[注釈]
* Mais lorsque nous tenons... lorsque nous emmaillotons... les jours et les anne'es... fastes, re^ves et poe'sies. : 産みの苦しみにもかかわらず、幸福な日々が待っているはずであった。le bonheur du corps...des yeux...は、le petit enfant を説明する言葉の連なりと考えられます。
* comme la passion, la passion qui l'avait fait concevoir, nai^tre. : garance という植物が鮮烈な赤を生み出す染料となり、その赤はまた、この女児の生誕を導いた情熱を思い起こさせる。
* Pour Garance, nous aurions les yeux de ….以下は
http://www.cinemafrancais-fle.com/Dialogues/enfants_du_paradis.php
を参照してください。また著者ご夫妻への短いインタヴューも以下で視聴できます。
http://www.youtube.com/watch?v=-7sQOtbr5Hw
[試訳]
苦悩の誕生
ギャランスは1月6日晴れた日に生まれた。エピファニイー(公現祭)だった。すばらしい日付で、覚えやすいし、お祝いをするにもうってつけだ。お産は軽いどころか、むしろ長くかかり大変だった。私たちがこの腕に赤ん坊を、新生児のぬくもりに満ちたからだ抱くと、助産師さんが、こんなに目が青いのだから、髪はブロンドになるだろうと教えてくれた。私たちは待ちに待ったギャランスを産着に包んだ。その時、来る日々は幸福で、夢と詩情に満ちたものでしかあり得なかった。
私たちがこのギャランスという名を選んだのは、それが植物を、花を思い起こさせるからだった。「ギャランス、それは花の名」花というより、草木だろうか。その赤い根は染め物に使われている。鮮烈な赤、情熱のような赤が生まれる。そんな情熱のためにギャランスを授かり、生んだのだった。それに、好きで、数えきれないほどくり返し観た、二人でも観た、映画の思い出もあった。私たちも、ギャランスを、ピエー=フランソワ・ラスネール、「美しい君」と優雅にギャランスを呼び止めるラスネールの目でみつめるだろう。また、ギャランスに近づき、「間違いなく、あなたは笑いましたね」と言葉をかけるフレデリック・ルメートルの目をすることだろう。ギャランスに再会することをルメートルは確信していた。「大いなる愛で愛し合う二人には、パリは狭すぎますから」そしてとりわけ、あのバティストの目でギャランスをみつめることだろう。恋に不器用なパントマイム、ギャランスのためにすべてを投げ出すバティストは、ギャランスを手に入れることなく、彼女を夢見る。そんなことをなし得るのは、詩人だけだ。
………………………………………………………………………………………
まるで気象情報で梅雨明けを確かめたかのように、団地裏の桜木でシュン、シュン、シュン、シュンと蝉が鳴き始めました。misayo さん、midoriさん、Mozeさん、shokoさん、酷暑の中、訳文ありがとうございました。今回はいかがだったでしょうか。
次週が、勝手ながら、夏休み前最後のLeconとなりますが、p.17 cela n'a pas d'importance. までを読むことにします。来週、25日(水)に試訳をお目にかけます。
暑中お見舞い申し上げます。どうかみなさんもお身体には気をつけて下さい。
Smarcel
* Mais lorsque nous tenons... lorsque nous emmaillotons... les jours et les anne'es... fastes, re^ves et poe'sies. : 産みの苦しみにもかかわらず、幸福な日々が待っているはずであった。le bonheur du corps...des yeux...は、le petit enfant を説明する言葉の連なりと考えられます。
* comme la passion, la passion qui l'avait fait concevoir, nai^tre. : garance という植物が鮮烈な赤を生み出す染料となり、その赤はまた、この女児の生誕を導いた情熱を思い起こさせる。
* Pour Garance, nous aurions les yeux de ….以下は
http://www.cinemafrancais-fle.com/Dialogues/enfants_du_paradis.php
を参照してください。また著者ご夫妻への短いインタヴューも以下で視聴できます。
http://www.youtube.com/watch?v=-7sQOtbr5Hw
[試訳]
苦悩の誕生
ギャランスは1月6日晴れた日に生まれた。エピファニイー(公現祭)だった。すばらしい日付で、覚えやすいし、お祝いをするにもうってつけだ。お産は軽いどころか、むしろ長くかかり大変だった。私たちがこの腕に赤ん坊を、新生児のぬくもりに満ちたからだ抱くと、助産師さんが、こんなに目が青いのだから、髪はブロンドになるだろうと教えてくれた。私たちは待ちに待ったギャランスを産着に包んだ。その時、来る日々は幸福で、夢と詩情に満ちたものでしかあり得なかった。
私たちがこのギャランスという名を選んだのは、それが植物を、花を思い起こさせるからだった。「ギャランス、それは花の名」花というより、草木だろうか。その赤い根は染め物に使われている。鮮烈な赤、情熱のような赤が生まれる。そんな情熱のためにギャランスを授かり、生んだのだった。それに、好きで、数えきれないほどくり返し観た、二人でも観た、映画の思い出もあった。私たちも、ギャランスを、ピエー=フランソワ・ラスネール、「美しい君」と優雅にギャランスを呼び止めるラスネールの目でみつめるだろう。また、ギャランスに近づき、「間違いなく、あなたは笑いましたね」と言葉をかけるフレデリック・ルメートルの目をすることだろう。ギャランスに再会することをルメートルは確信していた。「大いなる愛で愛し合う二人には、パリは狭すぎますから」そしてとりわけ、あのバティストの目でギャランスをみつめることだろう。恋に不器用なパントマイム、ギャランスのためにすべてを投げ出すバティストは、ギャランスを手に入れることなく、彼女を夢見る。そんなことをなし得るのは、詩人だけだ。
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まるで気象情報で梅雨明けを確かめたかのように、団地裏の桜木でシュン、シュン、シュン、シュンと蝉が鳴き始めました。misayo さん、midoriさん、Mozeさん、shokoさん、酷暑の中、訳文ありがとうございました。今回はいかがだったでしょうか。
次週が、勝手ながら、夏休み前最後のLeconとなりますが、p.17 cela n'a pas d'importance. までを読むことにします。来週、25日(水)に試訳をお目にかけます。
暑中お見舞い申し上げます。どうかみなさんもお身体には気をつけて下さい。
Smarcel