Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

念願の済州菜の花ウォークへ【3】5日に一度の市場はワンダーランド

2015年03月29日 | ■韓国

 済州島3日目の朝は晴天。ホテル周辺の桜は、満開を迎えていました。


 以前の福岡直行便は午前発で、最終日は「何もできない日」だったそうですが、今回は乗り継ぎ利用の午後便ということで、午前中いっぱい自由な時間があります。
 というわけで案内して頂いたのがココ。外側から見れば倉庫にしか見えませんが…


 中は巨大な公設市場。それも5日に一度しか開かれない「五日市」です。
 自然が豊かな済州島らしく、生鮮や魚介類が目立ちますが、衣類や陶磁器、日用品まで、なんでもござれのごった煮市場です。


 おやつに最適なコナモノ屋台も並んでおり、できたてのあま~いホットクを「10時のおやつ」にしました
 驚くべきはその値段、なんと2個で1,000ウォン(約120円)! 都市部の半額以下です。


 最後はお土産用の日用品を買出しに、新世界百貨店系列の全国チェーンのショッピングセンター「Eマート」へ。僕は行きなれた場所でもあるので、まわりをぶらぶらしました。
 住宅街の桜もきれいなものです。


 隣接するのが、W杯会場にもなったサッカー競技場。半地下式の、立派なスタジアムです。


 お昼ごはんは、これまた普通の街へ。観光客向けではない地元の店こそ、案内されて嬉しい場所だなあと思います。


 貝のククス(うどん似の麺類)を頂きました。ダシがよく効き、水餃子ともよく合ってうまかった!
 12時を回るころには店の外に行列もできる、超人気店なのでした。


 楽しい思い出ができた西帰浦市をあとに、山を越えて済州空港へ。帰路も釜山乗り継ぎです。


 済州~釜山便は40分以上の遅れになり気を揉みましたが、約束通り荷物を一番に出してくれたので、余裕を持って国際線に移動。免税ショッピングも、こなすことができました。
 搭乗口前のダンキンドーナッツ、日本にはないチェーンなんですよと一行に解説したところ「じゃあお土産にしよう」と買っていく人多数。見慣れていたので気付きませんでしたが、なるほど、お土産になるのか!と目からウロコでした。


 PM2.5で真っ白な海上を飛ぶこと1時間弱、福岡へ舞い戻りました。さあ、次は4月に久留米で待ち受ける番です。

念願の済州菜の花ウォークへ【2】花に谷に海に

2015年03月28日 | ■韓国
 昨夜のマッコリが頭痛を誘発しますが、ウォーキングの日なので、ホテルの朝食バイキングをしっかり食べて出発!


 昨夜「国際交流のゆうべ」が開かれた、コンベンションセンター前が出発地点。
 参加者は久留米より少なめに見えますが、いろんなイベントが用意されていて、お祭り的に楽しめます。


 会場の片隅で作られていた、長い長いサンドには…


 シンボルの菜の花がトッピング。来訪者へのふるまいに、ありつくことができました。
 韓国のサンドイッチやパンに、あまり美味しいイメージはないのですが、さすがはロッテホテル謹製。実にうまかったです。


 10kmコースが出発していった後には、なぜかマジックショーが始まり、終わったところで、5kmコースの出発とあいなりました。


 久留米だと あちこちに誘導担当の人がいますが、こちらではあまり見当たらず、看板が目印です。市街地ではない分、道も広く、安心して歩けます。


 そしてこの自然環境!気候もちょうどよく、海沿いの風景を眺めながらの、気分がいいウォーキングです。


 道端にはレンギョウの花も。


 橋の上の目立つ位置には、久留米つつじマーチと久留米市の懸垂幕もかかっていました。
 くるっぱ君、祝!海外進出。


 石ころの海岸には、海岸でご飯を食べる人たちが。済州島は海女さんが活躍する島でもあり、とれたてのアワビやサザエを食べられるそうです。「あまちゃん」の観光海女を思い出しました。


 花園では、菜の花が満開! 黄色い絨毯という例えがぴったりです。
 久留米も、筑後川河川敷の菜の花がシンボルですが、防災上の要請から近年急速に姿を消しつつあります。こんな菜の花畑をあえて作れば、新たな名所になるかも。


 谷にかかる、天女の橋。わずか5kmでも、海から谷まで、変化に富んだコースです。


 …と歩いていましたが、時間も押してきたということで、コース中盤ながらバスに迎えに来てもらうことに。ウォーキングとしてはやや不完全燃焼で、来年は20kmを歩いてみたいものです。
 昼食は、なぜか日本ナイズされた内装のレストランで、豪華な海鮮鍋。辛いスープの中で、アワビが踊っていました。残酷だけど、うまかった!


