第一次世界大戦で敗北したオスマン・トルコはその領土を分割され、現在の中東諸国が生まれた。故に国境線が真直ぐな所が多い。クルド人など居住地を複数の国境線が走る。
1924年オスマン政権(カリフ)を追放しトルコ共和国が誕生現在に至る。国父アタティユルク以来トルコは政教分離を推し進めてきた。
初代大統領アタティユルク
現在兵器を曲がりなりにも生産できる中東のムスリム国はトルコだけと言っても過言ではない。イランも武器の生産は、多少はできるがトルコの比ではない。しかも比較的トルコは安定している、デモ等は起きているが紛争までにはなっていない。
現在の中東情勢は政教分離が出来ていない連中の争いでありオーム心理教みたいな連中が国家を持った悲劇と言っても過言ではない。しかも中東は欧米や中ロから武器を購入して戦争をしているということである。これは武器業者から見れば喜劇かもしれない。
かつてこのオスマン・トルコと言う重石があって、中東の平和を維持できていた。スンニ派もシーア派も関係なく「カリフ」と言う強大な王がこの地域を400年も治めていた。民族自決権と言う20世紀を吹き荒れた思想が各民族の独立を促した。結果、その民族いや部族の後ろいる欧米諸国(列強)の力関係でオスマン・トルコ領の分割が行われた。欧米諸国(列強)の後ろ盾が無かったクルド人は居住区の真中に国境線が走ることになった。イスラエル問題は英国の二枚舌により、より複雑になった。
そして部族間の紛争が起こり石油利権に群がる欧米諸国(列強)が武器を与え刀の争いしか出来なかった連中に戦車や戦闘機を与えより複雑な憎しみの連鎖を作り上げた。
同様にソ連崩壊でロシアと袂を分けたウクライナやグルジアなどの旧共和国との間や共和国内での紛争が多発してきた。チェチェン紛争などの良い事例である。最近ではウクライナとロシアとの紛争もそうである。ソ連と言う重石が突然なくなったために起きた紛争である。
俯瞰してみると米国の軍事的影響力の低下が、中国の暴走を招いているのも同様である。強大な力で押さえ付けねば、平和が享受できないという「パクス・ロマーナ」の原理である。
米ソ冷戦時代は、代理戦争はあっても真打の米ソ激突は回避されてきた。これは互いの核戦力を恐れるという恐怖のバランスが働き大きな戦争が回避されてきた。「バランス・オブ・パワー」の原理である。
人類史上この「パクス・ロマーナ」か「バランス・オブ・パワー」でしか平和な時代を創造できていない。九条教はこの人類史に挑戦しているのである。理想としては素晴しいが現実問題としては「寝言」に過ぎない。
中東で日本が好感を持って見られる要因は、この中東の分割に日本は関与していない国際連盟の常任理事国(列強)だった事、キリスト強国で無い事、米国や欧州と戦争した経験があり米国以外の国には勝利している事、特にロシアに勝利している事、敗戦から奇跡の復活をした事、欧米の国より誠実な事、その技術力、経済力などなどである。知人のトルコ人兄弟の受け売りだが。
これらの事は日本人がコーランで「殺せ(コーラン9章5節)」とされている多神教の信者としても中東の人々に尊敬される要因なのだそうだ。
少なくとも世界は九条教やお花畑の連中が幅を利かせるほど甘くはない。まして中東では寝言以外何の役にも立たないどころか足を引っ張る思想だ、それが九条教である。