鉄っちゃんでなくとも、旅好きには言わずと知れた、青春18きっぷ。念のために解説すると、JRの普通列車1日乗り放題「権」が5回分付いて11,500円という、超激安の割引きっぷです。
すっかり定着し、「あって当然」のように思われているこのきっぷですが、実は毎年初めに、その年の発売計画が発表されています。ある年、突如、姿を消してしまってもおかしくないきっぷなのです。
特に今年は、その懸念がまことしやかに囁かれていました。というのも、年頭の段階で冬シーズン分の発売が「詳細が決まり次第発表」という、曖昧な表現で終わっていたからです。すわ、今年の夏まででサヨナラになるのかと、鉄道好きの間では大騒ぎになっていたのでした。
渦中の「冬の18きっぷ」。しかし29日のJR東海ニュースリリース「青春18きっぷの発売について」は、見事にその不安を打ち消してくれました。例年冬の18きっぷは1月20日まで使えていたものが、1月10日までと、10日間の短縮に。それでも発売が決まっただけ、万々歳です。
曖昧な形の発表になっていたのは、12月の東北新幹線全通に伴い、在来線の八戸~青森間が第三セクターに転換される(→ルール通りならば18きっぷは使えなくなる)ことが関連していたようです。結果的には青森~野辺地~八戸相互間でも、途中下車しなければ、分離会社の青い森鉄道も乗車OKということで決着した模様。経営分離による影響を最小限に留めた「英断」ともいえるでしょう。
さて、18きっぷといえば、僕も中高生の頃にはかなりお世話になったものです。中学2年生の時は佐賀を起点に福島から新潟、飯田を回ったし、高校1年生の時には長野から山陰へと日本海側を大旅行、高校2年生ではついに北海道まで普通電車を乗り継いで行きました。
しかし社会人になってからは、すっかり18きっぷとも縁遠くなってしまいました。距離を稼ぐのに都合がよかった夜行快速がことごとく壊滅状態になってしまい、効率いい旅ができなくなってしまったのです。特に、仕事を終えてから乗っても充分間に合い、翌朝には関西起点に動き回れた「ムーンライト九州」の廃止は痛手でした。
でも、「時間はないが金はある」(学生比)状態になったのが、18きっぷを遠ざけた一番の理由でしょう。どこまでも、どこまでも、各駅に停まりながら…有り余る時間を、日本の大きさを体感することに使えた頃を、懐かしく思います。
大阪から青森を結ぶ、通称「日本海縦貫線」。JR西日本と東日本の2社に分かれるものの、1000kmを越える長大な1路線を形成しています。この路線も、数年後の北陸新幹線開通を期に、一部がJRから経営分離されることが、ほぼ確定(写真:北陸新幹線金沢駅の基礎)。
この偉大なる長大幹線が、JRであるうちに、1駅1駅、丹念に乗っておきたいという思いがあります。それも日本海縦貫線なら、冬に限る。いつか冬の18きっぷを手に、北へ向かう旅人になってみたいものです。
すっかり定着し、「あって当然」のように思われているこのきっぷですが、実は毎年初めに、その年の発売計画が発表されています。ある年、突如、姿を消してしまってもおかしくないきっぷなのです。
特に今年は、その懸念がまことしやかに囁かれていました。というのも、年頭の段階で冬シーズン分の発売が「詳細が決まり次第発表」という、曖昧な表現で終わっていたからです。すわ、今年の夏まででサヨナラになるのかと、鉄道好きの間では大騒ぎになっていたのでした。
渦中の「冬の18きっぷ」。しかし29日のJR東海ニュースリリース「青春18きっぷの発売について」は、見事にその不安を打ち消してくれました。例年冬の18きっぷは1月20日まで使えていたものが、1月10日までと、10日間の短縮に。それでも発売が決まっただけ、万々歳です。
曖昧な形の発表になっていたのは、12月の東北新幹線全通に伴い、在来線の八戸~青森間が第三セクターに転換される(→ルール通りならば18きっぷは使えなくなる)ことが関連していたようです。結果的には青森~野辺地~八戸相互間でも、途中下車しなければ、分離会社の青い森鉄道も乗車OKということで決着した模様。経営分離による影響を最小限に留めた「英断」ともいえるでしょう。
さて、18きっぷといえば、僕も中高生の頃にはかなりお世話になったものです。中学2年生の時は佐賀を起点に福島から新潟、飯田を回ったし、高校1年生の時には長野から山陰へと日本海側を大旅行、高校2年生ではついに北海道まで普通電車を乗り継いで行きました。
しかし社会人になってからは、すっかり18きっぷとも縁遠くなってしまいました。距離を稼ぐのに都合がよかった夜行快速がことごとく壊滅状態になってしまい、効率いい旅ができなくなってしまったのです。特に、仕事を終えてから乗っても充分間に合い、翌朝には関西起点に動き回れた「ムーンライト九州」の廃止は痛手でした。
でも、「時間はないが金はある」(学生比)状態になったのが、18きっぷを遠ざけた一番の理由でしょう。どこまでも、どこまでも、各駅に停まりながら…有り余る時間を、日本の大きさを体感することに使えた頃を、懐かしく思います。
大阪から青森を結ぶ、通称「日本海縦貫線」。JR西日本と東日本の2社に分かれるものの、1000kmを越える長大な1路線を形成しています。この路線も、数年後の北陸新幹線開通を期に、一部がJRから経営分離されることが、ほぼ確定(写真:北陸新幹線金沢駅の基礎)。
この偉大なる長大幹線が、JRであるうちに、1駅1駅、丹念に乗っておきたいという思いがあります。それも日本海縦貫線なら、冬に限る。いつか冬の18きっぷを手に、北へ向かう旅人になってみたいものです。