旅の4日目・8月18日は、松本で朝を迎えました。朝7時、宿のチャリンコを借りて、まちなかサイクリングに出発!
通学路は、学校へ急ぐ小中学生がいっぱい。登校日でしょうか?それにしては、ずいぶん時間が早い気が…
信州大学を抜けて約15分、郊外の温泉地・浅間温泉に到着。
まちなかから自転車で行ける距離にありながら、坂道のある、風情ある温泉街です。
共同湯が点在しているのが嬉しく、「玉の湯」で朝風呂。250円という安さが嬉しいです。
お湯は無色透明ですが、ざばざばかけ流される湯には、小さな湯の花が無数に浮いています。なかなかの熱い湯で、目覚めの湯にはぴったりでした。
市内へバック。近代建築が点在する街中ですが、中でも代表的なものといえるのが、旧開智学校。国の重文にもなっている学校建築物です。
月曜日のこの日は休館日で、残念でした!
お隣の松本市旧司祭館は、開館時間の9時より前だったのに、自由に入ることができました。
2階に上がると、大きく窓が取られた一角が。その内側にも窓があり、密閉型のテラスのようなものなのかも。寒い地域ならではとも言えそうです。
改めて、国宝・松本城へ。朝9時を過ぎたばかりですが、観光客で賑わっていました。
急な階段を上り、天守へたどり着きました。格子から外をのぞけば、夏の陽がまぶしい松本の街と山々が。
天候不順な8月ですが、ようやく天気に恵まれました。
まちなかを走っていたら、道に迷ってしまいました。
迷い道から抜け出そうと、適当に走っていてぶち当たったのが、この洋館。見学自由の文字につられて入ってみると…
そこは「かわかみ建築設計室」なる設計事務所。医院だった建物ですが、ほぼ医院時代そのままに設計事務所として活用されています。
お仕事中の事務所なのに、ふらりと訪れる来訪者に開放されているのは嬉しいこと。忙しい中で、なかなかできることではありません。
打合せ室には、古風な照明が下がります。照明吊元まわりの漆喰装飾も見事です。
洋風建築ではありますが、大工の棟梁の持てる技術で作られた、いわゆる「擬洋風建築」の一つ。次代に残したい遺産のひとつです。
宿に自転車を返して、チェックアウト。チャリダーの2人組さんも、旅立っていくところでした。暑いですが、お気を付けて!
僕はバスで松本駅へ。松本駅から延びる上高地へのアクセスライン、アルピコ交通・上高地線の電車に乗り込みます。グループのバス、タクシーと共通した、派手な塗装が特徴です。
元京王井の頭線の電車は冷房もよく効いていますが、天井には風鈴が下がり、涼を演出していました。
午前中の時間、車内にはハイカーの姿が目に付きます。夏休み中とはいえ沿線の松本大学の学生の姿もあり、逆方向の松本方面の電車は買い物客が多く、双方向での需要がある路線です。郊外に出れば、上高地の山々が車窓を飾ります。
約30分で終点、新島々着。駅前には屋根続きでバス乗り場があり、乗継ぎがスムーズなのはグループ会社ならでは。
僕は時間の都合もあって、次の電車で折り返し。上高地へ向かう人を、うらやましく眺めるのみでした。
駅前には旧駅舎が保存され、直売所として活用されていました。
松本駅に戻り、普通電車で長野へ向かいます。東北地方を席巻する701系の親戚、E127系100番台。1両に4つだけクロスシートがあるのが救いで、駅弁を開けます。
帰省ラッシュの時期でもあり、電車は混雑。しかし僕の他にもお弁当を広げる姿が見られ、リラックスした雰囲気です。
特急「しなの」ではなく普通電車を選んだのは、特急券の節約だけではなく、日本三大車窓の姨捨の景色をじっくり眺めたかったから。
スイッチバック式の姨捨駅にも入線。夏空の下に輝く善光寺平の風景を、ゆっくりと楽しめました。
長野駅で下車、大急ぎで長野電鉄の駅に走ります。湯田中行きの特急「ゆけむり」は、もと小田急のHi-SEです。
ハイデッカー構造が災いし、交通バリアフリー法に耐えられないということで小田急を追われた車両ですが、新天地での活躍を続けています。
外観は今もって新鮮なHi-SEですが、車内にはどことなく時代を感じる場所も。喫茶店の扉のような自動ドア、最近の車両ではあまり見かけないデザインです。先頭車両の前には、魅惑の展望席が待っています。
ちなみに長野電鉄の特急券は、わずか100円。これでHi-SEに乗れるのはお得にも感じますが、長野電鉄の運賃はお高め(湯田中まで33.2kmで1,160円。同距離をJR本州3社なら、580円)なので、激安というわけではありません。
展望席は家族連れが占めていましたが、荷物をどかしてもらって席にありつきました。神奈川県からの旅行のようで、湯田中泊まりながら、長野までの電車往復を組み込んだご様子。小田急沿線住まいなのかもしれません。
「りんご畑の中を走る電車」は伊達じゃなく、展望席の窓の両側には、りんごの木々が並びます。
1時間の旅を終え、温泉の玄関口・湯田中着。
湯田中の温泉街には結構な密度で共同湯が並び、生活にも密接した温泉であることが分かります。町内会で管理し、鍵を持った近所の人しか入れない温泉もありました。
観光客でも気軽に入れる、駅裏の「楓の湯」で一浴び。外国人観光客も、異国の露天風呂を楽しんでいました。長野~湯田中間の電車と「楓の湯」入浴券をセットにしたクーポンもあり、通常の電車往復より安いのだから驚きです。
ちなみに今回僕は、長野周辺のJR、長電、しなの鉄道やバスが乗り放題の「信州北回廊パス」を利用しました。二日間有効なので、長野周辺をあちこち乗り歩くならお得です。
長野までは特急「スノーモンキー」で。前身はJRの「成田エクスプレス」で、バブル世代の特急電車の一つです。側面の塗装は少し変わっていますが、その他はほぼ原形を留めており、懐かしく感じる人も多いのでは?
