12月のはじめだったか、会長から挨拶があった。
去年の雪の日ころんで痛めた背中と腰が
完治していなかったらしく
冬になって冷えるせいかまた痛むようになった。
きちんと調べてちゃんと治したほうがいいということになったので
しばらく仕事を休むけれどよろしく、とのこと。
というわけで、年末恒例の会長主催
女性事務員だけのお食事会もなかったし
年始に全事業所が集まっての全体朝礼にも会長の姿はなかった。
だいぶ長い休みだなとは思ったけど、社員で娘婿のKさんが
「でも入院はしていなくて自宅で療養してるんですよ」
というので、そのうち出てくるものと思っていた。
ところが、今日、出社すると
社長から「亡くなりました」との報告が。
突然すぎて全然信じられないし訳がわからなかった。
だって二か月前には元気で普通に仕事してたのに。
腰の痛みは結腸癌のためだったそうだ。
検査入院しながら手術の日取りを待っていたが
手術予定の昨日容体が急変して亡くなった、とのこと。
そんな…。
手術、いやだったのかな。
先代の社長が亡くなって十数年、会社を支えてきたけど
もういいかな、って思っちゃったんだろうか。
ずっと一緒に経理事務をやってきたTさんは泣いているし
社長も時々涙ぐんでいるし
それを見るとつられてしまいそうだから見ないようにして
色々思い出すと泣いてしまいそうだから考えないようにして
一日中ぐっと唇噛みしめてて唇がさがさになった。
だって涙声でお客さんの電話に出るわけにいかないもの。
氷川きよしが大好きで、ライブに通ってて
私のEXILE好きを知ってくれてて
チケット事情を話題にしてくれたりしてた。
あの大変な地震も会社で一緒に経験した。
思い出すことはたくさんあるけど、
入社してすぐの頃
「やりたいようにやっていいのよ。
仕事はやりたいようにやらなきゃ続かないもの」
って言ってくれたことが一番心に残ってる。
ほんとに気が楽になったし
自分が一番いいと思うやり方に変えるのに
遠慮しなくなった。
今、会社で仕事してて幸せだと思えるのは
やりたいようにやっているからだもの。
会長。
もう会えないなんて信じられない。
社葬とか やだな。