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里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オシダ 米谷の杉林

2018-12-13 | 日記
登米市東和町米谷地区南部、山際の農道から分かれた南側の林道を行くと、沢沿いの
杉林の中を上がるようになります。小さな峠を越えて隣の沢へ下っていくと、浅いU字形
の谷の中を行くようになります。沢に降りてみると水が流れておらず、中小の礫が厚く
堆積しているだけです。水はこの礫の下を伏流しているのでしょう。

林道は杉林の中をなだらかに上がっていて、林床には大小の羊歯植物が生い茂っています。
大形の羊歯ではイノデの仲間やリョウメンシダが多いようです。
さらに行くと斜面下の林床に、半光沢の大きな葉の羊歯が茂っていて、展開した葉の直径
が1.5m以上もありそうです。林床に踏み込んで観察すると、小羽片の縁が裏側に軽く巻い
ていますから、オシダ科オシダ属のオシダでしょうね。
夏緑性の羊歯となっていますが、厳寒期までは緑葉を保つようです。




                             二枚とも2018.12.3撮影

オシダは南三陸町などで何度か観察していて、その自生地は崖下のガレ場や、林道下の斜面
でした。それに対して、ここはほぼ平らな杉林内ですから、ちょっと違和感があります。
これは私の推測ですが、この浅い谷底一帯には、前述した中小の礫が厚く堆積していて、水捌け
が良好なため、ガレ場と同じような環境になっているのでしょう。

地形図を読むと、この辺りの沢は標高50~100mの範囲で、同じような浅く広い谷底が描かれ
ています。10~30万年前に何度かあった間氷期に、大きな海水面の上昇がありましたが、その
際にこの辺りは入り組んだ岩礁地帯で、荒波が打ち寄せていたことでしょう。
波の力で基盤岩の礫岩が侵食され、当時入り江だった沢筋に厚く堆積したものと推理します。




                             二枚とも2018.12.3撮影

オシダは2016年の1月に観察して、記事をアップしています。
属性や特徴については、下の青字をクリックして参照願います。
オシダ ガレ場に自生



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