23年度も下半期に入った10月1日、九州新幹線でも割引きっぷの衣替えが行われました。
特に利用が低迷している新規開業区間では、大いなる試金石として博多までの「九州新幹線日帰り2枚きっぷ」が登場。来春3月31日までの発売、当日限り有効という制限付きながら、2~3割引きと、なかなかの割引率をぶつけてきました。
期待の新商品は、どのようにアピールされているのか?さっそく、発売初日の久留米駅に足を運んでみました。
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JR久留米駅の自由通路。特に変わらない、いつもの様子です。日帰り2枚きっぷのポスターもパンフレットも見当たらず、10月1日からの割引きっぷを紹介した「JRのお得なきっぷ!」というパンフレットの片隅に、ひっそりと紹介されていただけでした。
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唯一の案内と言えたのは、この看板。日帰り2枚きっぷでは、在来線を利用できない…旨の告知でした。深夜早朝には在来線特急しかない時間もあるのだし、乗れるようにしてくれてもいいのに。
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一方で、発見も。
ニュースリリースでは「窓口で『九州新幹線日帰り2枚きっぷ』とお申し付けください」と書かれていたことから、自動券売機での発売はないものと思っていましたが、新幹線用の多機能型券売機にしっかり納められていました。
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最初の画面で「おトクなきっぷ」を選択すれば、左下に「久留米~博多 九州新幹線日帰り2枚きっぷ」の口座が現れます。これなら、窓口に並ぶ必要もありません。
新鳥栖は案外上向く?久留米もまずまずの運賃レベルに
中間各駅の活性化に向けた実験的な試みとも言える「日帰り2枚きっぷ」ですが、さて現実に利用増へと結びついていくのか?
新鳥栖駅から博多駅へは、所要時間15分で、これまでの片道1,370円が1,100円(2枚きっぷの1枚当り、以下同じ)に。快速電車なら、鳥栖駅から30分弱で540円なので、新幹線なら時間半分、料金は倍という図式になりました。
ただ鳥栖~博多間は、在来線の2枚きっぷを使って長崎本線の特急を使う人も少なくありません。所要時間は20~25分、片道あたり800円ですが、新鳥栖駅の方が近い人は新幹線に足が向くようになるかも。特にマイカーで乗りつける場合、鳥栖駅前の駐車場が1日300~500円かかるのに対し、新鳥栖の駐車場は100円と割安なので、トータルでの料金の差は縮まります。
一方の久留米駅から博多駅へは、1時間に1本の新鳥栖駅通過列車ならば16分なのですが、その他は19分で、「値段の割にそれほど早くない」という評になっていました。それが今日からは、1,550円が1,200円に。所要時間に見合う値段に近付いたかどうか?
35分・720円の快速電車に対して、「速達料」に加えて「快適料」をプラスしたと考えれば、まずまずの適正価格になったのかもしれません。
筑後船小屋・新大牟田の苦戦は続くか
すでに2枚きっぷが設定されていた、筑後船小屋・新大牟田の両駅にも「日帰り」を新設。今日中に戻ってくる(あるいは片道で2人使う)のならば「日帰り」、2回目を明日以降に使うのなら従来の2枚きっぷを選択することになります。
「日帰り」を選べば、筑後船小屋ではこれまでの2,000円から1,600円に、新大牟田では2,500円が2,000円に。単純に博多までの所要時間を考えれば、適正価格といえるレベルだと思います。
ただ両駅とも、昼間時間帯は1時間に1本しか列車が来ないというダイヤ上の不便さは変わりません。特に大牟田駅には全ての在来線特急が止まっていたのだから、新大牟田駅にも九州島内の「さくら」くらい もう1本停めてもよいのでは?と開業時から思っています。
現状のダイヤのままでは、駅の立地の不便さも相まって、JRの想定する「定期外2割増」の達成はなかなか困難ではないかと見通していますが、さて結果はどうなるか。半年後の利用動向の発表が楽しみです。
