Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

別府ドライブ【2】まだまだ発見の楽しみがある街

2014年07月27日 |  □福岡発おでかけ日記

 明けて迎えた「海の日」。前日、床に就いたのは結局午前3時前。しかし貸切湯を8時に予約していたので、頑張って目覚めました。東側が海に面した別府の朝陽は強く、労せずとも自然に起きられましたが。
 3つある貸切湯は、宿泊者ならば無料で使えるのが嬉しい野上本館。ひのき風呂で、ダラダラと朝風呂を楽しみました。


 今日の予定はランチ以外、細かいことを決めておらず、勘とその場の情報で動くことにしました。
 まずは朝ごはんを食べに、鉄輪方面へ。目当てだった古い民家をリフォームした喫茶店は、残念ながら11時半のオープンでした。


 お腹に何か入れたいのはもちろんですが、数時間前に梅雨明けしたばかりのピーカン天気に頭はクラクラ。アイスののぼりを見つけて、土産屋に飛び込みました。
 店のおばさんオススメの長湯温泉の名物・豆腐アイスは、意外としっかり豆腐の味がしておいしかったです。


 鉄輪の「湯けむり展望台」へ。日本の風景遺産第2位に選ばれた「別府の湯けむり」を一望できる展望台ですが、そのものは駐車場があるだけの案外そっけないものでした。
 テレビや雑誌で見てきた風景が、目の前に。湯けむりは天候の左右されるもので、もっと盛大な日にも見てみたいものです。


 ランチは、石垣の馬家溝 (マチャコ)へ。名物の看板メニューはボルシチです。
 冬向きのメニューだとは思いますが、夏でもうまいものはうまい! 汗だくになりながら、熱いスープと格闘したのでした。


 さて昨日は、4時間少々しか寝ていない我々。昼間の惰眠をむさぼりたくなり、『別府 昼寝』でググった結果に従って、別府大学の「香りの博物館」(入場料:500円)を目指しました。
 世界各地の香水や、香りのエッセンスを展示した博物館で、オリジナルの香水作り体験もできる施設です。友人が元香料メーカー勤務だったこともあり、展示は展示で楽しめたのですが…


 今回の目的はアロマルーム(別途500円)。ほのかな香りの中、リラックスして30分間「眠れる」体験空間です。心地よい音楽に、ゆったりしたリクライニングシート。目を閉じれば、あっという間に夢の中へ…
 その熟睡度たるや大変なもので、たった30分の睡眠と思えないほど頭がスッキリ。「眠る」というおよそ旅の目的らしくない目的であっても、動き方によっては「体験」にできてしまうんですね。


 目覚めのコーヒーを飲もうと、鉄輪で見たフリーペーパーに載っていた、亀川の「海の見える丘のアトリエ」を目指しました。
 亀川は僕の出身地でもあるのですが、山手に足を踏み入れたことはなく、ホントにこんな所にカフェが?と思いつつ登り詰めた住宅街に、その店はありました。


 窓の外には別府湾が広がり、眼下には懐かしの亀川の街並み。エアコンがなくても、山手に涼しい風が吹き上げてきます。


 自然光の入る店内も、いい感じ。
 もとは個人の住宅だった建物とのことで、この風景が万人に開かれたのは嬉しいことです。


 チャイ(500円)は、APUの学生さんに伝授してもらったものとのこと。生姜の風味が効いています。
 APUの開校以来、外国人の比率が高まる別府。外国から持ち込まれる新たな文化も、いろんな所で根付いてきているようです。


 置いてある本も面白く、男3人、ついつい読みふけっていました。
 なお営業は月~木のみ。11時から『日暮れまで』という、自然体の営業時間もいかしてます。8月は「夏休み」とのことで、海の日の今日に巡り合えたのはラッキーなことでした。


 帰路は新装オープンの山田SAに立ち寄り、大砲ラーメン本店で締めて、週末旅行は終了。
 ひさびさに会った友人との語らいの時間は、別府の街の元気さでより有意義なものになったようでした。

