2019年07月28日プレイリスト
「『ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ』特集」(スペシャル・ゲスト:宮治淳一氏)
1. MEAN TO ME / JOANIE SOMMERS "JOHNNY GET ANGRY" '62
2. PLEASE DON'T PRETEND AGAIN / THE HONEYCOMBS '64
3. WAS I DREAMIN'? / THE CASCADES "RHYTHM OF THE RAIN" '63
4. LAST KISS / J.FRANK WILSON & THE CAVALIERS '64
5. I COULD EASILY FALL (IN LOVE) / CLIFF RICHARD & THE SHADOWS '64
6. HEAVEN HELP US ALL / BROOK BENTON WITH THE DIXIE FLYERS '71
7. SOME KIND OF WONDERFUL / SOUL BROTHERS SIX '67
8. COME BACK MY LOVE / THE CARDINALS '55
9. ON THE WAY HOME / BUFFALO SPRINGFIELD '68
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているそうだ。7月25日(木)、26日(金)の大宮公演はうまくいってるはずとのこと。今週は30日(火)、31日(水)が仙台の東京エレクトロンホール宮城。
・PERFORMANCE 2019
全国ホール・ツアー続行中。6月から振替公演の11月まで5ヶ月間、26都市48公演。10月公演のファミリーマートの先行受付が7月27日からはじまっている。来週8月4日(日)の18時まで。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp
・『ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ』特集
先週に引き続いて宮治淳一さんをゲストに迎えて『ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ』特集。今週は4月24日にリリースされたWARNER POP ROCK NUGGETS VOL.9、WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.10の『GO! GO! NIAGARA SPECIAL』PART.1、PART.2を中心に。
・GO! GO! NIAGARA
GO! GO! NIAGARAは大瀧詠一さんが1975年6月からはじめたラジオのオールディーズ番組。当時は午前3時からオンエアされていたという。昨年12月にラジオ日本で宮治さんがアーカイヴを10数回放送した。当時のプレイリストがすべて揃っていて、音源は大瀧詠一さんが所有していたカセットテープ。放送局が6ミリ(オープンリール)を消去する前にダビングしていたそうだ。宮治さんはWARNER POP ROCK NUGGETS『GO! GO! NIAGARA SPECIAL』のためにワーナーが所有する音源をピックアップした。100曲ほどの中からこれまで出たWARNER POP ROCK NUGGETSに重ならない曲で良い曲を選曲したとか。
・MEAN TO ME
ジョニー・ソマーズの「MEAN TO ME」。大瀧さんが選んだのはシングルでもなんでもなく古いスタンダード。達郎さんはドリス・デイのヴァージョンで知っているとか。ジョニー・ソマーズのヴァージョンは1962年のアルバム『JOHNNY GET ANGRY』に収録されている。宮治さんは1995年にカリフォルニアのオレンジ・カウンティで開催されたレコード蚤の市に行ったそうだが、そこでジョニー・ソマーズがブースを出していて新しく出したCDを販売していたという。
・PLEASE DON'T PRETEND AGAIN
大瀧さんはジョー・ミークというイギリスのプロデューサーの大ファン。彼のプロデュース作品のひとつにブリティッシュ・ロックのハニカムズというグループがある。ハニカムズの出世作「HAVE I THE RIGHT」のB面が「PLEASE DON'T PRETEND AGAIN」。1964年の作品でノット・オン・アルバムの一曲。日本では「PLEASE DON'T PRETEND AGAIN」がA面だったとか。ドラマーのハニー・ラントリーが女性だっただけで話題になった。
・WAS I DREAMIN'?
