Sunday Song Book #1385

2019年04月28日 | Sunday Song Book

2019年04月28日プレイリスト
「男性裏声シンガーで棚からひとつかみ Part 2」
1. 夜翔 (NIGHT-FLY) / 山下達郎 "メロディーズ" '83
2.EASY TO LOVE / LEO SAYER '77
3. HEAVEN ONLY KNOWS / LOVE COMMITTEE '76
4. BE MINE / THE TREMELOES '67
5. I WANT TO PAY YOU BACK / THE CHI-LITES '71
6. FUNNY HOW LOVE CAN BE / THE IVY LEAGUE '65
7. THE MAKING OF YOU / CURTIS MAYFIELD "CURTIS" '70
8. TWO FACES HAVE I / LOU CHRISTIE '63
9. SIDE SHOW / BLUE MAGIC '74
10. 群青の炎 / 山下達郎 "コージー" '98
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■内容の一部を抜粋
・近況
「十連休がはじまりました。いよいよ後数日で平成とお別れでございまして。新しい令和という元号がですね、はじまります。平成はいろいろございましたけれども、新しい令和という時代が穏やかなものとなりますよう祈らずにはいられません。そんな優等生的な言葉しか申し上げられませんがですね、スタジオ(レコーディング)やっておりますので(笑)、正直言ってそれどころじゃねぇ、そういう感じでございますが。そういう方いらっしゃると思いますが、何が十連休だよっていう。盆も正月もねぇよ。そんなこと言うとなんか怒られるんだそうですよ。働き方改革で。なんか額に汗して働くのがそんなに悪いことかなぁ、昭和生まれはそんなふうに思ったりしますが。このへんでやめときましょう」と達郎さん。

・男性裏声シンガーで棚からひとつかみ Part 2
先週に引き続いて「男性裏声シンガーで棚からひとつかみ」。先週は割とベタで代表的な作品ばかりだったが今週は達郎さんの趣味を入れて幅広く「男性裏声シンガーで棚からひとつかみ Part 2」。

・夜翔 (NIGHT-FLY)
達郎さんの裏声の曲から。1983年のアルバム『MELODIES』から「夜翔 (NIGHT-FLY)」。

・EASY TO LOVE
レオ・セイヤーは地声と裏声のコントラストがはっきりしている上手い人。1977年のアルバム『THUNDER IN MY HEART』からのシングル・カットで1978年の春に全米36位となった「EASY TO LOVE」。「ジェフ・ポルカロのドラミングが素晴らしい」と達郎さん。レオ・セイヤーとアルバート・ハモンドの共作。

・HEAVEN ONLY KNOWS
フィラデルフィアのエシックスというグループで活動を開始したロン・タイソン。エシックスが発展的解消してラヴ・コミッティという4人組のヴォーカル・グループになり、その後ロン・タイソンはテンプテーションズの裏声担当のメンバーになり、日本にも何度か来日している。ロン・タイソンがラヴ・コミッティ時代の作品で1976年、全米ソウル・チャート32位の「HEAVEN ONLY KNOWS」。

・BE MINE
トレメローズ1967年、全英37位の「BE MINE」。達郎さんはこの曲で裏声の練習をしたとか。もともとはイタリアのスクーターズというグループの作品をカヴァーしたものだが、曲は圧倒的にトレメローズのほうが優れているという。

・I WANT TO PAY YOU BACK
パワーのある、声が通る裏声の他に、やわらかな、スウィートな裏声、裏声と地声の違いがはっきりとしない人たちの中から。ザ・チャイライツはシカゴのヴォーカル・グループ。リーダー、リード・ヴォーカル、プロデューサー、ソングライターのユージン・レコードの歌い方もスウィートな典型。1971年のアルバム『GIVE MORE POWER TOTHE PEOPLE』からのシングル・カット「I WANT TO PAY YOU BACK」。

・FUNNY HOW LOVE CAN BE
'60年代に活躍したジョン・カーターとケン・ルイスのソングライター・コンビが自分たちでグループを組んで出したヒット曲「FUNNY HOW LOVE CAN BE」。1965年全米8位。ソングライター・コンビのグループなのでスタジオ・ミュージシャンがレコーディングに参加している。どの曲だかわからないがジミー・ペイジもそのひとり。

