10月4日、西鉄に新たな観光列車「水都」がデビューすることになりました。太宰府観光列車「旅人」に続く、8000系改造の観光列車第2弾です。
これに先立つこと1週間前、試乗会を兼ねたプレミアムツアーが実施されることになりました。久しく足を向けていない柳川観光がてら、休日の日帰り小トリップへ出発です。
ツアーの出発地は西鉄福岡駅なので、一旦西鉄電車で「出迎え」に。大橋から乗った急行電車は、たまたま太宰府観光列車「旅人」の送り込み運用でした。
朝の天神方面の電車なので、乗客はもちろん太宰府観光とは無縁な人ばかり。「水都」にも、一部で普通電車の間合い運用が予定されています。
集合時刻の9時40分前には、ツアー参加者の人だかりができていました。今回、一般参加の枠となったのは1~4号車。200人近い乗客になるはずで、まとめる方も大変です。
号車ごとに受け付け、整列して中央改札口からホームへ。エスカレーターがないので、高齢の参加者は大変だろうなと思っていたら、おばあちゃんがホイホイ階段を上がっていきました。
10時の特急電車が出て行った後に、水都が入線。ラッピング電車とはいえ、赤い先頭部分が目を引きます。
車両ごとに内装だけではなく、外装のカラーリングもがらりと変えていますが、不思議とチグハグ感はありません。485系で運行されていた当時の、ハウステンボス号を思い出しました。
大牟田側の先頭車は、「木蘭色」と名付けられたメタリックカラー。従来の8000系とは、イメージががらりと変わっています。
写真撮影もそこそこに、発車時刻を迎えました。柳川まで特急が通常48分のところを、1時間以上かけたゆったり旅のスタートです。
外観とちがって、車内はほぼ原型のまま。枕カバーにはテーマカラーのラインが入れられ、それだけでも雰囲気が違って見えます。
車内に広告はなく、広告枠は車両や柳川観光の案内で埋まっています。日本語だけでなく英・中・韓も入っていて、インバウンド観光客にも対応しています。
1回だけの特別ツアーということで、ゲストも多彩。熊本城おもてなし武将隊の立花宗茂が、きちんと?「ござる」口調で一人ひとりに武将カードを配っていました。
ちなみに乗車記念カードは各号車に置いてあり、6両巡れば6種類のカードを集められます。
観光柳川キャンペーンレディ「水の精」のお二人は、気さくな感じ。観光協会からは、案内パンフとお土産をどさっと頂きました。
スペシャルゲストは、福岡吉本の地元芸人、コンバット満。九州では安定した人気のある芸人で、トークやジャンケン大会の盛り上げ方もさすがはプロ!でした。写真OKとは言われましたが、Blogにアップしてしまうと吉本から怒られそうなので自粛します…。
沿線の注目度も高く、通過する駅ではカメラを向ける人が多数。たまたま出くわした普通の乗客の中にも、スマホを向ける人が多く見られました。
そして出発から1時間、久留米を過ぎたところで、車両間の移動OKのお許しが出ました。車内もカラーリングが分けてあり、扉や枕カバーの色が変わるだけでずいぶん違って見えるものです。
3号車には、柳川の特産品の展示コーナーが。6両の改造費が数千万円の「お手軽観光列車」ではありますが、このコーナーは気合が入っています。
その向かいには、観光列車らしくスタンプコーナーも。車内散策の時間も短かったので、行列ができていました。
4号車のカウンターには、柳川の観光パンフレットコーナーが並んでいました。柳川まで通常48分のうちに、しっかりと予習できます。
在福マスコミ各社へのお披露目会も兼ねた、今回の試乗会。取材を受ける可能性がある、というのも今回のツアーの条件でしたので、マスコミ側も遠慮なくインタビューにまわっていました。
公式ゲスト以外の関係者の姿も。「水都」の実現に尽力してきた柳川市を代表して、市長自ら名刺を配り、PRに回っていました。
イベンドが盛りだくさんだったので、思っていたよりも早く柳川駅に到着。
柳川駅前では、水都に接続して運行する「水都バス」の展示会も行われていました。実際に運行が始まれば「案内役」はいないわけで、誰でも分かる分かりやすさは、大事ですね。
バス車内に手は加わっていないものの、名物「さげもん」をぶら下げて、柳川らしさを演出していました。
今回のツアーは、まだ終わりではありません。バスで「御花」へと移動します。
御花までは10分そこそこの距離なので、貸し切りバスではなく、路線バスタイプのバスをピストン運行。イベント輸送はお得意の、西鉄ならではの手法です。
「御花前」のバス停で降ろされ、お堀を下る川下り舟を見ながら、徒歩で御花へ。柳川らしい風情に、なごみます。
ただ僕らのバスは手違いだったようで、本来は御花の目の前までバスが行く手はずだったとか。のちほど添乗員さんは平謝りでしたが、言われなければ分かりませんでした。
柳川藩主・立花邸「御花」は、明治時代の伯爵邸。日陰で、1号車が呼ばれるのを待ちます。
通されたのは、結婚披露宴にも使われる大ホール。ご祝儀を出さねばならないような雰囲気です(笑)。
柳川名物・うなぎのせいろ蒸しが、今日の昼食。香ばしく焼き上がったうなぎに、甘いタレが染みたご飯までごちそうです。
一気に押し寄せるツアー客何百人分をもさばくのは、大変そう。ちょっと冷めていたのは残念だったけど、仕方ないかな。
団体行動はここまで。あとは30分毎に走るバスで柳川駅に戻り、好きな電車で目的地まで戻ればOKです。西鉄バスの日帰りバスツアー「バスハイク」の1コースという位置づけですが、今回は異色の行程。添乗員さんたちが、一番疲れたのでは?