長野では全車普通車になっていますが、グリーン個室の1室は残されており、1,000円で貸切り利用が可能です。
長野寄りの2両は、「集団見合い型」と呼ばれる固定座席。リクライニングもなく、登場当初はボックスになっていました。ただ適度に傾斜がついた座席は座り心地がよく、1時間程度の乗車であれば悪くありません。
湯田中方の1両は後年、グリーン車から普通車に改造された車両。一般的なリクライニングシートなので、あえて避けました。
上下2段になったLED案内装置も健在。上の段は日本語、下の段は英語で案内できる、空港アクセス特急らしい装備です。
温泉で外国人は見かけたので、長電でもけっして無駄な装置ではありません。
デッキまわりのラゲッジスペースも、空港特急ならでは。
夕方に長野の街に出る需要も多いようで、半分以上の乗車率で長野市内に入りました。
長野駅からは、普通電車で来た道を戻ります。元東急の車両で、車内のLED案内装置や放送のチャイムも健在。地下を走る電車とあいまって、東京にいるのが長野にいるのか分からなくなります。
善光寺下駅で下車。この駅も地下駅で、地方都市としてはかなり珍しいのでは?
1981年の地下化以来、リニューアルなどは行われていないようで、ホームはどこか懐かしい雰囲気。余分な装飾のない実用一点張りの内装です。自販機などは置かれていませんが、水飲み場はあります。
改札の前には、なんとMDの広告が残っています。たぶん期限切れなんだろうけど…
古びたベンチに、有人改札。大都市圏の地下鉄では見られなくなった風景が、残っています。
善光寺下駅から、住宅街を歩いて10分少々。善光寺の参道に至ります。
本堂の拝観時間は終わっていました。残念!
今夜は、善光寺からほど近い1166ゲストハウスに投宿。
1階ラウンジは、リニューアルというほど手を入れられていないのですが、なんだか心地よい空間です。
ラウンジ、ゲストルームともに冷房はなく、扇風機のみ。それでも過ごせるのがうらやましい、長野の気候です。
長野のまちなか滞在も、今夜の一泊のみ。さっそく徒歩で、街歩きに出発です。せっかくなので本格的な信州蕎麦を食べようと、まちなかの蕎麦屋さんへ。
蕎麦もうまかったけど、合わせて頂いた小布施の生酒もまたうまくて、幸せな気分です。
お囃子の音に導かれてみれば、セブンイレブンに獅子舞が入店していました(笑)。まちなかの店を巡り歩いているようです。
権藤周辺が長野でも一番の繁華街のようです。アーケードは、昔は商店がひしめいていた雰囲気が残りますが、今は飲食店の方が目立っています。
商店街の真ん中には映画館が!十年前なら、中規模の都市にはどこにでもあった「街の映画館」の雰囲気がただよっていました。
いいなあ~!
