この半年は僕の人生において激動の日々でした。
昨年の夏に母が他界して、生活が一変してしまいました。
僕自身も変わってしまったんじゃないかと
ときどき思いますが、こればかりは自分ではよくわかりません。
ブログを更新するペースが落ちたので
何かしら起こったんだと気がついた人もいるかもしれませんね。
さて、1月28日月曜日になんばhatchにてパティ・スミスを観てきました。
2009年9月に公開された『バティ・スミス : ドリーム・オブ・ライフ』を観てから気になっていたんです。
映画のレビューはブログに書きました。
http://blog.goo.ne.jp/sitedoi/e/53ed3ba510452d05ba1b517c134b5f2c
その頃参加していたソーシャル・ネットワーキング・サービスで僕はこんなふうに書いてます。
『LAND(1975-2002)』は7年前に発売されたコンピレーション盤。
当時購入した覚えがあったのでCDラックを見たのだが手元にはなかった。
たぶん、そんなにファンでもないからと躊躇して買わなかったのだ。
巡り巡ってようやく手元に。
SWITCH「ファッション特集:斉藤和義」に掲載されたパティ・スミス来日同行日記がいい。
フジロック・フェスティバルと東京観光の様子がモノクロ写真で綴られている。
浅草雷門前での記念写真ではお下げ髪のパティが少女のような笑みを浮かべている。
三島由紀夫の墓参りにも行っている。
立ち読みで十分かと思ったがこの記事と写真は手元に置いておきたくて購入。
いつかパティ・スミスのライヴにも足を運びたいなと思う。そんな日が来るのかな。
それから三年、パティ・スミスの来日公演が決定しました。
あの頃の楽天的な思いつきは母の喪中ということもあって
一度は断念することにしたんです。
いつかまた機会があればと。
でもチケットの発売から二ヶ月以上経ったある日、
いつかなんてこの年になるともう二度と来ないものだと思い、
僕はまた夢を見るために歩き出すことにしました。
もし当日になって無理なら、それはそれで仕方がないじゃないかと。
幸運にもチケットは残ってました。
スタンド席の最後列、天使のいたずらのように。
前置きが長くなりましたがライヴにはいつもと違う様々な思いを抱えて臨みました。
その夜は満月でした。パティ・スミスは大阪の聴衆に美しい月の話をしました。
会場では東日本大震災の遺児のために募金を募ってたので、ささやかながら協力しました。
彼女は最新アルバム『BANGA』に「Fuji-san」という曲を収録しています。
日本のために祈りを捧げた楽曲だそうです。
もちろんこの曲も演奏しました。和太鼓をフィーチャーして。
ライヴの中盤にはこの日、募金によって20万円が集まったと発表がありました。
抽選で一名にサイン入りのドラム・ヘッドがプレゼントされました。
終盤には代表曲が次々と披露されて「People Have The Power」は一緒になって歌いましたよ。
「Rock N Roll Nigger」ではギターの弦を引きちぎるというパフォーマンス。
パティ・スミスは素晴らしかったです。
■Patti Smith and her band JAPAN TOUR 2013
2013年1月28日(月) なんばhatch
2階E列3番
Patti Smith (vocals, guitar)
Lenny Kaye (guitar, vocals)
Jay Dee Daugherty (drums)
Tony Shanahan (bass, piano)
Jack Petruzzelli (guitar)
01. April Fool
02. Free Money
03. Fuji-san
04. Ghost Dance
05. Distant Fingers
06. Ain't It Strange
07. Dancing Barefoot
08. Beneath The Southern Cross
09. Night Time (The Strangeloves cover)
10. (We Ain't Got) Nothing Yet (The Blues Magoos cover)
11. Born To Lose (The Heartbreakers cover)
12. Pushin' Too Hard (The Seeds cover)
13. Because The Night
14. Pissing In A River
15. Gloria (Them cover)
Encore
16. Banga
17. People Have The Power
18. Rock N Roll Nigger
翌日にはパティ・スミスが自伝と詩集の出版を記念してサイン会をするというので参加しました。
店内に新しいアルバム『BANGA』が流れてました。彼女、一緒に口ずさんでましたよ。
●「骰子の眼」の連載"DICE TALK"にパティ・スミスのロング・インタビューが掲載されています。
初の自叙伝『ジャスト・キッズ』を刊行、来日したパティ・スミスが語る震災と原爆
『ジャスト・キッズ』『無垢の予兆』パティ・スミスインタビュー
#村上春樹が好きだなんてびっくり。
雑誌「BRUTUS」3/1号に彼女のフォトスリーブが掲載されてます。
来日公演の折りには鎌倉の銭洗弁天や小津安二郎、黒澤明の墓参りにも行ったということです。
大阪の茶屋町で開催されたサイン会では66歳という年齢以上に老けて見えました。
なんだか母を見てるような感じがしました。不思議な気持ちでしたね。
あるいは直感的でしたがそれは彼女に対する正しい見方なのかもしれないですね。
パティ・スミスは僕にとって女性というより母親。
今まで気がつかない振りをしてきたけれど、この写真を見て僕はそう思いました。
「無垢」という言葉がよく似合います。