・竹内まりや Music & Life 〜40年をめぐる旅〜 再放送決定
NHK総合で3月26日(火)にオンエアされた「竹内まりや Music & Life 〜40年をめぐる旅〜」。好評につき再放送が決定した。5月4日(土)深夜0時35分から。詳しくは竹内まりや40周年特設サイトにて。
https://www.mariya40th.com

・アンコール上映
昨年公開されたまりやさんのライヴ・ドキュメンタリー映画『souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~』のアンコール上映が決定した。今回はそれに加えて2012年に公開された『山下達郎シアター・ライヴ PERFORMANCE 1984 - 2012』が同時にアンコール上映される。共に二週間の限定公開。5月17日(金)から二週間限定。ただし二本立てではなくそれぞれ別々の上映となる。上映時間は各劇場によって異なる。詳しくは竹内まりや40周年特設サイトにて。
https://www.mariya40th.com
あるいはワーナーミュージックの山下達郎特設サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

・THE MAKING OF YOU
カーティス・メイフィールドもユージン・レコードや先週のスモーキー・ロビンソンと同様に、裏声と地声の差が曖昧。達郎さんはスモーキー・ロビンソンに一度会ったことがあり、その話を訊いたことがあるそうだ。スモーキー・ロビンソンは自分が裏声を出しているという意識がなく、変声期があまりなかったということを述べていたとか。「だから小田和正さんと似た感じだと思います」と達郎さん。カーティス・メイフィールドも裏声と地声の差がなめらかではっきりと分けない感じ。ヴォーカル・グループ出身のリード・シンガーがそういうことを作っているので、ソロになったときにヴォーカル・グループのバックアップがないと線が細いとかいう批判は当たらない。1970年のソロ・ファーストのアルバム『CURTIS』から「THE MAKING OF YOU」。

・TWO FACES HAVE I
ルー・クリスティはイタリア系の白人でドゥー・ワップ・グループ、クラシックスのメンバーだった。その後、ソロになりセカンド・ヒットの「TWO FACES HAVE I 」は1963年全米6位。

・SIDE SHOW
フィラデルフィアの5人組のヴォーカル・グループ、ブルー・マジック。リード・ヴォーカルはテッド・ミルス。1974年、全米ソウル・チャートNO.1の「SIDE SHOW」。

・群青の炎
最後は達郎さんの1998年のアルバム『COZY』から「群青の炎」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2019年05月05日は、「リクエスト+棚からひとつかみ (予定)」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1384

2019年04月21日 | Sunday Song Book

2019年04月21日プレイリスト
「男性裏声シンガーで棚からひとつかみ Part 1」
1. 悲しみのJODY / 山下達郎 "メロディーズ" "オーパス" '83
2. HEY THERE LONELY GIRL / EDDIE HOLMAN '68
3. LET HIM RUN WILD / THE BEACH BOYS "SUMMER DAYS (AND SUMMER NIGHTS)" '65
4. LET'S PUT IT ALL TOGETHER / THE STYLISTICS '74
5. PEANUTS / THE FOUR SEASONS "SHERRY & 11 OTHERS" '62
6. LET ME DOWN EASY / THE ISLEY BROTHERS "HARVEST FOR THE WORLD" '76
7. MR. LONELY / THE LETTERMEN "PORTRAIT OF MY LOVE" '65
8. OOO BABY BABY / THE MIRACLES '65
9. LOST WITHOUT U / ROBIN THICKE '07
10. TOUCH ME LIGHTLY / 山下達郎 "ムーングロウ" '79
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■内容の一部を抜粋
・近況
レコーディングは今週が締切なのでがんばっているとのこと。