別府ドライブ【1】復活、別府の魂。

2014年07月27日 |  □福岡発おでかけ日記
 「海の日」3連休の後半2日間は、帰省してきた友人と共に別府へドライブ旅行に出かけました。


 高速道路の割引も縮小されたので、のんびりと一般道を東へ。久留米から田主丸までは筑後川の土手沿い、田主丸からうきはへは210号バイパスを走れば、信号も少なく快適にドライブできます。
 うきはの金毘羅うどん虹店でランチ。金比羅うどん自体は、地元みやきにもあるのですが…


 虹店限定メニューがこれ、おろしカツうどん。舌代にもない いわゆる「裏メニュー」で、友人が仕事で立ち寄る時に出してもらっているものだとか。
 揚げたてのカツに、つるっとコシのあるうどんがマッチして、暑い時期のスタミナ食として食べたいメニューです。


 そのまま210号を進み、玖珠町の伐株山へ車を登らせました。6年前にはキャンプ道具一式を担いで登った山ですが、車でも10分そこそこかかり、若かりし日の体力を懐かしく思います。
 山頂からは、玖珠の盆地を一望。持参してきたコンロでコーヒーを沸かし、風に吹かれて一休みです。


 伐株山は、パラグライダーのメッカでもあります。自在に風を飛ぶ姿は、本当に気持ちよさそう。
 見る度に「やってみたい」と思うものの、その勇気が沸かないチキンです。


 ちょうどこの時間は、麓の久大本線豊後森駅に「ななつ星」がやって来る時間。2両の普通列車、最大でも4両の特急列車に比べれば、8両の「ななつ星」は破格の長さの列車です。
 列車の中からも、こちらの山を望んでいる頃でしょう。


 玖珠ICからは高速に乗って、ETC専用の別府湾SAスマートICでアウト。明礬温泉方面への近道ですが、下り線のみの設置なのでご注意を。帰りにも使おうとして立ち往生したのが、私です。
 おやつは、明礬の岡本屋さんの名物「地獄蒸しプリン」。ソースが苦めな、大人の味のプリンです。窓から見える明礬大橋や別府湾の風景も、合わせて楽しみたいところです。


 本日のお泊りは、別府のまちなか。路地裏の情緒も感じられる竹瓦温泉界隈にある…


 野上本館。最近では宴会を止め、一人旅でも気軽に温泉旅館に泊まれる「ツーリストルーム」を設けるなど、新たな在り方を模索されている旅館です。
 チェックイン時にすでにお布団が敷いてあるのも、お客さんを煩わせないための配慮。ついついダイビングして、外出する気力をなくしかけてしまいます(笑)。


 夕方6時を回ったので、竹瓦温泉前の「ヒットパレードクラブ」へ。ハウスバンドの生演奏を聴きながら、フリーのフードとドリンクを何時間でも楽しめる、別府の魂とも言うべきライブハウスです。
 春には一度閉店の危機を迎えましたが、新たな経営者を迎えて4月に復活しました。今回の旅の最大の目的でもあったのですが、なんと満席札止め!4時頃には行列ができており、早々に埋まったのだとか。人気なのは喜ばしいのですが、ショックです…。


 意気消沈のまま、晩飯を食べに北浜の「とよ常」本店に向かってみれば、こちらも11組待ちの大行列。別府には普通の週末(それもたいてい、金曜の夜)にしか行ったことがなかったので、連休中の人出に想像が至っていませんでした。
 気を取り直して、同じ「とよ常」の駅前店に行って見れば、こちらはカウンターに空席が。名物の特上天丼(750円!)にありつくことができました。


 食後は友人が気になっているという、北高架商店街へ足を向けてみました。別府の高架下商店街といえば、南側の「駅市場」が有名ですが、北には来た記憶そのものがありません。
 古びた商店街は、神戸のモトコーを思い出させるディープな雰囲気ですが、壁が塗りなおされ、ちょっとしゃれた雰囲気の明かりが漏れてきてます。


 入り口も、古きものは古きまま活かしつつ、新たなエッセンスを加えている感じです。


 高架下の通路には、チャンポン屋や喫茶店など昔ながらの店と、カフェやギャラリーなど若手経営者の店が仲良く並んでいます。改装中の店では、「店の子」も掃除に勤しんでいたのが印象的でした。
 七夕の飾りも、どこかアーティスティック。