 満腹のお腹を抱え、島の西部の徳修里(トクスリ)へ。溶岩石の石垣で囲まれた、白い平屋の住宅が並び、沖縄の家並みのようです。


 地域の保存会による伝統芸能、石臼挽きの披露がありました。昔ながらの衣装で、古代の実りの季節を再現します。


 日本からの訪問団も交えて、一つの輪になりました。


 祝祭の後は、集落を散策。玄武岩の石垣は、家々の境界だけではなく、畑や果樹園の境目にも築かれています。
 石垣の長さを島全体で累計すれば、万里の長城の長さを越えるのだとか。


 火山岩の大地に、休火山を仰ぎ見る風景は、八丈島を思い起こさせるものでした。
 くじゅうのようでもあり、東北のようでもあり、沖縄のようでもあり、それでもやっぱり韓国であり。済州は、いろんな要素を包含した島です。


 夕暮れの時間は、ヨットクルーズ体験! シャングリラ号に乗って、優雅なショートクルーズに出発です。


 豪華なソファが並ぶ船内には、ワインがセッティングされていました。パンケーキは、港のパン工房で焼かれた できたてのものだとか。
 大画面のカラオケセットもあり、船会社の社長さんがさっそく自慢の歌声を披露されていました。


 デッキにも、客人へのもてなしが。


 サザエのつぼ焼きの用意もありました。おいしかった!


 もちろん、最高のご馳走は済州島の風景!
 湾外に出るときに相当揺れたので、船に弱い人にとっては辛かったようだけど、僕にとっては滅多にない、贅沢な経験でした。


 夕ご飯は、車で約40分走った西帰浦市の中心部の焼肉屋さんへ。名物、黒豚の焼肉を豪快に食らう! うまみのある肉に、焼酎も進みます。
 店主の顔に見覚えがあると思ったら、一昨年の久留米訪問団のメンバーさんでした。当時はボランティアセンター長だったはずなのに店を興されるとは、華麗なる転進ぶりです。


 テレビでは、ちょうどウォーキングのニュースが。KBSの取材も受けていたので、出てこないかにわかに盛り上がりましたが、チラリとも映らず残念。約束通り、明日夕方のニュースで放送されるようです。


 さらに中心部の、夜の街へ。人口15万規模でも、そこそこ店が並んでいて、やはり離島という雰囲気ではありません。済州市の繁華街は、もっと賑わっているんだろうな。


 例によって、カラオケで大盛り上がりの夜が更けていったのでした。

念願の済州菜の花ウォークへ【1】釜山乗り継ぎで西帰浦市へ

2015年03月27日 | ■韓国
 春に開催される久留米市のウォーキング大会・つつじマーチは、韓国の菜の花ウォーク、中国のアカシヤウォークとともに「東亜フラワーリーグ」を結成し、交流を続けています。僕も縁あって、菜の花ウォークとの交流のお手伝いを続けてきました。
 しかし関わること4年になりながら、相手方の大会に参加したことがないというのも格好がつかない話。そこで3月末、念願の菜の花ウォークへの参加を果たしてきました。済州島の訪問自体が始めてで、期待に胸膨らみます。


 福岡~済州間は飛行機で1時間もかからない距離ですが、運悪く直行便は休航中。エアプサンを釜山で乗り継いで行くことになりました。
 時間がかかるのはもちろん、運賃も1.5倍になってしまい、ついてません。


 釜山までは、あっという間。同一会社の乗り継ぎなのに荷物は継走されず、大荷物を持って国際線~国内線ターミナル間を移動しました。お昼ごはんも荷物の番をしながらなので、なかなかの重労働です。
 一人旅であれば荷物も身軽にできるのですが、今回は相手方へのみやげ物もあって、いつもの旅とは勝手が違います。


 釜山~済州便は滑走路で40分ほど待機になり、済州国際空港に着いたのは4時過ぎ。福岡空港到着から、6時間を越える長旅にちょっと疲れ気味です。
 空港を出ると、さっそく南国の木々と、すっかり顔なじみになった西帰浦市の皆さんが出迎えてくれました。久しぶりの再開に、疲れも吹き飛びます。