・男性裏声シンガーで棚からひとつかみ Part 1
今週は二月に一度の聴取率週間。今日は「男性裏声シンガーで棚からひとつかみ」。先週、選曲をはじめてリストアップしたところ星の数ほどあり頭が痛くなってきたという。オールディーズの番組なので新しいものは選曲せずに'60年代、'70年代、'80年代という感じで選んだとか。代表的なものを中心に割とベタなプログラム。一週間じゃ間に合わないので二週間やることにして今日は「男性裏声シンガーで棚からひとつかみ Part 1」。今週は裏声を売り物にしているシンガーを中心にヴォーカル・グループも含めて上手い人をずらっと並べたそうだ。

・悲しみのJODY
達郎さんは日本のポピュラー・ミュージックの世界で裏声を比較的多用している、今はもう少しスタイルが違うけれど、'70年代、'80年代は割と珍しいパターンの歌を作ってきたので、まずは山下達郎の曲から。1983年の「悲しみのJODY」。

・HEY THERE LONELY GIRL
エディ・ホルマンはニューヨーク、フィラデルフィア、イースト・コーストで活躍した。'60年代の頭、十代のときからミュージカルに出たりして活躍。「HEY THERE LONELY GIRL」は1970年の春に全米2位。ルビー&ザ・ロマンティックスのヒット曲のカヴァー。達郎さんはライヴでよくやっていたとか(1978年のアルバム『IT'S A POPPIN' TIME』に収録されている)。

・LET HIM RUN WILD
達郎さんの世代で裏声といえばビーチボーイズのブライアン・ウィルソン。1965年のアルバム『SUMMER DAYS (AND SUMMER NIGHTS)』から珠玉の名曲「LET HIM RUN WILD」。

・LET'S PUT IT ALL TOGETHER
ロックンロール、R&Bの世界だから'50年代ぐらいから裏声で歌う人が出てくる。多くはヴォーカル・グループのトップをやる人。その人がリードも兼ねるかたちで裏声で歌う。ドゥー・ワップにそれが多く見られて、その前はゴスペル・ミュージックとかそういうものもあった。裏声中心に歌うスタイルのシンガーはヴォーカル・グループから出てくる人が大多数。ヴォーカル・グループのリード・シンガーとしての裏声シンガーがたくさんいる。スタイリスティックスのヴォーカリスト、ラッセル・トンプキンス・ジュニアはそうしたなかでも日本で最も有名な人。1974年のヒット・ナンバー「LET'S PUT IT ALL TOGETHER」。当時の邦題は「祈り」。

・PEANUTS
現代の裏声で歌う人と比べるとみんなタッチが強い。この頃はまだマイクの性能が発達してなかったので地声がちゃんと届く裏声。録音技術が発達したため最近の人はもっとマイクに近づけて弱いニュアンスでもオケに乗るという具合になってきている。そういう意味では裏声で歌ってもパワー全開だったのはフランキー・ヴァリ。1962年のフォー・シーズンズのデビュー・アルバム『SHERRY & 11 OTHERS』に収められている「PEANUTS」。もともとは1957年のリトル・ジョー&ザ・スリラーズのヒット・ソングのカヴァー。ドゥー・ワップのカヴァーだったがフォー・シーズンズのカヴァーは優れていて、後にフォー・シーズンズのヴァージョンをカヴァーする人が出てくる。

・LET ME DOWN EASY
これまで聴いてきたパンチのある裏声から'70年代に入ってくるとだんだんソフトな歌い方になってくる。録音技術が発達して今までにない音像が作れるようになってきたから。そんな中でシンガーもスタイルを変えてくる人が出てくる。そんな中のひとりがアイズリー・ブラザーズのロナルド・アイズリー。この人はシャウトしても凄くパワーがあるが裏声で歌っても同様に表現力が出せるオールマイティーなシンガー。1976年のアルバム『HARVEST FOR THE WORLD』に入ってる珠玉の名曲「LET ME DOWN EASY」。

・竹内まりや Music & Life 〜40年をめぐる旅〜 再放送決定
NHK総合で3月26日(火)にオンエアされた「竹内まりや Music & Life 〜40年をめぐる旅〜」。好評につき再放送が決定した。5月4日(土)深夜0時35分から。詳しくは竹内まりや40周年特設サイトにて。
https://www.mariya40th.com