 トイレも素っ気ない時代がかったものですが、ペンキと壁画、照明だけでこんなにも雰囲気が変わるものかとびっくり。
 まちなかの商店街とはまた一味違ったムーブメントで、今後も通ってみたいと思います。


 海沿いに出て、別府タワーへ。東京タワーや博多ポートタワーと同じ設計者の手によるもので、こちらも日本がいけいけどんどんだった時代の残り香を感じられる場所の一つです。


 展望料金はわずか200円ですが、高さがないので、大きく景色が広がるわけではありません。でもこの夜景、嫌いじゃないです。
 ワンフロア下には深夜まで営業しているラウンジがあるのですが、日曜日ということでカレンダー通り休業だったのは残念でした。


 さて諦めきれず、しつこくヒッパレの前へ通ってみていたのですが、3ステージ目が終わると、ぞろぞろっと子連れのグループが何組も出てきました。子連れでも安心できて、子どもも楽しめる店ですが、10時前とあっては眠くなる時間ですね。
 おかげで入れ替わりに入店できて、ラストまでの2ステージを楽しむことができました。大きなピンチの中で、何もかも変わらないままとはいかなかったみたいだけど、残ってくれただけでも感謝したいと思います。


 土曜日であれば1時までステージがあるのですが、今日は日曜日ということで、残念ながら12時には閉店。
 名残惜しくなり、宿でひとっ風呂浴びた後は再び街へ。「たこ焼きバー」でカクテルとたこ焼きを楽しみつつ、夜はふけて行きました。

t-way航空で週末ソウル【3】新しい観光列車、DMZトレインに乗る

2014年07月08日 | ■旅と鉄道
 ソウル週末旅行の3日目は、5月から走り始めた京議線の観光列車、DMZトレインに乗ることにしました。

 DMZとは「非武装地帯」のことで、韓国と北朝鮮の休戦ライン付近を示す言葉です。北と接する板門店の観光は外国人に限られますが、非武装地帯観光は、当事者たる韓国の人が最も北に近付ける手段でもあります。
 その「安保観光」の始発駅・都羅山までのアクセスは従来、京議線の電車と列車が担ってきましたが、専用の観光列車としてDMZトレインがデビューしました。


 DMZトレインは、友人宅の近所の水色駅には止まらないため、一旦ソウル駅へ戻らねばなりません。しかしソウル駅に入る京議線の電車は1時間に1本しかないため、一旦DMC駅までバスで出て、空港鉄道でソウル駅に抜けました。
 上岩洞付近は、短中距離の路線バスが頻繁に行き交うエリア。中央バスレーンが設けられ、車に邪魔されずバスはかなりのスピードで走ります。DMCからの空港鉄道も駅か少なく早いのですが、駅が地下深く、電車に乗るまでの時間と手間ははかなりかかりました。


 ネットで予約していた切符を受け取り、ホームへ。ソウル発の京議線「電車」は、本体の駅から離れた専用ホームから発着しますが、「列車」のDMZトレインは長距離列車のホームに入ります。
 DMZトレインの車両は、元は普通列車に相当する「通勤列車」だったディーゼルカーを改造したものです。2、3号車は手を取り合う人々がラッピングされ、平和な世界を表現しています。


 反対側の1号車は、ダイナミックにSLの姿をラッピング。なかなかかっこいいです。


 車内も観光列車仕様にリニューアルされていますが、座席は通勤列車時代の転換クロスシートのままです。
 乗車の際は特急クラスのセマウル号運賃に、特室(グリーン車)料金相当が加算されます。割高にも感じられますが、客室乗務員は4人も乗っており、各種サービスのための代価と捉えるべきでしょう。先輩格の観光列車と同じ考え方です。


 ロングシート部も、テーブルを設ければソファ席のよう。
 ただ切符が売り切れとなっていたこの日も、ロングシートの席の主は現れずじまい。一般には発売されない席なのかもしれません。


 車端部には、窓を向いた席も。窓も大きく取られており、ここが一番の「アタリ」かも。


 ソウル駅を発車するとほどなく、客室乗務員が非武装地帯への入場申請書を配りに回ります。外国人の乗客には英語で対応しており、安心して参加できます。
 なお都羅山周辺の徒歩散策は無料。統一展望台や南攻トンネルを巡るバスツアーは別料金で、申請書に記入すれば申し込めます。