 済州島は、北半分が済州市、南半分が西帰浦市の2自治体に分かれています。ただ済州道は、韓国の他の道と異なる「特別自治道」。道に属する2市の市長は道知事の任命制で、市には自治権がなく、「本土」の市とは重みが微妙に異なるようです。その代わり特別自治道は、他の道より強い権限が与えられています。
 済州市は、人口40万人を超える都市。鉄道はなく、交通はバスと車が頼りです。市街地にはビルが並び、「島」のイメージで行くと思いのほか都会に感じられます。


 西帰浦市の中文リゾートまでは、広い高速道路のような道を走ること、40分の道のりです。横に細長い島の「短辺方向」でこれだけの時間がかかるのですから、島の大きさが分かろうというもの。
 市街地を抜ければ、大平原に。放牧地のようで、くじゅう高原を思い出しました。


 飛行機の遅れで時間が押しており、ホテルに戻ればすぐさま出発。歓迎会の「国際交流の夕べ」にお招き頂きました。
 いつもお世話になっている西帰浦市の職員さんが功労者として表彰され、久留米チームも大盛り上がりでした。


 祝宴に欠かせないのは、うまい酒。済州の地焼酎「漢拏山」の裏面には、菜の花ウォークの図柄がデザインされていました。
 韓国では、焼酎の度数が年々下がる傾向にありますが、オリジナルの漢拏山は22度と、僕の留学していた10年前の水準を保っています。いきおい、酔いもすぐに回ってきます。


 2次会は、街中のごくごく普通の粉食店にお招き頂きました。
 マッコリは済州のオリジナルブランドで、賞味期限は1週間程度という「生」マッコリ。驚いたのは製造年月日で、なんと今日です。夜明け前に作って、一斉に配送されるのだとか。新鮮な生の味、済州に来たらまた味わいたい逸品でした。

甘木線沿線の酒蔵めぐり~くらの細道2015

2015年03月22日 |  □福岡発おでかけ日記
 春の新酒シーズンに合わせ、西鉄と甘木線沿線の4蔵がタイアップして行われる恒例企画「くらの細道」が、今年も開催されました。
 酒好きの仲間7人とともに、春満開の甘木線に向かって出発です。


 「くらの細道きっぷ」のお値段は、各駅から大堰駅までの往復運賃相当。これで酒蔵最寄り駅の北野・大城で乗り降り自由になり、200円で各蔵2杯まで試飲ができる「おちょこ購入補助券」がついています。
 福岡天神発で、1,460円。参加してみて分かる、お得感の大きさです。


 せっかくのお出かけなので、二日市までは太宰府観光列車「旅人」に乗車。ラッピングと簡単な改装にとどまる程度の観光列車とはいえ、乗客の半分以上は太宰府方面への観光客が占めていました。
 この車内で同行者から、西鉄8000形電車が順次廃車されるとのニュースを始めて聞き、ショック…。バブル時代の電車は、次第に数を減らしつつあります。


 宮ノ陣駅で、2両編成ののどかな甘木線の電車に乗り換え。ワンマン運行に加え、駅の無人化が年々進む甘木線ですが、「くらの細道」期間中は、案内役の乗務員が乗り込みます。
 花めぐりも楽しめる、春まっさかりの甘木線沿線。線路の土手は、さっそく菜の花に彩られていました。


 ワイワイ話していれば、あっという間に北野駅着。電車との距離の近さも、甘木線の見どころです。


 まずは北野天満宮に参拝。境内には、町内の蔵の酒樽も奉納されていました。


 桜の花もチラホラ。


 秋にはコスモス街道として賑わう土手には、一面の菜の花が。久留米のシンボルともいえる筑後川土手の菜の花が、防災上の要請から姿を消しつつある昨今、春は「北野菜の花街道」として売り出してもいいかも。
 その土手沿いにあるのが、1蔵目「千年乃松酒造」です。


 1蔵目のここで、試飲用おちょこを200円で購入。物販も含め、nimocaでの支払いができるようになっていました。


 試飲は指定銘柄をおちょこで2杯までですが、これが終わるとミニカップでどの銘柄も何杯でも試飲させてくれます(笑)。特に、自然発酵炭酸のスパークリング日本酒がうまかった! 瓶もおしゃれで、グループで2本お買い上げです。
 おでんも売っているので、お昼に訪ねれば腹ごしらえもできます。