きれいに手入れされた、御花の庭園を2階から見下ろします。
横を流れる水路には、行き交う川下り舟が。同じ西鉄沿線なのに、天神とは時の流れが違う感じです。
御花の洋館は、明治43年築。天井が高く、特に当時の日本人にとっては広々と映ったことと思います。
シャンデリア回りの装飾も見事です。
お堀をのんびりと川下り舟が行き交う、柳川の町。9月としては気温が上がったこの日、水面の上とはいえ、ちょっと暑そうではありました。
冬場にはこたつ舟も出るようで、営業運転に就いた「水都」でまた訪ねたいものです。
川下り舟の合間には、水面の水草を収集するモーターボートも巡っていました。目立たない地道な努力で、きれいな景観は守られています。
さらに上ると、地元の高校生たちが川下りの「操舵」を練習していました。部活なのか、体験学習なのか。いずれにせよ、地域の伝統を継承していこうという若者たちの存在は頼もしいです。
そんな高校生を見ながら、足湯でゆったり。公園の足湯は観光客よりも、地元の方の散歩やサイクリングの休憩場所として重宝されているようです。豊かな日常です。
シャトルバスで、柳川駅へ。西鉄柳川駅は、今年3月に改築されたばかりです。軒裏には木材が多用され、現代的ながらも温もりを感じる駅舎に仕上がっています。
質実剛健がモットー?の西鉄にあって、柳川駅のシンボル性の高さは、出色の出来と言ってよいでしょう。
橋上駅を上がった切符売り場の真横には、michi9sa(ミチクサ)なるカフェコーナーが。御花がプロデュースした、気軽に立ち寄れるカフェです。
店内も明るくて、いい感じ。昨日開店ということで、コーヒーを特別価格で提供していました。
西鉄電車といえども、県南では特急・普通とも30分ごとの運行。電車と時間が合わなかった時のスペースは必要とされていたはずで、観光客の「待ちぼうけ」の時間もゆったり過ごせそうです。
結局僕らはゆっくりしてしまい、さらに30分後の特急で天神方面へ。これまでは急行用だった3000形も、最近では特急に入ることが珍しくなくなってきました。現在、主力で活躍している8000形も、あと数年で引退なのだとか。
転換クロスの清潔・快適な車両ですが、スマートすぎて旅気分が盛り上がる電車ではありません。観光なら、「旅人」「水都」がオススメで、数年後に登場と発表されているグルメ観光列車にも期待したいところです。
48分で西鉄福岡駅へ。改札口の上やコンコースは、水都「押し」になっていました。
屋台骨の通勤輸送が先細りしていく人口減少社会において、西鉄の新たなるチャレンジは続いていきます。
西鉄福岡駅で降りた僕は、地下鉄天神駅へ。福岡空港行の電車は、はじめて乗る305系でした。
オールロングシート・4扉の通勤仕様ながら、1号車の床はフローリング張りで、唐津への観光客にも対応したものとされます。観光列車花盛りのJR九州においても、都市圏での観光輸送は試行錯誤の状態です。
福岡空港に来たのは、夏の名物のビアガーデン「ビアエア」に来るため。年々人気は高まっていて、幹事さんは6月に抑えてくれていました。感謝!