・PERFORMANCE 2019
今年の全国ホール・ツアーが決定した。6月から10月まで5ヶ月間、26都市50公演。4月13日からはじまっていた6月公演分のファミリーマート先行受付チケットは本日4月21日18時まで。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp

・MR. LONELY
男性裏声シンガーで日本で有名なのはレターメン。1965年のレターメンのアルバム『PORTRAIT OF MY LOVE』に収められている「MR. LONELY」。もともとはボビー・ヴィントンのヒット曲。TOKYO FMがFM TOKYOだった時代に、「ジェット・ストリーム」のテーマ曲、フランク・プゥルセル・グランド・オーケストラのヴァージョンの「MR. LONELY」が評判になったので、東芝がレターメンのヴァージョンを発売し大ヒットした。日本以外ではチャートに入ってない。レターメンのスタイルはもともとグリー・クラブというかバーバーショップと呼ばれるリード・ヴォーカルの上にハーモニーを付けている。バーバー・ショップはだいたい4人で、そのベースがなくなったのがレターメンのスタイル。いわゆるカレッジでは一般的なスタイル。

・OOO BABY BABY
'60年代の白人のシンガーは地声から裏声に上げて、裏声から地声に戻していく過程のひっかかる感じを売り物とする特徴があった。R&Bだとちょっとニュアンスが変わってくる。R&Bの世界でウィスパーに近いニュアンスでいちばん最初に画期的な実力を示したのがミラクルズのスモーキー・ロビンソン。'50年代から活躍しモータウンで大成功。スモーキー・ロビンソンは一聴してわかる素晴らしい特徴を持ったシンガー。1965年のミラクルズの代表作「OOO BABY BABY」。スモーキー・ロビンソンやカーティス・メイフィールドなどもともとグループで歌っていた人がソロになると、のちの評論家はグループで歌わないと真価が発揮できない、ソロでやると弱くなるという批判をする。今はネットで柔らかい歌い方をするシンガーの批判など多い。でもそれは録音の変化で今までと違った音像が作れるので、そういうものに合わせていく、ニーズがあるのでそういうふうになるので、時代によって歌い方がいろいろと変わるのを、昔が良かったというように単純に批判しないほうがいいかなと思っている、と達郎さん。

・LOST WITHOUT U
今週は'60年代、'70年代の裏声シンガーを聴いてきたが、今のスタイルとちょっと違うので、最後は割と最近の裏声シンガーの作品から。ロビン・シックの2007年の「LOST WITHOUT U」。スタジオのレコーディングの密室間がよく出ている歌い方と達郎さん。スモーキー・ロビンソンから40年の時間の開きがあるけれど連綿と続いている共通点がある。

・TOUCH ME LIGHTLY
「悲しみのJODY」を作った当時は裏声で歌うシンガーが少なく、差別化という意味でずいぶんと作ってきたそうだ。1979年のアルバム『MOONGLOW』に収められた「TOUCH ME LIGHTLY」はもともとはキング・トーンズのために作った曲でセルフ・カヴァー。

・今後の予定
何しろ数が多いので来週も引き続き「男性裏声シンガーで棚からひとつかみ Part 2」。ロックンロール、R&Bをバランスよく散りばめて。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2019年04月28日は、「男性裏声シンガーで棚からひとつかみ Part 2」
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Smoke & Blue 2019

2019年04月20日 | 佐野元春

個人サイトに佐野元春 & The Hobo King Band 'Smoke & Blue 2019'のレビューをアップしました。
よろしくお願いします。

個人的には今回、「Complication Shakedown」が聴けたのは望外の喜びでした。
「この困難な状況の中を歩いて行こう」と歌う元春に分断された世界情勢を重ねてしまった。
「今夜が何か特別な夜になるのならそれは平成最後のライブだということ。
今最後に歌った曲にかかってるとしたら、Good Night To The Worldということかな。
余計なこと言っちゃったかな」と元春。
荒吐のピロウズがあるものの、そうですね、佐野元春のワンマンライブでは平成最後ですね。
ライブ・フッテージでは何度も大阪で特別なことがありました。
佐野元春のキャリアの1ページには平成最後のライブとして今夜のことが記されることになりそうです。
コメント (2)
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Sunday Song Book #1383