 2蔵目は、千年乃松から3分もかからない場所にある山口酒造場。「庭のうぐいす」でお馴染みです。歴史ある建築物の雰囲気も合わせて楽しみたい蔵です。


 試飲カウンターは、どこかバーのような雰囲気。


 軽いおつまみまで付いてきて、なんだか申し訳ないほどです。


 …というわけで、500円なりの飲み比べセットまで楽しんでしまいました(笑)。


 30分に1本の電車を掴まえ、お隣の大城駅へ移動します。


 大城駅前すぐの山の壽酒造も、雰囲気満点。4月4日・5日の本蔵開きには、フレンチの店とのコラボ企画なんてのもあります。
 おしゃれなパッケージも特徴の蔵元ですが、それが先入観を与えないように、試飲はラベルなしの瓶で供されます。


 日本酒で満たされつつある腹(と脳?)を休めるべく、八女茶の紅茶で一休み。お菓子付き100円はお値打ちで、これも「試飲価格」なのでした。
 昨年もこたつでゆっくりさせてもらっており、マスターは顔を覚えてくれていて嬉しかったです。


 大堰駅で下車。路地裏を電車がゴトゴト走り抜けて行きます。


 蔵までは徒歩15分ほどかかりますが、春の陽気に恵まれれば、気持ちのいい散歩道。電気屋さんのガーデニング?には、毎度癒されます。




 土手の菜の花は、こちらも見事。


 井上合名会社に到着。昨年はちょうどお休みの日にあたっており、2年越しでかなった訪問でした。代わりに、昨年は開いていたお隣の博多焼酎研醸は隔年開催とのことで、今年はお休みでした。


 こちらも試飲の2杯が終われば、指定銘柄以外もミニ杯での試飲が楽しめます。にごりがうまくて、ついつい手が伸びてしまい…


 帰りの電車では、かばんが酒瓶でずっしり重くなっていました。

田主丸の春散歩

2015年03月21日 |  □福岡発おでかけ日記
 久留米市田主丸町といえば、秋のフルーツ狩りがもっとも賑わうシーズン。しかし暖かくなる春の時期も、またいい季節です。
 風も温んでくる3月末の週末、田主丸を気ままにドライブしました。


 筑後川の河川敷を上り、田主丸で耳納連山に向けて南へ折れました。最初に立ち寄ったのは、巨峰ワイナリー。久留米に7年間も住んでいながら、今回初めて足を踏み入れました。
 蔵の雰囲気だけではなく、木立もほどよく日光を遮り、高原の街にでも来たような気分です。


 自由に見学できるワイン蔵の中は、ひんやり。じっくりと熟成が進んでいました。


 この日は田主丸の春祭りに協賛して、イベントを開催中。ワインの栓抜き大会や、九産大の実験ワインの無料配布も行われていました。


 筑後平野を見下ろす絶好のロケーションの中、バーベキューも楽しめます。


 物販コーナーではワインの試飲も自由にできますが、今日は車で来たので残念無念の断念。次回は麓までバスで来て、心置きなく楽しみたいものです。
 代わりに、カフェ&ワイン「ホイリゲ」でランチすることに。


 オープンテラスでも寒くなかったこの日。高原の風に吹かれながら食べるオムライスの味は、格別です。
 やっぱり、ワインと合わせたかった!


 日帰り温泉「みのう山荘」で、昼からの温泉をひと浴び。こちらもいい景色でした。


 さっぱりしたところで、山道にアタック。カーブの続く山道を登った先にあるのが、「ハンググライダー発進基地」です。これまで3回来たことがありますが、どの日も人っ子ひとりいませんでした。
 ところが今日は、本来の発進基地の姿。発進を待つ人が、順番待ちをしていました。遠くは、京都の大学サークルという人たちも。その筋の人には、全国的に有名な場所なんですね。




 ふわり、ふわりと自由自在に空を舞うハンググライダーとパラグライダー。大空に飛び出したい衝動に駆られた、うららかな春の1日でした。

平成27年3月14日JR九州ダイヤ改定…無人化の3駅に降りる

2015年03月16日 | ■旅と鉄道
 北陸新幹線金沢延伸、上野東京ライン開業など、本州では華やかな話題が多かった春の新ダイヤ。一方の九州では小幅なダイヤの修正に留まり、むしろ駅の無人化や車内販売の廃止など、明るくはない取り組みの方が目立ちました。
 駅員さんの消えた駅はどのような姿に変化したのか? 15日に香椎線の2駅、16日に鹿児島本線の肥前旭駅に乗り降りしてみました。


