小澤徳太郎『スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」――安心と安全の国づくりとは何か』(朝日選書)を読みました。
カバーの内容案内に以下のようにありました。
私たちの社会は、このままでは持続不可能だ。人類の生存を脅かす環境破壊が現実のものとなり、少子高齢化が進みつつある今、人間の作った仕組みを自然法則に合わせて変えていかないかぎり、次世代に無事、安心と安全な社会を引き渡すことはできない。
日本が「失われた10年」を空しく過ごしている間に、スウェーデンは、2025年頃に「生態学的に持続可能な社会」あるいは「緑の福祉国家」を実現する、という大きな見取り図のもと、年金制度改革、化石燃料の消費量を抑える、資源の再利用、廃棄物を減らすといった施策を着々と進めてきた。「国家の持続可能性ランキング」(2001年に「国際自然保護連合」が発展した数字)で1位にランクされている国、スウェーデンから、私たちの学ぶものは多い。
いずれ時間を見つけて、ちゃんとしたものを書きたいと思いますが、取り急ぎ、読者のみなさんにご紹介、ご推薦しておきたいと思いました。
この本は、環境がテーマの本としては私にとって70年代の『成長の限界』以来という感じの重要な本になりそうです。
一言でいうと、スウェーデンに関しては、実際に環境と経済の両立が実現する見込みが十分にある、という事実を初めて知って(これまで詳しいことを勉強していなかったので)、プラス-マイナス両方のショックを受けました。
プラスは、十分に自由と民主主義の確立した国なら、近代的な工業国家だった国でも、生態学的に持続可能な社会に向けての方向転換が可能になる実例があるのだ、といううれしいショックです。
これまで、「持続可能な開発」というのは環境問題の深刻さをカモフラージュするインチキなキャッチ・フレーズではないかと疑っていたことを、少なくともスウェーデンに関しては訂正する必要があるようです。
マイナスは、現在の日本がスウェーデンとはまるで違う方向を向いていて、当面とても方向転換できそうには見えない、ということへの深い残念さ(コスモロジーや論理療法をやっていなかったら、過剰な絶望感になりかねないくらいの)を感じさせられた、ということです。
私の中で、このうれしさと残念さの入り混じった気持ちの振幅は、そうとうなものです。
いずれ私も書きますが、関係者のみなさん、まだでしたら、ぜひ読んで、ご意見をお聞かせ下さい。
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持続性のない社会はやはり、基本的に不安を感じます。
モノを買うときに、僕はすぐに捨てるときのことを想像してしまいます。
乾電池が、最終的にどこに行ってしまうのか考えると、とてもいやな気持ちになります。
可能性を示してくれる、国があるのならぜひ知りたいです。
持続可能な社会。
早速、本を注文しました。
ご紹介、有り難うございます。
本の内容、ワクワクドキドキですね。
人口密度、国土の環境等の相違から、北欧のシステムをそのまま日本に当てはめることは難しいかもしれませんが、大きな示唆を与えてくれものと期待します。
それにしても、北欧はいつも時代をリードしますよね。
それに引き換え戦後日本はつねにアメリカ追従。
このままでは心中してしまう・・・。
それにしても、なぜ、スウェーデンにはできて、日本にはできないのでしょうね?
本を読んだら、みんなで考えることにしませんか?
近いうちに、藤沢でこのテーマのゼミをやりましょう(面白そうー!)。
参加する気のある方、発表の準備をしておいてください。