2017年02月26日プレイリスト
「昼間の珍盤奇盤」
1. BLOW / 山下達郎 "レアリティーズ" '02('92)
2. 赤く赤くハートが / ザ・レンジャーズ '67
3. 太陽に抱かれたい / ジョニー広瀬 '67
4. IEKI吐くまで / 片岡鶴太郎 '86
5. ツイスト・アンド・シャウト / 東京ビートルズ '64
6. YOU DID IT TO ME / THE AMERICAN BEETLES '64
7. アローン・アゲイン / 草刈正雄 "青春の光と影" '76
8. スターウォーズのテーマ~カンテナバンド / 子門真人 '78
9.ゆうわく(オリーブの首飾り) / ローレン中野 '76
10. (SITTIN'ON) THE DOCK OF THE BAY / ボルテイジ '68
11. THE OKEH LAUGHING RECORD / UNKNOWN '22
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているという。3月18日にスタートするツアーのリハーサルに勤しむ毎日だとか。
・昼間の珍盤奇盤
先週、2月19日の夜にオンエアした「夜のサンデー・ソングブック ~珍盤奇盤 R-18~」を受けて今週は「昼間の珍盤奇盤」。「珍盤奇盤」は2年連続。毎年やるとネタがすぐなくなるので3年に一度ぐらいがちょうどいい、と達郎さん。リハーサル中なので音ネタを仕込むのがたいへんだから前にオンエアした楽曲のアーカイヴを中心に。
・BLOW
1曲目だけはリクエストに応えて「BLOW」。
・赤く赤くハートが
「珍盤奇盤」20年近い歴史の中でベスト・オブ・ベストはザ・レンジャーズの「赤く赤くハートが」。ザ・レンジャーズはグループ・サウンズのバンド。たいへん演奏力のあるバンドでクラウンからデビューした。「赤く赤くハートが」は1967年の作品。リード・ヴォーカルの宮城ひろしさんは今年で70歳を迎えるという。
・太陽に抱かれたい
珍盤奇盤といえば遠藤実さんのレーベル「ミノルフォン」にとどめを刺す。一体いつ寝てるのかというすごい制作本数で、中には「どうしてこれが!?」と発売されたこと自体が奇跡に近いようものが何枚もある。1967年の「太陽に抱かれたい」。1967年というとビートルズの『SGT. PEPPERS'S LONELY HEARTS CLUB BAND』や、ドアーズがデビューしたり、ジェファーソン・エアプレインの『SURREALISTIC PILLOW』が出たりエポック・メイキングな年で、珍盤奇盤にとってもエポック・メイキングな年だった。「太陽に抱かれたい」を歌っているのはジョニー広瀬さん。
曲をかけ終えて。
「これしかしキーの設定、どうやって遠藤先生は決定したんでしょうね。詞もすごい。"涙がバッチリ乾くまで"って。この時代だってこんなのないっすよ。すごいですね、しかし。何百回聴いてますけれど謎に満ちた作品ですね。オリジナル盤ほしくて探してるんですけれど、なかなか手にはいらないんだよコレ(笑)。へへ、ひどい(笑)」と達郎さん。
・IEKI吐くまで
1986年の片岡鶴太郎さんの「IEKI吐くまで」はオリジナル盤を手に入れたとか。秋元康さん作詞、見岳章さん作曲、竜崎孝路さん編曲。達郎さんは秋元康さんの初期の作品のコレクターだという。むかし一緒にお酒を飲んでいろんなことを教えてもらったとか。「とんでも戦士ムテキング」のアルバムの中の曲はシンガーの許諾が下りなくてCD化されなかったそうだが、ついにそのアルバムを手に入れて秋元康さんにサインしてもらったという。
曲をかけ終えて。
「惜しむらくは本当にうまい演歌歌手の人が歌ったらもっと凄みが出るのにですね。氷川きよしさんやらないですかね。これはまだCD化してないんですかね、カラオケほしいですねよ、コレね。B面がですね、床上手って曲なんですけれど、これ歌、片岡鶴太郎&乳ナヲミっていう。乳ナヲミさんって誰か秋元さんに訊いたら、秋元さんのオフィスの事務員だったつうの(笑)。機会があればB面も(笑)。なんだよ、それ(笑)。ふふ」と達郎さん。
