里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アギナシ 小猪岡の休耕田

2017-08-04 | 日記

一関市厳美町の小猪岡川上流域で、集落上手の林道を歩いていると、すぐ脇の休耕田
に白い小さな花が点々と咲いているのが見えます。
雑草やミズゴケの生えた休耕田に踏み込むと、ジュブジュブと水が浸み出してきます。
数日前にかなりの雨が降りましたからね。

田んぼの真ん中まで行って白い花を覗き込むと、水辺に多いオモダカかアギナシのようですが、
私にはその違いがよく判りません。
写真を撮って持ち帰り、植物図鑑と見比べて同定することになります。




                             二枚とも2017.7.27撮影

花を見ただけでは、オモダカとアギナシを区別出来ないようです。
葉と花茎の位置関係に違いがあるようで、オモダカは葉の先端よりも花茎が上に出ないのに
対して、アギナシは花茎が高く伸び上がるようです。
私の写真の植物は、花茎が高く伸び上がっていますから、アギナシと思われます。

葉にも違いがあって、オモダカは葉幅が広く、アギナシは葉幅が極めて細いようです。
葉は両方とも真ん中付近から下が二つの側裂片に分かれますが、オモダカは上裂片が側裂片より
短いのに対し、アギナシは逆で、上裂片が下方の側裂片よりも長いとあります。
見比べると上裂片が少し長いようですから、この点からもアギナシと同定できます。

アギナシは多くの都府県で、絶滅危惧種に指定されています。
神奈川県では絶滅種になっているとか。
因みに撮影地の岩手県では準絶滅危惧種、宮城県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。


                                 2017.7.27撮影

オモダカ科オモダカ属の多年草で、北海道から九州に分布する。
湖沼やため池、水路、水田、休耕田などに自生する抽水〜湿生植物で、草丈は30~80cm。
夏以降に、葉腋に多数の小球茎を形成して栄養繁殖する。オモダカのような走出枝はない。
葉は根生し、長い柄がある。葉身は矢じり形、上裂片は披針形~線形、長さ7.5~17.5cm、鈍頭。
側裂片は上裂片より少し短く、鈍頭。両面無毛。
花期は7~10月、花茎は高さ30~80cm、輪生総状花序を付ける。雌花は花序の下部にあり少数、
花柄は長さ10~20mm。苞は3個、狭卵形。萼片3個、卵円形で長さ5~6mm。
花弁3個、仮雄しべがあり、雌しべは多数、花柱は短く先が曲がる。
雄花は花序の上部に多数付き、花柄は10~30mm。花弁3個で円形、長さ10~13mm。
雄しべは多数、葯は黄色、花糸は扁平で線形。
果実は痩果で、倒卵形で広い翼があり、長さ3~3.5mm。




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