2019年04月14日 | Sunday Song Book

2019年04月14日プレイリスト
「リクエスト特集」
1. 色・ホワイトブレンド / 竹内まりや "リクエスト" "エクスプレッションズ" '87
2. YELLOW JACKET (UNDUBBED VERSION) / THE VENTURES "IN THE VAULTS VOLUME 4" '07('65)
3. IT SHOWS IN THE EYES / ASHFORD & SIMPSON "PERFORMANCE" '81
4. TOUCHING ME / THE OVATIONS '72
5. HONEYBEE / THE NEW BIRTH "AIN'T NO BIG THING" '71
6. GOTTA FIND AWAY / THE MOMENTS '73
7. THAT'S THE WAY I FEEL ABOUT CHA / BOBBY WOMACK '71
8. SO MANY ROADS / OTIS RUSH '60
9. アトムの子 / 山下達郎 "アルチザン" "オーパス" '91
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているそうだ。レコーディングがはじまっており、今月は立て込んでいてウンウン唸ってやっているとのこと。5月になるとツアーのリハーサルがはじまるという。

・リクエスト特集
レコーディングを行っているため今週は「リクエスト特集」。郵便物が値上げになることから「はがきオンリー」では心苦しいと思いはじめているとか。「あんまりの値上がりしだしますと、そろそろ考えなきゃなんないので、なんとかしてくれよという感じですが」と達郎さん。

・色・ホワイトブレンド
この時期になるとリクエストが集まる竹内まりやさんの「色・ホワイトブレンド」。

・YELLOW JACKET (UNDUBBED VERSION)
ヴェンチャーズの1965年のアルバム『ON STAGE』はライヴ・アルバムと見せかけながら実は偽ライヴ。その中から拍手を抜いたUNDUBBED VERSIONの「YELLOW JACKET」。

・IT SHOWS IN THE EYES
アシュフォード&シンプソンの1981年のライヴ・アルバム『PERFORMANCE』のD面に入ってるスタジオ録音の「IT SHOWS IN THE EYES」。シングル・カットされて全米ソウル・チャート34位。

・TOUCHING ME
ジ・オベーションズはメンフィスの男性3人組のヴォーカル・グループ。リード・ヴォーカルのルイス・ウィリアムスはサム・クックに傾倒していて、サム・クックそっくりの歌い方をするいわゆるサム・クック・クローンと呼ばれる人たちの中でいちばん有名な人。南部のサザン・ソウルの範疇に入るので、'60年代はたくさん活動していたがあまりヒット曲はない。ゴールド・ワックス時代のキャリアはジェームス・カーとかスペンサー・ウィギンスといった人たちに影響を与えたとされている。ずっとその後も活動を続けた中でヒット曲がないわけではない。いちばん知られた曲は1972年、全米19位の「TOUCHING ME」。アルバム『HAVING A PARTY』に収録されている。

・HONEYBEE
ニュー・バースは総勢17人の大所帯バンド。RCAレーベルのセカンド・アルバム『AIN'T NO BIG THING』(1971年)に収録されている「HONEYBEE」。

・GOTTA FIND AWAY
モーメンツの1973年のアルバム『MY THING』からシングル・カットされた「GOTTA FIND AWAY」は全米ソウル・チャート16位、全米でも68位まで上がった。S.E.好きにはたまらない一曲と達郎さん。

・PERFORMANCE 2019
今年の全国ホール・ツアーが決定した。6月から10月まで5ヶ月間、26都市50公演。昨日13日午後3時から6月公演分チケットのファミリーマート先行受付がはじまっている。4月21日の午後6時まで。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp

・THAT'S THE WAY I FEEL ABOUT CHA
ボビー・ウーマックの1971年のアルバム『COMMUNICATION』からシングル・カットされて全米ソウル・チャート2位、全米チャート27位の「THAT'S THE WAY I FEEL ABOUT CHA」。邦題は「お前がすべて」。ボビー・ウーマックの音楽はいわゆるパターン・ミュージックでメロディーというものの定形がない。そういう意味では日本の歌謡シーンとは全く相容れないスタイル。日本では作品がほとんど紹介されなかったという。今はだいぶR&Bが認識されてきた。

