ビートルといえば今や日韓航路の代名詞的存在ですが、1990年のデビュー時は、博多~平戸~オランダ村間を結ぶ国内航路でした。
1994年、JR九州の赤字決算を受けた合理化のあおりで休航。「Ⅱ世」と呼ばれていた日韓航路のみ残り、現在に至っています。
しかし平戸にとっては、博多からの早い交通手段であり、2014年から年間数本限定で復活。今年も、国の船旅活性化モデルとして6日間の運航が実現しました。
限定と言われては乗り逃せない!? というわけで島旅仲間を誘い、平戸の日帰り旅行に出かけてみました。
久留米から西鉄電車で福岡・天神へ。出発地の博多港国際ターミナルへは、博多駅経由の連接バスに乗ってみました。路面電車並みの存在感です。
土曜の8時とあって、2両のバスはがら空き。道も空いているので、スムーズなのはありがたいです。
博多駅前へ。駅前通りでは5日前、地下鉄工事に伴う大規模な陥没が発生し、現在は復旧工事中。すばやい復旧計画には驚かされたものです。くれぐれも、安全第一で!
ビートルの出発地、博多港国際ターミナルに到着。今回はJR九州旅行のパッケージツアーに申し込んでいて、1階の特設カウンターで手続きしました。
チケットは、釜山行きのものと同じ体裁。20分前までに出国審査場へとの案内がありますが、もちろんその必要はありません。
ターミナル1階にはベンチが少なく、出航までの待ち時間は2階へ。出発口は出国審査場の先にあるので、ここからは乗れません。出航15分前、1階に戻り…
ガイドさんに案内され、ターミナルビルの外へ。南側の駐車場を歩いて…
乗船口横のフェンスをすり抜け…
「いつもの」桟橋へ。通常は国際航路専業のビートルならではの「裏道」でした。
ビートルでは平戸航路とは別に、釜山航路の対馬寄港便でも、博多~対馬の国内客を混乗させる計画が調整中。実現の暁には、国内客向けの動線も整備されるものと思います。
乗り慣れたビートルなので、どうしても今から釜山に向かうような気がしてなりません。昨日の韓国の新聞も置かれたままで、なおさらその感を強くします。
釜山行きビートルは「常連さん」が多いけど、今日はビートルは初めてという人も多いはず。物珍しそうにあちこち観察している人が、少なくありませんでした。
わずか6日間限定の航路ながら、営業努力もあって8割方の乗船率。もう珍しくもなくなったクルーズ船に見送られ、行ってきます!
安全設備の案内放送も、いつも通り日韓の2か国語放送です。
1時間20分の短い航行時間ながら、船内販売も実施。席の前には、釜山行きと同じメニュー表が差さっていましたが、免税にならない国内航路なので、ちょっと高めの別メニューです。
酒類は積んでおらず、「いつもの」サンドイッチ&ビールとはいきませんでした。コーヒーとパンで、軽く済ませます。
九州本土沿岸を航行するので、車窓には変化があります。車窓の案内放送だけでなく、ペーパーも準備されていたのは嬉しい心配りです。
蔦屋さんのお菓子は、平戸市観光協会からのサービス。ビートルへの期待がうかがわれます。
海上ルートだと、本当にあっという間に平戸へ。港の沖でしばらく停泊の後、平戸港に入港しました。地元高校のブラスバンドがお出迎えです。
平戸城とビートル。1990年代には、「いつもの」光景だったんでしょうね。
平戸では地元ガイドさんに、韓国・済州発祥のトレッキング「九州オルレ・平戸コース」を案内頂きました。JR九州旅行からの参加者はわずか6人なので、説明もよく聞けました。
雑談もたくさんできたので、オルレのガイドなのに韓国への見方は厳しいことが分かったり、ポケモンGO雑学をたくさん聞けたり、実は妹の恩師のお友達であることが発覚したり(笑)、楽しかったです。
港から街に向かうと、なんだか騒がしいことに。今朝信号機に車がぶつかる事故があり、その勢いで岸壁まで破損したんだそうです。街の規模から考えれば、博多の陥没並みの大事件!?
みやんちょ商店街へ。離島とはいえ「市」の中心部。歴史あるお菓子屋さんや、県内でもうまいと評判の喫茶店、洋食屋さんなど、早くもコースを離脱したくなるような店が続きます。
「あの」大通販企業の元社長さんの実家も、頑張ってます。
もちろん、鎖国時代に海外へ開かれていた地ならではの史跡も。
なんだか街歩きみたいだと思っていたところ、約1kmでようやく非舗装路へ。最教寺の境内を抜けていきます。
と思ったら、再び立派な2車線の車道へ。コンビニもあって、水分や食料の調達もOKです。
休耕田の増加は、どこの地方でも共通の課題。稲を干している様子を見られると、ほっとします。
旗がなければ、見落としてしまいそうな脇道へ。ただの山道かと思いきや…
思いの他広く、路面には瓦や陶器の欠片が。戦後の物資が乏しい時期に入植した人々が、集落を形成していた街区の跡なのだそうです。
言われなければ分からない、歴史の痕跡です。
南の島のような植生。
散策路を抜ければ…
景勝地の、川内(かわうち)峠です。久住や阿蘇のような草原の向こう側に、玄界灘や九十九島を望めます。
草原はもともと牧草地。今も春には消防団が野焼きを行い、維持しているのだとか。
お待ちかねの、昼食タイム。地元の料理屋さんから届けられた、平戸名物満載のお弁当です。今回の平戸での食事はこれだけだったので、嬉しいですね。
うちわえび汁は、これも観光協会からのおもてなし。外で食べる暖かいごはん、最高!