夕方のラッシュを迎え、各地から飛んでくる飛行機を見ながらのビールは、毎年のことながら格別の味でした。
これに先立つこと1週間前、試乗会を兼ねたプレミアムツアーが実施されることになりました。久しく足を向けていない柳川観光がてら、休日の日帰り小トリップへ出発です。
ツアーの出発地は西鉄福岡駅なので、一旦西鉄電車で「出迎え」に。大橋から乗った急行電車は、たまたま太宰府観光列車「旅人」の送り込み運用でした。
朝の天神方面の電車なので、乗客はもちろん太宰府観光とは無縁な人ばかり。「水都」にも、一部で普通電車の間合い運用が予定されています。
集合時刻の9時40分前には、ツアー参加者の人だかりができていました。今回、一般参加の枠となったのは1~4号車。200人近い乗客になるはずで、まとめる方も大変です。
号車ごとに受け付け、整列して中央改札口からホームへ。エスカレーターがないので、高齢の参加者は大変だろうなと思っていたら、おばあちゃんがホイホイ階段を上がっていきました。
10時の特急電車が出て行った後に、水都が入線。ラッピング電車とはいえ、赤い先頭部分が目を引きます。
車両ごとに内装だけではなく、外装のカラーリングもがらりと変えていますが、不思議とチグハグ感はありません。485系で運行されていた当時の、ハウステンボス号を思い出しました。
大牟田側の先頭車は、「木蘭色」と名付けられたメタリックカラー。従来の8000系とは、イメージががらりと変わっています。
写真撮影もそこそこに、発車時刻を迎えました。柳川まで特急が通常48分のところを、1時間以上かけたゆったり旅のスタートです。
外観とちがって、車内はほぼ原型のまま。枕カバーにはテーマカラーのラインが入れられ、それだけでも雰囲気が違って見えます。
車内に広告はなく、広告枠は車両や柳川観光の案内で埋まっています。日本語だけでなく英・中・韓も入っていて、インバウンド観光客にも対応しています。
1回だけの特別ツアーということで、ゲストも多彩。熊本城おもてなし武将隊の立花宗茂が、きちんと?「ござる」口調で一人ひとりに武将カードを配っていました。
ちなみに乗車記念カードは各号車に置いてあり、6両巡れば6種類のカードを集められます。
観光柳川キャンペーンレディ「水の精」のお二人は、気さくな感じ。観光協会からは、案内パンフとお土産をどさっと頂きました。
スペシャルゲストは、福岡吉本の地元芸人、コンバット満。九州では安定した人気のある芸人で、トークやジャンケン大会の盛り上げ方もさすがはプロ!でした。写真OKとは言われましたが、Blogにアップしてしまうと吉本から怒られそうなので自粛します…。
沿線の注目度も高く、通過する駅ではカメラを向ける人が多数。たまたま出くわした普通の乗客の中にも、スマホを向ける人が多く見られました。
そして出発から1時間、久留米を過ぎたところで、車両間の移動OKのお許しが出ました。車内もカラーリングが分けてあり、扉や枕カバーの色が変わるだけでずいぶん違って見えるものです。
3号車には、柳川の特産品の展示コーナーが。6両の改造費が数千万円の「お手軽観光列車」ではありますが、このコーナーは気合が入っています。
その向かいには、観光列車らしくスタンプコーナーも。車内散策の時間も短かったので、行列ができていました。
4号車のカウンターには、柳川の観光パンフレットコーナーが並んでいました。柳川まで通常48分のうちに、しっかりと予習できます。
在福マスコミ各社へのお披露目会も兼ねた、今回の試乗会。取材を受ける可能性がある、というのも今回のツアーの条件でしたので、マスコミ側も遠慮なくインタビューにまわっていました。
公式ゲスト以外の関係者の姿も。「水都」の実現に尽力してきた柳川市を代表して、市長自ら名刺を配り、PRに回っていました。
イベンドが盛りだくさんだったので、思っていたよりも早く柳川駅に到着。
柳川駅前では、水都に接続して運行する「水都バス」の展示会も行われていました。実際に運行が始まれば「案内役」はいないわけで、誰でも分かる分かりやすさは、大事ですね。
バス車内に手は加わっていないものの、名物「さげもん」をぶら下げて、柳川らしさを演出していました。
今回のツアーは、まだ終わりではありません。バスで「御花」へと移動します。
御花までは10分そこそこの距離なので、貸し切りバスではなく、路線バスタイプのバスをピストン運行。イベント輸送はお得意の、西鉄ならではの手法です。
「御花前」のバス停で降ろされ、お堀を下る川下り舟を見ながら、徒歩で御花へ。柳川らしい風情に、なごみます。
ただ僕らのバスは手違いだったようで、本来は御花の目の前までバスが行く手はずだったとか。のちほど添乗員さんは平謝りでしたが、言われなければ分かりませんでした。
柳川藩主・立花邸「御花」は、明治時代の伯爵邸。日陰で、1号車が呼ばれるのを待ちます。
通されたのは、結婚披露宴にも使われる大ホール。ご祝儀を出さねばならないような雰囲気です(笑)。
柳川名物・うなぎのせいろ蒸しが、今日の昼食。香ばしく焼き上がったうなぎに、甘いタレが染みたご飯までごちそうです。
一気に押し寄せるツアー客何百人分をもさばくのは、大変そう。ちょっと冷めていたのは残念だったけど、仕方ないかな。
団体行動はここまで。あとは30分毎に走るバスで柳川駅に戻り、好きな電車で目的地まで戻ればOKです。西鉄バスの日帰りバスツアー「バスハイク」の1コースという位置づけですが、今回は異色の行程。添乗員さんたちが、一番疲れたのでは?
