いよいよ10月25日に、北海道・札幌圏でもスタートしたICカード乗車券、Kitaca。都市圏規模の近い福岡と札幌ですが、ICカード乗車券も、奇しくも同年スタートとなりました。
しかし両都市のICカードの「生い立ち」を比較すればかなり異なり、福岡-札幌で比較してみると、
【運営会社】民鉄-JR
【利用できる交通機関】電車バス-電車のみ
【電子マネー】当初から利用可能-来年からの予定
【suicaとの共通化】再来年から-来年から
【地下鉄との共通化】再来年から-未定
と、それぞれ特徴を見出すことができます。
利用可能路線の広がりでは札幌に分があるものの、福岡では天神地区の商業施設でのポイントカードとして持つ人も多く、しばらくは福岡がリードするかなと思っていました。
実際、nimocaは発売3ヶ月で10万枚を突破しましたが、Kitacaは半年での売り上げを95,000枚と見込んでいたようです。
ところがKitacaの発行枚数はうなぎ上り。わずか1ヶ月で78,000枚に達し、ついには発売中止になってしまったそうです。すげえ…
利用者への浸透が早かったのも一つの理由ですが、写真のような「かわいさ」から、沿線の人にはもちろん、遠方の人が「お土産」に買い求めた数も相当数あり、予想を上回ったのだとか。
たしかにKitacaのデザインは思わず手に取って見たくなるもので、特にエゾモモンガという北海道らしいデザインは、お土産にしたくなる気持ちも分かります。来年から東京での利用が可能になれば実用性も加わり、一層その需要は高まるかもしれません。
いまのところ土産目的で買われたものは、JR北海道にとっては利用者からの「預かり金」扱いで売り上げには結びつかないそうですが、相互利用開始時には手数料収入がぼちぼち入ってくることでしょう。
nimocaのフェレットちゃんもかわいいけど、その地域らしさという点ではKitacaに軍配。来年スタートのJR九州「SUGOCA」、福岡市地下鉄「はやかけん」も、土産ものにはなりそうもありません。
思わぬデザイン力で好調なスタートを切ったKitaca。お土産になるのもいいけど、なにより札幌圏の鉄道活性化に結びついてほしいものだと思います。
↑nimocaとKitacaのマウスパッド
↑エゾモモンガ