30分の短い休息を終えて、下りへ。オルレの全コースを歩く時間はないという先週と同じような展開で、一部コースをショートカットしました。
下り道で見られる石塀は、茶畑の跡。なんで畑に立派な塀を築いたんだろ? イノシシよけかしら…
またまた市からのおもてなし、島名産のスイーツ2つを貰って元気100倍。立派なスポーツ施設が並ぶエリアに出てきました。
オルレは、野球場の観客席の裏を回り、階段で下に至るコースが設定されています。
なるほど分かりやすい(笑)。
平戸もキリシタンの割合が多い土地。世界遺産候補の構成要素の一つ、平戸ザビエル記念教会へと出てきました。
左右非対称の形態は、資金難で最終形まで完成できなかった名残なのだとか。
隠れキリシタンの悲しい歴史もありますが、今は教会に隣り合って寺院があり、寛容さを感じます。
光明寺を抜けると、石畳の坂道が。思わず足を止めてしまう風景です。
寺の背景に教会。平戸を代表する景観の一つと言われます。
坂道を下れば、再び街歩きの風情に。トレッキングと街歩き、両方楽しめるのが平戸コースの魅力です。
街中とはいえ、大ソテツの生命力には圧倒されます。
松浦史料博物館の石段を仰ぎ見て、今日のオルレはフィニッシュ。これまで歩いた久留米、別府に負けず劣らずの、変化に富んだ楽しいコースでした。
足湯で疲れをいやせば、出航時刻は間もなくです。
土日の1泊2日で楽しむ人も多いだろうから、帰りの便はガラガラだろうな…と思ってたら、往路と同様、ほぼ満席。
それだけ日帰り客が多かったことを示唆しているわけで、便利な交通はプラスばかりではないのかも。
平戸の皆さんの見送りを受けて、出航です。
帰路もあっという間の1時間20分。5時半には博多港に到着しました。
バスで博多駅に出れば、すっかり冬景色でした。
1994年、JR九州の赤字決算を受けた合理化のあおりで休航。「Ⅱ世」と呼ばれていた日韓航路のみ残り、現在に至っています。
しかし平戸にとっては、博多からの早い交通手段であり、2014年から年間数本限定で復活。今年も、国の船旅活性化モデルとして6日間の運航が実現しました。
限定と言われては乗り逃せない!? というわけで島旅仲間を誘い、平戸の日帰り旅行に出かけてみました。
久留米から西鉄電車で福岡・天神へ。出発地の博多港国際ターミナルへは、博多駅経由の連接バスに乗ってみました。路面電車並みの存在感です。
土曜の8時とあって、2両のバスはがら空き。道も空いているので、スムーズなのはありがたいです。
博多駅前へ。駅前通りでは5日前、地下鉄工事に伴う大規模な陥没が発生し、現在は復旧工事中。すばやい復旧計画には驚かされたものです。くれぐれも、安全第一で!
ビートルの出発地、博多港国際ターミナルに到着。今回はJR九州旅行のパッケージツアーに申し込んでいて、1階の特設カウンターで手続きしました。
チケットは、釜山行きのものと同じ体裁。20分前までに出国審査場へとの案内がありますが、もちろんその必要はありません。
ターミナル1階にはベンチが少なく、出航までの待ち時間は2階へ。出発口は出国審査場の先にあるので、ここからは乗れません。出航15分前、1階に戻り…
ガイドさんに案内され、ターミナルビルの外へ。南側の駐車場を歩いて…
乗船口横のフェンスをすり抜け…
「いつもの」桟橋へ。通常は国際航路専業のビートルならではの「裏道」でした。
ビートルでは平戸航路とは別に、釜山航路の対馬寄港便でも、博多~対馬の国内客を混乗させる計画が調整中。実現の暁には、国内客向けの動線も整備されるものと思います。
乗り慣れたビートルなので、どうしても今から釜山に向かうような気がしてなりません。昨日の韓国の新聞も置かれたままで、なおさらその感を強くします。
釜山行きビートルは「常連さん」が多いけど、今日はビートルは初めてという人も多いはず。物珍しそうにあちこち観察している人が、少なくありませんでした。
わずか6日間限定の航路ながら、営業努力もあって8割方の乗船率。もう珍しくもなくなったクルーズ船に見送られ、行ってきます!