アーケードに面する権藤駅前には、イトーヨーカドーが。ビルそのものは長電の所有で、地下駅とも直結したターミナル・スーパーです。
長野は今も、「電車生活」ができる地方都市だなと感じました。
宿でおすすめの飲み屋さんに入れば、カウンターの名古屋のサラリーマンさんと10秒で意気投合。そば焼酎の蕎麦湯割りを、何杯も頂いてしまいました。ちなみにずらりと並ぶキープの蕎麦焼酎は、宮崎の「雲海」ばかりでした(笑)。
名古屋のサラリーマンさんが夜の街に消えた後も、北海道出身の飲み屋の主人と名刺を交わしつつ、話はつきません。旅の最後の夜は、深酒で更けて行きました。
通学路は、学校へ急ぐ小中学生がいっぱい。登校日でしょうか?それにしては、ずいぶん時間が早い気が…
信州大学を抜けて約15分、郊外の温泉地・浅間温泉に到着。
まちなかから自転車で行ける距離にありながら、坂道のある、風情ある温泉街です。
共同湯が点在しているのが嬉しく、「玉の湯」で朝風呂。250円という安さが嬉しいです。
お湯は無色透明ですが、ざばざばかけ流される湯には、小さな湯の花が無数に浮いています。なかなかの熱い湯で、目覚めの湯にはぴったりでした。
市内へバック。近代建築が点在する街中ですが、中でも代表的なものといえるのが、旧開智学校。国の重文にもなっている学校建築物です。
月曜日のこの日は休館日で、残念でした!
お隣の松本市旧司祭館は、開館時間の9時より前だったのに、自由に入ることができました。
2階に上がると、大きく窓が取られた一角が。その内側にも窓があり、密閉型のテラスのようなものなのかも。寒い地域ならではとも言えそうです。
改めて、国宝・松本城へ。朝9時を過ぎたばかりですが、観光客で賑わっていました。
急な階段を上り、天守へたどり着きました。格子から外をのぞけば、夏の陽がまぶしい松本の街と山々が。
天候不順な8月ですが、ようやく天気に恵まれました。
まちなかを走っていたら、道に迷ってしまいました。
迷い道から抜け出そうと、適当に走っていてぶち当たったのが、この洋館。見学自由の文字につられて入ってみると…
そこは「かわかみ建築設計室」なる設計事務所。医院だった建物ですが、ほぼ医院時代そのままに設計事務所として活用されています。
お仕事中の事務所なのに、ふらりと訪れる来訪者に開放されているのは嬉しいこと。忙しい中で、なかなかできることではありません。
打合せ室には、古風な照明が下がります。照明吊元まわりの漆喰装飾も見事です。
洋風建築ではありますが、大工の棟梁の持てる技術で作られた、いわゆる「擬洋風建築」の一つ。次代に残したい遺産のひとつです。
宿に自転車を返して、チェックアウト。チャリダーの2人組さんも、旅立っていくところでした。暑いですが、お気を付けて!
僕はバスで松本駅へ。松本駅から延びる上高地へのアクセスライン、アルピコ交通・上高地線の電車に乗り込みます。グループのバス、タクシーと共通した、派手な塗装が特徴です。
元京王井の頭線の電車は冷房もよく効いていますが、天井には風鈴が下がり、涼を演出していました。
午前中の時間、車内にはハイカーの姿が目に付きます。夏休み中とはいえ沿線の松本大学の学生の姿もあり、逆方向の松本方面の電車は買い物客が多く、双方向での需要がある路線です。郊外に出れば、上高地の山々が車窓を飾ります。
約30分で終点、新島々着。駅前には屋根続きでバス乗り場があり、乗継ぎがスムーズなのはグループ会社ならでは。
僕は時間の都合もあって、次の電車で折り返し。上高地へ向かう人を、うらやましく眺めるのみでした。
駅前には旧駅舎が保存され、直売所として活用されていました。
松本駅に戻り、普通電車で長野へ向かいます。東北地方を席巻する701系の親戚、E127系100番台。1両に4つだけクロスシートがあるのが救いで、駅弁を開けます。
帰省ラッシュの時期でもあり、電車は混雑。しかし僕の他にもお弁当を広げる姿が見られ、リラックスした雰囲気です。
特急「しなの」ではなく普通電車を選んだのは、特急券の節約だけではなく、日本三大車窓の姨捨の景色をじっくり眺めたかったから。
スイッチバック式の姨捨駅にも入線。夏空の下に輝く善光寺平の風景を、ゆっくりと楽しめました。
長野駅で下車、大急ぎで長野電鉄の駅に走ります。湯田中行きの特急「ゆけむり」は、もと小田急のHi-SEです。
ハイデッカー構造が災いし、交通バリアフリー法に耐えられないということで小田急を追われた車両ですが、新天地での活躍を続けています。
外観は今もって新鮮なHi-SEですが、車内にはどことなく時代を感じる場所も。喫茶店の扉のような自動ドア、最近の車両ではあまり見かけないデザインです。先頭車両の前には、魅惑の展望席が待っています。
ちなみに長野電鉄の特急券は、わずか100円。これでHi-SEに乗れるのはお得にも感じますが、長野電鉄の運賃はお高め(湯田中まで33.2kmで1,160円。同距離をJR本州3社なら、580円)なので、激安というわけではありません。
展望席は家族連れが占めていましたが、荷物をどかしてもらって席にありつきました。神奈川県からの旅行のようで、湯田中泊まりながら、長野までの電車往復を組み込んだご様子。小田急沿線住まいなのかもしれません。
「りんご畑の中を走る電車」は伊達じゃなく、展望席の窓の両側には、りんごの木々が並びます。
1時間の旅を終え、温泉の玄関口・湯田中着。
湯田中の温泉街には結構な密度で共同湯が並び、生活にも密接した温泉であることが分かります。町内会で管理し、鍵を持った近所の人しか入れない温泉もありました。
観光客でも気軽に入れる、駅裏の「楓の湯」で一浴び。外国人観光客も、異国の露天風呂を楽しんでいました。長野~湯田中間の電車と「楓の湯」入浴券をセットにしたクーポンもあり、通常の電車往復より安いのだから驚きです。
ちなみに今回僕は、長野周辺のJR、長電、しなの鉄道やバスが乗り放題の「信州北回廊パス」を利用しました。二日間有効なので、長野周辺をあちこち乗り歩くならお得です。
長野までは特急「スノーモンキー」で。前身はJRの「成田エクスプレス」で、バブル世代の特急電車の一つです。側面の塗装は少し変わっていますが、その他はほぼ原形を留めており、懐かしく感じる人も多いのでは?