 2号車にはカフェカウンターがあり、足元まで広がる車窓を眺めながらのコーヒータイムを楽しめます。
 飲料やおつまみの他、戦闘食やオープナーなどの記念品も各種取り揃え。僕も3,000ウォン(300円)のオリジナルロゴ入り登山カップを手に入れました。


 カウンターの一角には、こんなブースも。乗務員の一人がパーソナリティーを務める「車内ラジオ」の発信ブースで、用紙に書き込んで投函すれば、リクエストにも応えてもらえます。
 西海岸を走る観光列車「海列車」にも同様のものがあり、リクエストすれば旅の思い出になること請け合いです。


 ぐるりと回り、水色駅に戻ってきました。横に長い、MBC文化放送の新社屋がよぎります。


 列車はソウルを離れ、通勤電車とすれ違いながら北上を続けます。
 線路をまたぐコンクリートの構造物は、北が南攻を仕掛けてきた際には線路をふさぐためのもの。軍の監視小屋も目に付き、軍事境界線が近づきつつあることを実感させられます。


 ソウルの北側は元来、戦争のリスクから開発が遅れてきたが、近年ではそうも言っていられず住宅開発が進むエリア…と語られます。
 しかし農村へと変わるタイミングは、やはり今も南側よりもいくぶん早めです。青々とした田んぼが広がってきました。


 汶山駅で下車。非武装地帯を目指すDMZトレインですが、今回の乗車はここまで!都羅山からの安保観光に参加したいのはやまやまだったのですが、帰りの飛行機の時間の都合上、ここで折り返すほかなかったのです。
 まる1日あった昨日乗ればよかったのに…と思われるかもしれませんが、運悪く定期検査のため運休日でした。どうしてもDMZトレインに乗ってみたかったので、汶山折り返しで乗ってみたという、苦肉の策です。


 汶山駅で降りる人なんて普通はいないのでしょう。DMZトレイン専用の列車ホームはまさに閉鎖されるところで、ギリギリのタイミングで脱出できました。
 なお都羅山からの安保観光には12年前に乗っており、今もそんなに変わってはいないはず。その際の様子は、当時の日記の10月26日の項をご参照ください。


 とはいえせっかく汶山まで来たので、北を臨む街らしい「統一公園」を訪ねてみました。駅からは徒歩10分ほどの道のりです。
 公園には、朝鮮戦争で命を落とした人々の霊を慰める塔がいくつも建立されています。


 軍人だけではなく、外国人を含む従軍記者の犠牲者たちの慰霊碑も。
 作戦中に命を落とした人をまつる近年のものも多く、朝鮮戦争は決して終わっていないことを実感できる場でもあります。


 帰路は、京議線の通勤電車でソウル市内へ戻ります。ロングシートでうつらうつらすること、1時間強の道のりです。


 地下の弘大入口駅で下車。若者に人気の街で、短い休日を楽しむ人が一斉に降りて、ホームは人で埋まりました。


 弘大の街。並木道が爽やかです。
 路上パフォーマーが現れる夜も楽しいのですが、昼の雰囲気もなかなかですね。


 おしゃれな洋食屋さんで、早めのランチ。若者の街らしい雰囲気を感じられました。
 飛行機の出発3時間前なのにゆっくりできるのも、弘大と空港を直結する空港鉄道があればこそ。旅行の最終日の時間も、有効利用できます。


 12時過ぎ、名残惜しくも友人と別れ、空港鉄道で帰路へ。
 途中の黔岩駅止まりの電車だったので、一旦下車。6月末から高速鉄道KTXが乗り入れを始めた空港鉄道ですが、黔岩駅は唯一の中間停車駅でもあります。外側に低床ホームを増設して、長い16両編成に対応していました。


 後続列車に乗り継ぎ、仁川空港着。こちらも小さなKTXの切符売り場と、新しい改札口がお目見え。大田へ釜山へ光州へ、空港から1本で行けるようになり便利になりました。
 ただ現在のところ、乗り入れてくるKTXはわずか9往復に過ぎず、時間を選ぶのは残念なところ。増便が期待されます。


