メナモミ 史前帰化植物か

今の季節に山手を歩くと、小さな黄花を付けたメナモミをよく見かけます。
山田周りの湿った草地とか、林道沿いなどに自生していますね。
写真のメナモミは大和町吉田地区の、段丘下の県道脇に咲いていたものです。
１株見付けて写真を撮っていたら、それは群落の端っこの株で、道路沿いの
数十メートルにわたって大きな群落をなしていました。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二枚とも2016.9.25撮影

「くっつき虫」で知られているのはオナモミの実ですね。そのオナモミに比べて全体が
小振りで草姿も優しげなので、雌ナモミと呼んだとする説があります。
中国では全草を乾燥させたものを豨薟（キレン）と呼び、薬用に用います。
味は苦、性質は寒、風湿を除く、筋骨を利す、血圧を降ろすなどとして、動脈硬化・
高血圧の予防、風邪、腫れ物、リウマチ等の関節痛に、中風、脳出血予防、手足の
麻痺などに用いられるようです。

これらの薬効ゆえ、また生えている場所が集落・耕作地周り、それに道路沿いなど
に限定されていることから、メナモミを史前帰化植物とする説もあります。
山歩きでもよく見かけますが、殆どが車道や林道沿いですからね。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2016.9.25撮影

キク科メナモミ属の一年草で、北海道～九州に分布しているが、史前帰化植物とする
説もある。林縁、原野、道路沿い、空地などのやや湿った場所に生える。
茎は開出毛が密に生えて、節で枝を分ける。草丈は60cm～100cm。
葉は対生し、葉身は卵形～３角状卵形で長さ８～19cm、３本の太い葉脈があり毛が
密生する。葉柄には翼があり、先端は尖る。縁には粗い鋸歯がある。
花期は９～10月で、枝の上部に円錐花序を出して、多数の黄色い頭花を付ける。
頭花は上向きで、中央の筒状花と周りの舌状花からなる。
総苞片は５個で、花床の鱗片に腺毛が密生して粘る。これで動物に付着して
種子を散布する。種子は三稜形で、熟すと黒くなる。