長野では全車普通車になっていますが、グリーン個室の1室は残されており、1,000円で貸切り利用が可能です。
長野寄りの2両は、「集団見合い型」と呼ばれる固定座席。リクライニングもなく、登場当初はボックスになっていました。ただ適度に傾斜がついた座席は座り心地がよく、1時間程度の乗車であれば悪くありません。
湯田中方の1両は後年、グリーン車から普通車に改造された車両。一般的なリクライニングシートなので、あえて避けました。
上下2段になったLED案内装置も健在。上の段は日本語、下の段は英語で案内できる、空港アクセス特急らしい装備です。
温泉で外国人は見かけたので、長電でもけっして無駄な装置ではありません。
デッキまわりのラゲッジスペースも、空港特急ならでは。
夕方に長野の街に出る需要も多いようで、半分以上の乗車率で長野市内に入りました。
長野駅からは、普通電車で来た道を戻ります。元東急の車両で、車内のLED案内装置や放送のチャイムも健在。地下を走る電車とあいまって、東京にいるのが長野にいるのか分からなくなります。
善光寺下駅で下車。この駅も地下駅で、地方都市としてはかなり珍しいのでは?
1981年の地下化以来、リニューアルなどは行われていないようで、ホームはどこか懐かしい雰囲気。余分な装飾のない実用一点張りの内装です。自販機などは置かれていませんが、水飲み場はあります。
改札の前には、なんとMDの広告が残っています。たぶん期限切れなんだろうけど…
古びたベンチに、有人改札。大都市圏の地下鉄では見られなくなった風景が、残っています。
善光寺下駅から、住宅街を歩いて10分少々。善光寺の参道に至ります。
本堂の拝観時間は終わっていました。残念!
今夜は、善光寺からほど近い1166ゲストハウスに投宿。
1階ラウンジは、リニューアルというほど手を入れられていないのですが、なんだか心地よい空間です。
ラウンジ、ゲストルームともに冷房はなく、扇風機のみ。それでも過ごせるのがうらやましい、長野の気候です。
長野のまちなか滞在も、今夜の一泊のみ。さっそく徒歩で、街歩きに出発です。せっかくなので本格的な信州蕎麦を食べようと、まちなかの蕎麦屋さんへ。
蕎麦もうまかったけど、合わせて頂いた小布施の生酒もまたうまくて、幸せな気分です。
お囃子の音に導かれてみれば、セブンイレブンに獅子舞が入店していました(笑)。まちなかの店を巡り歩いているようです。
権藤周辺が長野でも一番の繁華街のようです。アーケードは、昔は商店がひしめいていた雰囲気が残りますが、今は飲食店の方が目立っています。
商店街の真ん中には映画館が!十年前なら、中規模の都市にはどこにでもあった「街の映画館」の雰囲気がただよっていました。
いいなあ~!
アーケードに面する権藤駅前には、イトーヨーカドーが。ビルそのものは長電の所有で、地下駅とも直結したターミナル・スーパーです。
長野は今も、「電車生活」ができる地方都市だなと感じました。
宿でおすすめの飲み屋さんに入れば、カウンターの名古屋のサラリーマンさんと10秒で意気投合。そば焼酎の蕎麦湯割りを、何杯も頂いてしまいました。ちなみにずらりと並ぶキープの蕎麦焼酎は、宮崎の「雲海」ばかりでした(笑)。
名古屋のサラリーマンさんが夜の街に消えた後も、北海道出身の飲み屋の主人と名刺を交わしつつ、話はつきません。旅の最後の夜は、深酒で更けて行きました。