クリスマス・ジャンパー Christmas jumper!私の大好きなイギリスの季節の風物詩!!
「ジャンパー」というのはイギリス英語で「セーター」のことです。
イギリス人のクリスマス観を端的に表現する、もっとも即物的で視覚的な例です!
クラシックな北欧調のトナカイや雪の結晶柄などの しかも手編みのもの、あるいはデザイナーブランドの高級品などももちろんありますが、その多くは、キッチュです!
「クリスマスは欧米人にとって聖なる儀式であり、家族の絆を静かに深める習慣だ。日本人のクリスマスにまつわる商業主義を見直すべきである」
「キリスト教徒でもない日本人が西洋の習慣にあやかってクリスマスを口実にどんちゃん騒ぎをするのは本家の西洋諸国に対して顔向けできない愚行である」....
...と思っている日本の方も けっこういらっしゃるのではないでしょうか。日本に住んでいたころの私もそうでした。
日本の有識者なんかがいまだにそんな発言をしていますよね。
断言します、それは日本人の思い込みです!クリスマス・ジャンパー文化を通じてありのままの西洋文化の再認識をお願いします。
他の「欧米諸国」のことは知りません!がしかし、イギリスに関していえば、多くの人に信仰はなく、クリスマスは単に楽しむ / 儲けるためのかっこうの口実なのです。
ダイエットも放棄しておいしいものをおなか一杯食べる、この時期こそとアルコールの摂取量を上げる、ほしかったものを我慢しないで買う、あるいは親しい人に買ってもらう、子供たちをプレゼント漬けで甘やかす、職場や学校やご近所など所属するあらゆる団体がこぞって親睦を深めあう!
......ついでに言えば 負債をこしらえる、ストレスで仲たがいをする、孤独感をかえって深める、 アルコールがらみの事件の多発 など 「クリスマス・デフィシット現象」も顕著です。
こういった機会を装いで盛り上げてくれるのがクリスマス・ジャンパーなのです。
カジュアルなパーティーや職場、学校、気の置けない家族の集まりにクリスマス・ジャンパーを着ていくのは「かたいこと言わないで、この季節をめいっぱい楽しんでいる!!!」 というビジュアルな表現/主張なのだ と私は思うのですが、どうでしょうか。
イギリスでも「みんなが楽しんでいる時に楽しんでいないのがまるわかり」「他人の楽しみに水を差す」人と思われるのは 社会生活上 ちょっと厄介です。
そういう人たちのことは英語で wet blanket ( 燃え盛る火をけす濡れ毛布)といいます。もしかして日本では「空気が読めない」というのがこれに当たるのでは?(え、用法が間違っている?)
以上、庶民派スーパー、アスダAsda と比較的高級志向のスーパー、セインズベリー Saindsbury の衣料品売り場で撮りました。
大手スーパーの自社ブランド衣料ですので 価格はお手頃、着ている人もよく見かけます。
もちろん、ほとんどの衣料メーカーが品質はピンからキリまで各自ものすごい数のクリスマス・ジャンパーを製造販売しているのです!
そろそろ、店員、テレビ番組の司会者はもちろん、市役所、工事現場、セキュリティ、清掃、郵便、学校の先生等 公共の場で働く人々すべて、町ゆく人々のほぼ10人に1人がクリスマス・ジャンパー着用というイギリス狂奔の一週間に突入です。
クリスマスに家族が集まってすごすことにこだわり、喜びを見出す人がほとんどなのも事実です。
ホームレスや途上国の人々、恵まれない子どもたちなど喜びの季節からとりこぼれた人たちに対する援助を呼びかける運動、それにこたえる一般の人々の数が激増するのもこの時期のイギリスの特徴だ とも付け加えておかなければなりません。
「喜びを分かち合う」善意の習慣がしっかりと残っているのです。
キリストの生誕を心から祝う敬虔なキリスト教徒も もちろんいますし、クリスマスそのものを認めない厳格なキリスト教ー派も存在します。
明日からはクリスマス・ジャンパーのモチーフとその傾向分析を記事にするつもりです。
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