8月24日、鉄道ファンや九州新幹線沿線自治体にとって、驚きのニュースが流れました。九州新幹線開業とともに、大阪~鹿児島間に「のぞみ」クラスの新幹線「みずほ」が登場… まさに唐突、急転直下の発表でした。
九州新幹線全通時に、大阪~鹿児島の直通新幹線を運行することは早くから決まっていましたが、これまで明かされていたのは、
・愛称は「さくら」
・山陽新幹線では、現行の「ひかりレールスター」を代替
・九州新幹線内の停車駅は調整中
といったところでした。漠然と「さくら」は、山陽新幹線の「ひかり」が鹿児島に延びてくる列車というイメージを抱いていたところです。
九州新幹線内での停車駅などダイヤの詳細については、JR九州と西日本の間で意見に相違がある(記事)と伝えられる一方、沿線自治体からは停車の要望も相次いでおり、ダイヤの設定にあたっては相当な苦労があっているように見えていました。
そんな中で、突如発表された速達列車「みずほ」の登板。西日本新聞の記事によると、
・「みずほ」の停車駅は新神戸・岡山・広島・小倉・博多・熊本に限定
・所要時間は3時間40分台
・ビジネス利用の多い時間帯に限定して運行
・1時間に1本とされてきた「さくら」に、プラスアルファの運行になるのかは未定
とのこと。なるほど、こういう技をかけてきたかという印象です。
これまで発表されてきた「さくら」のダイヤだと、山陽新幹線内での停車駅が多く、速達性が発揮できなくてもったいないという印象を抱いていました。
「みずほ」は、山陽新幹線内では全速力、九州新幹線内でも停車駅は熊本のみと、持てるスペックをフルに活かした列車です。対航空機の競争力という意味ではもちろん、新幹線という国民の財産が持つ力を最大限活かすという意味でも、意義のある列車だと思います。
一方で、愛称決定からこれまで、さんざんアピールされてきた「さくら」が2番手の列車になることに、違和感がなくもありません。
「さくら」「みずほ」とも、かつては東京と九州を結ぶブルートレインとして活躍した列車名で、「みずほ」は長らく「さくら」の補完列車と位置付けられていたこともあり、同じ区間を走ることは自然です。しかし、「さくら」の愛称は戦前からの歴史を持っており、公募でも1位になっているのだから、最速達列車こそ「さくら」が相応しいように思います。
もっとも、沿線が「さくら」停車を要望してきた経緯もあり、今の案であればJR側から「『みずほ』が走りますが、要望通り『さくら』は停めます」という説明ができるという利点はあるのかも。日本の別名「瑞穂の国」が由来とされる「みずほ」の名は最上級列車にふさわしいとも言え、穀倉地帯の九州の平野を走る新幹線にお似合いという見方もできるでしょう。走り始めて数年も経てば、すっかり馴染むのかもしれません。
愛称といえば、西日本新聞の記事に、
・「つばめ」は各駅停車の列車名とする方向
・「さくら」の名を、九州内の速達タイプ列車に使う可能性もあり
という、気になる記述もあります。「つばめ」は、戦前の超特急に付けられていた愛称で、1992年に九州の特急として復活させる際にも、他社JRの同意を求めたという、由緒ある名前です。その「つばめ」が各駅停車の名前というのも、また違和感を覚えます。経緯を考えれば、仕方ないのかな…。
これまでの新幹線開業と異なり、直前までバタバタしている印象の九州新幹線全線開業。ダイヤや運賃は冬にかけて決定というスタンスは崩しておらず、発表の際にはまた大きな波紋を呼ぶことでしょう。
しかし家のベランダから、疾走する「みずほ」「さくら」「つばめ」を見ることが、楽しみなことには違いありません。まずは31日から始まる試運転を心待ちにしています。
九州新幹線全通時に、大阪~鹿児島の直通新幹線を運行することは早くから決まっていましたが、これまで明かされていたのは、
・愛称は「さくら」
・山陽新幹線では、現行の「ひかりレールスター」を代替
・九州新幹線内の停車駅は調整中
といったところでした。漠然と「さくら」は、山陽新幹線の「ひかり」が鹿児島に延びてくる列車というイメージを抱いていたところです。
九州新幹線内での停車駅などダイヤの詳細については、JR九州と西日本の間で意見に相違がある(記事)と伝えられる一方、沿線自治体からは停車の要望も相次いでおり、ダイヤの設定にあたっては相当な苦労があっているように見えていました。
そんな中で、突如発表された速達列車「みずほ」の登板。西日本新聞の記事によると、
・「みずほ」の停車駅は新神戸・岡山・広島・小倉・博多・熊本に限定
・所要時間は3時間40分台
・ビジネス利用の多い時間帯に限定して運行
・1時間に1本とされてきた「さくら」に、プラスアルファの運行になるのかは未定
とのこと。なるほど、こういう技をかけてきたかという印象です。
これまで発表されてきた「さくら」のダイヤだと、山陽新幹線内での停車駅が多く、速達性が発揮できなくてもったいないという印象を抱いていました。
「みずほ」は、山陽新幹線内では全速力、九州新幹線内でも停車駅は熊本のみと、持てるスペックをフルに活かした列車です。対航空機の競争力という意味ではもちろん、新幹線という国民の財産が持つ力を最大限活かすという意味でも、意義のある列車だと思います。
一方で、愛称決定からこれまで、さんざんアピールされてきた「さくら」が2番手の列車になることに、違和感がなくもありません。
「さくら」「みずほ」とも、かつては東京と九州を結ぶブルートレインとして活躍した列車名で、「みずほ」は長らく「さくら」の補完列車と位置付けられていたこともあり、同じ区間を走ることは自然です。しかし、「さくら」の愛称は戦前からの歴史を持っており、公募でも1位になっているのだから、最速達列車こそ「さくら」が相応しいように思います。
もっとも、沿線が「さくら」停車を要望してきた経緯もあり、今の案であればJR側から「『みずほ』が走りますが、要望通り『さくら』は停めます」という説明ができるという利点はあるのかも。日本の別名「瑞穂の国」が由来とされる「みずほ」の名は最上級列車にふさわしいとも言え、穀倉地帯の九州の平野を走る新幹線にお似合いという見方もできるでしょう。走り始めて数年も経てば、すっかり馴染むのかもしれません。
愛称といえば、西日本新聞の記事に、
・「つばめ」は各駅停車の列車名とする方向
・「さくら」の名を、九州内の速達タイプ列車に使う可能性もあり
という、気になる記述もあります。「つばめ」は、戦前の超特急に付けられていた愛称で、1992年に九州の特急として復活させる際にも、他社JRの同意を求めたという、由緒ある名前です。その「つばめ」が各駅停車の名前というのも、また違和感を覚えます。経緯を考えれば、仕方ないのかな…。
これまでの新幹線開業と異なり、直前までバタバタしている印象の九州新幹線全線開業。ダイヤや運賃は冬にかけて決定というスタンスは崩しておらず、発表の際にはまた大きな波紋を呼ぶことでしょう。
しかし家のベランダから、疾走する「みずほ」「さくら」「つばめ」を見ることが、楽しみなことには違いありません。まずは31日から始まる試運転を心待ちにしています。