きれいに手入れされた、御花の庭園を2階から見下ろします。
横を流れる水路には、行き交う川下り舟が。同じ西鉄沿線なのに、天神とは時の流れが違う感じです。
御花の洋館は、明治43年築。天井が高く、特に当時の日本人にとっては広々と映ったことと思います。
シャンデリア回りの装飾も見事です。
お堀をのんびりと川下り舟が行き交う、柳川の町。9月としては気温が上がったこの日、水面の上とはいえ、ちょっと暑そうではありました。
冬場にはこたつ舟も出るようで、営業運転に就いた「水都」でまた訪ねたいものです。
川下り舟の合間には、水面の水草を収集するモーターボートも巡っていました。目立たない地道な努力で、きれいな景観は守られています。
さらに上ると、地元の高校生たちが川下りの「操舵」を練習していました。部活なのか、体験学習なのか。いずれにせよ、地域の伝統を継承していこうという若者たちの存在は頼もしいです。
そんな高校生を見ながら、足湯でゆったり。公園の足湯は観光客よりも、地元の方の散歩やサイクリングの休憩場所として重宝されているようです。豊かな日常です。
シャトルバスで、柳川駅へ。西鉄柳川駅は、今年3月に改築されたばかりです。軒裏には木材が多用され、現代的ながらも温もりを感じる駅舎に仕上がっています。
質実剛健がモットー?の西鉄にあって、柳川駅のシンボル性の高さは、出色の出来と言ってよいでしょう。
橋上駅を上がった切符売り場の真横には、michi9sa(ミチクサ)なるカフェコーナーが。御花がプロデュースした、気軽に立ち寄れるカフェです。
店内も明るくて、いい感じ。昨日開店ということで、コーヒーを特別価格で提供していました。
西鉄電車といえども、県南では特急・普通とも30分ごとの運行。電車と時間が合わなかった時のスペースは必要とされていたはずで、観光客の「待ちぼうけ」の時間もゆったり過ごせそうです。
結局僕らはゆっくりしてしまい、さらに30分後の特急で天神方面へ。これまでは急行用だった3000形も、最近では特急に入ることが珍しくなくなってきました。現在、主力で活躍している8000形も、あと数年で引退なのだとか。
転換クロスの清潔・快適な車両ですが、スマートすぎて旅気分が盛り上がる電車ではありません。観光なら、「旅人」「水都」がオススメで、数年後に登場と発表されているグルメ観光列車にも期待したいところです。
48分で西鉄福岡駅へ。改札口の上やコンコースは、水都「押し」になっていました。
屋台骨の通勤輸送が先細りしていく人口減少社会において、西鉄の新たなるチャレンジは続いていきます。
西鉄福岡駅で降りた僕は、地下鉄天神駅へ。福岡空港行の電車は、はじめて乗る305系でした。
オールロングシート・4扉の通勤仕様ながら、1号車の床はフローリング張りで、唐津への観光客にも対応したものとされます。観光列車花盛りのJR九州においても、都市圏での観光輸送は試行錯誤の状態です。
福岡空港に来たのは、夏の名物のビアガーデン「ビアエア」に来るため。年々人気は高まっていて、幹事さんは6月に抑えてくれていました。感謝!
夕方のラッシュを迎え、各地から飛んでくる飛行機を見ながらのビールは、毎年のことながら格別の味でした。