登米市東和町米谷地区南部、集落近くの丘陵上に小さな神社があります。
神社の背後は深い杉林になっていますが、神社下の斜面は草地になっていて、丈の低い
草だけが茂っていますから、年に1~2度刈り払われているのでしょう。
その草地に、細い葉を密生させた植物が群生しています。近くで観察すると、線形の葉
が輪生していますから、カワラマツバかヤエムグラと思われます。
二枚とも2018.12.3撮影
ヤエムグラには茎や葉に鉤状の剛毛が生えていて、触ると引っかかったりザラツキ感が
あったりしますが、写真の植物にはそれが無いので、カワラマツバと同定します。
カワラマツバはアカネ科の植物ですから、アカネ同様に染料として利用できるようです。
使用する媒染によって、黄色~橙色に染まるようです。何度も染めを繰り返すことにより、
橙色が朱色にもなるのでしょうね。
2018.12.3撮影
アカネ科ヤエムグラ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は30~80cm。
日当たりの良い乾燥気味の草地や河川敷、道端などに自生する。
根はアカネのように赤くひげ状。根茎を横に這わせて増える。
茎は高さ30~80cmで直立。茎や葉には細かくて軟らかい毛が生える。
葉は線形で長さ2~3cm、先端に短い棘がある。8~10個が輪生しているように見えるが、
本来の葉は2個だけで、他は托葉が大きくなったもの。
花期7~8月、茎の上部で分枝して、先端に円錐花序を出し、白い小花を多数付ける。
花冠は直径2mmほど、4裂して十字状に平開する。花冠の下の子房は無毛。
雄しべは4本、花には特有の臭いがある。
果実はひょうたん形の分果で、直径は1mmほど。熟すと二つに割れる。
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