・SO MANY ROADS
オーティス・ラッシュの1960年のレコーディングで「SO MANY ROADS」。オーティス・ラッシュはミシシッピー生まれ。シカゴに行ってシカゴ・ブルースの巨人になった。

・アトムの子
秋田から名古屋の学校に進学したリスナーからのリクエスト。将来は楽器店、ライヴハウスの経営を目指しているという。今の心境にぴったりではじめて聴いた達郎さんの曲「アトムの子」をリクエスト。

・今後の予定
聴取率週間のため「男性裏声歌手特集」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2019年04月21日は、「男性裏声歌手特集」
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Sunday Song Book #1382

2019年04月07日 | Sunday Song Book

2019年04月07日プレイリスト
「内田正人さん追悼 ザ・キングトーンズ特集 Part 2」
1. DOWNTOWN / SUGAR BABE '75
2. 一度だけのディスコ / ザ・キングトーンズ '76
3. LET'S DANCE BABY / ザ・キングトーンズ & マリエ "レザレクト" '78
4. TOUCH ME LIGHTLY / ザ・キングトーンズ & マリエ "レザレクト" '78
5. DOO WOP TONIGHT! / ザ・キングトーンズ '80
6. IN THE STILL OF THE NIGHT / ザ・キングトーンズ '80
7. ラストダンスはヘイジュード / ザ・キングトーンズ '81
8. SWIMG LOW, SWEET CHARIOT / ザ・キングトーンズ "渚の「R&B」" '82
9. 夢の中で会えるでしょう / ザ・キングトーンズ "ソウル・メイツ" '95
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■内容の一部を抜粋
・近況
サンデー・ソングブックは当初はサタデー・ソングブックとして1992年10月に放送がスタートして、この4月で放送26年半を迎えることになった。本年10月に27周年になる。この番組はオールディーズの番組で、オールディーズとは古い曲のことで、古くてもいい曲、"OLDIES BUT GOODIES"という呼び方をするけれど、古いけれどいい曲をかける番組。山下達郎自身の新譜、関係各位、そうしたものの新譜がかかることもあるけれど、基本的には"OLDIES BUT GOODIES"、古いけれどもいい曲をかける番組。「この番組はいわゆる台本がございません。喋ってることは全部その場で考えてるアレでございます。曲の順番だけありますけれども、放送作家、構成作家という存在がございません。私とそれからディレクターの山岸女史と、それから技術の丸山くん、そしてアシスタントのオオツカくん、今日から新参加になりました。この4人だけでやっております。完全家内製手工業の番組でございます。27年間ですね、不都合もございましたけれど、基本的に(笑)、長いことやれております。今年度も引き続きお世話になります。引き続きリスナーのみなさまにはご愛顧の程を何卒よろしくお願い申し上げます」と達郎さん。
番組は直近で収録していて、東京は花冷えなのでスタジオの外の半蔵門のお堀にはまだ桜が咲いているという。達郎さんはお籠りで曲を書いてるそうだ。

・内田正人さん追悼 ザ・キングトーンズ特集 Part 2
先週から年度をまたいで「内田正人さん追悼 ザ・キングトーンズ特集 Part 2」。先週は1970年代の中期、ポリドール時代までだったが、今週はポリドールを離れ、いろいろなレコード会社に移籍した'70年代中期以降の曲を聴きながらヒストリーを辿る。

・DOWNTOWN
年度替わりなので1曲めは番組がスタートしたときいちばん最初にかけたシュガーベイブの「DOWNTOWN」。この曲はもともとキング・トーンズに提供するつもりで書いた曲だが没になってしまったのでシュガーベイブのレパートリーになった。シングル・カットもされて今やシュガーベイブの代表曲。