・TWIST & SHOUT
先週オンエアした「TWIST & SHOUT」のいちばん超絶なのはご存知大瀧詠一さん監修の東京ビートルズ。2枚めのシングルのB面。1964年だからGS前記。
曲をかけ終えて。
「バックが少しもR&Bじゃないんですよね。あとは"C'mon C'mon, C'mon"の譜割りがハマりきってないという、あそこがなんとも言えないですね。訳詞はもちろん漣健児さんでありまして。ふふ。よく大瀧さんコレCDにしましたよね。4曲。抱きしめたい / PLESE PLESE ME / CAN'T BUY ME LOVE / TWIST & SHOUT」と達郎さん。
・YOU DID IT TO ME
東京ビートルズのような二番煎じは日本だけではなくアメリカにもあった。アメリカン・ビートルズというバンドはフロリダのバンドで、もともとはアーデルスという名前だったがアメリカン・ビートルズにさせられ、シングルを何枚か出したもののヒットせず。その後はレイザーズ・エッジという名前に変わりサイケ・シーンに行ったという。1964年のシングル「YOU DID IT TO ME」。普通に演奏してるので珍盤奇盤というわけではないが話のタネにということで。
・アローン・アゲイン
後半は洋楽の訳詞ものシリーズ。ギルバート・オサリヴァンの「ALONE AGAIN」は失恋の歌でメロディーがきれいな割に内容は暗い。前にオンエアした九重佑三子さんの「アローン・アゲイン」はなかにし礼さんの訳詞で洒落のめしていた。草刈正雄さんの1976年のサード・アルバム『青春の光と影』に収録された「アローン・アゲイン」は山上路夫さんの訳詞。こちらの方がギルバート・オサリヴァンの原詩にちょっと近い感じ。日本語にすると陰惨な感じがすると達郎さん。
曲をかけ終えて。
「編曲は東海林修さんなのでひじょうに洒落たアレンジでございます。草刈さんというのは私と同学年なんですよね(笑)。ですからこのレコーディングのときは24歳。歌はいいですね、味があって。上手ですね。最近は渋い魅力で攻めておりますけれども。若いときは本当の美男子でありまして羨ましい」と達郎さん。
・スター・ウォーズのテーマ〜カンテナバンド
子門真人さんは1978年に「スター・ウォーズのテーマ」を録音している。日本語詩は有川正沙子さん。
曲をかけ終えて。
「むやみに明るくて長くてくどい。(中略)すごいですね(笑)。コレ、完全に村上ポンタさんですね、タイコ。さっきの草刈正雄さんのもポンタですね(笑)。この頃はいちばん売れてた人ですから。完全にポンタさんのタイコですね。アレンジ国吉良一さんやっております。すごいですね(笑)」と達郎さん。
・ゆうわく(オリーブの首飾り)
歌っているローレン中野さんはホノルル生まれの日系三世。和田弘とマヒナスターズと組んで出したシングルが1976年の「ゆうわく」。ポール・モーリアでヒットした「オリーブの首飾り」に日本語詩をつけたもの。訳詞はなかにし礼さん。
・(SITTIN'ON) THE DOCK OF THE BAY
珍盤奇盤のアーカイヴものから。ボルテイジは5人組のグループサウンズ。1968年のアルバムに入ってるオーティス・レディングの「(SITTIN'ON) THE DOCK OF THE BAY」。
・THE OKEH LAUGHING RECORD
レコードができた当初にドイツで録音されたもので1922年の作品とされている。アメリカのOKEHレーベルが最初に輸入したものでやっている人はわからない。多くのイミテーションを産んだ笑い声の作品で「THE OKEH LAUGHING RECORD」。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2017年03月05日は「リクエスト特集」
http://www.tatsuro.co.jp