録画していた第49回グラミー賞授賞式を見た。今回のオープニング・アクトは結成30周年のポリス。あのポリスだ。歌った曲は「ロクサーヌ」。パフォーマンス自体は悪くなかった。スティングの声は衰えなし。グラミー賞の翌日に記者会見して再結成ツアーの発表があった。
授賞式は最優秀ポップ・コラボレーション・ウィズ・ボーカル賞をトニー・ベネット&スティーヴィー・ワンダーの「For Once In My Life」が獲得したところからはじまった。
R&B部門の授賞式でパフォーマンスを披露したのはビヨンセ。彼女を紹介したのがプリンスで、出てきて「一言だけ。ビヨンセ」と言い放った。印象的な場面だった。R&B部門はメアリーJ.ブライジがほぼ独占した。
トリヴュート・ライヴはいつもセグメントの後にやっていたが、今回は独立していて、イーグルスとジェームス・ブラウンが取り上げられた。セグメントの後にダンス・パフォーマンスがあって、ここで取り上げられたのもJB。最後に真っ赤なマントがマイク・スタンドにかけられ、そこにスポットライトがあてられた。非常に感動的なシーンだった。
今回のグラミーは「グラミー・モーメンツ」というコンテストも同時に開催されていた。アメリカでは「アメリカン・アイドル」という「スター誕生」みたいなオーディション番組が当っている。最優秀新人賞もこの番組の出身者が初受賞。なんだかツマラナイ。
カントリー・アルバムを受賞したのがディクシー・チックス。2003年のロンドン公演で「ブッシュ大統領が同郷のテキサス出身なんていうのが恥なの」と発言してアメリカで大バッシングを受けた。不買運動、ラジオでの放送禁止などを乗り越えての受賞。カントリー界からは未だに冷たくされているそうで、「私たちが喜んでいる時、テレビを切った人たちもいるんでしょうね」と堂々の勝利宣言があった。結局、ディクシー・チックスはノミネートされた賞をすべて受賞。主要三部門を独占した。リベラルの風が吹き荒れたのだ。最後の最優秀アルバム賞のプレゼンターはドン・ヘンリーだったが、ディクシー・チックスとその家族、そして友人たちをリスペクトしていた。
グラミー賞はショウを優先させるから、ちゃんと紹介されない受賞者も多い。ドン・ヘンリーも
名誉パーソン賞というのを受賞している。オフィシャル・サイトの
ウィナー・リストを見たら、ブルース・スプリングスティーンがトラディショナル・フォーク・アルバム部門と『メイキング・オブ・ボーン・トゥ・ラン』で長編ミュージック・ビデオ部門のグラミーを獲っていたし、ディランもソロ・ロック・ヴォーカル部門とコンテンポラリ・フォーク/アメリカン・アルバム部門でグラミーを獲ったし、映画音楽楽曲賞でランディー・ニューマン(作曲)とジェームス・テイラー(歌)がグラミーを獲っていた。
第49回グラミー・アワーズ、主要部門の受賞アーティストは以下の通り(
BARKSより)。
●レコード・オヴ・ザ・イヤー
ディクシー・チックス「Not Ready To Make Nice」
●アルバム・オヴ・ザ・イヤー
ディクシー・チックス『Taking The Long Way』
●ソング・オヴ・ザ・イヤー
ディクシー・チックス「Not Ready To Make Nice」
●最優秀新人
キャリー・アンダーウッド
●最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス
クリスティーナ・アギレラ「Ain't No Other Man」
●最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス
ジョン・メイヤー「Waiting On The World To Change」
●最優秀ポップ・パフォーマンス(デュオ or グループ)
ブラック・アイド・ピーズ「My Humps」
●最優秀ポップ・コラボレーション
トニー・ベネット&スティービー・ワンダー「For Once In My Life」
●最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム
ジョン・メイヤー『Continuum』
●最優秀ダンス・レコーディング
ジャスティン・ティンバーレイク&ティンバランド「Sexy Back」
●最優秀エレクトロニック/ダンス・アルバム
マドンナ『Confessions On A Dance Floor』
●最優秀ソロ・ロック・パフォーマンス
ボブ・ディラン「Someday Baby」
●最優秀ロック・パフォーマンス(デュオ or グループ)
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「Dani California」
●最優秀ハード・ロック・パフォーマンス
ウルフマザー「Woman」
●最優秀メタル・パフォーマンス
スレイヤー「Eyes Of The Insane」
●最優秀ロック・ソング
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「Dani California」
●最優秀ロック・アルバム
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『Stadium Arcadium』
●最優秀オルタナティヴ・アルバム
ナールズ・バークレイ『St Elsewhere』
●最優秀女性R&Bパフォーマンス
メアリー・J.ブライジ「Be Without You」
●最優秀男性R&Bパフォーマンス
ジョン・レジェンド「Heaven」
●最優秀R&Bパフォーマンス(ディオ or グループ)
スライ&ザ・ファミリー・ストーン、ジョン・レジェンド、ジョス・ストーン、ヴァン・ハント「Family Affair」
●最優秀アーバン/オルタナティヴ・パフォーマンス
ナールズ・バークレイ「Crazy」
●最優秀R&Bソング
メアリー・J.ブライジ「Be Without You」
●最優秀R&Bアルバム
メアリー・J.ブライジ「The Breakthrough」
●最優秀コンテンポラリーR&B・アルバム
ビヨンセ『B'Day』
●最優秀ラップ・ソロ・パフォーマンス
T.I.「What You Know」
●最優秀ラップ・パフォーマンス(ディオ or グループ)
カミリオネア ft. クレイジー・ボーン「Ridin'」
●最優秀ラップ/スナッグ・コラボレーション
ジャスティン・ティンバーレイク ft. TI「My Love」
●最優秀ラップ・ソング
リュダクリス ft. ファレル「Money Maker」
●最優秀ラップ・アルバム
リュダクリス『Release Therapy』
●最優秀女性カントリー・ヴォーカル・パフォーマンス
キャリー・アンダーウッド「Jesus, Take The Wheel」
●最優秀男性カントリー・ヴォーカル・パフォーマンス
ヴィンス・ジル「The Reason Why」
●最優秀カントリー・パフォーマンス(デュオ or グループ)
ディクシー・チックス「Not Ready Make Nice」
●最優秀カントリー・ソング
キャリー・アンダーウッド「Jesus, Take The Wheel」
●最優秀カントリー・アルバム
ディクシー・チックス『Taking The Long Way』
●プロデューサー・オヴ・ザ・イヤー
リック・ルービン
●最優秀ショート・フォーム・ミュージック・ビデオ
OK GO「Here It Goes Again」
●最優秀ロング・フォーム・ミュージック・ビデオ
ブルース・スプリングスティーン「Wings For Wheels: The Making Of Born To Run」
●最優秀ボックス/スペシャル・エディション・パッケージ
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『Stadium Arcadium』