香椎線土井駅…構内踏切のある無人駅に

 香椎線は、福岡市近郊を走る非電化単線。しかしローカル線ではなく、20分の等間隔で各駅停車が走り、どの列車もさらりと座席が埋まる、生活密着型の都市近郊路線です。
 沿線には観光地の海ノ中道があることもあって、観光列車の運行や博多直通化など、かなりのテコ入れも図られていた時期もありました。しかしいつしか新型車両は他線に召し上げられ、国鉄型車両ばかりが往復する地味な路線に。そしてこの春、接続駅以外全駅の無人化という、思い切った合理化が図られました。


 香椎駅から、2両編成のキハ47系に乗り込みます。香椎線の車両は近年、「アクアライナー」カラーへの塗り替えが進みイメージアップが図られているものの、内装は古めかしいボックスシートのままです。
 一時期走っていた新型のキハ200系列が地方の勾配路線に転出したのは、平坦な香椎線にはオーバースペックだったため。適度なスペックに落とした、新型車両の登場が待たれるところです。


 土井駅に下車。コンクリート打ち放しの、小ぶりながらもデザインされた駅舎です。西戸崎駅や須恵駅でもコンクリートとガラスの意匠が取り入れてられており、おしゃれな雰囲気になっています。


 しかし、窓口の閉ざされた駅は寂しいもの。磁気券の改集札にあたっていた簡易型自動改札機も、無人化を前に1月に撤去されたそうです。
 今後は入場記録のない磁気券でも出場できることになり、特に定期券のキセルが増えないか心配。西鉄電車のような、定期券は原則ICカードというやり方も一案かも。


 香椎線では無人化に伴い、ANSWERなる遠隔案内システムを導入しました。単なるインターホンによる案内に留まらず、精算機も連動しており、案内を受けながら精算できます。
 始発から終列車まで対応できる分、これまでより案内できる時間が拡大!と広報されてはいましたが、やはり対面サービスに勝る安心感はありません。


 列車の交換駅である土井駅は、駅本屋向かい側のホームとは構内踏切で結ばれています。
 国鉄時代のローカル線無人化にあたっては、こ線橋を整備して安全を確保するケースが多くありました。香椎線では快速列車もなく、構内踏切でも安全と判断されたのでしょう。バリアフリーの面からは、構内踏切がベターとも言えます。


香椎線須恵中央駅…もったいないフルスペックの自動改札機

 福北ゆたか線との乗換え駅、長者原を越えて、須恵中央駅で下車しました。平成元年開業の比較的新しい駅で、須恵駅よりも須恵町の中心部に当たります。




 香椎線のほとんどの駅は、簡易型ICカードリーダでSUGOCA対応を行っていますが、和白、宇美と須恵中央駅には、フルスペック型の自動改札機が導入されていました。この3駅でも今回の無人化にあたり、磁気券の改札を廃止しています。
 その結果がこの姿。磁気券の投入口が塞がれ、ICカードのみ改札を行うようになっています。高価な「フルスペック型改札機」なのに簡易型と同じ機能しか生かされず、なんとももったいない感じ。ラッシュ時に改札機が不足している、久留米駅に1台分けてほしいなんて思ってしまいます。


 無人化は3月14日付けで行われましたが、香椎線の各駅では今月いっぱい、元の駅員さんが常駐して案内に当たるとのこと。改札機で戸惑う切符利用者が多く見られ、その都度案内されていました。
 日常の利用者は慣れていくのでしょうが、来訪者は戸惑うこと必至の改札機でした。


鹿児島本線肥前旭駅…フォローのない無人化

 鹿児島本線の肥前旭駅は、鳥栖駅から1駅下った旧旭村の中心駅。無人化直前の先週水曜日にも、様子を記録に来た駅です。




 無人化から2日、最初の平日を迎えた肥前旭駅でしたが、香椎線のような案内員は見当たらず、正真正銘の無人駅になっていました。2日前まで動いていた簡易改札機にはカバーが掛けられ、使用停止状態になっています。


 自動券売機の入れ替えはなく、従来どおりのSUGOCA非対応型。SUGOCAチャージをしたければ、歩いて5分のファミマまで行かねばなりません。そのような案内もありませんが…
 遠隔案内システムも導入されず、単なる無人化に留まっていました。


