熱く・楽しくいこう!

山岳ガイド 江口正徳の仕事と日常

こんなんでいいの?

2010-09-21 10:31:58 | うんちく・小ネタ

先日のガイド山行中の出来事。

激しい雨の為にその日は予定を変更して山小屋で「完全停滞日」ということで談話室でストーブにあたりながらノンビリ過ごしていました。そこへ、「すみませ~ん、雨宿りさせてくださ~い」との登山者の到着。続いて大勢が続々と登山靴を脱いで山小屋内に上がってきて、談話室は急に賑やかになった。感じからするとなにやら登山ツアーの様子。するとその登山ツアーの中の「ガイド」らしき人物が、「登山コースのことを教えてほしい。これから〇〇行くんだけど〇〇コースは雨では危ない?水流を渡る所はあるの?水が増えても渡れそう?稜線はどんな感じ?」などなど山小屋スタッフに質問責め!(知らないどころか、全く調べてない感じ。感じからして素人) おまけに女性参加者の一人がストーブでズブ濡れになった衣服を乾かしながら、僕たちに向かって「なんでこんな土砂降りの中、登らなきゃならないの!? でもツアーだから行かなきゃならないんですよね~。もうツアーなんか二度と参加しない!」などとブツブツ愚痴を溢す始末(そんなこと僕達に言わないで、ツアー会社に言ってくださいよ~)。 どこのツアーなんですか?と聞いたところ、なんと「〇〇トラベル」とのこと。 昨年、日本登山史上最悪とも言われた「トムラウシ遭難」を巻き起こし、8名もの死者を出した会社ではありませんか。結局な~んにも改善されず、同じことを繰り返している。 挙句の果て、添乗員がガイドに対して放った言葉が印象的だった。「雨に濡れるのはショウガナイッすよね!まあ死にさえしなきゃいいんですよね~」  本当に殴り倒してやりたい気持ちだった。

その後、むしろ酷くなる激しい雨の中、2900mの稜線を目指して山小屋を出発していきました。彼らが去った後、再び静けさが戻った山小屋に残されたのは、彼らがレインウェアも脱がずに山小屋内で休憩した為にビショビショになった床や廊下と座布団でした。

こんなんでいいの?


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長旅! 北アルプス 鷲羽岳・水晶岳・三俣蓮華岳・双六岳

2010-09-21 09:57:37 | ガイド山行/一般登山

9/13~19 で岐阜からご参加の常連お二人様をガイドして黒部源流から水晶岳、鷲羽岳などの北アルプス最奥部を巡ってきました。



僕は登山には「旅」という言葉を使うのは好きではありません(特に「山旅」など)。ですが今回ばかりは敢えて使います。6泊7日はまさしく「長旅」でした。一般的なプランなら3泊4日程度で十分なコースですが、年齢、体力、経験を考慮して今回のような長旅山行としました。やはり例え国内の山行であってもネパールトレッキングのように「ゆったりと」「景色を楽しみながら」「のんびり歩く」ような山行も有りだと思います。各人ごとの嗜好に合せてた楽しみ方、取り組み方ができるのも登山の魅力なのですから・・・ネ!



ということで途中で1日間の悪天候停滞日がありましたが概ね順調に北アルプス最奥部の山々を存分に味わっていただけたようです。お腹いっぱいの山行でした。



雄大な鷲羽岳も山頂はたった一点の頂き。登ってこそ味わえる充実感ですね。



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槍ヶ岳を背にして登るダイナミックさが最高です。



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黒部川源流を眼下に鷲羽岳・ワリモ岳・水晶岳、そして雲の平・・・と連なる山々。この雄大さと奥深さが一番の魅力なのです。



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鏡平からは槍・穂高連峰が朝日を背に輝いていました。「ダイヤモンド槍」といった感でしょうか??



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お二人さま、大変な長期間の山行お疲れ様でした。下山後の6日振りのお風呂は最高にサッパリして気持ち良かったですね!




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西穂~ジャンダルム~奥穂

2010-09-21 09:30:54 | ガイド山行/バリエーションルート登山

9/10~12 西穂~ジャンダルム~奥穂のガイドでした。今回の参加者は三重県伊勢市からご参加のTさん。1名キャンセル者があったのでマンツーマンでの山行となりました。「日本最難の登山道」などどいわれ、約10時間もの長時間を森林限界の岩稜帯で行動するこのコース、当然天候が最も気になるところです。今回も最高の晴天に恵まれて比較的スピーディーに行動できました。やはり何回通っても毎回充実した気分が味わえる好ルートです。

ピラミッドピークからの独標・焼岳・乗鞍岳の山並み。稜線を渡る雲川が美しいですね。

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「ロバの耳」の岩峰。通るたびにいつも思うのですが、こんな所を「登山道」にしておいて良いのでしょうか? 

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憧れの「ジャンダルム」を越えてあと一息! まさに岩の殿堂ですね。

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奥穂山頂に到着~!! 長い行動をお疲れさまでした。でも疲れた肉体と精神には穂高岳山荘までの下りも気が抜けません。最後まで気をつけて行動しましょう~

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