 出航1時間半前、13時20分にT-wayのカウンターに到着。前回と同様カウンターはガラガラで、5分で手続きが完了しました。利用者の立場からすれば、ありがたいことです。
 出国検査場は混雑しており、20分ほどの時間を要しました。


 前回と同じように、背後をLCCの済州航空機が通過していきます。
 手続き場こそガラガラでしたが、機内はほぼ満席の盛況。日本人の比率が多く、ほっとしました。


 乗る度に機内のエクステリアが異なる印象のあるT-way。今回の帰路はレザー張りのシートで、枕カバーも設けられていませんでした。
 手元にはオーディオのスイッチもありましたが、電源は入っていません。まあ1時間5分のフライトだし、離着陸時の電子機器利用も解禁になったので、手持ちのオーディオを使えば問題ないわけですが。


 例によって対馬上空で揺れたものの、その他はいたって順調なフライト。日本側は豪雨になっていましたが、大きな揺れもなく着陸しました。
 ざあざあ振りではありましたが、ターミナル近くに車を停められていたのでほとんど濡れずに済んだのもラッキー。我が身の幸運に感謝しつつ、短い旅も幕を閉じました。

t-way航空で週末ソウル【2】新しい世界遺産、南漢山城へ

2014年07月07日 | ■旅と鉄道

 城南の友人宅は、高層の公団住宅。築30年で古いのは仕方ないとしても、断続的に水や給湯が止まったり、なぜかガス台に換気扇がなかったりと、苦労は尽きない模様です。
 それでも、ソウルまで近い緑の多いエリアなので人気があり、チョンセ(保障金のようなもの)や管理費は、日本の水準で考えてもかなりのお値段でした。


 友人宅の真裏に見えるのは、今年世界遺産への登録が決まった南漢山城。これは行かねばなるまい!ということで、お散歩に出かけました。山城の入口までは歩いて10分で、友人宅はまさに世界遺産の麓です。
 横断幕に踊るのは「慶祝 ユネスコ世界文化遺産登載」の文字。ただ、富士山や富岡製糸場が登録された際の日本の盛り上がりに比べれば、「ブーム」になっているような雰囲気は感じられませんでした。


 入口は公園のようになっており、立派なフットサル場や屋外広場が整備されていました。
 民族工芸展示館では工芸品の即売を行っており、仁寺洞などに比べればだいぶ安い印象。韓紙細工の制作体験も材料費のみの5,000ウォンで行っており、山城観光の際には立ち寄るにはいいかも。


 3分も登れば、水のせせらぎが。テントを持ち込んで涼む家族連れが目立ち、手ごろな休日のレジャー地でもあるようです。


 韓国電力の整備した舗装路が続くものの、急坂もあって、散策というにはいささかハード。登山靴までは必要ありませんが、動きやすい靴は必須です。
 ところどころに水飲み場があり、喉を潤す人の姿も見られますが、大腸菌が検出されたとかで多くが飲用厳禁になっているのでご注意を。


 一部の水飲み場は、保健所の検査を通して飲めるようになっているので、水を飲むなら検査証を目印に。
 ちょっと硬めの、冷たくておいしい水でした。


 途中で休憩を挟みつつ、40分ほどで山城の南門へ。
 山登りに比べれば大したコースではありませんでしたが、軽い気持ちで来たので息が上がりました。


 城郭には、修復作業が行われているところもあります。


 修復を終えた(であろう)城郭。
 銃を構えるための(ものであろう)、下を向いた穴が続きます。


 尾根に、古びた石積みが続いていました。
 地元人によれば、山城は初日の出の名所でもあるとか。世界遺産での新年というのも、またよい思い出かもしれません。


 休憩しながら山道を下れば、もう午後2時。ちょっと遅い昼ごはんに入ったのは、南門入口から伸びる大通りを歩くこと3分の位置にある、「多情冷麺」。看板には、店名より大きく「肉をくれる冷麺屋」と書かれています。
 冷麺一杯6,000ウォンはちょっと高いかなと思いますが…


 看板通り、カルビの炭焼きが付いてきます。これが照り焼き風味でおいしいのです。
 ゆで卵も付いてくる他、セルフで肉スープも飲み放題。


 肝心の冷麺も、シンプルながらいい味がします。暑い中、山城を散策してきた身には、冷たいスープがありがたかったです。
 地元人もオススメのこの店。2時という時間だったのに、満員だったのも頷けます。


