岡山滞在時間は、1時間15分。路面電車で中心部まで出る時間もないというわけで、駅前の飲み屋街を巡り、「吉備鳥の串焼き」の舌代が見えた飲み屋に飛び込んだ。名物と言えるかは心もとないが、ひとまず岡山の地名が入った飯を食べられて満足。
事実上、この旅の最終ランナーとなるのは、500系の「のぞみ51号」。元祖300kmランナーで文句なしにかっこいい車両ながら、ドア位置や車両ごとの定員の差からイレギュラーな扱いの車両となり、「のぞみ」としては急速に活躍の場を狭めている。この51号も来月11月10日にはN700系に置き換えられ、残るはわずか1往復に。その1往復も来年2月にはN700系になり、500系はのぞみの定期運用から姿を消すことになっている。まさに、最後の活躍である。
岡山駅に入ってきた500系「のぞみ」。矢のようなスマートな流線型は、登場10年を経た今でも褪せることのない新鮮さだ。メインルートからの引退を目前にしている列車とは、とても思えない。
車内に入っても、その感は同じ。砲弾型の車体断面は、「狭い」と評されることもあるけれども、飛行機のようでかっこよくもある。普通車のスミレ色の座席に、カーテンのような窓の間の布地の飾りなど、デザイン的にも今もって充分に通用する。
そしてグリーン車は、ゴールド系の座席が重厚感を醸し出す、落ち着きの空間。JR西日本らしさが出ているのが、サンダーバードとも共通するふっくらした枕だ。頭をしっかりと包みこみ、ゆったりとくつろげる。これならば、3時間程度の乗車はもちろん、東京~博多間の乗車でも苦はなさそうだ。座席そのものはサンダーバードよりも小ぶり…というか一般的なサイズで、これは軽量化への要請とも関わりがあるのだろうか。
するどく尖った先頭部の犠牲になっている部分はあちこちにあり、定員を300系に合わせるため、普通車の座席ピッチが微妙に狭くなっているのは有名な話。とはいっても、一般的な在来線の電車に比べれば広く、実際に座ってもさほどの差は感じない。グリーン車に至っては、他車並みのピッチが確保されている。
ただトイレは狭く、着替えはまず無理だろう。洗面所も各車両1箇所しかなく、時間帯によっては混雑しそうだ。1号車・16号車の出入り口は1箇所で、特に自由席の1号車の乗降に手間取り、遅延の原因にもなっていると聞く。これら欠点を解消した上で、同等の300kmが出せる新車、N700系が出たのだから、早すぎる引退も仕方ないのかもしれない。
でも、子供心にワクワクさせられた「超新幹線」の引退は、やはり寂しいもの。せめて最後にグリーン車に乗れてよかったと思う。既に多くの編成は、8両化の上「こだま」として運用されており、グリーン車も設備そのままに指定席車になっているようなので、山口や広島に行く時は、いつか選んで乗ってみようと思う。
時折、LED案内には「時速300kmで運行中」の案内が流れ、闇夜の車窓ながらにワクワクさせられる。右手に広大なコンビナートの夜景が見えてきたと思ったら、列車は急減速して徳山を通過。この駅の前後は170km制限になっており、300kmの500系に乗っていると、このまま止まるのではないかと思える速度だ。最高速度210kmの0系ならば、これほどの感覚ではなかっただろう。
トンネルをくぐれば、あっという間に小倉。いつもの生活でなら遠い場所なのに、もうほとんど帰ってきたような気分だ。グリーン車三昧の旅は、わずか1日ぶり、しかし何日かぶりに帰ってきたような博多駅でひとまず終わった。
もう6回の「グリーン権」を行使してしまったので、最終ランナーの「有明」は自由席へ。2年後の九州新幹線全通まで「西日本パス」が続いているか分からないが、次はぜひ、久留米まで直通で帰りたいものだと思いつつ、工事たけなわの久留米駅に降り立った。
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事実上、この旅の最終ランナーとなるのは、500系の「のぞみ51号」。元祖300kmランナーで文句なしにかっこいい車両ながら、ドア位置や車両ごとの定員の差からイレギュラーな扱いの車両となり、「のぞみ」としては急速に活躍の場を狭めている。この51号も来月11月10日にはN700系に置き換えられ、残るはわずか1往復に。その1往復も来年2月にはN700系になり、500系はのぞみの定期運用から姿を消すことになっている。まさに、最後の活躍である。
岡山駅に入ってきた500系「のぞみ」。矢のようなスマートな流線型は、登場10年を経た今でも褪せることのない新鮮さだ。メインルートからの引退を目前にしている列車とは、とても思えない。
車内に入っても、その感は同じ。砲弾型の車体断面は、「狭い」と評されることもあるけれども、飛行機のようでかっこよくもある。普通車のスミレ色の座席に、カーテンのような窓の間の布地の飾りなど、デザイン的にも今もって充分に通用する。
そしてグリーン車は、ゴールド系の座席が重厚感を醸し出す、落ち着きの空間。JR西日本らしさが出ているのが、サンダーバードとも共通するふっくらした枕だ。頭をしっかりと包みこみ、ゆったりとくつろげる。これならば、3時間程度の乗車はもちろん、東京~博多間の乗車でも苦はなさそうだ。座席そのものはサンダーバードよりも小ぶり…というか一般的なサイズで、これは軽量化への要請とも関わりがあるのだろうか。
するどく尖った先頭部の犠牲になっている部分はあちこちにあり、定員を300系に合わせるため、普通車の座席ピッチが微妙に狭くなっているのは有名な話。とはいっても、一般的な在来線の電車に比べれば広く、実際に座ってもさほどの差は感じない。グリーン車に至っては、他車並みのピッチが確保されている。
ただトイレは狭く、着替えはまず無理だろう。洗面所も各車両1箇所しかなく、時間帯によっては混雑しそうだ。1号車・16号車の出入り口は1箇所で、特に自由席の1号車の乗降に手間取り、遅延の原因にもなっていると聞く。これら欠点を解消した上で、同等の300kmが出せる新車、N700系が出たのだから、早すぎる引退も仕方ないのかもしれない。
でも、子供心にワクワクさせられた「超新幹線」の引退は、やはり寂しいもの。せめて最後にグリーン車に乗れてよかったと思う。既に多くの編成は、8両化の上「こだま」として運用されており、グリーン車も設備そのままに指定席車になっているようなので、山口や広島に行く時は、いつか選んで乗ってみようと思う。
時折、LED案内には「時速300kmで運行中」の案内が流れ、闇夜の車窓ながらにワクワクさせられる。右手に広大なコンビナートの夜景が見えてきたと思ったら、列車は急減速して徳山を通過。この駅の前後は170km制限になっており、300kmの500系に乗っていると、このまま止まるのではないかと思える速度だ。最高速度210kmの0系ならば、これほどの感覚ではなかっただろう。
トンネルをくぐれば、あっという間に小倉。いつもの生活でなら遠い場所なのに、もうほとんど帰ってきたような気分だ。グリーン車三昧の旅は、わずか1日ぶり、しかし何日かぶりに帰ってきたような博多駅でひとまず終わった。
もう6回の「グリーン権」を行使してしまったので、最終ランナーの「有明」は自由席へ。2年後の九州新幹線全通まで「西日本パス」が続いているか分からないが、次はぜひ、久留米まで直通で帰りたいものだと思いつつ、工事たけなわの久留米駅に降り立った。
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