 駅員さんが受け付けていた終日220円の一時利用駐車場は、送迎用に。30分以上の駐車は禁止になってしまいました。
送迎用というには広すぎで、長時間利用ができなくなって困る人もいるはず。コインパーキングの導入が待たれるところです。

 JR九州では今後 上場に向けて、さらなる無人化や「みどりの窓口」廃止を進める計画とのこと。上場会社の先輩・JR東日本だと、首都圏ですら思い切った合理化を進めており、「純民間企業」としては仕方のない一面もあるのかもしれません。
 ただ一利用者、一ファンとしては、どこか寂しさを感じた、3駅の様子でした。

椿咲く玄界灘の離島・地島へ

2015年03月14日 |  □福岡発おでかけ日記
 市町村合併で、二つの離島を持つことになった宗像市。そのうちの一つ、地島(じのしま)で椿まつりが開かれるというので、島旅仲間と共に小さな旅へと出かけました。


 宗像離島の発着場となる神湊へは、JR東郷駅からバスで20分。宗像大社を経由し、田んぼの中をのんびりと走ります。
 神湊(こうのみなと)というバス停で思わず降りかけてしまいますが、最寄りバス停は終点の神湊渡船場になるのでご注意を。


 フェリーターミナルは、最近建て替えられたようです。吹き抜けにはシンボリックなフラッグが掛っていました。


 地島の人口約200人に対し、椿まつりには800人規模の観光客が訪れます。市営航路は臨時切符売り場や臨時船も出して対応していましたが、列の後ろの方は積み残しになってしまいました。
 旅客船は決して大きな船ではありませんが、ぎっしり150人が詰め込まれると、案外入るものだなと思います。


 このところの、ぐずつき気味の天気もどこへやら。すっきり晴れた天気に、島旅気分も沸き立ちます。


 小さな島ですが、集落と港は2ヶ所あります。まずは島の南側にある、泊に寄航。
 祭り会場まで距離はあるものの、2つの集落を結ぶつばきロード(健脚向きコース)を散策して会場に向かう人々が降りていきました。


 西海岸を回り込み、白浜港に到着。港の前が、祭り会場です。
 さっそく島の子どもたちが、案内パンフレットを手渡してくれました。総合学習の時間にでも作成したのでしょうか。島の歴史や特産品もカバーした、力作のガイドブックです。


 テントの出店では、島の特産物を使った食べ物が並んでいました。
 びっくりしたのは、その安さ。椿油で炊き込んだ「椿油ごはん」が二百円、サザエは1個50円!朝11時前でしたが、さっそく海辺でランチにしました。


 ステージイベントも、午前・午後と続きます。司会はプロ、中身は手作り感いっぱいで、そのギャップが楽しかったです。


 お腹も膨れたところで本来の目的を思い出し、椿散策に出発! 残念ながら見ごろは過ぎたそうですが、自生する6千本余りの椿の花が、ところどころに残っていました。


 泊港方面への遊歩道はアップダウンが激しいとのことですが、展望台に向かう倉瀬遊歩道は比較的穏やかな道のり。海の青に、赤い椿が映えます。


 展望台からの眺めも良好。都心から1時間とは思えないほどの、透き通った海です。


 帰路は歩いて、泊港からの乗船を試みました。14時10分の船は、白浜出発時点でほぼ満員。数人しか乗れずに、行列からは文句も上がりましたが、島の生活航路にお邪魔させてもらっている気持ちは忘れたくないもの。島の時間を楽しむ、余裕が肝心です。
 さいわい、続行の臨時便にはなんとか乗船。接続のバスもぎっしり満員御礼で、一年で島一番の賑わいに埋もれた一日でした。

平成27年3月14日、無人化…その直前の駅訪問~肥前旭、田代

2015年03月11日 | ■旅と鉄道
 北陸新幹線や上野東北ラインの開業、寝台特急の廃止など、話題豊富な27年の春ダイヤ改定。しかしJR九州では株式上場を前に、不採算事業である鉄道輸送部門の収支改善を図るべく、大幅な合理化が断行されます。
 その一つが「かもめ」「ソニック」の車内販売廃止、もう一つが32駅にも及ぶ有人駅の無人化です。