・一度だけのディスコ
1976年に東芝に移籍して第一弾のシングルが宇崎竜童さんのペンになる「一度だけのディスコ」。作詞は島武実さん、作曲は宇崎竜童さん、編曲は萩田光雄さん。未CD化。達郎さんは宇崎さんのところに話を伺いに行ったという。宇崎さんは「一度だけのディスコ」より以前キング・トーンズに曲を書いたが、結局使われないで終わってしまったそうだ。その曲は裏声を使った作曲技法で書いたというが使われなかったので、ダウンタウン・ブキウギ・バンドのシングル「スモーキン・ブギ」のB面に収録。アルバム『続 脱どん底』にも収録した「恋のかけら」だとか。作詞が阿木燿子さんでないのは、曲の依頼をしてきたのがキング・トーンズの所属事務所、小澤音楽事務所の創設者の小澤惇さんで、ダウンタウン・ブキウギ・バンドの東芝のディレクターを通して行われ、ちょうどその打ち合わせのときに近くにいたのが島武実さんだったということ。キング・トーンズには阿木燿子さんより島武実さんのほうがあってるんじゃないかという判断だった。プロデュースをしているのが東芝の渋谷森久さんで、越路吹雪さんや加山雄三さん、クレイジー・キャッツなどのプロデュースをした大物プロデューサー。東芝を辞めた後も劇団四季からディズニーランド、本田美奈子さんを手掛けた昭和史を彩る大プロデューサー。レコーディングの歌入れに宇崎さんは立ち会ったそうだが、内田さんは基本的にディレクターやA&Rの指示通りに歌う、'60年代の歌謡シーンを生きてきた制作態度だったとか。

・LET'S DANCE BABY
シングル「一度だけのディスコ」の後にキング・トーンズは東芝からアルバムを出すことになるが、そのアルバムに達郎さんが書き下ろしたのが「LET'S DANCE BABY」。1978年のことだが当時達郎さんはCMをずいぶんやっていて、小澤音楽事務所の子会社からCMの発注があったという。そんな関係であるとき音楽出版社に出向いたら、小澤音楽事務所の出版社のディレクターから「山下くん、君のことを探してたんだ。今度キング・トーンズのアルバムを作るんで曲を書いてほしいんだ。詞はもうできてるんだ」と言われたとか。コンセプト・アルバムで3曲分の詞を渡されて、そのうちの2曲が日本語詞で吉岡治さん。演歌の大御所で代表作は「大阪しぐれ」。もう一曲は当時YMO関係にたくさん詞を提供していたクリス・モスデルさん。でも達郎さんはその当時、曲書きのスランプだったのでウンウン唸ってやっとこさ3曲書き上げたそうだ。キング・トーンズのレコーディングには一切関わらなかった。1978年はそんなわけでスランプで曲が足りず、ちょうどいいからアルバムに収めようとしたら、「これはいい曲だから」とシングル・カットされることになった。達郎さんの生まれて初めてのシングル・カットになったナンバーでもある。キング・トーンズの1978年のアルバム『RESURRECT』から「LET'S DANCE BABY」。

・TOUCH ME LIGHTLY
キング・トーンズの1978年のアルバム『RESURRECT』から「TOUCH ME LIGHTLY」はクリス・モスデルさんの英語詞に達郎さんが曲を付けたもの。内田さんを想定して当時のスウィート・ソウル路線で一曲書いてみようと思ったのだとか。達郎さんも自分で気に入り1979年のアルバム『MOONGLOW』でセルフ・カヴァーしている。リスナーから『RESURRECT』の「TOUCH ME LIGHTLY」のベースは誰かという質問。「高橋ゲタ夫さんです。うまいですよね。ドラムは林立夫さんだと思います。ギターは松原くんかなぁ? 松木さんのクレジットもありますが、松木さん、もうちょっと手数少ないので。松原くんかなぁって気がしますが。いずれにしましても素晴らしいプレイと素晴らしい歌であります」と達郎さん。でも東芝時代はヒット曲が出ずに「アルバムもあの。。いま聴くといいんですけれど(笑)。これ進み過ぎてるんですよ。40年前ですからね(笑)」と。