安全設備の案内放送も、いつも通り日韓の2か国語放送です。
1時間20分の短い航行時間ながら、船内販売も実施。席の前には、釜山行きと同じメニュー表が差さっていましたが、免税にならない国内航路なので、ちょっと高めの別メニューです。
酒類は積んでおらず、「いつもの」サンドイッチ&ビールとはいきませんでした。コーヒーとパンで、軽く済ませます。
九州本土沿岸を航行するので、車窓には変化があります。車窓の案内放送だけでなく、ペーパーも準備されていたのは嬉しい心配りです。
蔦屋さんのお菓子は、平戸市観光協会からのサービス。ビートルへの期待がうかがわれます。
海上ルートだと、本当にあっという間に平戸へ。港の沖でしばらく停泊の後、平戸港に入港しました。地元高校のブラスバンドがお出迎えです。
平戸城とビートル。1990年代には、「いつもの」光景だったんでしょうね。
平戸では地元ガイドさんに、韓国・済州発祥のトレッキング「九州オルレ・平戸コース」を案内頂きました。JR九州旅行からの参加者はわずか6人なので、説明もよく聞けました。
雑談もたくさんできたので、オルレのガイドなのに韓国への見方は厳しいことが分かったり、ポケモンGO雑学をたくさん聞けたり、実は妹の恩師のお友達であることが発覚したり(笑)、楽しかったです。
港から街に向かうと、なんだか騒がしいことに。今朝信号機に車がぶつかる事故があり、その勢いで岸壁まで破損したんだそうです。街の規模から考えれば、博多の陥没並みの大事件!?
みやんちょ商店街へ。離島とはいえ「市」の中心部。歴史あるお菓子屋さんや、県内でもうまいと評判の喫茶店、洋食屋さんなど、早くもコースを離脱したくなるような店が続きます。
「あの」大通販企業の元社長さんの実家も、頑張ってます。
もちろん、鎖国時代に海外へ開かれていた地ならではの史跡も。
なんだか街歩きみたいだと思っていたところ、約1kmでようやく非舗装路へ。最教寺の境内を抜けていきます。
と思ったら、再び立派な2車線の車道へ。コンビニもあって、水分や食料の調達もOKです。
休耕田の増加は、どこの地方でも共通の課題。稲を干している様子を見られると、ほっとします。
旗がなければ、見落としてしまいそうな脇道へ。ただの山道かと思いきや…
思いの他広く、路面には瓦や陶器の欠片が。戦後の物資が乏しい時期に入植した人々が、集落を形成していた街区の跡なのだそうです。
言われなければ分からない、歴史の痕跡です。
南の島のような植生。
散策路を抜ければ…
景勝地の、川内(かわうち)峠です。久住や阿蘇のような草原の向こう側に、玄界灘や九十九島を望めます。
草原はもともと牧草地。今も春には消防団が野焼きを行い、維持しているのだとか。
お待ちかねの、昼食タイム。地元の料理屋さんから届けられた、平戸名物満載のお弁当です。今回の平戸での食事はこれだけだったので、嬉しいですね。
うちわえび汁は、これも観光協会からのおもてなし。外で食べる暖かいごはん、最高!
30分の短い休息を終えて、下りへ。オルレの全コースを歩く時間はないという先週と同じような展開で、一部コースをショートカットしました。
下り道で見られる石塀は、茶畑の跡。なんで畑に立派な塀を築いたんだろ? イノシシよけかしら…
またまた市からのおもてなし、島名産のスイーツ2つを貰って元気100倍。立派なスポーツ施設が並ぶエリアに出てきました。
オルレは、野球場の観客席の裏を回り、階段で下に至るコースが設定されています。
なるほど分かりやすい(笑)。
平戸もキリシタンの割合が多い土地。世界遺産候補の構成要素の一つ、平戸ザビエル記念教会へと出てきました。
左右非対称の形態は、資金難で最終形まで完成できなかった名残なのだとか。
隠れキリシタンの悲しい歴史もありますが、今は教会に隣り合って寺院があり、寛容さを感じます。
光明寺を抜けると、石畳の坂道が。思わず足を止めてしまう風景です。
寺の背景に教会。平戸を代表する景観の一つと言われます。
坂道を下れば、再び街歩きの風情に。トレッキングと街歩き、両方楽しめるのが平戸コースの魅力です。
街中とはいえ、大ソテツの生命力には圧倒されます。
松浦史料博物館の石段を仰ぎ見て、今日のオルレはフィニッシュ。これまで歩いた久留米、別府に負けず劣らずの、変化に富んだ楽しいコースでした。
足湯で疲れをいやせば、出航時刻は間もなくです。
土日の1泊2日で楽しむ人も多いだろうから、帰りの便はガラガラだろうな…と思ってたら、往路と同様、ほぼ満席。
それだけ日帰り客が多かったことを示唆しているわけで、便利な交通はプラスばかりではないのかも。
平戸の皆さんの見送りを受けて、出航です。
帰路もあっという間の1時間20分。5時半には博多港に到着しました。
バスで博多駅に出れば、すっかり冬景色でした。