 お隣のビル3階にある、Cafe & Tで一休み。あまり詰め込んだ感じがなく、ゆったりくつろげます。
 写真を展示したコーナーもあり、ギャラリーカフェの雰囲気もありました。


 飲み物は、なかなかのラージサイズです。これでアメリカコーヒー2,500ウォン、ホットラテ3,500ウォンなのだから、かなりお値打ちといえそう。
 同じ市内では、亭子駅周辺が「カフェ通り」として脚光を浴びているそうですが、地元人としては断然こちらがおすすめとのことでした。


 夕方までの時間は、近くの「おもしろいところ」を車で巡ることに。いつもは電車旅なので、こういう機会はありがたいです。
 まずは盆唐のビジネス街へ。ユニークな意匠のビル、高級そうなマンションが並び、少し離れると韓国では珍しい戸建て住宅街まで…新しいビルの建設も続いており、韓国は景気がいいのか悪いのか、分からなくなります。


 水原のサムソンの工場街。どこまで行っても、サムソンの工場とオフィスが続きます。
 水原市の法人税収入って、ハンパないんだろうな…と余計な方向に考えが及びました。


 郊外の国道1号線「非常用滑走路」。有事の際には中央分離帯を撤去するだけで、滑走路に早変わりします。
 ドライバーだったら、ついつい飛ばしすぎてしまいそうです。


 新都市・東灘。高層ビルが並ぶオフィス街と、高層アパートの住宅街が隣接します。商店街やショッピングセンターもできており、職住近接で完結できる街です。
 数年ぶりに来た友人家族は、あまりの変貌ぶりに、どこがどこだか分からないといった面持ちでした。


 城南からの往復は、一部で高速道路に乗りました。
 韓国版ETCのハイパスは、ゲートの通過速度を30kmに規制されていますが、バスだと全速力で通過して行きます。


 夕方7時前、亭子で友人家族と別れ、一人駅に向かいました。
 江南方面へ、新盆唐線に乗車。駅数をしぼった高速運転が自慢の路線で、ちょっと運賃は割高ですが、急行料金と思えば安いもの。韓国では珍しい民鉄で、駅のデザインも商業施設のようです。


 江南で、留学時代の寄宿舎仲間と合流。今朝タイの出張から帰ってきて、家に荷物を置いてそのまま研修に参加してきた帰りとのこと。なかなかお疲れだったろうけど、6年ぶりの再会に話もはずみます。
 近所のチョルミョン店で、定食を夕飯にしました。社会貢献の一環として、お客1人が食事をする度に、恵まれない国の子どもへ1食を提供している店でした。


 友人宅は上岩洞。鉄道ファンには水色駅前と表現する方が、分かりやすいかもしれません。江南からは3号線~6号線~京議線を乗り継ぎ、1時間10分の移動になります。京議線は孔徳駅への延伸後、はじめて乗りました。
 都心の地下鉄ながら1時間に3本、時間帯によっては30分空くこともある路線ですが、金曜夜とあって席は埋まる程度の混雑でした。


 水色駅前は80年代を想起させる昔ながらの街並みなのに対し、地下道で京議線をくぐるどデジタルメディアシティの一角に出ます。新たに移転してきた放送局3社の社屋が並び、屋外も美しく整備されています。うめきたの開発前、梅田貨物駅の地下道を歩き梅田スカイビルにたどり着いた時の気分を思い出しました。
 近所はアパート団地で、公開緑地は近所の公園のような雰囲気。名だたる放送局の並ぶ一角ですが、非日常感と生活感が同居していました。


 MBCのホールには、LEDの巨大装飾。友人はMBCのグループ会社社員ですが、まだ旧社屋にいるため、共用部分までしか入ることはできないとのこと。
 秋に新社屋に移転したら、社内見学をさせてもらう約束を取り付け、友人のアパートで長い1日を終えたのでした。

t-way航空で週末ソウル【1】城南への道

2014年07月07日 | ■旅と鉄道
 2月に、佐賀~ソウル間 2千円の「就航記念運賃」で乗ったt-way航空ですが、その後も事前購入割引「やすか券」を発売中。ハイシーズンを除き片道2,500円(日曜帰着は4,500円)と、信じられないほどの激安運賃です。
 6月初旬、早々と7月第1週の往復航空券をゲット。日曜帰着なので少し割高でしたが、それでもサーチャージ、仁川空港の利用料などオール込みで15,250円でした。


