BRIAN HYLAND '61
OUT OF SIGHT, OUT OF MIND/BRIAN HYLAND '64
LOVE WILL FIND A WAY/BRIAN HYLAND '65
WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU/CONNIE FRANCIS '64
SAVE YOUR HEART FOR ME/GARY LEWIS & THE PLAYBOYS '65
SAVE YOUR HEART FOR ME/BRIAN HYLAND '63
WE'LL WORK IT OUT/GARY LEWIS & THE PLAYBOYS '65
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■内容の一部を抜粋
・近況
ニュー・シングル「ずっと一緒さ」購入者を抽選で招待する(「Sunday Songbook」800回記念)アコースティック・ミニライヴを連休中に東京で行った。一日二公演を二日連続なんて久しぶりだったとタツローさん。昨日大阪公演があったが、番組は前倒しで録音しているのでまだ感想は言えないとのこと。
・PETER UDELL=GARY GELD(アデル・ゲルド)特集
今週、来週はソングライター特集でPETER UDELL=GARY GELD(アデル・ゲルド)のソングライター・コンビを取り上げる。どちらかというとミドル・オブ・ザ・ロード、ソフトロックの作品に名作が多い人たち。典型的な職業作家で、ロックンロール・エイジより一世代前の職業作家なので、いろんな作風を書き分けることができる。その中から日本人受けするソフト・サウンディングなものを中心に取り上げるとのこと。
・うれしくてさみしい日(Your Wedding Day)
6月のジューン・ブライドが近づいてきてリクエストが多い。
毎週金曜日の午後10時からTBS系列でオンエアされてる天海祐希さん主演のドラマ『Around 40 ~注文の多いオンナたち~』の主題歌「幸せのものさし」とダブル・タイトルでシングルとなる。シングルにはもう1曲、来るべきベストの予告編で「元気を出して」が収録されている。ベスト・アルバムのリクエストを募ったところ1位が「駅」で、2位が「人生の扉」、3位が「元気を出して」という結果だったそうだ。3曲入りで5月21日発売。
・PETER UDELL=GARY GELD(アデル・ゲルド)
ピーター・アデルが作詞家、ゲーリー・ゲルドが作曲家。ティン・パン・アレイ、ジャズの時代の作家チーム。ふたりとも1930年代に生まれた人たち。バリー・マンもキャロル・キングも1940年代あたまの生まれなのでアデル/ゲルドは一世代上になる。ゲーリー・ゲルドはジュリアード音楽院を卒業したアカデミックな人で、ピーター・アデルもホーギー・カーマイケルなどスタンダードの作曲家と一緒に仕事を初めて作詞家としてスタートしたのでキャリアの長い人たち。だから作風も多岐に渡っている。
・YOU ONLY LOVE ME
ピーター・アデルは1960年代に入る直前にゲーリー・ゲルドとソングライター・チームを結成して自分たちの出版社を作った。その直前の1958年にピーター・アデルがモーリス・チャーラップという作曲家とコンビを組んでた頃に発表した作品。女性シンガーのグロリア・ランバートに書いた曲。
・MOTERCYCLE MICHEL
1961年にアデル/ゲルドのコンビで女性シンガー、ジョーアン・キャンペルに書いたロカビリー趣向の曲。
・SEALED WITH A KISS
ピーター・アデルはニューヨーク生まれ。ゲーリー・ゲルドはニュージャージーの生まれ。当時の東海岸の音楽文化を浴びて育った人たち。1962年にブライアン・ハイランドに書いた「ITSY BITSY TEENIE WEENIE YELLOW POLKA DOT BIKINI」(邦題「ビキニスタイルのお嬢さん」)がヒットして有名になった。それに続いて出した「SEALED WITH A KISS」はアデル/ゲルドの最高傑作で、最も成功した1曲となった。レターメンやハプニングスなど数多くカヴァーされている。1962年全米3位、邦題「涙の口づけ」。
・THE NIGHT I CRIED
1961年にアデル/ゲルドがブライアン・ハイランドに書いたシングル「I'LL NEVER STOP WANTING YOU」のB面。
タツローさんが好きな「アデル/ゲルドがブライアン・ハイランドに書いた曲3連発」の中の1曲。
・OUT OF SIGHT, OUT OF MIND
アデル/ゲルドが1963年にブライアン・ハイランドに書いた曲。
タツローさんが好きな「アデル/ゲルドがブライアン・ハイランドに書いた曲3連発」の中の1曲。
・LOVE WILL FIND A WAY
アデル/ゲルドが1965年にブライアン・ハイランドに書いたボサノヴァの曲。
タツローさんが好きな「アデル/ゲルドがブライアン・ハイランドに書いた曲3連発」の中の1曲。
アデル/ゲルドは小品の作家で大作はあまり書かない。この3曲もシングルのB面かアルバムの中の曲。アデル/ゲルドのアメリカン・ポップス然とした音は1960年代半ばのブリティッシュ・インベンションで一挙に古臭くなり消えてしまった。ヒットも途絶えがちになったことからロサンゼルスに居を移して、そこから再出発して、またヒット作が出るようになった。
・WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU
コニー・フランシスが主演した1964年の映画『LOOKING FOR LOVE』(邦題は『ハートでキッス』)でコニー・フランシスがアデル/ゲルドの「WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU」を歌っている。
http://search.varietyjapan.com/moviedb/cinema_6954.html
・SAVE YOUR HEART FOR ME
アデル/ゲルドがL.A.に居を移してから出たヒット曲。ゲイリー・ルイス&プレイボーイズの大ヒット。1965年の全米2位。
もともとはブライアン・ハイランドが1963年に出したシングルのB面を、スナッフ・ギャレットが気に入ってシングル・カットにした。
実はブライアン・ハイランドの「SEALED WITH A KISS」もカヴァーで、1960年あたりに他のミュージシャンがレコーディングしている。カヴァーがヒットするというのは職業作家らしいといえる。今となっては耳なじみのいい「A&R」はARTIST & REPERTRYの略。歌手にどういう曲を歌わせるのかを考えるのがA&Rの仕事だった。
・WE'LL WORK IT OUT
タツローさんが中学生の頃聴いたゲイリー・ルイス&プレイボーイズの曲。この曲を書いてる人は誰だろうと調べたらアデル/ゲルドだった。ゲイリー・ルイス&プレイボーイズの1965年のアルバム『EVERYBODY LOVES A CROWN』の中に収録されている。イントロはたぶんレオン・ラッセルのピアノだと思うとタツローさん。
タツローさんは20年後の1985年にこの曲に影響されて「土曜日の恋人」を書いた。「WE'LL WORK IT OUT」のビートで曲を作るのが夢だったそうだ。「未だにアデル/ゲルドの最高傑作はこれだと信じて疑いません」とタツローさん。ゲイリー・ルイスはインタビューでレコーディングはしたけれどステージで歌ったことはないと話しているという。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
05月18日は、「PETER UDELL=GARY GELD(アデル・ゲルド)特集 Pt. 2」