・DOO WOP TONIGHT!
1980年にSMSレコードに移籍。シングル「DOO WOP TONIGHT! 」は大瀧詠一さんのプロデュース。その筋では話題になったが、これも進み過ぎている一曲。ヴェルベッツの1961年の「TONIGHT」を脚色して翻案。訳詞も大瀧詠一さん。「しかもダイレクト・カッティング、一発録り、モノラル盤。大瀧さんらしい一作」と達郎さん。

・IN THE STILL OF THE NIGHT
シングル「DOO WOP TONIGHT! 」のB面はファイブ・サテンズの「IN THE STILL OF THE NIGHT」。訳詞はキャロルとかフィンガー・ファイブの担当A&Rの方がペンネームで書いている。どちらの曲も1981年のアルバム『DOO-WOP STATION』に収録されているが、アルバムはDJで繋ぐノンストップ・スタイル。

・ラストダンスはヘイジュード
SMSから何枚かアルバムを出すのだが、現在のキング・トーンズ評価の根幹はこのSMS時代の一連のレコードでそれに深く関わっているのが大瀧詠一さん。シングル「DOO WOP TONIGHT! 」の後に一年のあいだにキング・トーンズはたくさんシングルを出すことになる。メンバーの加生スミオさんの作品、井上大輔さんの作品といい曲があるけれど時間の都合で今回はかけられないとか。この後1981年の「ラストダンスはヘイジュード」は再び大瀧詠一さんと組んだ作品。ビートルズの大ヒット曲「HEY JUDE」は作者のポール・マッカートニーがドリフターズの「ラストダンスは私に」にインスパイアされて作ったのでコード進行が似ている。そのエピソードからこの2曲を同じコード進行上で繋げたシングルを作った。大瀧詠一さんのプロデュース。B面は「グッドナイト・ベイビー」の英語ヴァージョン。達郎さんはチャートに入ってるのか調べたそうだが入ってなかったという。

・SWIMG LOW, SWEET CHARIOT
SMS時代にアルバムを3枚リリースしている。独立記念日に横須賀の米軍キャンプでライヴ演奏したライヴ・アルバム、大瀧詠一さんのプロデュース作品をまとめてDJ形式でノンストップで繋いだ『DOO-WOP STATION』、1982年にはカセットだけの企画(当時はカセットが大きなシェアを占めていた)、カヴァーで網羅された一枚『渚の「R&B」』。メンバーの成田邦彦さんはインタビューで「『渚の「R&B」』は自分が一番好きな作品かもしれない。自分たちの好きなようにやれた作品だから」と話している。事実キャンプで歌っていた曲はのびのびと歌っているが、そんな中の一曲でアメリカのトラッド・ソング「SWIMG LOW, SWEET CHARIOT」。完全なバーバーショップ・スタイル。米軍キャンプでやっていたスタイルだと思われる。

'60年代の保守本流の歌謡曲からみれば異端だが美しき異端といえる。日本のフォーク・ロック・ムーブメント、同じようなインディ、保守本流から外れたメカニズムが、だんだん運動論として発展するのに連れて、それまで得なかったキング・トーンズの美しき異端性がシンパシーを生んだ、そういうものを持っていたと言える。昔は今と比べてアメリカの文化は遠かった。そういう憧憬が音楽を志す者にとって重要な要素だった。また圧倒的な情報不足からくる誤解もあって、そんな時代にロックンロールに対する認識がなまじ正確だったためにいろいろと苦悶、努力された先輩方、それがキング・トーンズという存在だった。

・夢の中で会えるでしょう
大瀧詠一さんや達郎さんと同じようにシンパシーを抱いたひとり高野寛さん。今週の最後は高野寛さんがキング・トーンズにインスパイアされて作った曲「夢の中で会えるでしょう」(1994年)。それを1995年のキング・トーンズのアルバム『SOUL MATES』でカヴァーした「夢の中で会えるでしょう」。

・今後の予定
曲書きで追われてるので来週は「リクエスト特集」。一段落したら「裏声男性シンガー特集」をやってみようと思ってるそうだ。

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「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2019年04月14日は、「リクエスト特集」
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