カスケーズの一枚しかないアルバム『RHYTHM OF THE RAIN』(1963年)に入ってる曲で、しかもB面の最後から2曲目「WAS I DREAMIN'?」。資料によるとGO! GO! NIAGARAの「夢特集」の中の一曲。WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.10の『GO! GO! NIAGARA SPECIAL』PART.2から。
・LAST KISS
いわゆるデス・ソング。実際にモータリゼーションがはじまった頃にティーンエイジの交通事故死が多く、それをテーマにした曲を総称してデス・ソングという。その中の代表的な作品でJ.フランク・ウィルソンの「LAST KISS」。1964年、全米2位の大ヒット。「大瀧さん、この曲好きでね。ふふふ。大体、デス・ソング好きだったんですよ、あのひと」と達郎さん。シングルのジャケットは男性が女性を抱いている写真だが、ファースト・プレスは女性の額から血が流れていたそうだ。これが問題になりリタッチして血を修正した写真に変更されたとか。
・映画『最高の人生の見つけ方』の主題歌「旅のつづき」
竹内まりやさんが書き下ろした新曲が10月11日から全国公開となる映画『最高の人生の見つけ方』の主題歌に決定した。2007年にロブ・ライナー監督、モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンが出演して作られた映画のリメイク。これを女性版に仕立て直して吉永小百合さんと天海祐希さんのストーリーに変更している。主題歌の「旅のつづき」は10月9日発売。詳しくは竹内まりや40周年特設サイトにて。
https://www.mariya40th.com
●映画『最高の人生の見つけ方』
http://wwws.warnerbros.co.jp/saikonojinsei/
・I COULD EASILY FALL (IN LOVE)
大瀧さんの好きなクリフ・リチャードの1964年、全英9位の「I COULD EASILY FALL (IN LOVE)」。邦題は「いつも青空」。オリジナルはシャドウズで、フランスのSHELLA(シェイラ)との競作。
・HEAVEN HELP US ALL
ブルック・ベントン・ウィズ・ザ・デキシー・フライヤーズの1971年の「HEAVEN HELP US ALL」。アリフ・マーディンのアレンジとプロデュース作品。WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.7から。
・SOME KIND OF WONDERFUL
ニューヨークのグループ、ソウル・ブラザー・シックスの1967年、全米91位の「SOME KIND OF WONDERFUL」。フィラデルフィアのDJがジェリー・ウェクスラーに紹介してリリースの運びになったそうだ。のちにグランド・ファンクがカヴァーしてベスト10ヒットになった。WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.7から。
・COME BACK MY LOVE
WARNER POP ROCK NUGGETS VOL.8はドゥー・ワップを中心にコンパイルされているが、その中にTHE WRENS(ザ・レンズ)の「COME BACK MY LOVE」が収録されている。この曲をカージナルズがカヴァーしていて同じ年にリリースしている。達郎さんはカージナルズの「COME BACK MY LOVE」のほうが出来がいいと話す。アトランティックのレコーディングで、長くCD化されてなかったが、2012年にジャスミンからカージナルスのベストCDがようやく出た。1955年のカージナルズの「COME BACK MY LOVE」。
・ON THE WAY HOME
今週は大瀧さんの『GO! GO! NIAGARA SPECIAL』を中心にしてきたので、最後は大瀧さんの好きなバッファロー・スプリングフィールド。はっぴいえんどはバッファロー・スプリングフィールドのコンセプトに沿ったかたちで音楽性を追求したが、大瀧さんが達郎さんに話してくれた話では、モンタレーからウッドストックという流れがあって、新しいロックだという意識でやってたけれど、スティーヴン・スティルスの出版社のクレジットを見たらスクリーン・ジェムズと書いてあった。そこで目からうろこ、「なんだ、同じじゃん」となり、それがコペルニクス的転回で、バッファローからアメリカン・ポップスに戻った。だからソロで「ウララカ」の路線になったという。バッファロー・スプリングフィールドの3枚目のアルバム『LAST TIME AROUND』(1968年)からシングル・カットされて全米82位、ニール・ヤングの作品「ON THE WAY HOME」。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2019年08月04日は、「納涼リクエスト大会」
http://www.tatsuro.co.jp