里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ミズタマソウ 歌津の半島部

2018-12-15 | 日記
南三陸町歌津地区の半島部は、殆どが台地状になっていて、そこに細い集落道や農道が
縦横に通じていて、点在する耕作地と集落を結んでいます。
ただ、現在は耕作放棄された田畑の方が多いようで、丈の高いヨモギやススキの草地に
変わりつつあります。

4ヶ月前、歌津地区半島部の農道歩きをしていて見つけたのが、見慣れない白花です。
観察したときから月日が経ったので、自生ポイントの記憶は曖昧ですが、たしか畑跡の林際
だったような・・素性が判らずに、随分放置しまいましたから・・・
花や葉を見ると、何科の植物か見当がつくことが多いのに、この植物にはそれが当てはま
りませんでしたからね。




                             二枚とも2018.8.19撮影

コタツで「山と渓谷社 秋の野草」のページをめくっていると、「ミズタマソウ」という
アカバナ科の植物が載っていて、葉や花の形が私の写真の植物によく似ています。
特に白い花弁から突き出した、雌しべらしきものが印象的です。
分布域は北海道~九州となっていて、山地の適湿な林縁や林床に自生となっていますから、
ミズタマソウで間違いないでしょう。
ネット記事には、谷間の耕作放棄地などに自生、とも記されていました。

名前の由来は果実にあって、白毛が密に生えた果実に霧や朝露が付いて、「水玉」のように
見えることから。下にそれを想起させる写真を借りてきました。


〈関西の花 ミズタマソウより〉


                                 2018.8.19撮影

アカバナ科ミズタマソウ属の多年草で、北海道〜九州に分布し、草丈は20〜60cm。
丘陵~山地の適湿な林縁や林床、耕作放棄地などに自生する。
茎をほぼ直立させ枝を分ける。茎や枝には下向きの毛が生え、節はふくらみ赤褐色を帯びる
ことが多い。葉は対生し、葉身は長卵形〜卵状長楕円形で長さ5〜13cm、先端は尖り、縁に
は浅い鋸歯がある。基部は円形~くさび形で、葉柄は長さ1~4cm。
花期は8〜9月、茎頂や上部の葉腋から総状花序を出し、白色または淡紅色の小花を付ける。
花弁は長さ1.5mmほど、2個で2中裂する。雄しべ2個、雌しべの柱頭は2岐する。
果実は堅果、やや扁平な球形で幅3〜4mm、4本の縦溝があり、かぎ状毛が密生する。
種子は2個入り、裂開しない。


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