外交は仲良しクラブではない。多くの左翼をはじめとした日本人は勘違いしている。例え同盟国でも自国の利益が阻害されるのであれば、笑顔で挨拶しながら相手を蹴落とす。ビスマルクが言う「外交とは右手で握手左手にダガー」これが外交の本質である。
例え左翼の方が共産党の国家に便宜を図っても相手は冷酷である。恩や義理と言った目に見えないモノに重きを置かない「唯物論」が共産主義の基本的な要素であり、他の政体の国より冷徹である。
そして外交の裏づけが軍事力である。近代兵学の祖クラウゼビィッツが「戦争(軍事)とは外交の延長線上にある」と定義着けしている。つまり軍事力が無い(自衛力しかない)日本が外交で相手を自分の意に強要することが出来る力は「金の力」しかない。残念ながらこれが日本の現状である。
中国との交渉で恐らく中国は自らの軍事力を脅しに使っているハズである。二十数年ほど以前に駐日スーダン大使だった方から直接聞く機会があった。
同盟国の米国も同様に信用してはいけない。在日米軍基地での重力測定は1980年代前半に終了している。これはICBM着弾の誤差を無くすための作業である。在日米軍基地がもし反米国家の手に落ちた場合、米国は遠慮なくICBM(恐らく戦術核)を在日米軍基地打ち込む準備が完了したと言うことである。米国を侮ってはいけない。
しかしヤルタ会談の精神に基づき(第二次世界大戦の連合国は、領土的野心はない)、小笠原や沖縄を日本に返還した。この件はやはり米国の評価は他国(ロシア)に比べ圧倒的に高い。現在のオバマ政権がトンチキなだけだ。
外交は言葉による戦争でもある。断じて仲良しクラブではない、日本のマスコミは勘違いしているようだ。
*肖像画はクラウゼビィッツ