凡夫性に足をすくわれた?

2006年01月23日 | Weblog

 資本主義というのは、拝金主義に陥るかなり強い傾向をもっている、と私は見ています(必ずではないにしても)。

 そして資本主義とセットになっている自由主義は、エゴイズム・自分勝手に陥る強い傾向をもっています(おなじく必ずではないにしても)。

 それは、資本主義-自由主義が、実体としての自分という錯覚を疑うことなく大前提にしている人間・凡夫の営みだからです。

 拝金主義やエゴイズムに陥る危険は、法律や社会倫理や良識で、ある程度は防ぐことができますが、しかしそうした外側からのコントロールだけでは十分ではありません。

 ライブドアの堀江氏が逮捕されましたが、彼もまた自らの人間性・凡夫性、そしてそこから生まれる拝金主義とエゴイズムに自らの足をすくわれた人の一人だといってまちがいないのではないか、と私は見ています。

 「時代の寵児」のように見えていたのでしょうが、「時代の(錯覚の)犠牲」になってしまったようです。

 (まだ有罪と決まったわけではない、ともいえますが。)

 自分は自分だけで成り立っていないのだから、短期ではなく中長期で考えれば、自分と他者との利益はバランスをとることができる、どころか一致させることができる、という成熟した内面的な智恵が、社会全体で共有され、また個々人のものになる必要があると思われます。

 そうでなければ、これからも「アイドル(偶像)」になるつもりで、社会を騒がせ、結局、周りにひどい迷惑をかけながら「落ちた偶像」になってしまう人物が繰り返し出てくるでしょう。

 そうならないことを、心から願いますが。


にほんブログ村 哲学ブログへ

人気blogランキングへ

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ありたい」と「あらねばな... | トップ | 仏教は気軽に始めることができる »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (type1974)
2006-01-24 01:04:20
え!ホリエモン、逮捕されたんですか!?

これはびっくり。奢れる平家は…という言葉がありましたが、そのサイクルがあまりにも短すぎるような。

ほんとうに「時代の子」という感じでしたが、終わり方(まだ終わっていないのかな)もまたいかにも今っぽい。

転んでもたたじゃ起きないと思いますが、案外ぽっきりと折れやすいのかもしれない。

いずれにせよ、ライブドア・ブログの方、ご愁傷様です…
返信する
感想 (ウスイツカサ)
2006-01-24 21:02:24
(欲が孕めば罪を産み、罪が熟せば死を産む)という教えがありますが、あまりにも分りやすいシナリオでした。



私の思いの中にも大きな欲があります。代わりに体験してくれたのかなぁと思って、私の教訓にします。



ウスイツカサ
返信する
大きいか小さいか (アンナ)
2006-01-25 06:47:37
確かに彼は大きいことをして注目されました。



でも、考えてみたら、スケールの差があってもみんなしてる、きっと。

小さなごまかし、合理化、正当化、自己欺瞞。



そう思ってしまいました。

夢のようなこの世界。
返信する
拝金主義 (ぜん)
2006-01-25 19:45:50
おっやるとおり、いまの日本人は、かなりの部分で拝金主義やエゴイズムに陥っている、という認識をもっています。



堀江氏を応援していた人たちは、そういう「拝金主義」は気にならなかったのでしょうか?

そこが不思議です。
返信する
エゴイズムと拝金主義 (りょう)
2006-01-25 21:56:05
現代、マナ識(凡夫性)の肥大化に拍車がかかっているような気がします。

堀江氏の逮捕によって、社会全体がかかっている病気に目を覚ます人が増えるといいのですが・・・。

もちろんそれは私自身にも言えることです。

これを機会に社会の病だけではなく、しっかりと自己の病にも目を向けていこうと思います。

堀江氏には、しっかりと反省して、生まれ変わってもらいたいです。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事