特に利用が低迷している新規開業区間では、大いなる試金石として博多までの「九州新幹線日帰り2枚きっぷ」が登場。来春3月31日までの発売、当日限り有効という制限付きながら、2~3割引きと、なかなかの割引率をぶつけてきました。
期待の新商品は、どのようにアピールされているのか?さっそく、発売初日の久留米駅に足を運んでみました。
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JR久留米駅の自由通路。特に変わらない、いつもの様子です。日帰り2枚きっぷのポスターもパンフレットも見当たらず、10月1日からの割引きっぷを紹介した「JRのお得なきっぷ!」というパンフレットの片隅に、ひっそりと紹介されていただけでした。
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唯一の案内と言えたのは、この看板。日帰り2枚きっぷでは、在来線を利用できない…旨の告知でした。深夜早朝には在来線特急しかない時間もあるのだし、乗れるようにしてくれてもいいのに。
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一方で、発見も。
ニュースリリースでは「窓口で『九州新幹線日帰り2枚きっぷ』とお申し付けください」と書かれていたことから、自動券売機での発売はないものと思っていましたが、新幹線用の多機能型券売機にしっかり納められていました。
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最初の画面で「おトクなきっぷ」を選択すれば、左下に「久留米~博多 九州新幹線日帰り2枚きっぷ」の口座が現れます。これなら、窓口に並ぶ必要もありません。
新鳥栖は案外上向く?久留米もまずまずの運賃レベルに
中間各駅の活性化に向けた実験的な試みとも言える「日帰り2枚きっぷ」ですが、さて現実に利用増へと結びついていくのか?
新鳥栖駅から博多駅へは、所要時間15分で、これまでの片道1,370円が1,100円(2枚きっぷの1枚当り、以下同じ)に。快速電車なら、鳥栖駅から30分弱で540円なので、新幹線なら時間半分、料金は倍という図式になりました。
ただ鳥栖~博多間は、在来線の2枚きっぷを使って長崎本線の特急を使う人も少なくありません。所要時間は20~25分、片道あたり800円ですが、新鳥栖駅の方が近い人は新幹線に足が向くようになるかも。特にマイカーで乗りつける場合、鳥栖駅前の駐車場が1日300~500円かかるのに対し、新鳥栖の駐車場は100円と割安なので、トータルでの料金の差は縮まります。
一方の久留米駅から博多駅へは、1時間に1本の新鳥栖駅通過列車ならば16分なのですが、その他は19分で、「値段の割にそれほど早くない」という評になっていました。それが今日からは、1,550円が1,200円に。所要時間に見合う値段に近付いたかどうか?
35分・720円の快速電車に対して、「速達料」に加えて「快適料」をプラスしたと考えれば、まずまずの適正価格になったのかもしれません。
筑後船小屋・新大牟田の苦戦は続くか
すでに2枚きっぷが設定されていた、筑後船小屋・新大牟田の両駅にも「日帰り」を新設。今日中に戻ってくる(あるいは片道で2人使う)のならば「日帰り」、2回目を明日以降に使うのなら従来の2枚きっぷを選択することになります。
「日帰り」を選べば、筑後船小屋ではこれまでの2,000円から1,600円に、新大牟田では2,500円が2,000円に。単純に博多までの所要時間を考えれば、適正価格といえるレベルだと思います。
ただ両駅とも、昼間時間帯は1時間に1本しか列車が来ないというダイヤ上の不便さは変わりません。特に大牟田駅には全ての在来線特急が止まっていたのだから、新大牟田駅にも九州島内の「さくら」くらい もう1本停めてもよいのでは?と開業時から思っています。
現状のダイヤのままでは、駅の立地の不便さも相まって、JRの想定する「定期外2割増」の達成はなかなか困難ではないかと見通していますが、さて結果はどうなるか。半年後の利用動向の発表が楽しみです。