里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヤクシソウ 道沿いの岩壁

2017-10-02 | 日記

気仙沼市本吉町の、馬籠川に沿った細い集落道を歩いていると、山側の小岩壁に
黄色い花が咲いています。一つひとつの花は小さめですが、たくさんの花を付けて
いるので、遠くからでもかなり目立ちます。
山の伐採跡地や、林道法面に咲いているのをよく見かけますが、ここでは硬質の頁岩
の割れ目に生えていて、茎が細いので谷側へ枝垂れるように咲いていました。




                        二枚とも2017.9.30撮影

名の由来は、葉が薬師如来の後背に似ていることから、と云う説があります。

かつては、春に伸びだした茎を摘んで、茹でておひたしにして食べましたね。
茎を摘むと白い乳液を出すことから、ニガナなどと区別せずに「チチクサ」と呼んで
いました。細い茎ですから量を確保するのは大変ですが、おひたしにするとこくと
少しの苦味があり、美味しくいただいたものです。


                            2017.9.30撮影

キク科オニタビラコ属の二年草で、北海道~九州に分布し、草丈は30~80cm。
伐採跡地や崖地、道路法面や土手など、乾燥気味の場所に自生する。
ロゼット状の根生葉で冬を越し、春先から茎を伸ばす。茎は紅紫色を帯びるものが多く、
やや細く堅い。全体に無毛で、多くの枝を分ける。
茎葉は互生し、葉身は長楕円形または倒卵形で長さ5〜10cm、縁には浅い鋸歯がある。
基部は後方に大きくはりだして茎を抱く。裏面は緑白色。根生葉は花期には枯れる。
花期は8〜11月、枝先や上部の葉腋に、散房状に多数の黄色い頭花を付ける。
頭花は直径1.5cmほどで、舌状花のみからなる。舌状花は11~19個。
総苞は黒っぽい緑色で、長さ7〜9mmの円筒形。
果実は痩果。黒褐色で長さ2.5〜3.5mm。冠毛は白色で長さ3.5~4.5㎜。



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