 香椎線は無人案内システムの導入と引き換えに、接続駅を除く全駅無人化を実施という徹底ぶりで話題になりました。しかし香椎線以外でも20駅が無人化対象になっており、幹線筋にある都市圏の駅も含まれているのが特徴です。
 無人化を控えた駅は、どんな姿なのか…3月11日(水)の帰宅途中に、鹿児島本線の肥前旭、田代の両駅を訪ねました。


 肥前旭駅は、鳥栖から1駅南に下った快速通過駅。昼間は30分に1本の普通電車を迎えます。
 平行して新幹線の高架がそびえ、頻繁に新幹線が行き交っていました。


 こ線人道橋を渡った駅裏側は、大手住宅メーカーが開発した住宅団地です。このお陰もあってか駅の乗降客数は、2002年を底に上昇傾向。2011年は1,280人と、2002年の1.2倍を記録しています(出典:wikipedia)。
 比例して駅の売り上げも伸びているはずで、無人化の決定は、駅員さんも複雑な気持ちで受け止めたのでは。




 無人化の告知は、大きなポスターで掲示されていました。


 無人化に伴い、駅員さんが管理していた駅前駐車場(1日220円)は、送迎用の一時駐車場に変わるとの告知も。今後は長時間の駐車はご遠慮下さいとのことでした。
 結構な台数が止まっているのだから、コインパーキングへ転換するのが筋のはず。事実上の「無料駐車場」になってしまうのでは?


 トイレなど、死角の多いのが駅という建物。無人化には一抹の不安も覚えますが…


 自販機の上の防犯カメラは、増設された形跡がありました。


 鳥栖から1駅上って、田代駅。久しぶりに訪ねたら、いつの間にかこぶりな三角屋根の駅舎になっていました。


 駅前には昔ながらの酒屋が立ち、その背後の専門学校の新しい校舎と対照を成します。
 田代駅の乗降客数も、2003年を底に復調基調。2011年は781人と、2002年に比べ1.5倍になっています。通学客が増えているのかな?


 窓口の下にはきっぷの宣伝や、平成25年からクレジットカードが使えるようになったとの告知が。営業努力むなしく、無人化を迎えます。


 肥前旭駅も同様でしたが、無人化に合わせて、切符と磁気定期券の改札方法も変わります。入場時は改札機を通さずそのまま乗車、出場時は切符入れに投入とのこと。要するに、簡易自動改札機の運用を止めるということのようです。
 14日からは入場記録のない定期券でも、他駅の自動改札機で出場できてしまうことになります。キセル乗車が横行しないか、ちょっと心配です。


 改築でコンパクトになった駅舎。旧駅舎の敷地には、こぎれいなミニ庭園が作られていました。
 無人化で荒れるのかなと思いましたが、どうやら手入れの主は向かいのデイサービスセンターのよう。無人化でさみしくなった駅にとって、人手の入った花壇は、せめてもの華やぎになってくれるでしょう。

 駅員さんが引き上げるまで、あと3日の駅の姿でした。

由布院の「猫の宿」を訪ねる

2015年03月01日 | ■旅と鉄道
 旅鉄系ブログの管理人が、犬派だろうが猫派だろうが読者にとっては関心外でしょうが、私、生粋の猫派です。小さい頃から家には猫が住み着いていたし、猫カフェになんて行けば眉はダダ下がりになってしまいます。
 そんな猫派には たまらない宿が由布院にあるということで、2月と3月をまたぐ週末に訪ねてみました。


 由布院までは、往路はJR、復路は高速バスと使い分けてみました。九州内では列車もバスも、割引きっぷが往復券タイプではなく回数券タイプが主流なので、偶数人の旅行であれば使い分けてもお得になります。
 せっかくの由布院ということで、元祖観光特急「ゆふいんの森」を利用。クラシカルな内装のⅠ世は、水戸岡デザインのⅢ世よりも個人的には好みです。


 窓2枚分に渡る、ワイドな展望も売りの一つ。ハイデッカータイプなので心持ち視線が高く、いつも通勤で見る車窓もちょっと違って見えます。


 訪日外国人の急増で、近年の ゆふいんの森は、外国人の方が優勢とも言える雰囲気に。Ⅲ世は、1両増結の5両編成になることがアナウンスされています。
 Ⅰ、Ⅲ世ともに無料wi-fiのサービスが始まったのも、訪日客を意識した変化。「格安SIM」ユーザーとしても、早いwi-fiはありがたいサービスです。


 2号車のビュッフェは博多発車時から行列が絶えず、景色のよくなる久留米発車後に行ってみれば、お弁当類はすべて売り切れていました。車内販売の不振も、観光特急では無縁の話のようです。
 せっかくエビスの生ビール(400円は割安)を積んでいる列車でもあるので、おつまみと共に車内ビアカフェを楽しみました。


 展望がいい3号車のサロンも、終始盛況。由布院到着直前には、客室乗務員による由布院観光ガイドも開催されました。訪日客向けに、中韓や英語によるガイドがあってもいいのかなと思います。


 なんてあれこれ動いていれば、由布院までの2時間半はあっという間です。別府行きの3号は、由布院から先はガラガラというのがお馴染みの姿だったのですが、外国人を中心に、乗り込む人の姿も多く見られました。
 由布院~別府間だけだと短すぎてもったいない感じだけど、「JR九州パス」さえあれば制限なく何度も乗れるので、特に外国人の短区間乗車は多く見られます。うらやましいなあ。


 由布院駅を出て、大分川沿いをぶらぶらしました。あまりいい予報ではない週末だったのに、素晴らしい冬晴れの天気。
 湯の坪街道だけ歩いて帰ってはもったいない。田舎道を散策してこその由布院だと思います。


 金鱗湖も、すがすがしい眺め。


 温泉に入って温まっている頃には、予報通り天気がぐずつき始めました。
 宿は湯布院インター近くなので、高速バスで「道の駅」まで区間乗車しようと思っていたのですが、湯布院発車時点で満席になりお断りされてしまいました。宿に連絡すれば、快く迎えに来ていただき、感謝感謝。


 というわけで、今宵の宿「オーベルゼ レ・ボー」に到着。木立に囲まれた、いい雰囲気の宿です。
 1泊2食で18,000円という高級ホテル並みの宿代にも関わらず、某宿泊サイトの口コミでも群を抜く高評価の宿でもあります。さて、その実力やいかに。


 宿泊は、1晩で2組限定。客室はメゾネットで、1階は畳敷きのコーナーもある居間、2階がベッドルームになっています。
 この季節、「カジュアルこたつ」ではない家庭用の大きなこたつが嬉しいです。


 部屋専用のテラスもあります。今日の天気では雨に濡れるばかりだけど、いい季節の晴れの日は気持ちいいだろうな。


 それはいいとして、肝心の猫は…と思いながら2階に上がってみれば、暖房の暖かい風に当たりながらウトウトする黒猫が! お客様より先にベッドで眠っているとは、なかなか図太い神経です(笑)。
 いや、お邪魔しているのは僕らの方かな。


 総勢5匹の猫ファミリーが、入れ替わり立ち代り部屋を訪ねてきます。
 こたつに入ってのぼせたら、自分で窓を開けて外へ涼みに。もちろん窓は開けっ放し。自由すぎです(笑)。


 レ・ボーは、おいしいくてボリュームたっぷりのご飯もウリ。豚しゃぶの夕食をお願いしたら、副菜だけでこのボリューム。これだけで、もうお腹いっぱいです。


 豚しゃぶは甘みのあるお肉で、満腹のお腹にも するする入っていきました。


 満腹で苦しいほどに。昼ごはんを軽めにしておいてよかったです。でもデザートは別腹(笑)。


 夜もふければ猫もウトウト。暖房を切って寝ていたら、寒くなったのか布団の中に入ってきました。かわいすぎます。
 しかし夜行性のネコ。夜中に起き出したと思ったら、ネコ同士でじゃれあったり、階段をドタドタと上り下りしたりと、猫好きだからこそ微笑ましく眺めていられる騒ぎが続いたのでした。


 そして朝。朝食も焼き立てパンにサラダ、スープとボリュームたっぷりです。一日に必要な野菜の半分は摂れるのだとか。


 猫たちに見送られながらチェックアウト。宿の車で道の駅まで送って頂きました。
 帰路は、道の駅ゆふいんから福岡空港国際線ターミナルまで、高速バス「ゆふいん号」に乗りました。雰囲気やサービスは実用本位ですが、JRより早くて安い。窓が大きく、高速道路は高い位置を走るので、眺めも良好です。


 空港経由便ということもあって、満員の乗客のほとんどが外国人。春からの新ダイヤでは2往復の増発も予定されており、JR以上に訪日客増加による活況を感じたのでした。