 金曜日の午後3時、マイカーで久留米を出発。城島、大川、諸富を経由して佐賀空港へ向かいます。
 橋げたが降りている昇開橋を、諸富港から一枚。


 筑後地方から佐賀空港へ、ストレートに道はつながっていませんが、随所に「佐賀空港」の標識があるので迷うことはありません。


 約50分で、佐賀空港に到着。
 広大な無料駐車場がウリの佐賀空港ですが、たまたまターミナルの目の前の駐車場が空いていました。ラッキー!


 金曜日のソウル行きは、韓国からだと利用しづらいダイヤではないかと思うのですが、前回と同じく、韓国人が多かったです。日本人と韓国人の比率は、ざっと2:8といったところでしょうか。
 聞いたこともない名前の免税店の袋を持っている人が目立ち、格安団体ツアーの参加者が多くを占めていたようです。


 スムーズにチェックインと出国手続きを終えれば、16時50分。前回はギリギリで覗けなかった、搭乗待合室の免税店に立ち寄ってみました。
 酒タバコより、炊飯器やウォークマンなどの電化製品が目立つディスプレイで、中国人が主たる顧客であるとお見受けしました。


 5分早発でテイク・オフ。座席が狭いLCCですが、仁川まで1時間5分とあってはトイレに立つこともなく、あまり気になりません。対馬上空で気流が悪くなった以外は、安定した快適なフライトでした。
 お馴染み野菜チップスと、オレンジジュースのサービスは健在。前回なかった紙ナプキンは、チップでベタついた手を拭くのに役立ち、細かなサービスの改善が図られていたのには好感を持ちました。


 5分早着、18時半に仁川空港に到着。大韓航空の総2階建ジャンボが出迎えてくれました。地下を走るシャトルトレインで、ターミナルビルへと向かいます。
 3月に比べ外国人の入国者が多く、手続きには若干の行列が。それでも10分ほどで終わり、両替をしてターミナルを出たのは18時55分でした。これなら、城南方面の19時のバスに間に合いそうだ…


 と思ったら、手持ちのT-moneyカードの残高がないことを思い出し、コンビニでチャージしていたらタイムアップ。次発19時30分のバスになりました。
 空港鉄道の開業で、ソウルの旧都心へは鉄道が早くなりましたが、首都圏の他地域に行くにはまだまだバスの優位は揺るぎません。首都圏だけでなく全国各地へ向かうバス乗り場は長蛇の列で、韓国の交通の主役は未だバスであることを実感します。


 空港バスとはいえ路線バスなので、どうせ狭い4列シートだろうと思っていたら、ゆったりした優等バスクラスの3列シートで意表を突かれました。
 まあ運賃は12,000ウォン(1,200円)と、韓国の交通物価ではそこそこ高いレベルなので、妥当という気もしますが。


 ソウル南部の城南へ向かうバスは、新空港高速道路ではなく、仁川市へとまたぐ仁川大橋を経由します。
 時間は午後8時前。広大な干潟に沈む夕陽を望みながら、18キロも延々と続く橋を渡って行きます。


 斜張橋の部分では、結構な高さに。


 高速を降りて途中渋滞にはまりつつも、1時間半で城南市へ。「SKガソリンスタンド」という、愛想のない名前の停留所が終点でした。
 マウルバスと呼ばれるマイクロバスに乗り換え、友人宅のアパート団地へ。駅から住宅街を結ぶマウルバスは、庶民の強い味方。7分おきに出発し、狭い路地も急な上り坂もぐんぐん走って行く、便利な生活の足です。


 友人宅の公団住宅に着いたのは、9時前。遅くなったことを詫びつつも、家族4人で歓待してもらい嬉しかったです。
 5年ぶりの再会に積もる話もあったのですが、1時頃には電池切れ。明日へと続きます。