17日(金)、予告通り、平成23年3月ダイヤ改定の概要が発表されました。注目の九州新幹線の詳細なダイヤや、平行在来線のダイヤも合わせて公表。新聞各紙によると、沿線自治体からは概ね肯定的な評価がなされているようです。
まずは我が街、久留米からはどれだけ便利になるのか、
JR九州のニュースリリースや、
南日本新聞で公表されている時刻表から分析してみました。
■博多への特急通勤は劇的に便利に
まずは朝の通勤時間帯。現行のダイヤでは、上り特急は5時台1本、6時台にはなく、7~8時台にはそれぞれ2本という陣容です。
本当は増発したいのでしょうけれど、朝は普通電車の本数の確保が最優先で、特急をダイヤに入れる余裕がないものと察します。また普通電車に挟まれたダイヤになることから、二日市通過ながら昼間の特急に比べて4分長い、30分を要しています。
これが新幹線では、6時台3本、7~8時台は4本ずつの本数を確保。また在来線特急も5時台に1本、7時台に2本残ることから、通勤時間帯の速達列車は合わせて14本と、現在のおよそ3倍にもなります。
また新幹線なら、通勤時間帯でも所要時間は同じ。この時間帯の列車は新鳥栖停車で、所要時間は19~20分になります。西鉄電車も、朝の上りは急行で40分程度を要するので、勤務地によっては新幹線を選択する人も増えるかもしれません。
久留米から博多の新幹線特急料金は200円アップに抑えられたので、新幹線定期券のアップも1ヶ月で3千円程度に留まるのではないかと思われます。
朝の時間帯の10~20分は貴重で、特急定期からの乗り換えはもちろん、快速・普通からの転移も相当数が見込めるのではないでしょうか。またこれを期に、住まいに久留米を選ぶ人が増えればと思います。
■新大阪直通は昼間1時間に1本「程度」の感覚
新大阪直通の「さくら」は、1日8往復が停車。久留米駅から、9、10、12、14、15、16、17時の46分発に乗れば、広島・岡山・神戸・新大阪まで乗換えなしで行けるようになります。昼間の時間で「穴」になっている11時台と13時台は代わりに新鳥栖停車になっているので、マイカー利用ならばこの時間帯、鳥栖まで行くという選択もあります。
新大阪までは2時間58分。福岡空港まで出る手間を考えれば圧倒的に飛行機より便利で、時間的にも互角か、新幹線がやや有利といえそうです。
出張に便利な時間帯は「みずほ」として運転されるので、久留米には停車しないのが残念なところ。博多駅では、可能な限り同一ホームで山陽新幹線と接続するようなので、「のぞみ」乗り継ぎであれば、「さくら」より早くなりそうです。
■少し不便な昼間の新幹線ダイヤ
一方、博多への足として見た場合、久留米駅の停車本数は昼間1時間に3本で、現在と変化はありません。また新大阪直通「さくら」の停車を新鳥栖と分け合った影響で、時間帯によって発車時刻が変わるのも、分かりにくい点です。
基本、9~17時台は毎時4、36、46分ですが、11時台と13時台のみ4、16、36分になるのでご注意を。1時間に3本といってもきれいな20分間隔ではなく、これは中間駅の宿命といえそうです。
時刻表を見ずに久留米駅に行って、ちょうど特急が発車してしまい、次の列車を待って博多まで行く際の所要時間は、今は最大で52分(待ち時間25分+所要時間27分)。新幹線ダイヤでは、最大51分(
待ち時間32分+所要時間19分)と、1分の短縮に留まる結果となってしまいました。このタイミングだと、新幹線を待つより快速に乗ってしまった方が早そうです。
ダイヤの不揃いは熊本方面も同じですが、1時間3本のうち、2本は熊本までノンストップ。熊本まで21分で行ける列車が毎時2本というのは衝撃的で、速達効果が高そうです。
■快速が増える、普通は半分に
在来線特急がほぼ廃止される一方で、快速電車は増発。昼間の時間帯では、久留米~博多間は1時間3本、久留米~大牟田間には1時間に2本運転されます。
所要時間は、博多まで最速33分と、特急廃止でダイヤに余裕ができることから、現行よりはある程度のスピードアップは見込まれるようです。一方、現在25分程度で走っている大牟田からの所要時間は、筑後船小屋停車の影響もあり、若干伸びるようです。
本数は倍増することから、羽犬塚や瀬高など、特急から見放される駅でも、まずまずの利便性が確保されることになります。
一方、快速増発と引き換えに、荒木~大牟田間の普通電車は、昼間1時間に2本から1本へと、ローカル線然とした本数に減ってしまうことになりました。久留米市内であっても、西牟田駅は1時間に1本と、久大本線並みの本数になってしまいます。
確かに、鳥栖~大牟田間の2両編成の普通電車は、いつもガラガラの印象ですが…なかなか踏み込んだ減便です。
来年春のダイヤ改定では、減便や廃止になる列車もあり、利便性のアップになる地域とそうでない地域が分かれています。そんな中でも久留米は、全体的に見れば利便性がアップするといえそうです。来年の春が、今から楽しみになってきました。