2017年09月24日プレイリスト
「グレン・キャンベル追悼」
1. REBORN / 山下達郎 09月13日発売ニューシングル
2. TURN AROUND LOOK AT ME / GLEN CAMPBELL '61
3. GENTLE ON MY MIND / GLEN CAMPBELL '67
4. BY THE TIME I GET TO PHOENIX / GLEN CAMPBELL '67
5. WICHITA LINEMAN / GLEN CAMPBELL '68
6. GALVESTON / GLEN CAMPBELL '69
7. WHERE'S THE PLAYGROUND SUSIE / GLEN CAMPBELL '69
8. TRUE GRIT / GLEN CAMPBELL '69
9. TRY A LITTLE KINDNESS / GLEN CAMPBELL '69
10. ADIOS / GLEN CAMPBELL "ADIOS" '17
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■内容の一部を抜粋
・近況
先週の日曜日は氣志團万博2017に出演。「雨がすごかったんですけれど私が出るときに運よく小降りになりまして38分の演奏時間でしたけれども飛ばして(笑)、珍しくですね、飛ばしていきました(笑)。お出でいただきましたお客さま、ありがとうございました。たくさんお便りいただきましたが来週あたりご紹介しようかなと思っております」と達郎さん。
・グレン・キャンベル追悼
グレン・キャンベルが8月8日に亡くなった。享年81歳。アメリカを代表する、特に1960年代から1970年代にかけてポップ・カントリーのジャンルで一世を風靡した。今週は「グレン・キャンベル追悼」特集。キャリアが長いのでほんの舐める程度。
・REBORN
昨日の土曜日、9月23日に映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が封切られた。先行で9月13日に発売したシングル「REBORN」には、カップリングとして映画の中で門脇麦さんがセリというシンガーの役で歌うヴァージョン、ストリート・ミュージシャン役の林遣都さんが映画の中でハーモニカを演奏するが、ハーモニカのインストゥルメンタル・ヴァージョン(演奏はスタジオ・ミュージシャン)をサウンドトラック仕様で収録。それにプラスして山下達郎のシングルとしての側面でライヴ・テイクを収録していて、今年の7月9日の中野サンプラザ公演から伊藤広規、難波弘之、山下達郎の3人ライヴで「ターナーの汽罐車」のアコースティック・ヴァージョン、それと昨年の10月4日に新宿ロフトで行った新宿ロフト40周年ライヴから「DRIP DROP」のアコースティック・ヴァージョンが入ってる。
・TURN AROUND LOOK AT ME
グレン・キャンベルは1936年、アメリカ南部アーカンソー生まれ。エルヴィス・プレスリーの一歳下のロカビリー世代。カントリー・ミュージックを中心に習得し、1960年代の頭にロサンジェルスに出てきてスタジオ・ミュージシャンの仕事をする。かなりの腕利きのギタリストで歌も歌える、バックグラウンド・ヴォーカルもできるということで重宝された。当時のL.A.のギタリストで5本の指に入るぐらい上手いギタリストでたくさん仕事をしている。歌手を志望していろんなところでレコーディングして、1961年に最初のヒットが生まれる。全米62位まで上がったのが「TURN AROUND LOOK AT ME」。後にヴォーグスがヒットさせた。
・GENTLE ON MY MIND
その後、鳴かず飛ばずだったが1967年に待望のヒットが出て、それから順風満帆になった。プロデューサーでアレンジャーのアル・デ・ローリーと組んでキャピトルから出した「GENTLE ON MY MIND」が全米62位とスマッシュ・ヒットだがカントリー・チャートではかなり上がり、1968年に再チャートインして39位になった。この辺りからグレン・キャンベルはだんだん有名になっていく。
曲をかけ終えて。達郎さんが高校一年の頃、FENで毎晩深夜にこの曲がかかっていて、この曲を聴くとその頃の中間テストとか思い出してしまうそうだ。ジョン・ハートウッドの作品で言葉が多く、何を歌っているかよくわからない散文的な歌。1967年にグラミーのカントリー・ヴォーカル賞、カントリー&ウエスタン・レコーディング賞を受賞した。
・BY THE TIME I GET TO PHOENIX
同じ1967年に出したシングル「BY THE TIME I GET TO PHOENIX」がグレン・キャンベルの名声を上げることになった。このときにコンビを組んだジミー・ウェッブは1967年のグラミー最優秀楽曲賞、グレン・キャンベル自身は男性ヴォーカル賞、アルバム賞も受賞する。1967年、全米26位。邦題は「恋のフェニックス」。
・WICHITA LINEMAN
年が明けて1968年にはグレン・キャンベルはスターダムにのし上がっていく。この時代のグレン・キャンベルを聴くことはジミー・ウェッブを聴くこととイコールだった。1968年、全米3位のミリオンセラー「WICHITA LINEMAN」。グレン・キャンベルの代表作で電話線の保守をしている人の歌。ひとりでクルマを運転し電話線の保守をしている男の孤独を描き、独特の哀愁感のある作品に仕上がっている。この時代のグレン・キャンベルは1967年にアルバム3枚、1968年にはアルバム4枚、1969年になるとライヴを含めてアルバム5枚を出している。ビーチボーイズのようにどんどんどんどんアルバムを出させる。キャピトルというのはそういう会社。
・GALVESTON
1969年、全米4位のミリオンセラー「GALVESTON」。フェニックス、ウィチタと来てテキサス内部の都市ガルベストンを題材にしたジミー・ウェッブのペンになる作品。
・ニュー・シングル「REBORN」のポスター
9月23日公開の映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の主題歌「REBORN」。ジャケットが好評なので同じデザインのポスターをサイン入りで30名にプレゼント。
■プレゼントの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
・『REQUEST』30th Anniversary
竹内まりやさんの1987年のアルバム『REQUEST』が30周年になるので30th Anniversary を11月22日に発売する。最新デジタル・リマスタリングの再発盤となる。今のところボーナス・トラックの選曲など行ってるため詳細は後日。
『POCKET MUSIC』30th Anniversary は来年『僕の中の少年』30th Anniversary と一緒にする予定だとか。ツアー中で無理だったという。
・WHERE'S THE PLAYGROUND SUSIE
1969年の「WHERE'S THE PLAYGROUND SUSIE」。ジミー・ウェッブのブロークン・ラヴソングの中で達郎さんがとりわけ好きな曲。
・TRUE GRIT
ジミー・ウェッブから離れて。1969年にグレン・キャンベルは映画『TRUE GRIT』邦題『勇気ある追跡』に出演。ジョン・ウェイン主演の映画で主題歌「TRUE GRIT」は全米35位。
・TRY A LITTLE KINDNESS
1969年、「TRUE GRIT」に続くヒット、全米23位の「TRY A LITTLE KINDNESS」。この後はカントリー系のものとR&B系のものと別れていく。日本では'70年代になるとカントリー・ミュージックは入ってこなくなるがアメリカでは変わらず人気がある。
・ADIOS
グレン・キャンベルは2010年にアルツハイマーと診断されて長い闘病生活に入る。2011年のアルバムが遺作になるだろうと思われていたが、なんと今年最後のアルバム『ADIOS』が出た。レコーディングは2016年。アルバムの最後にはジミー・ウェッブの作品「ADIOS」が収録されている。
・今後の予定
今回は1969年までしかかけられなかったのでまた次の機会に。来週は番組25周年だがツアーが終わったばかりなので何もできず25周年記念「棚からひとつかみ」。これから何か企画を練ってやるつもりだそうだ。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2017年10月01日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp